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2016年7月14日木曜日

微積分I演習(第12回)

[場所1E101(水曜日4限)]

今日は
  • ガンマ関数
  • ベータ関数
についてやりました。
ガンマ関数とベータ関数については、このブログ上のこちら(リンク)に書いたことがあります.そちらに少し発展的な内容を書いています.

ガンマ関数

数ある特殊関数の中で、大学生のうちに出てくるもので、最初のものです.
広義積分で定義されているので、だいたい、この機会に紹介されることが多いです.

定義は、以下のようになります.

定義23(ガンマ関数)
s>0 なる実数に対して、
\Gamma(s)=\int_0^{\infty}e^{-x}x^{s-1}dx

積分値によりこの関数が定義づけられていますので、広義積分可能かどうかが問題となります.

s\ge 1 のとき、
e^{-x}x^{s-1}x\to \infty でのみ広義積分になります.

0<s<1 のとき、
e^{-x}\frac{1}{x^{1-s}} は、x\to 0x\to \infty の両方で広義積分となります.

このいずれの広義積分も収束することを示してください
というのが、今回の宿題です.

例えば、簡単なのは、x\to \infty での広義積分において、

|x^2e^{-x}x^{s-1}|\le |e^{-x}x^{s+1}|

であり、まず、x>1 なる x において、|e^{-x}x^{s+1}|\le |e^{-x}x^N| となる自然数 n が存在します.

また、ロピタルの定理を繰り返すことで、
\lim_{x\to \infty}e^{-x}x^{N}=\lim_{x\to \infty}\frac{x^N}{e^x}=\lim_{x\to \infty}\frac{Nx^{N-1}}{e^x}=\cdots=\lim_{x\to \infty}\frac{N!}{e^x}=0

よって、ある実数 M が存在して、x>M なる任意の x において
|x^2e^{-x}x^{s-1}|<C なるC が存在する.

よって、|e^{-x}x^{s-1}|<\frac{C}{x^2} よって、
\frac{C}{x^2}x\to \infty において、広義積分 \int_M^\infty\frac{1}{x^2}dx は収束しますので、

よって、s\ge1 のとき、
\int_0^\infty e^{-x}x^{s-1}dx

は収束します.残りの 0<s<1 についても、同じように収束性が必要です.
そちらは同じように、自力で解答してください.

このガンマ関数の関係式が大事です.
いろいろな、広義積分の値が楽に計算できるという利点があります.


ガンマ関数の関係式

\Gamma(s+1)=\int_0^{\infty}e^{-x}x^sdx=\left[-e^{-x}x^s\right]_0^\infty+\int_0^\infty e^{-x}sx^sdx
=s\cdot\int_0^\infty e^{-x}x^{s-1}dx=s\Gamma(s)

となります.
この部分積分を込みで覚えれば、ガンマ関数の関係式も頭に入るはずです.
よって、
\Gamma(s+1)=s\cdot \Gamma(s)

よって、\Gamma(1)=\int_0^\infty e^{-x}dx=1 自然数 n に対して \Gamma(n)=(n-1)! となります.

この式 \Gamma(s+1)=s\cdot\Gamma(s) から、実数 s>0 における関数から、実数全体への関数とみなすことができます.しかし、s=0,-1,-2,\cdots なる、非正整数の値は発散します.

例えば、s=-\frac{1}{2} の値は、
\Gamma(-\frac{1}{2})=\frac{\Gamma(\frac{1}{2})}{-\frac{1}{2}}=-2\sqrt{\pi}

となります.
また、結果から書いておけば、ガンマ関数 \Gamma(s) は定義できる領域内において解析関数になっています.

その他の関係式も授業中に教えましたが、ここでは証明するのには少し手狭です.
また、どこかで書きたいと思います.
簡単に分かる方法(ガンマ関数の無限積表示)を、こちら(リンク)に証明を書きました.


ベータ関数

ベータ関数の定義は、

定義24(ベータ関数)
a,b>0 なる実数に対して、
B(a,b)=\int_0^1x^{a-1}(1-x)^{b-1}dx

です.この関数も、0<a<1 もしくは、 0<b<1 のとき、広義積分ですが、収束します.
\int_0^{\frac{1}{2}}\frac1{x^s}dx のとき、0<s<1 であれば、この広義積分は収束しますのでこのことが対応します.

ベータ関数は次のようなガンマ関数を用いた等式があります.

B(a,b)=\frac{\Gamma(a)\Gamma(b)}{\Gamma(a+b)}

ですので、ガンマ関数の等式がそのままベータ関数の等式となります.

このベータ関数のこの等式は重積分などを使って証明されますので、1年生の後期に習うと思います.

例えば、高校のとき習った公式、\int_a^b(x-a)(x-b)dx=-\frac{(b-a)^3}{6} は、

t=\frac{x-a}{b-a} とおくと、x-a=t(b-a) かつ、x-b=a+t(b-a)-b=(a-b)(1-t)
\int_a^b(x-a)(x-b)dx=(b-a)\int_0^1(b-a)t\cdot (a-b)(1-t)dt
=-(b-a)^3\int_0^1t(1-t)dt=-(b-a)B(2,2)
となります.上の関係式を使えば、
B(2,2)=\frac{\Gamma(2)\Gamma(2)}{\Gamma(4)}=\frac{1}{3!}=\frac{1}{6}

となります.

同じような変形により、a,b を自然数とすると、
\int_A^B(x-A)^{a-1}(x-B)^{b-1}dx=(-1)^{b-1}(B-A)^{a+b-1}B(a,b)
=(-1)^{b-1}(A-B)^{a+b-1}\frac{(a-1)!(b-1)!}{(a+b-1)!}
となります.



実数についてのプリントに問題も出しましたが、特に何も説明しませんでしたので
ここでも省略します.

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