[場所1E501(月曜日5限)]
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今日は、
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今日は、
- LangのSection VII (Symmetric Hermitian and Unitary Operators)をよみました。
Symmetric Operators
作用素(operator)とは、ベクトル空間 $V$ 上の自己線形写像 $V\to V$ のことを
いいます。自己とは、同じ $V$ の上に働く写像なのでそう呼んでいます。
$V$ 上の線形な作用ということもできます。
体 ${\mathbb K}$ をベクトル空間のスカラーとします。
このとき、写像 $V\times V\to {\mathbb K}$ であって、
以下を条件を満たすものを考えます。
ただし、この写像は、$(u,v)\in V\times V$ に対して、$\langle u,v\rangle\in {\mathbb K}$
として書きます。
$\forall u,v,w\in V$かつ $\forall c\in {\mathbb K}$ に対して
(i) $\langle u,v\rangle =\langle v,u\rangle$
(ii) $\langle u+v,w\rangle=\langle u,w\rangle+\langle v,w\rangle$
(iii) $\langle cu,v\rangle =\langle u,cv\rangle=c\langle u,v\rangle$
この3つの条件を満たす写像 $V\times V\to {\mathbb K}$ のことを
内積(scalar product)といいます。
内積というと、正定値 ($v\in V$ かつ $v\neq 0$ のとき、$(v,v)>0$ )
という条件も付随している場合もありますが
この本の場合では仮定していません。
正定値を満たす内積のことは、正定値内積、負定値($v\in V$ かつ $v\neq 0$ のとき、$(v,v)<0$ )
の内積のことを負定値内積といいます。
また、定値(正定置もしくは負定値)でない内積のことは、不定値内積
と言います。相対論で出てくるミンコフスキー計量は、
不定値内積です。
内積をもつベクトル空間のことを内積空間といいます。
また、ベクトル空間 $V$ の双対空間を $V$ からスカラー ${\mathbb K}$ への
線形写像全体の空間を $V^\ast$ とかき、$V$ の双対空間といいます。
つまり、$V^\ast=\{f:V\to {\mathbb K}|f\text{は線形写像}\}$
です。また、この本では、$f\in V^\ast$ のことをfunctional (関数)と言っています。
$w\in V$ をとります。
$V\to V^\ast$ を
$v\in V$ に対して、$\langle v,w\rangle\in {\mathbb K}$ を対応させることで、$V^\ast$
の元を定めることができます。それを、$f_w$ とします。
つまり、$f_w(v)=\langle v,w\rangle$ です。
$w$ から $f_w$ への対応
$$w\mapsto f_w$$
は、写像 $V\to V^\ast$ を定めます。
また、スカラー積が非退化(non-degenerate)であるとは、
この写像 $V\to V^\ast$ が同型写像であるときをいいます。
ベクトル空間の間の写像 $V\to W$ が同型であるとは、この写像が線形写像かつ、
全単射であることをいいます。
有限次元ベクトル空間の間に同型写像が存在すれば、特に次元は等しくなります。
また、$L(v)=\langle Av,w\rangle$ とおきますと、$L$ は、$L\in V^\ast$ であるので、
先ほどの同型写像 $V\to V^\ast$ から、$w’\in V$ が一意的に存在して、
$L(v)=\langle v,w’\rangle$ を満たします。
よって、$w$ から $w’$ が一意的に決められるので、
$w\mapsto w’$ は、写像 $V\to V$ を与えます。
この写像を $w’=B(w)$ としておくと、
$$\langle Av,w\rangle=\langle v,B(w)\rangle$$
となります。この写像 $B$ は線形写像であることがわかります。
この写像$B$ を $A$ の転置(transpose) といい、${}^tA$ と書きます。
また、$A={}^tA$ であるような作用素を対称作用素(symmetric operator)といいます。
この状況を複素数上の内積(${\mathbb C}^n$ では、${}^tX\cdot \bar{Y}$ )
に置き換えて得られる同様の作用素は、
随伴作用素(Hermitian oparatorもしくはself-adjoint operator)といいます。
複素数上の内積では、$\langle v,aw\rangle=\bar{a}\langle v,w\rangle$
となるので注意が必要です。
この状況を複素数上の内積(${\mathbb C}^n$ では、${}^tX\cdot \bar{Y}$ )
に置き換えて得られる同様の作用素は、
随伴作用素(Hermitian oparatorもしくはself-adjoint operator)といいます。
複素数上の内積では、$\langle v,aw\rangle=\bar{a}\langle v,w\rangle$
となるので注意が必要です。