[場所1E103(水曜日4限)]
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今回は
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今回は
- 広義積分の収束について
をもう一度やりました。
広義積分
広義積分 $\int_a^bf(x)dx$ はうまく積分できる(できない)部分をふるい出すことが
必要です。
例
$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log \sin xdx$ が広義積分できるかどうかの判定
をします。
問題の1つ目は、どこで広義積分が起こっているか?をみることです。
そのため、積分区間の間で無限大に発散するところを探します。
この例の場合、$x\to 0$ において、$\log\sin x\to -\infty$ となります。
なので、$x=0$ において、この積分は広義積分になっています。
それ以外の点では、通常の積分であり、有限区間、かつ連続関数なので、
積分可能です。
問題の2つ目は広義積分が可能かどうかの見極めですが....
$x=0$ で積分できるかを考えます。
まず、
$\log \sin x=\log x+\log\frac{\sin x}{x}$ をして、$\log x$ の部分を無理やりくくり出します。
どうしてこのようにするのか?というと、$\sin x$ は、
$x=0$ の近くで、$\sin x=x-\frac{x^3}{3!}+\cdots$ のようにテイラー展開ができます。
$x=0$ の中で積分の収束の判定にはそのトップの項 $x$ が必要なので、
その部分をくくりだそうとしたのです。
($\log \sin x$ より、$\log x$ の方が収束の判定としては計算しやすいので
その部分に置き換えたいということもできます。)
また、$x$ をくくり出した残り、$\log \frac{\sin x}{x}$ が積分可能かどうかですが、
$x\to 0$ において、$\frac{\sin x}{x}\to 1$ なので、$x\to 0$ において
$\log\frac{\sin x}{x}$ も有限な値 $0$ に近づきます。なので、
$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{\sin x}{x}dx$ は通常の積分と思えるわけです。
このことから、
$$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log \sin xdx=\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx+\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log\frac{\log x}{x}dx$$
のうち、前者 $\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx$ の広義積分可能性を考えれば
良いことになります。
しかし、$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx$ は、そのまま積分してやると、
$$\lim_{\epsilon\to 0}\left[x\log x-x\right]_\epsilon^{\frac{\pi}{2}}$$
となります。問題は、$\lim_{x\to 0}x\log x$ の存在ですが、
ロピタルの定理を用いてやると、
$$\lim_{x\to 0}x\log x=\lim_{x\to 0}\frac{\log x}{\frac{1}{x}}=\lim_{x\to 0}\frac{\frac{1}{x}}{-\frac{1}{x^2}}=0$$
がいえるので、結局、$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx=\frac{\pi}{2}\left(-1+\log\frac{\pi}{2}\right)$ ということになります。
このようなくくり出しの議論により、
$\int_0^{\frac{\pi}{4}}\log(\tan x)dx$ や、
$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log(\text{Arcsin} x)dx$
の収束の証明もすることができます。
例2
$a,b,c>0$ のとき、
$\int_0^1\frac{dx}{\sqrt[a]{x^b(1-x)^c}}$ の広義積分の収束判定をせよ。
この例の場合も、$x=0,1$ の両方で無限大に発散するので、この場所で広義積分
となります。
次は広義積分の場所を探した後、広義積分の見極めです。
前の例のように、くくり出すのは大変そうです。
なので、関数比較(優関数法)を行いましょう。
まず、この積分は、$t=1-x$ とおくと、
$$\int_0^1\frac{dt}{\sqrt[a]{t^c(1-t)^b}}$$
となり、$b,c$を入れ替えたものになるので、$x=0$ のときだけ
行えば十分です。
$x=0$ のときの広義積分の収束判定を行います。
$$\frac{\frac{1}{\sqrt[a]{x^b(1-x)^c}}}{\frac{1}{\sqrt[a]{x^b}}}=\frac{1}{\sqrt[a]{(1-x)^c}}$$
となり、$0<x<1/2$ のように $x=0$ の十分近くで考えると、
この値は、$\sqrt[a]{2^c}$ 以下になります。
つまり、
$$|\frac{1}{\sqrt[a]{x^b(1-x)^c}}|\le \frac{\sqrt[a]{2^c}}{\sqrt[a]{x^b}}$$
なる不等式が成り立ちます。
ここで、
$$\int_0^{\frac{1}{2}}\frac{dx}{x^{\frac{b}{a}}}$$
が収束するための必要十分条件は、$\frac{b}{a}<1$ です。
これは、そのまま広義積分の定義通りに積分しても求めることができます。
結局、元々あった条件も加えれば、$0<b<a$ ということになります。
これを$c$ に置き換えた、$0<c<a$ も成り立つということになります。
(参考)
この積分はベータ関数になおすことができて、
$B(\frac{-b}{a}+1,\frac{-c}{a}+1)$ とすることができます。
なので、ベータ関数の収束域から、$b<a$ かつ、$c<a$ とすることもできます。
広義積分
広義積分 $\int_a^bf(x)dx$ はうまく積分できる(できない)部分をふるい出すことが
必要です。
例
$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log \sin xdx$ が広義積分できるかどうかの判定
をします。
問題の1つ目は、どこで広義積分が起こっているか?をみることです。
そのため、積分区間の間で無限大に発散するところを探します。
この例の場合、$x\to 0$ において、$\log\sin x\to -\infty$ となります。
なので、$x=0$ において、この積分は広義積分になっています。
それ以外の点では、通常の積分であり、有限区間、かつ連続関数なので、
積分可能です。
問題の2つ目は広義積分が可能かどうかの見極めですが....
$x=0$ で積分できるかを考えます。
まず、
$\log \sin x=\log x+\log\frac{\sin x}{x}$ をして、$\log x$ の部分を無理やりくくり出します。
どうしてこのようにするのか?というと、$\sin x$ は、
$x=0$ の近くで、$\sin x=x-\frac{x^3}{3!}+\cdots$ のようにテイラー展開ができます。
$x=0$ の中で積分の収束の判定にはそのトップの項 $x$ が必要なので、
その部分をくくりだそうとしたのです。
($\log \sin x$ より、$\log x$ の方が収束の判定としては計算しやすいので
その部分に置き換えたいということもできます。)
また、$x$ をくくり出した残り、$\log \frac{\sin x}{x}$ が積分可能かどうかですが、
$x\to 0$ において、$\frac{\sin x}{x}\to 1$ なので、$x\to 0$ において
$\log\frac{\sin x}{x}$ も有限な値 $0$ に近づきます。なので、
$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{\sin x}{x}dx$ は通常の積分と思えるわけです。
このことから、
$$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log \sin xdx=\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx+\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log\frac{\log x}{x}dx$$
のうち、前者 $\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx$ の広義積分可能性を考えれば
良いことになります。
しかし、$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx$ は、そのまま積分してやると、
$$\lim_{\epsilon\to 0}\left[x\log x-x\right]_\epsilon^{\frac{\pi}{2}}$$
となります。問題は、$\lim_{x\to 0}x\log x$ の存在ですが、
ロピタルの定理を用いてやると、
$$\lim_{x\to 0}x\log x=\lim_{x\to 0}\frac{\log x}{\frac{1}{x}}=\lim_{x\to 0}\frac{\frac{1}{x}}{-\frac{1}{x^2}}=0$$
がいえるので、結局、$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log xdx=\frac{\pi}{2}\left(-1+\log\frac{\pi}{2}\right)$ ということになります。
このようなくくり出しの議論により、
$\int_0^{\frac{\pi}{4}}\log(\tan x)dx$ や、
$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\log(\text{Arcsin} x)dx$
の収束の証明もすることができます。
例2
$a,b,c>0$ のとき、
$\int_0^1\frac{dx}{\sqrt[a]{x^b(1-x)^c}}$ の広義積分の収束判定をせよ。
この例の場合も、$x=0,1$ の両方で無限大に発散するので、この場所で広義積分
となります。
次は広義積分の場所を探した後、広義積分の見極めです。
前の例のように、くくり出すのは大変そうです。
なので、関数比較(優関数法)を行いましょう。
まず、この積分は、$t=1-x$ とおくと、
$$\int_0^1\frac{dt}{\sqrt[a]{t^c(1-t)^b}}$$
となり、$b,c$を入れ替えたものになるので、$x=0$ のときだけ
行えば十分です。
$x=0$ のときの広義積分の収束判定を行います。
$$\frac{\frac{1}{\sqrt[a]{x^b(1-x)^c}}}{\frac{1}{\sqrt[a]{x^b}}}=\frac{1}{\sqrt[a]{(1-x)^c}}$$
となり、$0<x<1/2$ のように $x=0$ の十分近くで考えると、
この値は、$\sqrt[a]{2^c}$ 以下になります。
つまり、
$$|\frac{1}{\sqrt[a]{x^b(1-x)^c}}|\le \frac{\sqrt[a]{2^c}}{\sqrt[a]{x^b}}$$
なる不等式が成り立ちます。
ここで、
$$\int_0^{\frac{1}{2}}\frac{dx}{x^{\frac{b}{a}}}$$
が収束するための必要十分条件は、$\frac{b}{a}<1$ です。
これは、そのまま広義積分の定義通りに積分しても求めることができます。
結局、元々あった条件も加えれば、$0<b<a$ ということになります。
これを$c$ に置き換えた、$0<c<a$ も成り立つということになります。
(参考)
この積分はベータ関数になおすことができて、
$B(\frac{-b}{a}+1,\frac{-c}{a}+1)$ とすることができます。
なので、ベータ関数の収束域から、$b<a$ かつ、$c<a$ とすることもできます。
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