2016年6月6日月曜日

線形代数続論演習(第6回)

[場所1E103(金曜日3限)]


HPに行く.

今日は、
  • 計量同型と、
  • 固有値、固有ベクトル、対角化可能
について行いました.
どの話題も以前の復習なのですが、皆さんよく理解しているようでした.

計量同型

計量同型については、前回のブログ(リンク)に書きましたので、省略します.

計量同型について説明をしましたが、その同型の作り方まではあまり深く説明しませんでした.
今回の宿題にもなっています.
同型の作り方は、以前やりました.つまり、基底が両者にあって、基底を基底に移せば、同型写像が一つ作れることになります.しかし、ここでは、単なる同型写像の作り方ではなく、計量同型の作り方ですから、基底に付加的な条件をつけて同じように行えばよいことになります.

結論を言えば、2つのベクトル空間 $V,W$ に同じ数だけの正規直交ベクトル場あれば、正規直交ベクトルを正規直交ベクトルに一対一に移すなら、それは計量同型になります.

固有値、固有ベクトル、固有空間、対角化可能

これらについて一気にやりました.
一般のベクトル空間上の線形変換についても適当に基底を用いて、対応する表現行列に対して同じようにできますので、ここでは、行列の場合にやります.

行列 $A$ に対して、ある複素数 $\lambda$ と、ゼロベクトルでない、${\bf v}$ に対して、
$$A{\bf v}=\lambda{\bf v}$$
が成り立つとき、$\lambda$ を $A$ の固有値といい、${\bf v}$ のことを固有ベクトルといいます.
よって、この式を左辺に移すことで、
$$(\lambda E-A){\bf v}=0$$
となるので、これを連立一次方程式として考えれば、行列 $\lambda E -A$ は正則ではなくなります.これを式で表せば、$\det(\lambda E-A)=0$ となり、この左辺の多項式 $\Phi_A(t)$ を固有多項式といいます.
逆に、$\det(\lambda E-A)=0$ を満たす $\lambda$ は固有値の条件を満たし、つまり、固有値になります.よって、行列 $A$ の固有値は全て、
$$\det(\lambda E-A)=0$$
の解になっています.

また、$\lambda$ を固有値とすると、非自明なベクトル空間
$$V_\lambda=\{{\bf v}\in {\mathbb C}^n|(\lambda E-A){\bf v}=0\}$$
が作られ、この空間のことを固有空間というのでした.

また、その次元に関して、$\lambda$ を固有値としたとき、

$$0<\dim V_{\lambda}\le m_\lambda$$

が成り立ちます.ここで、$m_\lambda$ は、固有多項式の、$\lambda$ の重複度とします.
つまり、

$$\Phi_A(t)=\prod_{\lambda:\text{固有値}}(t-\lambda)^{m_\lambda}$$

が成り立ちます.

対角化可能条件

固有値を用いて、行列が対角化可能( $\overset{\text{def}}{\Leftrightarrow}\exists P$: 正則 かつ $P^{-1}AP$ が対角行列)かどうかを判定をすることができます.
対角化可能な行列のことを、半単純ともいいます.スカラー行列のことを単純行列といいます.


定理(対角化可能性判定1)
$n\times n$ 正方行列 $A$ が対角化可能であるための必要十分条件は、
$$\sum_{\lambda:\text{固有値 }}\dim V_{\lambda}=n$$
となることである.


この定理を使うことで、行列が対角化可能であるかを判定できます.
この条件は、行列 $A$ の任意の固有値 $\lambda$ に対して、$\dim V_{\lambda}=m_\lambda$
が成り立っていることとも同値です.
さらに、この条件は、ベクトル空間の基底として、固有ベクトルを選ぶことができることと同値です.つまり、


定理(対角化可能性判定2)
$n\times n$ 正方行列 $A$ が対角化可能であるための必要十分条件は、${\mathbb C}^n$ の基底  ${\bf v}_1,\cdots,{\bf v}_n$ で、$A{\bf v}_i=\lambda_i{\bf v}_i$ となるようなものが存在する.


勿論判定可能な条件としては、1の方が優れています.
判定条件2を踏まえれば、
$P=({\bf v}_1\cdots{\bf v}_n)$ として、基底を並べてやると、
$P^{-1}AP=\text{drag}(\lambda_1,\cdots,\lambda_n)$
となります.この $\text{drag}(\lambda_1,\cdots,\lambda_n)$ は、$(i,i)$ 成分が $\lambda_i$ となるような対角行列のことです.

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