2015年10月22日木曜日

微積分II演習第2回のレポートについて

レポートを採点していますが、

連続であることを示す方法がわかっていないようです.

ほとんどの人が証明をかけていません.
今回の宿題にも関わりますので少し書き方を書いておきます.


2-1の問題でやりましょう.

宿題2-1
まず、特定の近づき方のみで連続であることを述べているのは論外です.

たとえば、$x$ を $0$ にしてから $y$ を $0$ にするという近づき方で
原点に近づくときと、
$y$ を $0$ に近づいてから $x$ を $0$ に近づくときに一致するからといって
連続であるとは限りません.

2-1の問題の証明

$f(x,y)=\frac{xy\sin(xy)+(x^2+y^2)\cos(x^2+y^2)}{x^2+y^2}$
が1に近づくことを証明します.
何を証明すれば良いかというと、任意の $(0,0)$ に近づく点列 $(x_n,y_n)$ を
とったときに、

$|f(x_n,y_n)-1|$ の値が $n$ を十分大きくしたときに限りなく $0$ に近くなることを言えばよいです.

また、2項ありますので、それぞれ収束することを示すことで、極限の和の公式を使うこともできます.

$$\lim_{n\to \infty }(a_n+b_n)=\lim_{n\to \infty}a_n+\lim_{n\to \infty}b_n$$
です.
このとき、この和公式が成り立つには、それぞれが収束していないといけません.


ここで、$(0,0)$ に近づく任意の点列を取ります.
それを、$(x_n,y_n)=(r_n\cos\theta_n,r_n\sin\theta_n)$ とします.
そのとき、

今、第一項は、
$|\frac{r_n^2\cos\theta_n\sin\theta_n\sin(r_n^2\cos\theta_n\sin\theta_n)}{r_n^2}|=|\cos\theta_n\sin\theta_n\sin(r_n^2\cos\theta_n\sin\theta_n)|$
$\le| \sin(r_n^2\cos\theta_n\sin\theta_n)|$   (*)

ここで、$z_n=r_n^2\cos\theta_n\sin\theta_n$ とおくと、
$n\to \infty $ により、$z_n\to 0$ になります.
証明すると、
$|z_n|\le r_n^2\to 0$ となるので、$z_n\to 0$ となります.

$\sin $が連続関数であることを使えば、

$\sin(z_n)\to 0$
がいえます.

よって、$|\frac{r_n^2\cos\theta_n\sin\theta_n\sin(r_n^2\cos\theta_n\sin\theta_n)}{r_n^2}|\to 0$
がいえる.今、任意の点列をとって収束が示されたので、
$\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{xy\sin(xy)}{x^2+y^2}\to 0$ が示された.

また、第2項目は、
$\frac{(x^2+y^2)\cos(x^2+y^2)}{x^2+y^2}=\cos(x^2+y^2)$ であり、
$\cos(x^2+y^2)$ は原点で連続です.

$\cos$ 関数も $x^2+y^2$ 関数も連続なので、その合成関数も連続
よって、極限も存在し、

$\lim_{(x,y)\to (0,0)}\cos(x^2+y^2)=1$ となる.
よって上の和公式により、$\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{xy\sin(xy)+(x^2+y^2)\sin(x^2+y^2)}{x^2+y^2}=1$
となる.

よって連続の流れとしては、
任意の点列をとる.
$(x_n,y_n)=(r_n\cos\theta_n,r_n\sin\theta_n)$ とする.
関数 $|f(x_n,y_n)-a|$ がいくらでも小さい(0に近い)数列 $A_n$ で抑えられることを示す.

つまり、$|f(x_n,y_n)-a|\le A_n$
たとえば、$A_n=r_n$ や、 $3r_n^2$ などなど.
よって、$f(x_n,y_n)\to a$ がいえる.
任意の点列をとっていたので、
$\lim_{(x,y)\to (0,0)}f(x,y)\to a$ がいえる.
です.
今回の宿題にも連続性を示す箇所があるのでこのページを参考に証明を考えて下さい.

さらに、例題を追加します.


別の例題
$f(x,y)=\frac{3x^2y+y^3}{x^2+y^2}$
が原点でも連続であることの証明。

原点以外での連続性は、連続関数の和、積、商、合成ですので連続です.
原点での連続性を示します.

$(0,0)$ に収束する点列 $(x_n,y_n)=(r_n\cos\theta_n,r_n\sin\theta_n)$ とします.
この点列は、原点に収束しますので、$r_n\to 0$ です.
このとき、
$$|f(x_n,y_n)|=|\frac{3r_n^3(\cos^2\theta_n\sin\theta_n+\sin^3\theta_n)}{r^2_n}|$$
$$\le r_n|3\cos^3\theta_n\sin\theta+\sin^3\theta_n|$$
(ここでのポイントは絶対値をとることです。
絶対値を取らないと、たとえ右辺が $0$ に収束するとしても、$f(x_n,y_n)$ の値が負の数に向かっているというだけで、収束するともそうでないとも言っていません.

ですので、絶対値は必ずです.)

続けます.三角不等式を使うと、

$$\le r_n|3\cos^3\theta_n\sin\theta+\sin^3\theta_n|\le r_n(3|\cos^2\theta_n\sin\theta|+|\sin^3\theta_n|)\le 4r_n$$
となります.
(ここでのポイントは、右辺を何でもよいから、収束する数列で抑えることです.その際、余分な$\theta_n$ などの収束に無関係なものが排除できるとよいです.)

よって、$r_n\to 0$ ですので、
$|f(x_n,y_n)|\to 0$ がいえます.このことから、$\lim_{n\to \infty}f(x_n,y_n)=0$
がいえます。

よって、任意の $0$ に収束する点列 $(x_n,y_n)$ に対して $f(x_n,y_n)$ が収束するので、$f(x,y)$ の $(0,0)$ への極限が存在して、
$$\lim_{(x,y)\to (0,0)}f(x,y)=0$$
となります。

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