[場所1E103(水曜日4限)]
HPに行く.
今日は発表でした。
自分の好きな問題を解いていたわけですが、理解している部分もありますが、
まだまだな部分が多かったような気がします.
この秋学期の線形代数の授業の総括は、15回の方のブログに書くことにします.
14回に載せた話題について、ここでは書くことにします.
行列乗についての話を載せましたと思います.
射影子の話はスペースの都合上ここでは割愛します.
A を n\times n 正方行列とすると、e^Aを
e^A=E+A+\frac{1}{2!}A^2+\frac{1}{3!}A^3+\cdots
とします.このとき、この級数は収束します.
||A||=\max\{|a_{ij}||1\le i,j\le n\} とします.
このとき、||A^2||\le n||A||^2 となります.よって、帰納的に
||A^m||\le n^{m-1}||A||^m となります.
よって、
||e^A||\le 1+||A||+\frac{n||A||^2}{2!}+\frac{n^2||A||^3}{3!}+\cdots
= 1+||A||+\frac{(n||A||)^2}{2!}+\frac{(n||A||)^3}{3!}+\cdots=e^{n||A||}
となり、e^A の各成分は収束します.
ここでは、正方行列 A に対して、e^{tA} なる関数を考えます.
例えば、A=\begin{pmatrix}\lambda&0\\0&\mu\end{pmatrix} なる対角行列とすると、
A^n=\begin{pmatrix}\lambda^n&0\\0&\mu^n\end{pmatrix} となるので
e^A=\begin{pmatrix}e^\lambda&0\\0&e^\mu\end{pmatrix}
となります.よって、e^{tA}=\begin{pmatrix}e^{\lambda t}&0\\0&e^{\mu t}\end{pmatrix}
また、A=\begin{pmatrix}\lambda&1\\0&\lambda\end{pmatrix} とすると、
A^n=\begin{pmatrix}\lambda^n&n\lambda^{n-1}\\0&\lambda\end{pmatrix} ですので、
e^A=\begin{pmatrix}e^\lambda&e^\lambda\\0&e^\lambda\end{pmatrix}
e^{tA}=\begin{pmatrix}e^{\lambda t}&te^{\lambda t}\\0&e^{\lambda t}\end{pmatrix}
e^{tA} の微分
ここで、e^{tA} を微分します.行列の微分とは、各成分の微分を意味します.
そうすると、
\frac{d}{dt}e^{tA}=\frac{d}{dt}\left(E+tA+\frac{t^2}{2!}A^2+\frac{t^3}{3!}A^3+\cdots\right)
=\left(A+\frac{t}{1!}A^2+\frac{t^2}{2!}A^3+\cdots\right)
=A\left(E+tA+\frac{t^2}{2!}A^2+\cdots\right)=Ae^{tA}
となります.
この e の行列乗を用いて、線形常微分方程式を解くことができます.
ここで、e^{tA} は A と可換であることに注意しておきます.
HPに行く.
今日は発表でした。
自分の好きな問題を解いていたわけですが、理解している部分もありますが、
まだまだな部分が多かったような気がします.
この秋学期の線形代数の授業の総括は、15回の方のブログに書くことにします.
14回に載せた話題について、ここでは書くことにします.
行列乗についての話を載せましたと思います.
射影子の話はスペースの都合上ここでは割愛します.
A を n\times n 正方行列とすると、e^Aを
e^A=E+A+\frac{1}{2!}A^2+\frac{1}{3!}A^3+\cdots
とします.このとき、この級数は収束します.
||A||=\max\{|a_{ij}||1\le i,j\le n\} とします.
このとき、||A^2||\le n||A||^2 となります.よって、帰納的に
||A^m||\le n^{m-1}||A||^m となります.
よって、
||e^A||\le 1+||A||+\frac{n||A||^2}{2!}+\frac{n^2||A||^3}{3!}+\cdots
= 1+||A||+\frac{(n||A||)^2}{2!}+\frac{(n||A||)^3}{3!}+\cdots=e^{n||A||}
となり、e^A の各成分は収束します.
ここでは、正方行列 A に対して、e^{tA} なる関数を考えます.
例えば、A=\begin{pmatrix}\lambda&0\\0&\mu\end{pmatrix} なる対角行列とすると、
A^n=\begin{pmatrix}\lambda^n&0\\0&\mu^n\end{pmatrix} となるので
e^A=\begin{pmatrix}e^\lambda&0\\0&e^\mu\end{pmatrix}
となります.よって、e^{tA}=\begin{pmatrix}e^{\lambda t}&0\\0&e^{\mu t}\end{pmatrix}
また、A=\begin{pmatrix}\lambda&1\\0&\lambda\end{pmatrix} とすると、
A^n=\begin{pmatrix}\lambda^n&n\lambda^{n-1}\\0&\lambda\end{pmatrix} ですので、
e^A=\begin{pmatrix}e^\lambda&e^\lambda\\0&e^\lambda\end{pmatrix}
e^{tA}=\begin{pmatrix}e^{\lambda t}&te^{\lambda t}\\0&e^{\lambda t}\end{pmatrix}
となります.
対角化可能なものについては、P^{-1}AP を対角行列 D としたときに、
e^{P^{-1}AP}=P^{-1}e^AP=e^D とし、
e^A=Pe^DP^{-1} とすることで e^A を計算します.
対角化可能でない場合は、2\times 2 行列の場合は、P^{-1}AP により上の2つ目の行列と形になります.サイズが3以上の場合も同じようにやればよいのですが、少し面倒なのでここでは省略します.
ここでは、行列乗が計算できたとして、話を進めます.
対角化可能なものについては、P^{-1}AP を対角行列 D としたときに、
e^{P^{-1}AP}=P^{-1}e^AP=e^D とし、
e^A=Pe^DP^{-1} とすることで e^A を計算します.
対角化可能でない場合は、2\times 2 行列の場合は、P^{-1}AP により上の2つ目の行列と形になります.サイズが3以上の場合も同じようにやればよいのですが、少し面倒なのでここでは省略します.
ここでは、行列乗が計算できたとして、話を進めます.
e^{tA} の微分
ここで、e^{tA} を微分します.行列の微分とは、各成分の微分を意味します.
そうすると、
\frac{d}{dt}e^{tA}=\frac{d}{dt}\left(E+tA+\frac{t^2}{2!}A^2+\frac{t^3}{3!}A^3+\cdots\right)
=\left(A+\frac{t}{1!}A^2+\frac{t^2}{2!}A^3+\cdots\right)
=A\left(E+tA+\frac{t^2}{2!}A^2+\cdots\right)=Ae^{tA}
となります.
この e の行列乗を用いて、線形常微分方程式を解くことができます.
ここで、e^{tA} は A と可換であることに注意しておきます.
線形常微分方程式
微分方程式とは、微分演算が入った関数のある等式のことです.常微分方程式とは、一変数関数がもつ微分方程式のことです.その中でも線形ということは、
x^{(n)}(t)+a_1x^{(n-1)}(t)+\cdots+a_{n-1}x'(t)+a_nx(t)=0
となる方程式のことです.ここでの方程式とは、関数 x(t) が変数としての役割であり、常微分方程式を解くということは、上記のような微分を用いた式を見たす関数 x(t) を求めるということを意味します.
また、線形であるということは、解全体がベクトル空間をなすということです.
実際、x(t),y(t) が上の方程式を満たすとすると、微分演算子の線形性
\frac{d^m(x(t)+y(t))}{dt^m}=\frac{d^mx(t)}{dt^m}+\frac{d^my(t)}{dt^m}
から、x(t)+y(t) もその方程式を満たすことがわかると思います.
ベクトル空間であるためには、スカラー倍も定義されていないといけません.
\lambda\in {\mathbb R} と解 x(t) に対して \lambda 倍された関数 \lambda x(t) は再び、解になっていることがすぐにわかると思います.
よって解の空間はベクトル空間となるのです.
また、ここで、係数 a_i は全て実数としておきます.一般の関数とすることもできますが、そのときは、微分方程式を解くのは少し難しくなります.そのとき方は解析の授業の方で習ってください.
ここでは、定数係数の線形常微分方程式のみ扱います.
今、
{\bf x}(t)={}^t(x(t),x'(t),\cdots,x^{(n-1)}(t)) 置きます.そうすると
{\bf x}'(t)=\begin{pmatrix}0&1&0&\cdots&0\\0&\ddots&1&0\cdots&0\\\cdots&\cdots&\ddots&\ddots&0\\0&\cdots&\cdots&0&1\\-a_n&-a_{n-1}&\cdots&\cdots&-a_1\end{pmatrix}{\bf x}(t)
と連立一階常微分方程式に帰着されます.
ここで、この n\times n 行列を A とおきます.
そのとき、e^{-tA} と A は可換なので、 (e^{-tA}x(t))'=-e^{-tA}Ax(t)+e^{-tA}x'(t)=e^{-tA}(-Ax(t)+x'(t))=0 となります.
よってこのベクトルは定数ベクトルとなり、それを (c_1,\cdots,c_n) と置くと、
x(t)=e^{tA}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\\vdots\\c_n\end{pmatrix}
となります.よって、\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\\vdots\\c_n\end{pmatrix} は x(t) の初期ベクトルということになります.
これで、x(t) が解けたことになります.あとは、e^{tA} の計算が残されています.
この計算例については、去年のページに幾つか載せたのでそちらを参照して下さい.
去年のページ
微分方程式とは、微分演算が入った関数のある等式のことです.常微分方程式とは、一変数関数がもつ微分方程式のことです.その中でも線形ということは、
x^{(n)}(t)+a_1x^{(n-1)}(t)+\cdots+a_{n-1}x'(t)+a_nx(t)=0
となる方程式のことです.ここでの方程式とは、関数 x(t) が変数としての役割であり、常微分方程式を解くということは、上記のような微分を用いた式を見たす関数 x(t) を求めるということを意味します.
また、線形であるということは、解全体がベクトル空間をなすということです.
実際、x(t),y(t) が上の方程式を満たすとすると、微分演算子の線形性
\frac{d^m(x(t)+y(t))}{dt^m}=\frac{d^mx(t)}{dt^m}+\frac{d^my(t)}{dt^m}
から、x(t)+y(t) もその方程式を満たすことがわかると思います.
ベクトル空間であるためには、スカラー倍も定義されていないといけません.
\lambda\in {\mathbb R} と解 x(t) に対して \lambda 倍された関数 \lambda x(t) は再び、解になっていることがすぐにわかると思います.
よって解の空間はベクトル空間となるのです.
また、ここで、係数 a_i は全て実数としておきます.一般の関数とすることもできますが、そのときは、微分方程式を解くのは少し難しくなります.そのとき方は解析の授業の方で習ってください.
ここでは、定数係数の線形常微分方程式のみ扱います.
今、
{\bf x}(t)={}^t(x(t),x'(t),\cdots,x^{(n-1)}(t)) 置きます.そうすると
{\bf x}'(t)=\begin{pmatrix}0&1&0&\cdots&0\\0&\ddots&1&0\cdots&0\\\cdots&\cdots&\ddots&\ddots&0\\0&\cdots&\cdots&0&1\\-a_n&-a_{n-1}&\cdots&\cdots&-a_1\end{pmatrix}{\bf x}(t)
と連立一階常微分方程式に帰着されます.
ここで、この n\times n 行列を A とおきます.
そのとき、e^{-tA} と A は可換なので、 (e^{-tA}x(t))'=-e^{-tA}Ax(t)+e^{-tA}x'(t)=e^{-tA}(-Ax(t)+x'(t))=0 となります.
よってこのベクトルは定数ベクトルとなり、それを (c_1,\cdots,c_n) と置くと、
x(t)=e^{tA}\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\\vdots\\c_n\end{pmatrix}
となります.よって、\begin{pmatrix}c_1\\c_2\\\vdots\\c_n\end{pmatrix} は x(t) の初期ベクトルということになります.
これで、x(t) が解けたことになります.あとは、e^{tA} の計算が残されています.
この計算例については、去年のページに幾つか載せたのでそちらを参照して下さい.
去年のページ
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