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2016年6月21日火曜日

微積分I演習(第8回)

[場所1E101(水曜日4限)]

今日は
  • 連続微分可能関数 (C^\infty 級関数)と微分可能関数、解析関数
  • 有理関数の部分分数分解とそのテイラー展開
  • べき級数から関数を求めること.
についてやりました.

連続微分可能

n 回連続微分可能とは、n 回微分可能であり、n 次の導関数が連続であることです.
わかって欲しいことは、n 回微分できることと、n 回連続微分できることとは別であることです.

\text{微分可能関数}\supset C^1\text{ 級関数 }\supset \text{ 2回微分可能関数 }\supset \cdots\supset C^\infty\text{級関数}\supset \text{解析関数}

となり、このどれも一致しません.微分可能だが、C^1 級でない関数として、
\begin{cases}x^2\sin \frac{1}{x}&x\neq0\\0&x=0\end{cases}
があります.他、C^\infty 級関数だが、解析的でない関数として、
\begin{cases}e^{-\frac{1}{x}}&x\neq0\\0&x=0\end{cases}
があります.

有理関数のテイラー展開

有理関数 Q(x) とは、多項式 f(x), g(x) に対して、
Q(x)=\frac{f(x)}{g(x)}

となるものです.この関数をテイラー展開をします.
分子の次数が分母の次数より大きいとき、は、f(x)=g(x)P(x)+R(x) と割ってやることで、

Q(x)=\frac{g(x)P(x)+R(x)}{g(x)}=P(x)+\frac{R(x)}{g(x)}

となるので、多項式 P(x) はテイラー展開は易しいです.
よって、分子の次数が分母の次数より小さい場合に帰着されます.

そこで、a\neq b に対して、
\frac{1}{(x-a)(x-b)}=\frac{1}{b-a}\left(\frac{1}{x-a}-\frac{1}{x-b}\right)
のように分解されます.
このような分解を部分分数分解と言います.

つまり、分母の多項式に異なる根をもつようなものはこのような式変形で
分解できるということです.
よって、3個の積であっても、

\frac{1}{(x-a)(x-b)(x-c)}=-\frac{1}{(a-b) (b-c) (x-b)}-\frac{1}{(a-c) (c-b) (x-c)}+\frac{1}{(a-b) (a-c) (x-a)}

として分解をすることができます.例えば、2次の項があった場合も、

\frac{1}{(x-a) (x-b)^2}=-\frac{1}{(a-b)^2 (x-b)}+\frac{1}{(b-a) (x-b)^2}+\frac{1}{(a-b)^2 (x-a)}

として分解できます.分解されたそれぞれの項の係数は、適当に、A,B,C,,, などと文字を置いてやって
求めることができます.

つまり、有理関数は、このような分解によって、すべて、\frac{1}{(x-a)^n} のような形の和に分解できることがわかります.有理関数に2乗因子以上含む場合は、そのような項も出てきます.

例えば、\frac{x+3}{( x-2) (x-1 ) (1 + x)^2} なる関数を考えると、分解として、

\frac{5}{9 (x-2)}-\frac{1}{x-1}+\frac{4}{9 (x+1)}+\frac{1}{3 (x+1)^2}
が得られます.
求め方は、
\frac{A}{x-2}+\frac{B}{x-1}+\frac{C}{x+1}+\frac{D}{ (x+1)^2}
と置いて、通分し、係数を比較すると良いです.

\frac{1}{(x-a)^n} となった後は、幾何級数を使います.

n=1 の場合は、

\frac{1}{x-a}=-\frac{1}{a}\frac{1}{1-\frac{x}{a}}=-\frac{1}{a}\sum_{n=0}^\infty(\frac{x}{a})^n

となります.この式を微分することで、

-\frac{1}{(x-a)^2}=-\frac{1}{a^2}\sum_{n=0}^\infty (n+1)(\frac{x}{a})^n

となり、
\frac{1}{(x-a)^2} のテイラー展開もわかるようになります.
このようにして、x で微分し続ければ、 \frac{1}{(x-a)^n} の展開もわかるようになります.



ちなみに、
上のように、テイラー展開をしておいてからそれを微分したり、積分したり
を項別に行うことは、慎重に行う必要があります.
しかし、解析関数の展開の場合は、その収束半径内でそのような微積分は行えます.
収束半径とは、解析関数の展開において、展開する点から測って、収束が保証される
距離の区間のことです.

今の場合、原点で展開をしていますから、原点中心の区間 (-a,a) のうちで、
この級数が収束する最大の範囲のことです.
例えば、\frac{1}{1-x} は、展開すると、\sum_{n=0}^\infty x^n ですが、この級数が
収束するのは、原点から測って距離1のところ、(-1,1) のところまでです.
それ以上増やそうとすると、x=1 の所で、無限大に発散してしまいます.

つまり、この場合の収束半径は 1 ということになります.
また、この半径は、ちょうど、原点からの距離で \frac{1}{1-x} で定義されない 1 までの距離と一致しています.
このようなことは、一般になりたちます.

結局、収束半径内であれば、項別微分は自由に行ってよくて、導関数のテイラー展開も得られますが、その収束半径も実は、元の収束半径と同じであることもわかります.
また、収束半径内では、項の順番を入れ替えても良いということは
事実として成り立ちますので、

\sum_{n=0}^\infty a_nz^n+\sum_{n=0}^\infty b_nz^n=\sum_{n=0}^\infty(a_n+b_n)z^n

のように和の順番を変えることができます.


話を元に戻しますと、多項式が実根だけを持つ場合は因数分解をして、部分分数に分解することで、テイラー展開が得られますが、複素根を持つ場合は、少し面倒です.

例えば、\frac{1}{1+x^2} のような場合は、上記のように、分解はできませんが、
幾何級数の類似で、

\frac{1}{1+x^2}=\sum_{n=0}^\infty(-x^2)^n=\sum_{n=0}^\infty(-1)^nx^{2n}

と分解することができます.また、複素数を素直に使えばいいじゃないかと思うかも
しれませんが、実は、使っても上手くいきます.最終的に、下のように、複素数を使わない形にできるのです.

\frac{1}{1+x^2}=\frac{1}{2i}\left(\frac{1}{x-i}-\frac{1}{x+i}\right)=\frac{1}{2i}\left(i\sum_{x=0}^\infty(-i)^nx^n+i\sum_{x=0}^\infty i^nx^n\right)=\sum_{n=0}^\infty(-1)^nx^{2n}

このようなことをすれば、どのような場合でも、複素根をもつものを
考えれば、分解できるはずですが、複素数の計算もそれはそれで大変になります.

前回の記事にもあったように、\frac{1}{f(x)} として、f(x)x^n-1
割るようなものであれば、\frac{g(x)}{x^n-1} として、1/(x^n-1) を幾何級数
の手法を使って分解をします.

そうでもない場合は、やはり大変です.

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