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2014年11月18日火曜日

線形代数II演習第5回宿題の間違い解答例

線形代数II演習レポート

を採点していて、以下の解答にバツもしくは三角がつきました.


5-2(1,2,3)
  • C({\Bbb R}) を多項式の集合と間違えているもの.
    X=\sum_{k=0}^na_kx^k などとX の意味を完全に取り違えているもの
  • 奇関数かつ偶関数の関数は 0 のみと単に書いてあるもの.
  • X=\langle f(x)\rangle, Y=\langle g(x)\ranglef(x)\in g(x) など意味不明なもの.
  • 偶関数の和が偶関数、奇関数の和が奇関数とだけ書いてあるもの.むしろそれを証明する問題です.
  • f_1(x)\in X,f_2(x)\in Y として取っているのに、f_1(x)+f_2(x) など計算しており、意味がない.X\cap Y の元として f(x)\in X かつ f(x)\in Y をとるべき.
  • X の元が ax+b と一次式で書けると書いてあるもの.X は一次式の空間ではございません.連続関数全体の中の偶関数の空間です.
  • f(x)=\frac{f(x)+f(-x)}{2}+\frac{f(x)-f(-x)}{2} と書けると書いてあり、これらが偶関数、奇関数であることを示していないものがありましたが、これは百歩譲ってマルにしました.
5-3(1)
  • 1,i を使った基底が4つ存在するとだけ書いてあるだけのもの
  • 基底らしきものを並べて、これらは基底となるから.とだけ書いています.
    それらが基底であることを証明しないと次元が4とはなりません.
  • a+bi=a\begin{pmatrix}1\\0\end{pmatrix}+b\begin{pmatrix}0\\i\end{pmatrix} など複素数とベクトルを混同しているもの.
  • 基底であることを示す問題なのに基底であることをちゃんと示していないもの.
    もしくは、これこれは基底であるとかいてあるだけのもの.
  • {\Bbb C}^2 の集合の元がいつのまにか4つの成分で書かれているもの.
  • {\Bbb C}^2 の元 \begin{pmatrix}a+bi\\c+di\end{pmatrix} を断りなしに
    \begin{pmatrix}a&b\\c&d\end{pmatrix} などと行列に直して議論しているもの.
5-3(2)
  • W が何としたのか書かれていないもの.
  • WXY の直和なので、と書いてあるもの.
  • すでに、{\Bbb C}^2=W\oplus {\Bbb R}^2 と書いてあり直和になることが示されていないもの.
C({\Bbb R}) は多項式の空間ではないとコメントしたはずなのに
多項式を使って書いている人は複数見られて残念です.
前のブログを見てください.
C({\Bbb R}) は連続関数全体の空間です.

{\Bbb C}^2 の中の実の基底は、
(1,0),(i,0),(0,1),(0,i) です.
任意の(z_1,z_2)\in {\Bbb C}^2

z_j=a_j+ib_j と書いたとすると
{\bf x}=(z_1,z_2)=(a_1+b_1i,a_2,b_2i)=a_1(1,0)+b_1(0,i)+a_2(1,0)+b_2(0,i)
のように4つのベクトルで書けますよね?
それぞれ、順番に {\bf v}_1,{\bf v}_2,{\bf v}_3,{\bf v}_4 と書くと、
{\bf x}=a_1{\bf v}_1+b_1{\bf v}_2+a_2{\bf v}_3+b_2{\bf v}_4
と書けますね.

これは数ベクトルのような形をしていますが数ベクトルではございません.
立派な抽象実ベクトル空間です.2次元の {\Bbb C}^2に惑わされて
書いてあるものは三角もしくはバツです.

X が部分空間であることの示し方.
f,g\in X とする.
このとき、f+g\in X であることを示す.
f(-x)=f(x), g(-x)=g(x) であるので、辺々足して、
f(x)+g(x)=f(-x)+g(-x) となり、f+g\in X となります.

Y の方も同様.


そういうわけでレポートは結構、惨憺たるものでした.
試験は明日なのでまだ間に合います!!
勉強しましょう.
レポートは返せますので、もし返して欲しい人がいましたら
数学事務に預けておきますので今日の午後2時以降 D705に取りにいってください.

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