[場所1E103(金曜日5限)]
HPに行く.
今日はラグランジュの未定乗数法を行いました。
ラグランジュの未定乗数法については、去年のページ
2014年微積分II演習(第7回)
があります.詳しくはそちらをみてください.
前半はラグランジュの未定乗数法がどうして出てきたのかついて書かれています.
わからなければ無視してください.
条件式2つの2変数関数とするときは、教科書(P.140)に載っていますので
そちらを参照してください.
2014年微積分II演習(第7回)には、途中の、条件付き関数の極値というところでは、授業中にやっていた計算を
少し効率よくやっています.
また、円盤上の関数の極値についても例も解説しています.
そちらは授業中にやる時間がありませんでしたので
詳しいやり方がみたい人はそちらを読んでください.
このページでは、少し一般的な書き方をします.
ラグランジュの未定乗数法
ラグランジュの未定乗数法というのは、
条件式一つ、で2変数関数の場合にかけば、
条件式 g(x,y)=0 があったときに、関数 f(x,y) があったときに
その条件の元での関数の極値を求めるには、
H(x,y,\lambda)=f(x,y)-\lambda g(x,y)
という関数を立てて、その3変数関数 H(x,y,\lambda) の極値を考えればよいですよ.
ということになります.
つまり、
\left\{\begin{array}{l}H_x(x,y,\lambda)=0\\H_y(x,y,\lambda)=0\\H_\lambda(x,y,\lambda)=0\end{array}\right.
なる方程式を解けばよいわけです.
ただ、これは、極値の候補を出しているだけので、本当に極値かどうかは
ちゃんと判定する必要があります.
授業中に難しそうにしていたものは、これは、単に、微分が消えているところだから、本当に極値になりますか?ということを示していたわけです.
去年のページでも
条件式 g(x,y)=x^2+y^2-2 であり、
関数 f(x,y)=y-x の場合に少し効率よくやってあります.
ここでは、大まかな流れだけ書いておきます.
まずは極値を出す
条件式が g(x,y)=0 があり、関数を f(x,y) とします.
ラグランジュの未定乗数法により、極値の候補を (a_1,b_1),\cdots,(a_n,b_n)
とします.
(a_i,b_i) についてやれば、
f_x(a_i,b_i)-\lambda_ig_x(a_i,b_i)=0
f_y(a_i,b_i)-\lambda_ig_y(a_i,b_i)=0
-g(a_i,b_i)=0
です.
この n 個の点の周辺で、陰関数 y=\varphi_i(x) を作っておきます.
(これは、g_y(a_i,b_i)\neq 0 の場合です.)
そうすると、陰関数だから、g(x,\varphi_i(x))=0 が成り立ち、
合成関数の微分法から、
g_x(x,\varphi_i(x))+g_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)=0
が成り立ちます.
とくに、g_x(a_i,\varphi_i(a_i))+g_y(a_i,\varphi_i(a_i))\varphi_i'(a_i)=0
です.
よって、
\varphi_i'(a_i)=-\frac{g_x(a_i,b_i)}{g_y(a_i,b_i)}
となります.また、2回微分も計算しておくと、
\varphi_i''(a_i)=\frac{-g_{xx}(a_i,b_i)g_y(a_i,b_i)^2-g_x(a_i,b_i)^2g_{yy}(a_i,b_i)+2g_x(a_i,b_i)g_{xy}(a_i,b_i)g_y(a_i,b_i)}{g_y(a_i,b_i)^3}
が成り立ちます.
F_i(x)=f(x,\varphi_i(x))
とおきます.
問題は、F_i(x) の微分が消えている、x=a_i の周りで、極値となるか、
つまり、2回微分が正か負になっているかということです.
そのとき、正であれば、極小値、負であれば、極大値となります.
微分が 0 であること
まずは、微分が消えているかどうかチェックすると、
F_i'(a_i)=f_x(a_i,\varphi_i(a_i))+f_y(a_i,\varphi_i(a_i))\varphi_i'(a_i)=f_x(a_i,b_i)+f_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)=\lambda_ig_x(a_i,b_i)+\lambda_ig_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)
=\lambda_i(g_x(a_i,b_i)+g_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i))
であり、\varphi_i(x) が g(x,y)=0 の陰関数であることから、
g_x(a_i,b_i)+g_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)=0 であるので、
F_i'(a_i)=0
が示されました.
2回微分について
次は2回微分です.
F'_i(x)=f_x(x,\varphi_i(x))+f_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x) を微分すると、
\begin{eqnarray*}F''_i(x)&=&f_{xx}(x,\varphi_i(x))+f_{xy}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)+f_{yx}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)+f_{yy}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)^2+f_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i''(x)\\&=&f_{xx}(x,\varphi_i(x))+2f_{xy}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)+f_{yy}(x,y)\varphi_i'(x)^2+f_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i''(x)\end{eqnarray*}
となります.
(a_i,b_i) を入れると、
F_i''(a_i)=f_{xx}(a_i,b_i)+2f_{xy}(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)+f_{yy}(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)^2+f_y(a_i,b_i)\varphi_i''(a_i)
ここで、上の \varphi'_i(a_i) と \varphi_i''(a_i) の式を使います.
この計算をして、F_i(x) の x=a_i での極値の判定ができるようになります.
HPに行く.
今日はラグランジュの未定乗数法を行いました。
ラグランジュの未定乗数法については、去年のページ
2014年微積分II演習(第7回)
があります.詳しくはそちらをみてください.
前半はラグランジュの未定乗数法がどうして出てきたのかついて書かれています.
わからなければ無視してください.
条件式2つの2変数関数とするときは、教科書(P.140)に載っていますので
そちらを参照してください.
2014年微積分II演習(第7回)には、途中の、条件付き関数の極値というところでは、授業中にやっていた計算を
少し効率よくやっています.
また、円盤上の関数の極値についても例も解説しています.
そちらは授業中にやる時間がありませんでしたので
詳しいやり方がみたい人はそちらを読んでください.
このページでは、少し一般的な書き方をします.
ラグランジュの未定乗数法
ラグランジュの未定乗数法というのは、
条件式一つ、で2変数関数の場合にかけば、
条件式 g(x,y)=0 があったときに、関数 f(x,y) があったときに
その条件の元での関数の極値を求めるには、
H(x,y,\lambda)=f(x,y)-\lambda g(x,y)
という関数を立てて、その3変数関数 H(x,y,\lambda) の極値を考えればよいですよ.
ということになります.
つまり、
\left\{\begin{array}{l}H_x(x,y,\lambda)=0\\H_y(x,y,\lambda)=0\\H_\lambda(x,y,\lambda)=0\end{array}\right.
なる方程式を解けばよいわけです.
ただ、これは、極値の候補を出しているだけので、本当に極値かどうかは
ちゃんと判定する必要があります.
授業中に難しそうにしていたものは、これは、単に、微分が消えているところだから、本当に極値になりますか?ということを示していたわけです.
去年のページでも
条件式 g(x,y)=x^2+y^2-2 であり、
関数 f(x,y)=y-x の場合に少し効率よくやってあります.
ここでは、大まかな流れだけ書いておきます.
まずは極値を出す
条件式が g(x,y)=0 があり、関数を f(x,y) とします.
ラグランジュの未定乗数法により、極値の候補を (a_1,b_1),\cdots,(a_n,b_n)
とします.
(a_i,b_i) についてやれば、
f_x(a_i,b_i)-\lambda_ig_x(a_i,b_i)=0
f_y(a_i,b_i)-\lambda_ig_y(a_i,b_i)=0
-g(a_i,b_i)=0
です.
この n 個の点の周辺で、陰関数 y=\varphi_i(x) を作っておきます.
(これは、g_y(a_i,b_i)\neq 0 の場合です.)
そうすると、陰関数だから、g(x,\varphi_i(x))=0 が成り立ち、
合成関数の微分法から、
g_x(x,\varphi_i(x))+g_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)=0
が成り立ちます.
とくに、g_x(a_i,\varphi_i(a_i))+g_y(a_i,\varphi_i(a_i))\varphi_i'(a_i)=0
です.
よって、
\varphi_i'(a_i)=-\frac{g_x(a_i,b_i)}{g_y(a_i,b_i)}
となります.また、2回微分も計算しておくと、
\varphi_i''(a_i)=\frac{-g_{xx}(a_i,b_i)g_y(a_i,b_i)^2-g_x(a_i,b_i)^2g_{yy}(a_i,b_i)+2g_x(a_i,b_i)g_{xy}(a_i,b_i)g_y(a_i,b_i)}{g_y(a_i,b_i)^3}
が成り立ちます.
F_i(x)=f(x,\varphi_i(x))
とおきます.
問題は、F_i(x) の微分が消えている、x=a_i の周りで、極値となるか、
つまり、2回微分が正か負になっているかということです.
そのとき、正であれば、極小値、負であれば、極大値となります.
微分が 0 であること
まずは、微分が消えているかどうかチェックすると、
F_i'(a_i)=f_x(a_i,\varphi_i(a_i))+f_y(a_i,\varphi_i(a_i))\varphi_i'(a_i)=f_x(a_i,b_i)+f_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)=\lambda_ig_x(a_i,b_i)+\lambda_ig_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)
=\lambda_i(g_x(a_i,b_i)+g_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i))
であり、\varphi_i(x) が g(x,y)=0 の陰関数であることから、
g_x(a_i,b_i)+g_y(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)=0 であるので、
F_i'(a_i)=0
が示されました.
2回微分について
次は2回微分です.
F'_i(x)=f_x(x,\varphi_i(x))+f_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x) を微分すると、
\begin{eqnarray*}F''_i(x)&=&f_{xx}(x,\varphi_i(x))+f_{xy}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)+f_{yx}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)+f_{yy}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)^2+f_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i''(x)\\&=&f_{xx}(x,\varphi_i(x))+2f_{xy}(x,\varphi_i(x))\varphi_i'(x)+f_{yy}(x,y)\varphi_i'(x)^2+f_y(x,\varphi_i(x))\varphi_i''(x)\end{eqnarray*}
となります.
(a_i,b_i) を入れると、
F_i''(a_i)=f_{xx}(a_i,b_i)+2f_{xy}(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)+f_{yy}(a_i,b_i)\varphi_i'(a_i)^2+f_y(a_i,b_i)\varphi_i''(a_i)
ここで、上の \varphi'_i(a_i) と \varphi_i''(a_i) の式を使います.
この計算をして、F_i(x) の x=a_i での極値の判定ができるようになります.
0 件のコメント:
コメントを投稿