[場所1E103(月曜日4限)]
HPに行く.
開基について
開集合には空集合が含まれていますが、開基には空集合をふくみません.
これも、約束だけのことですので、もしかしたら含まれると書いてある本もあるかもしれません.
というのも、
位相空間の開基 $\beta$ とは、開基に含まれる開集合の集合 $\{B_a|a\in A\}\subset \beta$ の和集合 $\cup_{a\in A}B_a$ によって作られる開集合全体が位相となるような集合のことです.$A$ として空集合をとったときは、この和集合も空集合となり、形式的に空集合も開基から作ることができるわけです.
なので、開集合にはいつでも空集合が含まれますが、開基には含まれていないことがあります.
第6回で残った問題
問題60
${\mathbb R}^2$に通常の距離位相を入れる.このとき、部分集合${\mathbb R}$を考える.
(1) $a,b\in {\mathbb R}$に対して、開区間$(a,b)$は$(a,b)=B\cap {\mathbb R}$となるような${\mathbb R}^2$上の開集合$B\subset {\mathbb R}^2$が存在することを示せ.
(2) $\beta$を${\mathbb R}^2$上の位相のある開基とする.このとき、$\beta\cap{\mathbb R}=\{B\cap {\mathbb R}|B\in \beta\}$が${\mathbb R}$の通常の距離位相の開基になっていることを示せ.
(3) ${\mathbb R}^2$における${\mathbb R}$の相対位相は通常の${\mathbb R}$の距離位相であることを示せ.
(略解答orヒント)
(1) 四角形でよい.
(2) $\{B\cap {\mathbb R}|B\in \beta\}$ を開基とする開集合 $U$ を任意に取ったときに、$U={\mathbb R}\cap V$ となる${\mathbb R}^2$ の開集合 $V$ が存在することを示せ.
(3) ${\mathbb R}$ や ${\mathbb R}^2$ において開区間や開円盤を開基とするような位相は通常の距離空間であることから、(1,2)を使う.
問題61
$S_+^1=\{(x,y)\in {\mathbb R}^2|x^2+y^2=1,x>0\}$と実数全体は同相であることを示せ.
ただし、$S^1_+$には${\mathbb R}^2$上の通常の距離位相からくる相対位相が入っているとする.
(ヒント)
$y\mapsto (\sqrt{1-y^2},y)$ なる関数で、$(-1,1)$ と同相であることを示せ.問題95も参考にせよ.
一対一連続(逆写像も連続)を示す.$\sqrt{1-y^2}$ は連続であることは使ってもよい.
また、$(-1,1)$ と実数全体を何かの関数で同一視せよ.
問題27を使って直接実数全体と連続な写像を作ってもよい.
問題62
各$\frak{T}_a\ (a\in \Omega)$を集合$X$の位相とするとき、$\cap_a\frak{T}_a$も$X$の位相となることを
証明せよ.$\cup_{a}\frak{T}_a$についてはどうか?
(ヒント)
位相の定義に戻るとできると思います.
問題65
$X$を位相空間、$A\subset X$とするとき、$\text{Cl}(A)-A$が閉集合となるためには、$A=G\cap F$となる開集合$G$と閉集合$F$が存在することが必要十分であることを証明せよ.
(略解答)
必要性は、$\text{Cl}(A)=A\cup V$ なる閉集合 $V$ が存在する.ただし、$A\cap V=\emptyset$ としてよい.よって、$A=\text{Cl}(A)-V$ となる.
十分性は、$\text{Cl}(G\cap F)-(G\cap F)=\text{Cl}(G\cap F)\cap (G\cap F)^c$ が閉集合であることを示せばよい.
$\text{Cl}(A)\cap F=\text{Cl}(A)$ であることに気づけば閉集合であることは、閉包が自分自身と一致することを使わなくてもできる.
問題66
(略解答)
$\Rightarrow$ は部分位相の定義から.$\Leftarrow$ は $A_i-A_i\cap G$ が $A_i$ の中で閉集合であることからわかる.
問題67
$X$ を位相空間、$A$ を $X$ の閉集合とする.$U$ を部分空間 $A$ の開集合、 $V$ を、$U\subset V$ を満たす $X$ の開集合とすると、$U\cup(V-A)$ は $X$ の開集合となることを証明せよ.
(略解答)
$U^c\cap A$ は$A$ の閉集合。よって、$U^c\cap A$ は$X$ で閉集合.
$U^c=(U^c\cap A)\cup A^c$ は$X$ で閉集合.
$U^c\cap (V-A)^c$ が閉集合であることを示す.
問題68
$A=\{0\}\cup\{x\in{\mathbb R}||x|>1\}$とし、$A\ni x$に対し、
$$A\cap\{(a,b) \ \ \ (a<x<b;a,b\in A)$$
を$x$の近傍として定まる$A$の位相は、実数空間${\mathbb R}$の部分空間としての$A$の相対位相と異なることを証明せよ.
(略解答)
もし相対位相なら、$\{0\}$ が開集合として入っていることになる.
この事実と、上記の位相の中に $\{0\}$ が入らないことを示す.
HPに行く.
開基について
開集合には空集合が含まれていますが、開基には空集合をふくみません.
これも、約束だけのことですので、もしかしたら含まれると書いてある本もあるかもしれません.
というのも、
位相空間の開基 $\beta$ とは、開基に含まれる開集合の集合 $\{B_a|a\in A\}\subset \beta$ の和集合 $\cup_{a\in A}B_a$ によって作られる開集合全体が位相となるような集合のことです.$A$ として空集合をとったときは、この和集合も空集合となり、形式的に空集合も開基から作ることができるわけです.
なので、開集合にはいつでも空集合が含まれますが、開基には含まれていないことがあります.
第6回で残った問題
問題60
${\mathbb R}^2$に通常の距離位相を入れる.このとき、部分集合${\mathbb R}$を考える.
(1) $a,b\in {\mathbb R}$に対して、開区間$(a,b)$は$(a,b)=B\cap {\mathbb R}$となるような${\mathbb R}^2$上の開集合$B\subset {\mathbb R}^2$が存在することを示せ.
(2) $\beta$を${\mathbb R}^2$上の位相のある開基とする.このとき、$\beta\cap{\mathbb R}=\{B\cap {\mathbb R}|B\in \beta\}$が${\mathbb R}$の通常の距離位相の開基になっていることを示せ.
(3) ${\mathbb R}^2$における${\mathbb R}$の相対位相は通常の${\mathbb R}$の距離位相であることを示せ.
(略解答orヒント)
(1) 四角形でよい.
(2) $\{B\cap {\mathbb R}|B\in \beta\}$ を開基とする開集合 $U$ を任意に取ったときに、$U={\mathbb R}\cap V$ となる${\mathbb R}^2$ の開集合 $V$ が存在することを示せ.
(3) ${\mathbb R}$ や ${\mathbb R}^2$ において開区間や開円盤を開基とするような位相は通常の距離空間であることから、(1,2)を使う.
問題61
$S_+^1=\{(x,y)\in {\mathbb R}^2|x^2+y^2=1,x>0\}$と実数全体は同相であることを示せ.
ただし、$S^1_+$には${\mathbb R}^2$上の通常の距離位相からくる相対位相が入っているとする.
(ヒント)
$y\mapsto (\sqrt{1-y^2},y)$ なる関数で、$(-1,1)$ と同相であることを示せ.問題95も参考にせよ.
一対一連続(逆写像も連続)を示す.$\sqrt{1-y^2}$ は連続であることは使ってもよい.
また、$(-1,1)$ と実数全体を何かの関数で同一視せよ.
問題27を使って直接実数全体と連続な写像を作ってもよい.
問題62
各$\frak{T}_a\ (a\in \Omega)$を集合$X$の位相とするとき、$\cap_a\frak{T}_a$も$X$の位相となることを
証明せよ.$\cup_{a}\frak{T}_a$についてはどうか?
(ヒント)
位相の定義に戻るとできると思います.
問題65
$X$を位相空間、$A\subset X$とするとき、$\text{Cl}(A)-A$が閉集合となるためには、$A=G\cap F$となる開集合$G$と閉集合$F$が存在することが必要十分であることを証明せよ.
(略解答)
必要性は、$\text{Cl}(A)=A\cup V$ なる閉集合 $V$ が存在する.ただし、$A\cap V=\emptyset$ としてよい.よって、$A=\text{Cl}(A)-V$ となる.
十分性は、$\text{Cl}(G\cap F)-(G\cap F)=\text{Cl}(G\cap F)\cap (G\cap F)^c$ が閉集合であることを示せばよい.
$\text{Cl}(A)\cap F=\text{Cl}(A)$ であることに気づけば閉集合であることは、閉包が自分自身と一致することを使わなくてもできる.
問題66
$A_i\ (i=1,...,n)$は位相空間$X$の閉集合で、$X=\cup_i(A_i)$とする.
$G$ は$X$ の開集合 $\Leftrightarrow$ $G\cap A_i$が部分空間$A_i$の開集合$(1\le i\le n)$
を証明せよ.
(略解答)
$\Rightarrow$ は部分位相の定義から.$\Leftarrow$ は $A_i-A_i\cap G$ が $A_i$ の中で閉集合であることからわかる.
問題67
$X$ を位相空間、$A$ を $X$ の閉集合とする.$U$ を部分空間 $A$ の開集合、 $V$ を、$U\subset V$ を満たす $X$ の開集合とすると、$U\cup(V-A)$ は $X$ の開集合となることを証明せよ.
(略解答)
$U^c\cap A$ は$A$ の閉集合。よって、$U^c\cap A$ は$X$ で閉集合.
$U^c=(U^c\cap A)\cup A^c$ は$X$ で閉集合.
$U^c\cap (V-A)^c$ が閉集合であることを示す.
問題68
$A=\{0\}\cup\{x\in{\mathbb R}||x|>1\}$とし、$A\ni x$に対し、
$$A\cap\{(a,b) \ \ \ (a<x<b;a,b\in A)$$
を$x$の近傍として定まる$A$の位相は、実数空間${\mathbb R}$の部分空間としての$A$の相対位相と異なることを証明せよ.
(略解答)
もし相対位相なら、$\{0\}$ が開集合として入っていることになる.
この事実と、上記の位相の中に $\{0\}$ が入らないことを示す.
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