2017年7月27日木曜日

微積分I演習(物理学類)(第13回)

[場所1E103(金曜日5限)]

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今回は、去年の微積分I演習の過去問を解きました。

積分値

$$\int_0^1x^2\log xdx$$
の積分について。
まず、ロピタルの定理を使って、
$$\lim_{x\to 0}x\log x=\lim_{x\to 0}\frac{\log x}{\frac{1}{x}}=\lim_{x\to 0}\frac{\frac{1}{x}}{-\frac{1}{x^2}}=-\lim_{x\to 0}x=0$$
が求まります。$n\ge 1$のときに、
よって、$\lim_{x\to 0}x^n\log x=\lim_{x\to 0}x^{n-1}x\log x=0$ となります。

$$\int_0^1x^2\log xdx=\left[\frac{x^3}{3}\log x\right]_0^1-\int_0^1\frac{x^2}{3}dx$$
$$=\left[\frac{x^3}{3}\log x\right]_0^1-\int_0^1\frac{x^3}{3}\frac{1}{x}dx=-\frac{1}{3}\left[\frac{x^3}{3}\right]_0^1=-\frac{1}{9}$$


また、積分 $\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^3xdx$ は、

$$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^3xdx=\left[-\cos x\sin^2x\right]_0^{\frac{\pi}{2}}+\int_0^{\frac{\pi}{2}}2\sin x\cos^2xdx$$
$$=2\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin x(1-\sin^2x)dx$$
$$=2\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin xdx-2\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^3xdx$$
よって、
$$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^3xdx=\frac{2}{3}\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin xdx=\frac{2}{3}\left[-\cos x\right]_0^{\frac{\pi}{2}}=\frac{2}{3}$$

このようにしていけば、$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^nxdx$ を求めるには、$\int_0^{\frac{\pi}
2}\sin^{n-2}xdx$ を求めることに帰着されます。

または、
$\cos x=t$ と $dt=-\sin xdx$ とすると、
$$\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^3xdx=\int_0^{\frac{\pi}{2}}(1-\cos^2x)\sin xdx=-\int_1^{0}(1-t^2)dt$$
$$=\left[t-\frac{t^3}{3}\right]_0^{1}=\frac{2}{3}$$

のように計算できます。
この手法は $\sin $ または $\cos$ の指数が奇数の場合だけ計算できます。
偶数の場合は、


$\int_0^1\frac{dx}{x+\sqrt{x}}$ を計算します。
$\sqrt{x}=t$ とすると、$dx=2tdt$ とすると、
$$\int_0^1\frac{dx}{x+\sqrt{x}}=\int_0^1\frac{2tdt}{t^2+t}=2\int_0^1\frac{dt}{1+t}=2\log2 $$
となります。

ここで、約分できることを忘れずに。
この約分せずに部分分数展開をすると、広義積分は収束しません。

$$\int_0^1\frac{dx}{\sqrt{x(1-x)}}$$

の積分可能性について。

この積分は、今学期は本当によく出てきました。


優関数では、$0<x<\frac{1}{2}$ とすると、
$$|\frac{\sqrt{x}}{\sqrt{x(1-x)}}|=\frac{1}{\sqrt{1-x}}\le \frac{1}{\sqrt{1-\frac{1}{2}}}=\sqrt{2}$$
よって、$|\frac{1}{\sqrt{x(1-x)}}|\le \frac{1}{\sqrt{1-x}}$

また、$\int_0^{\frac{1}{2}}\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{x}}dx=2$
であるから、$\int_0^{\frac{1}{2}}\frac{dx}{\sqrt{x(1-x)}}$ は広義積分可能となります。

同じように、$\int_{\frac{1}{2}}^1\frac{dx}{\sqrt{x(1-x)}}$ は広義積分可能が言えるので、
これらの結果を合わせることで広義積分
$$\int_0^1\frac{dx}{\sqrt{x(1-x)}}$$
が可能となる。

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