Processing math: 100%

2019年10月13日日曜日

数学外書輪講I(第15回)

[場所1E501(月曜日5限)]


このページは7/29に行われた授業に基づいています。

完全グラフを完全二部グラフによって分割すること
についてやりました。
前々回(こちら)も同じ定理について証明してもらいましたが、
今回はマトウセクに書かれている線形代数を用いた方法です。

定理をもう一度書いておくと、次のようになります。

定理
もし、完全グラフ K_n が部分完全二部グラフ H_1,\cdots ,H_m
によって分割することができるなら、m\ge n-1 である。

完全二部グラフによって分割できるとは、
完全グラフ K_n の頂点と辺を用いて完全二部グラフ H_j
m 個つくったとき、K_n の辺の集合が、H_1,\cdots, H_m
辺の集合によってちょうど分割されるということになります。

つまり、H_1,H_2,\cdots, H_m のそれぞれの辺の数の和は、ちょうど
{}_nC_2=n(n-1)/2 個ということになります。

H_j の頂点の集合を V(H_j)=X_j\sqcup Y_j とします。
いま、n\times n 行列 A_k=(a_{ij}^{(k)})
a_{ij}^{(k)}=\begin{cases}1&i\in X_k\text{かつ}j\in Y_k\\0&otherwise\end{cases}
とします。
すると、\text{rank}(A_k)=1 であることはすぐわかります。

A=\sum_{k=1}^mA_k とすると、
また、A+A^t=J_n-I_n が成り立ちます。
ここで、I_nn\times n 単位行列で、J_nn\times n 行列で、
すべての成分が 1 となる行列とします。

ここで、\text{rank}(A)\le \sum_{i=1}^m\text{rank}(A_i)=m
であり、n-1\le \text{rank}(A) であることを示せればよいです。

\text{rank}(A)\le n-2 であるとします。
{\bf 1} をすべて 1 からなる横ベクトルとします。
すると、\begin{pmatrix}A\\{\bf 1}\end{pmatrix} のランクは n-1 以下であるから、
このとき、{\bf x}\in {\mathbb R}^n が存在して、
A{\bf x}={\bf 1}\cdot {\bf x}={\bf 0} かつ {\bf x}\neq {\bf 0} となります。

このベクトル {\bf x} を用いて、
{\bf x}^t(A+A^t){\bf x}={\bf x}^t(J_n-I_n){\bf x}={\bf x}^tJ_n{\bf x}-{\bf x}^t\cdot {\bf x}=-{\bf x}^t\cdot {\bf x}<0
かつ、
{\bf x}^t(A+A^t){\bf x}={\bf x}^tA{\bf x}+{\bf x}^tA^t{\bf x}={\bf x}^t\cdot {\bf 0}+{\bf 0}^t\cdot {\bf x}=0
となり、矛盾します。

背理法から、n-1\le \text{rank}(A) であることがわかります。

よって、n-1\le m であることがわかります。

0 件のコメント:

コメントを投稿