[物理2 クラス対象(金曜日4限)]
をそれぞれやりました.
授業でやった計算をまとめておきます.
V=V_1+V_2 であること.
V_1,V_2 が連立一次方程式で書かれている場合.
B-5-1をもう一度やります.
V_1=\{{\bf v}\in{\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}2&3&1\\1&1&1\end{pmatrix}{\bf v}=0\}
V_2=\{{\bf v}\in{\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}1&0&1\end{pmatrix}{\bf v}=0\}
とすると、{}^t(a_1,a_2,a_3)\in V_1 かつ、{}^t(b_1,b_2,b_3)\in V_2
として、任意のベクトルがこの和になっているかどうかを示す方針でもできると
思いますが、変数が6個もあって大変です.
なので、授業では、一度方程式を解くことで変数を減らしたのです.
ここで、連立一次方程式の解き方も兼ねて(授業中に質問が出たのもありましたし)
やっておきます.
\begin{pmatrix}2&3&1\\1&1&1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&1&1\\0&1&-1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&0&2\\0&1&-1\end{pmatrix}
と簡約化できます.
このとき、変数は全て先頭列であるx_1,x_2 と非先頭列である x_3 にわけられます.
先頭列を左辺に、非先頭列を右辺に持っていけば、
この方程式は、x_1=-2x_3,\ x_2=x_3 とかけます.
ここで、非先頭列の x_3=c と任意定数を置けば、全ての変数は、
\begin{pmatrix}x_1\\x_2\\x_3\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-2c\\c\\c\end{pmatrix}=c\begin{pmatrix}-2\\1\\1\end{pmatrix} と書けることになります.
つまり、V_1=\langle{}^t(-2,1,1)\rangle
同じように V_2 の連立一次方程式の係数行列は (1,0,1) であり、すでに簡約化されており、
x_1 が先頭列であり、 x_2,x_3 が非先頭列である.x_2=c,x_3=d とおくと、
x_1=-d,x_2=c,x_3=d より、
\begin{pmatrix}-d\\c\\d\end{pmatrix}=c\begin{pmatrix}0\\1\\0\end{pmatrix}+d\begin{pmatrix}-1\\0\\1\end{pmatrix}
つまり、V_2=\langle {}^t(0,1,0),\ {}^t(-1,0,1)\rangle となる.
任意の\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}\in V_1+V_2 は、
\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}=c_1\begin{pmatrix}-2\\1\\1\end{pmatrix}+c_2\begin{pmatrix}0\\1\\0\end{pmatrix}+c_3\begin{pmatrix}-1\\0\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-2&0&-1\\1&1&0\\1&0&1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}
となるスカラーc_1,c_2,c_3 が存在するような元です.
任意の \begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix} に対して、解 \begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix} を持つ必要があるから、
つまり、\begin{pmatrix}-2&0&-1\\1&1&0\\1&0&1\end{pmatrix} の rank が 3 であること
が必要十分である.
今の場合、正方行列であるから、行列式が 0 でないことが必要十分であるが、
\det=-1\neq 0 であるから、この方程式には解が存在する.
つまり、V=V_1+V_2 と2つの和に分けられることがわかる.
B-5-1(3)
次に、V_1,V_2 がベクトルで生成する形で書かれている場合.
V_1=\langle{}^t(1,2,-1),{}^t(0,1,1) \rangle,\ V_2=\langle{}^t(1,1,-2)\rangle
同じように縦ベクトルとして、行列を作れば、任意の{}^t(a_1,a_2,a_3) において、
\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&0&1\\2&1&1\\-1&1&-2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}
とできるための必要十分条件は、\det\neq 0 であるが、実際、
\det\begin{pmatrix}1&0&1\\2&1&1\\-1&1&-2\end{pmatrix}=0 となってしまい、
任意の {}^t(a_1,.a_2,a_3) が V_1+V_2 に属するとは限らない.
V_1+V_2 に属さないベクトルを求めるには、補空間の基底を求めればよい.
表せないベクトルを探すのは授業中ではやりませんでしたのでここで
書いておきます.
補空間の基底を求める方法と同じです.
3つの縦ベクトルは一次従属で、前の2つのベクトルは明らかに平行では
ありませんのでこの2つはV_1+V_2 の基底となります.
つまり、以下のような基本変形をすることで、
\begin{pmatrix}1&0&1&1&0&0\\2&1&1&0&1&0\\-1&1&-2&0&0&1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&0&1&1&0&0\\0&1&-1&-2&1&0\\0&1&-1&1&0&1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&0&1&1&0&0\\0&1&-1&-2&1&0\\0&0&0&3&-1&1\end{pmatrix}
ここまでやれば、1番目、2番目、4番目が一次独立であることが分かるはずです.
でも、これはやりすぎで、(単なる、基底の延長の復習ですが。)
平行でない2つ目までの縦ベクトと、適当に標準ベクトル
{}^t(1,0,0) を並べて\begin{pmatrix}1&0&1\\2&1&0\\-1&1&0\end{pmatrix} の行列式が
非ゼロであること示すことで、補空間の基底として {}^t(1,0,0) があると主張することができますので
やることはこれで十分です.
つまり、\begin{pmatrix}1\\0\\0\end{pmatrix} は
\begin{pmatrix}1\\2\\-1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0\\1\\1\end{pmatrix} の一次結合つまり、V_1+V_2 として書けません.
一般のベクトル空間の場合は
ベクトル \{{\bf x}_1,\cdots,{\bf x}_m\} を基底を使っていつものように
({\bf x}_1,\cdots,{\bf x}_n)=({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)A
と行列表示してから上のことを行いましょう.(B-5-1(2))
B-5-1(2) は授業でもやりましたね.
V_1\cap V_2 を求めること.
B-5-2(1) は授業でやりました.
V_1=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}0&-1&-1\\2&3&1\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
V_2=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}-1&-1&0\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
とすると、
V_1\cap V_2=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}0&-1&-1\\2&3&1\\-1&-1&0\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
ですので、上の連立一次方程式の解き方に習って解きましょう.
もし、 V_1\cap V_2=\{{\bf 0\}} でなければ直和になりません.
B-5-2(1)
V_1=\langle\begin{pmatrix}\end{pmatrix}\rangle
V_2=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}-1&-1&0\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
です.これは授業でやったとおり V_1\cap V_2\neq\{{\bf 0}\}
だったはずですので、V_1+V_2は直和にはなりません.
最後に、 V_1,V_2 がベクトルで生成される形で書かれている場合ですが、
B-5-2(2)
V_1=\langle{}^t(1,2,-1),{}^t(0,1,1)\rangle, V_2=\langle{}^t(1,1,-2)\rangle
ですが、V_1\cap V_2\ni \begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix} とおいて
\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}=c_1\begin{pmatrix}1\\2\\-1\end{pmatrix}+c_2\begin{pmatrix}0\\1\\1\end{pmatrix}=c_3\begin{pmatrix}1\\1\\-2\end{pmatrix}
となるようなc_1,c_2,c_3が存在するかどうかを考えます.
移項してまとめると
\begin{pmatrix}1&0&-1\\2&1&-1\\-1&1&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0\\0\\0\end{pmatrix}
となる解(c_1,c_2,c_3) がV_1\cap V_2 を定めています.
結局ここでも連立一次方程式を解くことに帰着します.
この解 \begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}=c\begin{pmatrix}1\\-1\\1\end{pmatrix}
が存在して、c は任意定数ですから、
V_1\cap V_2=\langle\begin{pmatrix}1\\1\\-2\end{pmatrix}\rangle
となります.
この場合、V_1\cap V_2\subset V_2 となっていもいますね.
よって、V_1+V_2=V_1 ですからこの2つでも直和になりません.
B-5-3(1) 以降は授業ではやりませんでしたが、
今の手法を使って V=V_1+V_2 かつ V_1\cap V_2=\{{\bf 0}\}
となるかどうか確かめればよいことになります.
また、授業中にやっていた定理は次のようなものです.
この定理の意味は抽象ベクトル空間の議論を
数ベクトル空間の議論に落とすときに用いられます.
\{{\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n\} が一次独立であるなら、行列表示
({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)A=(0,\cdots,0)
が成り立つなら、A=Oつまり、A はゼロ行列です.
つまり、
行列表示が一意、つまり
({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)A=({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)B
ならば A=B であることと同じです.
後者は移項して、前者を示すことができます.
前者は後者から明らかです.
そういうわけで、抽象ベクトル空間の関係式があれば、
数ベクトル空間の関係式に落として考えることができます.
また、数ベクトル空間で議論した結果は
再び同じ基底を使って抽象ベクトル空間の言葉に直す必要があります.
プリントの他の問題について、もし、やってほしい要望がありましたらここでも書きます.
知らせてください.
宿題も分からないところがありましたらメールで知らせてください.
来週は塩谷先生の試験対策をする予定で、授業自体は進みませんが
塩谷先生からもらった問題をやる.
今までの残っている問題の発表.
質問うけつけなどしようと思います.
19に塩谷先生の試験が有りますので、来週はその試験対策です.
今日配ったD問題あたりを解いていきます.
予習してきてください.
また、来週は発表する時間や質問を積極的に受け付ける時間を作ろうと思います.
ちなみに21は休講する予定です.
今日やったことは直和でした.
と言っても、二つのベクトル空間の和であることを確かめることと、
部分ベクトル空間の共通部分のベクトル空間の求め方に終始しました.
ちなみに、プリントは
A:前回の復習
B:授業中で行うもの
C:今回の宿題(一部塩谷先生の練習問題)
D:塩谷先生の問題と試験対策
E:前回の宿題の答え
で構成されています.
今日配ったD問題あたりを解いていきます.
予習してきてください.
また、来週は発表する時間や質問を積極的に受け付ける時間を作ろうと思います.
ちなみに21は休講する予定です.
今日やったことは直和でした.
と言っても、二つのベクトル空間の和であることを確かめることと、
部分ベクトル空間の共通部分のベクトル空間の求め方に終始しました.
ちなみに、プリントは
A:前回の復習
B:授業中で行うもの
C:今回の宿題(一部塩谷先生の練習問題)
D:塩谷先生の問題と試験対策
E:前回の宿題の答え
で構成されています.
直和であることを確認するために、
ベクトル空間 V が
- V=V_1+V_2 とかけていることを確かめるための方法.
- ベクトル空間 V_1\cap V_2 を求める方法.
授業でやった計算をまとめておきます.
V=V_1+V_2 であること.
V_1,V_2 が連立一次方程式で書かれている場合.
B-5-1をもう一度やります.
V_1=\{{\bf v}\in{\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}2&3&1\\1&1&1\end{pmatrix}{\bf v}=0\}
V_2=\{{\bf v}\in{\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}1&0&1\end{pmatrix}{\bf v}=0\}
とすると、{}^t(a_1,a_2,a_3)\in V_1 かつ、{}^t(b_1,b_2,b_3)\in V_2
として、任意のベクトルがこの和になっているかどうかを示す方針でもできると
思いますが、変数が6個もあって大変です.
なので、授業では、一度方程式を解くことで変数を減らしたのです.
ここで、連立一次方程式の解き方も兼ねて(授業中に質問が出たのもありましたし)
やっておきます.
\begin{pmatrix}2&3&1\\1&1&1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&1&1\\0&1&-1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&0&2\\0&1&-1\end{pmatrix}
と簡約化できます.
このとき、変数は全て先頭列であるx_1,x_2 と非先頭列である x_3 にわけられます.
先頭列を左辺に、非先頭列を右辺に持っていけば、
この方程式は、x_1=-2x_3,\ x_2=x_3 とかけます.
ここで、非先頭列の x_3=c と任意定数を置けば、全ての変数は、
\begin{pmatrix}x_1\\x_2\\x_3\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-2c\\c\\c\end{pmatrix}=c\begin{pmatrix}-2\\1\\1\end{pmatrix} と書けることになります.
つまり、V_1=\langle{}^t(-2,1,1)\rangle
同じように V_2 の連立一次方程式の係数行列は (1,0,1) であり、すでに簡約化されており、
x_1 が先頭列であり、 x_2,x_3 が非先頭列である.x_2=c,x_3=d とおくと、
x_1=-d,x_2=c,x_3=d より、
\begin{pmatrix}-d\\c\\d\end{pmatrix}=c\begin{pmatrix}0\\1\\0\end{pmatrix}+d\begin{pmatrix}-1\\0\\1\end{pmatrix}
つまり、V_2=\langle {}^t(0,1,0),\ {}^t(-1,0,1)\rangle となる.
任意の\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}\in V_1+V_2 は、
\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}=c_1\begin{pmatrix}-2\\1\\1\end{pmatrix}+c_2\begin{pmatrix}0\\1\\0\end{pmatrix}+c_3\begin{pmatrix}-1\\0\\1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}-2&0&-1\\1&1&0\\1&0&1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}
となるスカラーc_1,c_2,c_3 が存在するような元です.
任意の \begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix} に対して、解 \begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix} を持つ必要があるから、
つまり、\begin{pmatrix}-2&0&-1\\1&1&0\\1&0&1\end{pmatrix} の rank が 3 であること
が必要十分である.
今の場合、正方行列であるから、行列式が 0 でないことが必要十分であるが、
\det=-1\neq 0 であるから、この方程式には解が存在する.
つまり、V=V_1+V_2 と2つの和に分けられることがわかる.
B-5-1(3)
次に、V_1,V_2 がベクトルで生成する形で書かれている場合.
V_1=\langle{}^t(1,2,-1),{}^t(0,1,1) \rangle,\ V_2=\langle{}^t(1,1,-2)\rangle
同じように縦ベクトルとして、行列を作れば、任意の{}^t(a_1,a_2,a_3) において、
\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&0&1\\2&1&1\\-1&1&-2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}
とできるための必要十分条件は、\det\neq 0 であるが、実際、
\det\begin{pmatrix}1&0&1\\2&1&1\\-1&1&-2\end{pmatrix}=0 となってしまい、
任意の {}^t(a_1,.a_2,a_3) が V_1+V_2 に属するとは限らない.
V_1+V_2 に属さないベクトルを求めるには、補空間の基底を求めればよい.
表せないベクトルを探すのは授業中ではやりませんでしたのでここで
書いておきます.
補空間の基底を求める方法と同じです.
3つの縦ベクトルは一次従属で、前の2つのベクトルは明らかに平行では
ありませんのでこの2つはV_1+V_2 の基底となります.
つまり、以下のような基本変形をすることで、
\begin{pmatrix}1&0&1&1&0&0\\2&1&1&0&1&0\\-1&1&-2&0&0&1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&0&1&1&0&0\\0&1&-1&-2&1&0\\0&1&-1&1&0&1\end{pmatrix}\to \begin{pmatrix}1&0&1&1&0&0\\0&1&-1&-2&1&0\\0&0&0&3&-1&1\end{pmatrix}
ここまでやれば、1番目、2番目、4番目が一次独立であることが分かるはずです.
でも、これはやりすぎで、(単なる、基底の延長の復習ですが。)
平行でない2つ目までの縦ベクトと、適当に標準ベクトル
{}^t(1,0,0) を並べて\begin{pmatrix}1&0&1\\2&1&0\\-1&1&0\end{pmatrix} の行列式が
非ゼロであること示すことで、補空間の基底として {}^t(1,0,0) があると主張することができますので
やることはこれで十分です.
つまり、\begin{pmatrix}1\\0\\0\end{pmatrix} は
\begin{pmatrix}1\\2\\-1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}0\\1\\1\end{pmatrix} の一次結合つまり、V_1+V_2 として書けません.
一般のベクトル空間の場合は
ベクトル \{{\bf x}_1,\cdots,{\bf x}_m\} を基底を使っていつものように
({\bf x}_1,\cdots,{\bf x}_n)=({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)A
と行列表示してから上のことを行いましょう.(B-5-1(2))
B-5-1(2) は授業でもやりましたね.
V_1\cap V_2 を求めること.
B-5-2(1) は授業でやりました.
V_1=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}0&-1&-1\\2&3&1\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
V_2=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}-1&-1&0\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
とすると、
V_1\cap V_2=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}0&-1&-1\\2&3&1\\-1&-1&0\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
ですので、上の連立一次方程式の解き方に習って解きましょう.
もし、 V_1\cap V_2=\{{\bf 0\}} でなければ直和になりません.
B-5-2(1)
V_1=\langle\begin{pmatrix}\end{pmatrix}\rangle
V_2=\{{\bf v}_1\in {\Bbb C}^3|\begin{pmatrix}-1&-1&0\end{pmatrix}{\bf v}={\bf 0}\}
です.これは授業でやったとおり V_1\cap V_2\neq\{{\bf 0}\}
だったはずですので、V_1+V_2は直和にはなりません.
最後に、 V_1,V_2 がベクトルで生成される形で書かれている場合ですが、
B-5-2(2)
V_1=\langle{}^t(1,2,-1),{}^t(0,1,1)\rangle, V_2=\langle{}^t(1,1,-2)\rangle
ですが、V_1\cap V_2\ni \begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix} とおいて
\begin{pmatrix}a_1\\a_2\\a_3\end{pmatrix}=c_1\begin{pmatrix}1\\2\\-1\end{pmatrix}+c_2\begin{pmatrix}0\\1\\1\end{pmatrix}=c_3\begin{pmatrix}1\\1\\-2\end{pmatrix}
となるようなc_1,c_2,c_3が存在するかどうかを考えます.
移項してまとめると
\begin{pmatrix}1&0&-1\\2&1&-1\\-1&1&2\end{pmatrix}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0\\0\\0\end{pmatrix}
となる解(c_1,c_2,c_3) がV_1\cap V_2 を定めています.
結局ここでも連立一次方程式を解くことに帰着します.
この解 \begin{pmatrix}c_1\\c_2\\c_3\end{pmatrix}=c\begin{pmatrix}1\\-1\\1\end{pmatrix}
が存在して、c は任意定数ですから、
V_1\cap V_2=\langle\begin{pmatrix}1\\1\\-2\end{pmatrix}\rangle
となります.
この場合、V_1\cap V_2\subset V_2 となっていもいますね.
よって、V_1+V_2=V_1 ですからこの2つでも直和になりません.
B-5-3(1) 以降は授業ではやりませんでしたが、
今の手法を使って V=V_1+V_2 かつ V_1\cap V_2=\{{\bf 0}\}
となるかどうか確かめればよいことになります.
また、授業中にやっていた定理は次のようなものです.
この定理の意味は抽象ベクトル空間の議論を
数ベクトル空間の議論に落とすときに用いられます.
\{{\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n\} が一次独立であるなら、行列表示
({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)A=(0,\cdots,0)
が成り立つなら、A=Oつまり、A はゼロ行列です.
つまり、
行列表示が一意、つまり
({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)A=({\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n)B
ならば A=B であることと同じです.
後者は移項して、前者を示すことができます.
前者は後者から明らかです.
そういうわけで、抽象ベクトル空間の関係式があれば、
数ベクトル空間の関係式に落として考えることができます.
また、数ベクトル空間で議論した結果は
再び同じ基底を使って抽象ベクトル空間の言葉に直す必要があります.
プリントの他の問題について、もし、やってほしい要望がありましたらここでも書きます.
知らせてください.
宿題も分からないところがありましたらメールで知らせてください.
来週は塩谷先生の試験対策をする予定で、授業自体は進みませんが
塩谷先生からもらった問題をやる.
今までの残っている問題の発表.
質問うけつけなどしようと思います.
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