[場所1E103(金曜日5限)]
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第7回はレポートだけなので、それの解説と8回の内容を書きます。
第7回は
商のマクローリン展開を先にやっておきます。
商のマクローリン展開
これはどういうことかというと、
$\frac{1}{1-f(x)}$ のマクローリン展開のことです。
分子も何か関数 $g(x)$ があってもいいのですが、結局は、分母を展開した後、
かければいいので、$\frac{1}{1-f(x)}$ のマクローリン展開を考えます。
いま、$\frac{1}{1-x}=1+x+x^2+\cdots +x^n+o(x^n)$ $(x\to 0)$ が成り立ちます。
また、$f(x)$ のマクローリン展開が 可能で、$f(0)=0$ であるとします。
このとき、$f(x)=f’(0)x+\frac{f’’(0}{2}x^2+\cdots$ と展開できます。
このとき、
$$\frac{1}{1-f(x)}=1+f(x)+f(x)^2+f(x)^3+\cdots +f(x)^n+o(f(x)^n)$$
が成り立ちます。
$o(f(x)^n)$ は $o(x^n)$ と書き換えられます。
なぜかというと、$h(x)=o((f(x))^n)$ であるとすると、
$$\frac{h(x)}{x^n}=\frac{h(x)}{f(x)^n}\frac{f(x)^n}{x^n}=\frac{h(x)}{f(x)^n}\left(\frac{f(x)}{x}\right)^n\to 0$$
なります。よって、$h(x)=o(x^n)$ が成り立ちます。
ゆえに、
$$\frac{1}{1-f(x)}=1+f(x)+f(x)^2+f(x)^3+\cdots +f(x)^n+o(x^n)$$
$$=1+\left(f’(0)x+\frac{f’’(0)}{2}x^2+\cdots\right)+\left(f’(0)x+\frac{f’’(0)}{2}x^2+\cdots\right)^2$$
$$+\cdots+\left(f’(0)x+\frac{f’’(0)}{2}x^2+\cdots\right)^n+o(x^n)$$
となり、展開して整理すれば、
$\frac{1}{1-f(x)}$ のマクローリン展開ができます。
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manabaに行く
第7回はレポートだけなので、それの解説と8回の内容を書きます。
第7回は
- マクローリン展開を用いた不定形の極限
第8回は
をやってもらいました。
- 商、対数、ベキ乗関数のマクローリン展開
- 三角関数の積分
をやってもらいました。
マクローリン展開を用いた不定形の極限
レポートで多くの人はできていたので、この部分は問題はないと思います。
今年の隣のクラスでも同じ内容のblogを書きましたのでここでリンクしておきす。
商のマクローリン展開を先にやっておきます。
商のマクローリン展開
これはどういうことかというと、
$\frac{1}{1-f(x)}$ のマクローリン展開のことです。
分子も何か関数 $g(x)$ があってもいいのですが、結局は、分母を展開した後、
かければいいので、$\frac{1}{1-f(x)}$ のマクローリン展開を考えます。
いま、$\frac{1}{1-x}=1+x+x^2+\cdots +x^n+o(x^n)$ $(x\to 0)$ が成り立ちます。
また、$f(x)$ のマクローリン展開が 可能で、$f(0)=0$ であるとします。
このとき、$f(x)=f’(0)x+\frac{f’’(0}{2}x^2+\cdots$ と展開できます。
このとき、
$$\frac{1}{1-f(x)}=1+f(x)+f(x)^2+f(x)^3+\cdots +f(x)^n+o(f(x)^n)$$
が成り立ちます。
$o(f(x)^n)$ は $o(x^n)$ と書き換えられます。
なぜかというと、$h(x)=o((f(x))^n)$ であるとすると、
$$\frac{h(x)}{x^n}=\frac{h(x)}{f(x)^n}\frac{f(x)^n}{x^n}=\frac{h(x)}{f(x)^n}\left(\frac{f(x)}{x}\right)^n\to 0$$
なります。よって、$h(x)=o(x^n)$ が成り立ちます。
ゆえに、
$$\frac{1}{1-f(x)}=1+f(x)+f(x)^2+f(x)^3+\cdots +f(x)^n+o(x^n)$$
$$=1+\left(f’(0)x+\frac{f’’(0)}{2}x^2+\cdots\right)+\left(f’(0)x+\frac{f’’(0)}{2}x^2+\cdots\right)^2$$
$$+\cdots+\left(f’(0)x+\frac{f’’(0)}{2}x^2+\cdots\right)^n+o(x^n)$$
となり、展開して整理すれば、
$\frac{1}{1-f(x)}$ のマクローリン展開ができます。
例として、第7回のレポートを書いておきます。
問題は次の関数
$$f(x)=\frac{x}{\tan x}$$
のマクローリン展開でした。
もちろん、$f(0)=1$, $f'(0)=0$, $f''(0)=-\frac{2}{3}$, $f'''(0)=0$ $f^{(4)}(0)=-\frac{8}{15}$
とすれば、
$$f(x)=f(0)+f'(0)x+\frac{f''(0)}{2!}x^2+\frac{f''(0)}{3!}x^3+\frac{f^{(4)}(0)}{4!}x^4+o(x^4)$$
$$=1-\frac{x^2}{3}-\frac{x^4}{45}+o(x^4)$$
と計算できます。しかし、ここでは、下にもあるように、もう少しやさしくやる方法を
考えます。つまり、上の4回微分までの値をさらっと書いてありますが、まぁまぁ
大変です。
その代わり、$\tan x$ の微分ならそれほど苦になりません。
つまり、
$$\tan x=x+\frac{x^3}3+\frac{2x^5}{15}+o(x^5)$$
がすぐに成り立ちます。奇関数であることから、奇数の項しかでてきません。
これを使うと、
$$\frac{x}{\tan x}=\frac{1}{1+\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)}$$
であることがわかります。
また、$\frac{1}{1+x}=1-x+x^2-x^3+\cdots +(-1)^{n-1}x^n+o(x^n)$
において $x$ の場所に $\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)$ を代入します。
このとき、$h(x)=o(x^4)$ なる関数として、
$\frac{\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+h(x)\right)^4}{x^4}=\left(\frac{x}{3}+\frac{2x^3}{15}+\frac{h(x)}{x}\right)^4\to 0\ \ \ \ (x\to 0)$
が成り立ちます。よって、
$$o\left(\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+h(x)\right)^4\right)=o(x^4)$$
となります。これを使って、
このとき、$h(x)=o(x^4)$ なる関数として、
$\frac{\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+h(x)\right)^4}{x^4}=\left(\frac{x}{3}+\frac{2x^3}{15}+\frac{h(x)}{x}\right)^4\to 0\ \ \ \ (x\to 0)$
が成り立ちます。よって、
$$o\left(\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+h(x)\right)^4\right)=o(x^4)$$
となります。これを使って、
$$\frac{1}{1+\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)}=1-\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)\right)+\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)\right)^2-\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)\right)^3$$
$$+\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)\right)^4+o\left((\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4))^4\right)$$
$$+\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)\right)^4+o\left((\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4))^4\right)$$
$$=1-\left(\frac{x^2}{3}+\frac{2x^4}{15}+o(x^4)\right)+\left(\frac{x^4}{9}+o(x^6)\right)+o(x^6)+o(x^7)+o(x^4)$$
$$=1-\frac{x^2}{3}-\frac{x^4}{45}+o(x^4)$$
となります。
対数関数の合成のマクローリン展開
$$\frac{-f’(x)}{1-f(x)}=-f’(x)\left(1+f(x)+f(x)^2+f(x)^3+\cdots +f(x)^n+o(x^n)\right)$$
$$=a_0+a_1x+a_2x^2+\cdots+a_nx^n+o(x^n)$$
と展開するとき、積分することで、
$$\log(1-f(x))=a_0x+a_1\frac{x^2}{2}+a_2\frac{x^3}{3}+\cdots+a_n\frac{x^{n+1}}{n+1}+o(x^{n+1})$$
となります。
$\int_0^x o(x^n)dx=o(x^{n+1})$ であることを示します。
$h(x)=o(x^n)$ であるとします。
$\int_0^x h(x)dx=H(x)$ であるとします。
$$\lim_{x\to 0}\frac{H(x)}{x^{n+1}}$$
を求めます。ロピタルの定理を用いると、
$$\lim_{x\to 0}\frac{\left(\int_0^x h(x)dx\right)’}{(n+1)x^n}=\lim_{x\to 0}\frac{h(x)}{(n+1)x^n}=0$$
となるので、
$\lim_{x\to 0}\frac{H(x)}{x^{n+1}}=0$ となります。
よって、$\int_0^x o(x^n)dx=o(x^{n+1})$ がいえます。
対数関数の合成のマクローリン展開は、次のようにして求めることができます。
$$\log(1-x)=x+\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{3}+\cdots+\frac{x^n}{n}+o(x^n)$$
であるから、$f(x)=a_1x+a_2x^2+\cdots$ の展開を持つとすると、
$$\log(1-f(x))=f(x)+\frac{f(x)^2}{2}+\frac{f(x)^3}{3}+\cdots+\frac{f(x)^n}{n}+o(x^n)$$
とすることができます。
$$=1-\frac{x^2}{3}-\frac{x^4}{45}+o(x^4)$$
となります。
対数関数の合成のマクローリン展開
$$\frac{-f’(x)}{1-f(x)}=-f’(x)\left(1+f(x)+f(x)^2+f(x)^3+\cdots +f(x)^n+o(x^n)\right)$$
$$=a_0+a_1x+a_2x^2+\cdots+a_nx^n+o(x^n)$$
と展開するとき、積分することで、
$$\log(1-f(x))=a_0x+a_1\frac{x^2}{2}+a_2\frac{x^3}{3}+\cdots+a_n\frac{x^{n+1}}{n+1}+o(x^{n+1})$$
となります。
$\int_0^x o(x^n)dx=o(x^{n+1})$ であることを示します。
$h(x)=o(x^n)$ であるとします。
$\int_0^x h(x)dx=H(x)$ であるとします。
$$\lim_{x\to 0}\frac{H(x)}{x^{n+1}}$$
を求めます。ロピタルの定理を用いると、
$$\lim_{x\to 0}\frac{\left(\int_0^x h(x)dx\right)’}{(n+1)x^n}=\lim_{x\to 0}\frac{h(x)}{(n+1)x^n}=0$$
となるので、
$\lim_{x\to 0}\frac{H(x)}{x^{n+1}}=0$ となります。
よって、$\int_0^x o(x^n)dx=o(x^{n+1})$ がいえます。
対数関数の合成のマクローリン展開は、次のようにして求めることができます。
$$\log(1-x)=x+\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{3}+\cdots+\frac{x^n}{n}+o(x^n)$$
であるから、$f(x)=a_1x+a_2x^2+\cdots$ の展開を持つとすると、
$$\log(1-f(x))=f(x)+\frac{f(x)^2}{2}+\frac{f(x)^3}{3}+\cdots+\frac{f(x)^n}{n}+o(x^n)$$
とすることができます。
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