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2014年10月12日日曜日

微積分II演習(第2回)

[数学1クラス対象(金曜日5限)]


今日の内容
  • 連続関数(もしくは不連続関数)であることの証明のしかた.
  • 偏微分の計算方法.
  • 全微分の定義
  • 全微分可能であることの定義に基づく証明
  • 全微分可能であることの偏微分を用いた証明
  • 全微分可能でないための証明

でした.
このようなことを理路整然と説明すればよかったですが
いろいろな証明方法を話しているうちに時間が来てしまったようです.
そのうちのいくつかは宿題に出しました.
また、以下の文章の中には授業中に話さなかったことも含まれています.
それらはオレンジ色で色付けしました.


連続であることの証明

f(x) が連続であることは、

(a,b) に収束する任意の点列 {\bf x}_n=(a_n,b_n) に対して、f(a_n,b_n)=f({\bf x}_n)f(a,b) 収束する

これを否定すれば、不連続であることは、

(a,b) に収束する点列 {\bf x}_n=(a_n,b_n) が存在してf(a_n,b_n)=f({\bf x}_n)f(a,b) 収束しない


です.授業では、

関数 f(x,y)=y\sin\frac{1}{\sqrt{x^2+y^2}}(0,0) での連続性
関数 f(x,y)=\frac{2x}{\sqrt{x^2+y^2}}(0,0) での不連続性

を扱いました.
任意の点列として、{\bf x}_n=(r_n\cos\theta_n,r_n\sin\theta_n) (r_n\to 0)
を用い、

それぞれ

f({\bf x}_n)=r_n\sin\theta_n\sin(\frac{1}{r_n})
f({\bf x}_n)=2\cos\theta_n

となりますが、
前者の方は、|f({\bf x}_n)|\le r_n\to 0ですから、収束しますが、
後者の方2\cos\theta_n\theta_nの方を適当にとれば、
いかようにも収束しますし、発散もします.
例えば、\theta_n=\alpha (定数)として点列を取っておけば、
当然2\cos\alpha に収束します.
実際Mathematicaで描かせてみると、下のようになります.
原点のところに、長さが4の棒があり、その棒のいずれの点にも周りの点から
近づくことができるようになっています.


証明としては、違う点に収束する列を2つとればよいでしょう.

偏微分の計算
関数 z=f(x,y) の微分ですが最初は偏微分です.
(a,b)でのx方向の偏微分係数は、f(x,b)x=aで微分係数のことです.
つまり、微分の定義を用いれば、(a,b) に関する偏微分係数は
f_x(a,b)=\lim_{h\to 0}\frac{f(a+h,b)-f(a,b)}{h}
となります.

計算は授業中に何回かやって見せたので省略します.

f_x(x,y)(a,b) に対して一般の (x,y) として得られる関数のことです.
この関数を偏導関数と言います。

f_{xx}(x,y)(f_x(x,y))_x のことです.
つまり、x で偏微分した後もう一度 x で偏微分せよということです. 例えば、f_{xy}(x,y)=(f_x(x,y))_y


全微分可能性
まず、f(x,y)(a,b) で全微分可能であるとは、
f(x,y)=f(a,b)+\alpha(x-a)+\beta(y-b)+o(\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2})
となるような \alpha, \beta が存在すること.
さらに、全微分可能であれば、
\alpha=f_x(a,b), \beta=f_y(a,b) が成り立つ.


ここで、まず分かってほしいことは、
f_x(x,y),f_y(x,y)\text{が両方連続}\Rightarrow f(x,y)\text{が全微分可能}\Rightarrow f(x,y) \text{が偏微分可能}\hspace{2cm} (\star)

であることと、
このいずれも逆が成り立ちません.

つまり、

全微分可能を示すには、
  1. 定義から行う.
  2. f_x(x,y),f_y(x,y)が両方連続であることを示す.
があります.

全微分可能でないことは示すには、
  1. 定義から行う.
  2. 偏微分不可能であることを示す.
この2. は(\star)の2つめの\Rightarrowの対偶をとっています.


定義から全微分可能を証明する方法

例として f(x,y)=\sin(x+y)(0,0) の全微分可能を行う.
一般の場合には、f(x,y)x での偏微分、 y での偏微分を
行って、引く.つまり、
f(x,y)=f(0,0)+f_x(0,0)x+f_y(0,0)y+\cdots
として、\cdots の部分が o(\sqrt{x^2+y^2}) であることをいえばよいですが、
授業では、\sin のマクローリン展開を使って証明しました.
これは、全微分可能を示すための一例にすぎませんので
"いつでもこの方法で出来るわけではありません."

\sin z=z-\frac{z^3}{3!}+\cdots というテイラー展開ができますから、
その際、\sin(x+y)=x+y+o((x+y)^2) (x+y\to \infty)となったわけです.

つまり、o((x+y)^2)\ \ \ (x+y\to \infty)o(\sqrt{x^2+y^2})\ \ \ ((x,y)\to (0,0)) であることを示す必要があります.

このとき、実は、気をつけたいことは、一つ目の極限の取り方はx+y\to 0 ですが、
二つ目の極限の取り方は(x,y)\to (0,0) であることです.
これは授業時間内ではコメントしませんでした.

正確にいえば、
o((x+y)^2)\ \ (x+y\to 0) となる関数 g(x,y) は、
o(\sqrt{x^2+y^2})\ \ ((x,y)\to (0,0)) なる関数になるかということです.
今、g(x,y)\sin(x+y)-x-y のことです。

これは次のようにしていうことができます。

\lim_{x+y\to 0}\frac{o((x+y)^2}{(x+y)^2}=0ですが、
(x,y)\to (0,0) ならば、x+y\to 0 ですから、
\lim_{x+y\to 0}\frac{o((x+y)^2)}{(x+y)^2}=\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{o((x+y)^2)}{(x+y)^2}
が言えます.
よって、o((x+y)^2)\ \ (x+y\to 0) なる関数は o((x+y)^2)\ \ ((x,y)\to (0,0)) であることが分かりました.

あとは、授業でも言ったように、
\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{o((x+y)^2}{\sqrt{x^2+y^2}}=\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{o((x+y)^2)}{(x+y)^2}\frac{(x+y)^2}{\sqrt{x^2+y^2}}
となり、

\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{(x+y)^2}{\sqrt{x^2+y^2}}の収束性をいえばよいですが、
やはり、ここでも、(0,0)に収束する点列を(x_n,y_n)=(r_n\cos\theta_n,r_n\sin\theta_n) とおきましょうか.ただし、r_n\to 0\ \ (n\to \infty)

そうすると、
\lim_{n\to \infty}\frac{r_n^2(\cos\theta_n+\sin\theta_n)^2}{r_n}=\lim_{n\to \infty}r_n(\cos\theta_n+\sin\theta_n)^2=0
となります.
ゆえに、任意の点列で収束したから、
\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{o((x+y)^2}{\sqrt{x^2+y^2}}=0
つまり、o((x+y)^2)\ \ (x+y\to 0)o(\sqrt{x^2+y^2})\ \ \ (x,y)\to (0,0)
と書ける.
つまり、
\sin(x+y)=x+y+o(\sqrt{x^2+y^2})\ \ \ (x,y)\to (0,0)
となる.ゆえに、\sin(x+y)(0,0) で全微分可能.


宿題2-2 はこのマクローリン展開の方法ではできません.
f(x,y)=f(0,0)+f_x(0,0)x+f_y(0,0)y+g(x,y) として、
g(x,y)o(\sqrt{x^2+y^2}) であることを証明してください.

とりあえず、長いので一旦おわります.
続きはのちに書きます.


もし、間違い、わからないところがありましたら報告くださいませ.

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