[場所1E103(金曜日5限)]
をやりました.
一様収束と広義一様収束
一様収束を定義します.
ポイントは任意の $\epsilon>0$ に対して、$x\in I$ によらずに、$N>0$ が存在して、主張がなりたつということです.
つまり、$|f_n(x)-f(x)|<M_n$ なる$x$ によらない $M_n$ が存在して、$M_n\to 0$ となるということです.このような評価ができれば一様収束といえます.
関数項級数 $\sum_{n=0}^\infty f_n(x)$ が一様収束するとは、関数列 $\sum_{k=0}^nf_k(x)$ が一様収束することを言います.
例えば、あるべき級数 $\sum_{k=0}^\infty a_nx^n$ が一様収束するかどうかを調べます.
例
$$\sum_{n=0}^\infty x^n$$
が$I=[-1/2,1/2]$ で一様収束することを証明します.$f_n(x)=\sum_{k=0}^nx^k$ となるような関数列を考えます.このとき、ここで、$I=[-1/2,1/2]$ でなくても、$0<r<1$ なる $[-r,r]$ であれば、成り立ちます.
(証明) $f_n(x)=\sum_{k=0}^n x^k$ とし、$|f_n(x)-f(x)|=|\sum_{k=n+1}^\infty x^k|= \frac{|x|^{n+1}}{|1-x|}\le \frac{|x|^{n+1}}{1-|x|}\le \frac{(1/2)^{n+1}}{\frac{1}{2}}\le \left(\frac{1}{2}\right)^n=M_n $
となり、この最右辺は $x$ によらない定数で、$n\to \infty $ のとき、$M_n\to 0$ となります.
一様収束について次が成り立ちます.
次に、一様収束を拡張した概念を定義します.
定義からすぐ分かることは、$I$ が有界閉区間の場合は一様収束と同じ意味です.ですので、$I$ として、例えば、開区間などを考えると意味があります.
例
同じ例
$$\sum_{n=0}^\infty x^n$$
が $(-1,1)$ で広義一様収束することを示します.そのために、$(-1,1)$ の中の任煮の有界閉集合 $F\subset (-1,1)$ を考えます.このとき、$r=\max\{|x||x\in F\}$ とすると、 $r<1$ となります.よって、
$$F\subset [-r,r]\subset (-1,1)$$
が成り立ちます.
$F$ で一様収束を示すには、$[-r,r]$ での一様収束を示せれば十分です.
よって、$I=[-r,r]$ とすると、上の評価から、$|f_n(x)-f(x)|\le \frac{|x|^{n+1}}{1-|x|}\le\frac{r^{n+1}}{1-r}=M_n$
とすると、$M_n$ は $r$ にはよるが、$x\in [-r,r]$ にはよらない定数で、
$n\to \infty$ となるとき、$M_n\to 0$ となります.
よって、$f_n(x)$ は $F$ で一様収束します.
つまり、$f_n(x)$ は $(-1,1)$ で広義一様収束します.
このような定義がどのような意味があるかというと、次の定理が成り立ちます.
特に、収束半径内 ($|z-a|<R$ ) でのべき級数 $\sum_{n=0}^\infty a_n(z-a)^n$ は広義一様収束しますので、項別微積分定理
$$\frac{d}{dx}\sum_{n=0}^\infty a_nx^n=\sum_{n=0}^\infty na_nx^{n-1}$$
$$\int_{0}^x\sum_{n=0}^\infty a_nt^ndt=\sum_{n=0}^\infty a_n\int_{0}^x\frac{t^{n+1}}{n+1}dt$$
が成り立ち、収束半径は微積分した後も同じです.
よって、収束半径内において、$\sum_{n=0}^\infty a_nx^n$ は $C^\infty$ 級関数ということになります.
この知識と今までの微積分を用いて、、
$$\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{6}$$
を示します.
(1) $\int_{0}^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-x^2}}dx$ を求めます.
$(\text{Arcsin}(x))'=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$ であるので、$t=\text{Arcsin}(x)$ とおくと、この積分は $\int_0^{\pi/2}tdt=\frac{\pi^2}{8}$ となります.
(2) $\text{Arcsin}(x)$ のべき級数展開(テイラー展開)を求めます.
$(\text{Arcsin}(x))'=(1-x^2)^{-\frac{1}{2}}$ です.
ここで、2項定理により、
$$(1+x)^\alpha=\sum_{n=0}^\infty\binom{\alpha}{n}x^n$$
となります.ここで、$\binom{\alpha}{n}$ は2項係数で、$\frac{\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)\cdots(\alpha-n-1)}{n!}$ です.
よって、$\binom{-\frac{1}{2}}{n}=\frac{(-\frac{1}{2})(-\frac{3}{2})\cdots (-\frac{1}{2}-n+1)}{n!}=(-1)^n\frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}$
となります.
$(\text{Arcsin}(x))'=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}x^{2n}$ となるので、この式に、微分と極限の交換を考えます.積分して、
$\text{Arcsin}(x)=\int_0^x(\text{Arcsin}(t))'dt=\int_0^x\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}t^{2n}dt$ として、
この積分記号が$\sum_{n=0}^\infty$ の中に入るためには、$\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}t^{2n}$ が $(-1,1)$ で広義一様収束していればよいことになります.
そのためには、$[-r,r]$ 上で一様収束することを示せば十分なので、
確かめてみると、$|\sum_{k=n+1}^\infty \frac{(2k-1)!!}{(2k)!!}t^{2k}|\le\sum_{k=n+1}^\infty|\frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}||t|^{2k}\le \sum_{k=n+1}^\infty |t|^{2k}\le \frac{r^{2(n+1)}}{1-|r|}$
この右辺は、$t\in [-r,r]$ に関係なく、$0$ に収束します.
よって、この級数は $(-1,1)$ で広義一様収束するので、積分記号が 、$\sum$ の中に入ることで、
$$\text{Arcsin}(x)=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{x^{2n+1}}{2n+1}$$
が成り立ちます.
(3) よって、$(-1,1)$ で連続関数 $\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$ を掛けても広義一様収束なので、
$$\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}$$
は広義一様収束します.
(4) (3) から、この関数を積分をすると、
$$\int_0^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-x^2}}dx=\int_{0}^1 \sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}dx$$
$$=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\int_{0}^\infty \frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}dx$$ となり、
$x^2=t$ とすると、$dt=2xdx$ かつ、$\Gamma(n+\frac{3}{2})=(n+\frac{1}{2})(n-\frac{1}{2})\cdots\frac{3}{2}\frac{1}{2}\Gamma(\frac{1}{2})$ を用いて、
$$\int_{0}^1 \frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}dx=\frac{1}{2}\int_0^1t^n(1-t)^{-\frac{1}{2}}dt=\frac{1}{2}B\left(\frac{1}{2},n+1\right)=\frac{1}{2}\frac{\Gamma\left(\frac{1}{2}\right)\Gamma(n+1)}{\Gamma\left(n+\frac{3}{2}\right)}=\frac{1}{2}\frac{2^{n+1}n!}{(2n+1)!!}=\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}$$
(5) (4) の結果を(3)に代入すると、(1) の積分は次のように計算されます.
$$\int_{0}^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-x^2}}dx=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}$$
$$=\sum_{n=0}^\infty\frac{1}{(2n+1)^2}$$
一方 (1) から
$$\frac{\pi^2}{8}=\int_{0}^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-t^2}}dt=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{(2n+1)^2}$$
となります.求める級数の和を$S$ とおくと、
$$S=\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2}=\sum_{n=0}^\infty \frac{1}{(2n+1)^2}+\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{(2n)^2}=\frac{\pi^2}{8}+\frac{1}{4}\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{8}+\frac{S}{4}$$
より、
$$S=\frac{4}{3}\frac{\pi^2}{8}=\frac{\pi^2}{6}$$
となります。
今日は
- 一様収束と、広義一様収束、項別微積分の定理と
- $\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{6}$を示すこと
一様収束と広義一様収束
一様収束を定義します.
定義1(一様収束)
$I$ を区間とし、$I$ 上の関数列 $f_n(x)\ \ (n=1,2,\cdots)$ が $f(x)$ に一様収束するとは、任意の $\epsilon>0$ に対して、ある $N$ が存在して、$n>N$ なる任意の $n$ について、任意の $x\in I$ について $|f_n(x)-f(x)|\le \epsilon$ となる.
$I$ を区間とし、$I$ 上の関数列 $f_n(x)\ \ (n=1,2,\cdots)$ が $f(x)$ に一様収束するとは、任意の $\epsilon>0$ に対して、ある $N$ が存在して、$n>N$ なる任意の $n$ について、任意の $x\in I$ について $|f_n(x)-f(x)|\le \epsilon$ となる.
ポイントは任意の $\epsilon>0$ に対して、$x\in I$ によらずに、$N>0$ が存在して、主張がなりたつということです.
つまり、$|f_n(x)-f(x)|<M_n$ なる$x$ によらない $M_n$ が存在して、$M_n\to 0$ となるということです.このような評価ができれば一様収束といえます.
関数項級数 $\sum_{n=0}^\infty f_n(x)$ が一様収束するとは、関数列 $\sum_{k=0}^nf_k(x)$ が一様収束することを言います.
例えば、あるべき級数 $\sum_{k=0}^\infty a_nx^n$ が一様収束するかどうかを調べます.
例
$$\sum_{n=0}^\infty x^n$$
が$I=[-1/2,1/2]$ で一様収束することを証明します.$f_n(x)=\sum_{k=0}^nx^k$ となるような関数列を考えます.このとき、ここで、$I=[-1/2,1/2]$ でなくても、$0<r<1$ なる $[-r,r]$ であれば、成り立ちます.
(証明) $f_n(x)=\sum_{k=0}^n x^k$ とし、$|f_n(x)-f(x)|=|\sum_{k=n+1}^\infty x^k|= \frac{|x|^{n+1}}{|1-x|}\le \frac{|x|^{n+1}}{1-|x|}\le \frac{(1/2)^{n+1}}{\frac{1}{2}}\le \left(\frac{1}{2}\right)^n=M_n $
となり、この最右辺は $x$ によらない定数で、$n\to \infty $ のとき、$M_n\to 0$ となります.
一様収束について次が成り立ちます.
定理2(連続関数の一様収束極限)
$I$ 上の連続関数の列 $f_n(x)\ \ (n=1,2,\cdots)$ が $f(x)$ に一様収束するとき、$f(x)$ は連続関数となる.
$I$ 上の連続関数の列 $f_n(x)\ \ (n=1,2,\cdots)$ が $f(x)$ に一様収束するとき、$f(x)$ は連続関数となる.
次に、一様収束を拡張した概念を定義します.
定義3(広義一様収束)
$I$ を区間とし、$I$ 上の関数列 $f_n(x)\ \ (n=1,2,\cdots)$ が $f(x)$ に広義一様収束するとは、$I$ の任意の有界閉集合において、一様収束することをいいます。
$I$ を区間とし、$I$ 上の関数列 $f_n(x)\ \ (n=1,2,\cdots)$ が $f(x)$ に広義一様収束するとは、$I$ の任意の有界閉集合において、一様収束することをいいます。
定義からすぐ分かることは、$I$ が有界閉区間の場合は一様収束と同じ意味です.ですので、$I$ として、例えば、開区間などを考えると意味があります.
例
同じ例
$$\sum_{n=0}^\infty x^n$$
が $(-1,1)$ で広義一様収束することを示します.そのために、$(-1,1)$ の中の任煮の有界閉集合 $F\subset (-1,1)$ を考えます.このとき、$r=\max\{|x||x\in F\}$ とすると、 $r<1$ となります.よって、
$$F\subset [-r,r]\subset (-1,1)$$
が成り立ちます.
$F$ で一様収束を示すには、$[-r,r]$ での一様収束を示せれば十分です.
よって、$I=[-r,r]$ とすると、上の評価から、$|f_n(x)-f(x)|\le \frac{|x|^{n+1}}{1-|x|}\le\frac{r^{n+1}}{1-r}=M_n$
とすると、$M_n$ は $r$ にはよるが、$x\in [-r,r]$ にはよらない定数で、
$n\to \infty$ となるとき、$M_n\to 0$ となります.
よって、$f_n(x)$ は $F$ で一様収束します.
つまり、$f_n(x)$ は $(-1,1)$ で広義一様収束します.
このような定義がどのような意味があるかというと、次の定理が成り立ちます.
定理4(項別微積分定理)
$f_n(x)$ が $I$ で $f(x)$ に広義一様収束するとする.このとき、
$$\frac{d}{dx}\lim_{n\to \infty}f_n(x)=\lim_{n\to \infty}\frac{d}{dx}f_n(x)$$
$$\int_a^x\lim_{n\to \infty}f_n(t)dt=\lim_{n\to \infty}\int_a^xf_n(t)dt$$
が成り立つ.
$f_n(x)$ が $I$ で $f(x)$ に広義一様収束するとする.このとき、
$$\frac{d}{dx}\lim_{n\to \infty}f_n(x)=\lim_{n\to \infty}\frac{d}{dx}f_n(x)$$
$$\int_a^x\lim_{n\to \infty}f_n(t)dt=\lim_{n\to \infty}\int_a^xf_n(t)dt$$
が成り立つ.
特に、収束半径内 ($|z-a|<R$ ) でのべき級数 $\sum_{n=0}^\infty a_n(z-a)^n$ は広義一様収束しますので、項別微積分定理
$$\frac{d}{dx}\sum_{n=0}^\infty a_nx^n=\sum_{n=0}^\infty na_nx^{n-1}$$
$$\int_{0}^x\sum_{n=0}^\infty a_nt^ndt=\sum_{n=0}^\infty a_n\int_{0}^x\frac{t^{n+1}}{n+1}dt$$
が成り立ち、収束半径は微積分した後も同じです.
よって、収束半径内において、$\sum_{n=0}^\infty a_nx^n$ は $C^\infty$ 級関数ということになります.
この知識と今までの微積分を用いて、、
$$\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{6}$$
を示します.
(1) $\int_{0}^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-x^2}}dx$ を求めます.
$(\text{Arcsin}(x))'=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$ であるので、$t=\text{Arcsin}(x)$ とおくと、この積分は $\int_0^{\pi/2}tdt=\frac{\pi^2}{8}$ となります.
(2) $\text{Arcsin}(x)$ のべき級数展開(テイラー展開)を求めます.
$(\text{Arcsin}(x))'=(1-x^2)^{-\frac{1}{2}}$ です.
ここで、2項定理により、
$$(1+x)^\alpha=\sum_{n=0}^\infty\binom{\alpha}{n}x^n$$
となります.ここで、$\binom{\alpha}{n}$ は2項係数で、$\frac{\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)\cdots(\alpha-n-1)}{n!}$ です.
よって、$\binom{-\frac{1}{2}}{n}=\frac{(-\frac{1}{2})(-\frac{3}{2})\cdots (-\frac{1}{2}-n+1)}{n!}=(-1)^n\frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}$
となります.
$(\text{Arcsin}(x))'=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}x^{2n}$ となるので、この式に、微分と極限の交換を考えます.積分して、
$\text{Arcsin}(x)=\int_0^x(\text{Arcsin}(t))'dt=\int_0^x\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}t^{2n}dt$ として、
この積分記号が$\sum_{n=0}^\infty$ の中に入るためには、$\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}t^{2n}$ が $(-1,1)$ で広義一様収束していればよいことになります.
そのためには、$[-r,r]$ 上で一様収束することを示せば十分なので、
確かめてみると、$|\sum_{k=n+1}^\infty \frac{(2k-1)!!}{(2k)!!}t^{2k}|\le\sum_{k=n+1}^\infty|\frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}||t|^{2k}\le \sum_{k=n+1}^\infty |t|^{2k}\le \frac{r^{2(n+1)}}{1-|r|}$
この右辺は、$t\in [-r,r]$ に関係なく、$0$ に収束します.
よって、この級数は $(-1,1)$ で広義一様収束するので、積分記号が 、$\sum$ の中に入ることで、
$$\text{Arcsin}(x)=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{x^{2n+1}}{2n+1}$$
が成り立ちます.
(3) よって、$(-1,1)$ で連続関数 $\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$ を掛けても広義一様収束なので、
$$\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}$$
は広義一様収束します.
(4) (3) から、この関数を積分をすると、
$$\int_0^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-x^2}}dx=\int_{0}^1 \sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}dx$$
$$=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\int_{0}^\infty \frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}dx$$ となり、
$x^2=t$ とすると、$dt=2xdx$ かつ、$\Gamma(n+\frac{3}{2})=(n+\frac{1}{2})(n-\frac{1}{2})\cdots\frac{3}{2}\frac{1}{2}\Gamma(\frac{1}{2})$ を用いて、
$$\int_{0}^1 \frac{x^{2n+1}}{\sqrt{1-x^2}}dx=\frac{1}{2}\int_0^1t^n(1-t)^{-\frac{1}{2}}dt=\frac{1}{2}B\left(\frac{1}{2},n+1\right)=\frac{1}{2}\frac{\Gamma\left(\frac{1}{2}\right)\Gamma(n+1)}{\Gamma\left(n+\frac{3}{2}\right)}=\frac{1}{2}\frac{2^{n+1}n!}{(2n+1)!!}=\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}$$
(5) (4) の結果を(3)に代入すると、(1) の積分は次のように計算されます.
$$\int_{0}^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-x^2}}dx=\sum_{n=0}^\infty \frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\frac{1}{2n+1}\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}$$
$$=\sum_{n=0}^\infty\frac{1}{(2n+1)^2}$$
一方 (1) から
$$\frac{\pi^2}{8}=\int_{0}^1\frac{\text{Arcsin}(x)}{\sqrt{1-t^2}}dt=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{1}{(2n+1)^2}$$
となります.求める級数の和を$S$ とおくと、
$$S=\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2}=\sum_{n=0}^\infty \frac{1}{(2n+1)^2}+\sum_{n=1}^\infty \frac{1}{(2n)^2}=\frac{\pi^2}{8}+\frac{1}{4}\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{8}+\frac{S}{4}$$
より、
$$S=\frac{4}{3}\frac{\pi^2}{8}=\frac{\pi^2}{6}$$
となります。
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