2017年7月10日月曜日

微積分I演習(数学類)(第10回)

[場所1E103(水曜日4限)]

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今回は
  • 無理関数の積分についてやりました。
無理関数の積分

この話題は、今年も物理学類の授業で扱ったので大部分省略します。
2017年微積分I演習(物理学類)(第10回)(リンク)

$\sqrt{a+bx}$ と$x$ で作られる有理関数、例えば

$$\frac{x+(x^2+1)\sqrt{x+2}}{\sqrt{x+2}+1},\frac{\sqrt{x+3}}{1+x+x\sqrt{x+3}}$$

などの関数は、$t=\sqrt{a+bx}$ とおいて、式を整理することで
$t$の有理関数の積分になります。そして、あとは、有理関数の積分に帰着します。
このとき、無理関数の部分は同じもののみだとよいです。


$\sqrt{ax^2+bx+c}$ と $x$ で作られる有理関数の場合は

2次式に実数根を持つ場合は、
$t=\sqrt{\frac{a(x-\beta)}{x-\alpha}}$ としておく。

2次式に虚数根を持つ場合は、
$\sqrt{ax^2+bx+c}=t-\sqrt{a}x$ とおきます。
ただし、$a>0$ です。
このとき、

$$x=\frac{t^2-c}{2\sqrt{a}t+b}$$
$$\frac{dx}{dt}=\frac{2(\sqrt{a}t^2+bt+\sqrt{a}c)}{(2\sqrt{a}t+b)^2}$$
$$\sqrt{ax^2+bx+c}=\frac{\sqrt{a}t^2+bt+\sqrt{a}c}{2\sqrt{a}t+b}$$

となり、全体として、被積分関数は、$t$ の有理関数となります。

また他の変換変換であれば、

$x=\frac{2t}{1-t^2}$ もあり、計算により
$$\sqrt{1+x^2}=\frac{1+t^2}{1-t^2}$$
$$\frac{dx}{dt}=\frac{2(1-t^2)-2t(-2t)}{(1-t^2)^2}=\frac{2(1+t^2)}{(1-t^2)^2}$$
が成り立ちます。

その他の公式について

$$\int_0^x\frac{1}{\sqrt{1-t^2}}dt=\text{Arcsin}(x)$$
$$\int_0^x\frac{1}{\sqrt{1+t^2}}dt=\text{Arsinh}(x)$$
また、
$$\int_0^x\frac{1}{1+t^2}dt=\text{Arctan}(x)$$
であるが、
$$\int_0^x\frac{1}{1-t^2}dt=\frac{1}{2}\log\frac{1+x}{1-x}=\text{Artanh}(x)$$
となります。

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