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2018年10月24日水曜日

クラスセミナー(第3回)

[場所1E202(金曜日5限)]

HPに行く

今回はクラスセミナーで多変数関数の連続性・全微分可能性について
やりました。

多変数関数の連続
z=f(x,y) という関数が (a,b) で連続であるということは、
(a,b) に向かう任意の道に沿っても f(x,y) が連続であるということです。
(a,b) を通る道とは、
連続関数 x(t),y(t) に対して、x(0)=a かつ y(0)=b となるものを用いて
(x(t),y(t)) と書けるものをいいます。
このとき、f(x(t),y(t)) は実数上の実数値関数ですが、
上の任意の道において連続であるとは、この実数値関数が t=0 で連続であるということです。

つまり、
z=f(x,y) という関数が (a,b) で連続であるとは、
任意の t=0x(0)=a かつ y(0)=b となる連続関数 x(t),y(t) に対して、
1次関数として f(x(t),y(t)) が連続となることを言います。

このとき、
\lim_{(x,y)\to (a,b)}f(x,y)=f(a,b) と書きます。

例えば、
f(x,y)=\begin{cases}\frac{x^3+y^3}{x^2+y^2}&(x,y)\neq (0,0)\\0&(x,y)=(0,0)\end{cases}(0,0) で連続であるということを示すには、
x(t),y(t) で、t=0 で連続で、x(0)=y(0)=0 となる関数を任意に取ったときに、
f(x(t),y(t))t=0 連続であることを示せば良いことになります。

そうすると、r(t)=\sqrt{x(t)^2+y(t)^2} とすると、
r(t) も連続な関数で、t\to 0 のとき r(t)\to 0 となります。
|f(x(t),y(t))|=\frac{|x(t)^3+y(t)^3|}{r(t)^2}\le \frac{r(t)^3+r(t)^3}{r(t)^2}=2r(t)
ここで、右辺は、r(t)\to 0\ \ (t\to 0) であるので、
はさみうちの原理により、f(x(t),y(t))\to 0\ \ (t\to 0) となります。

この証明をもっと簡略化すれば、以下のようにすることもできます。
r=\sqrt{x^2+y^2} とするとき、(x,y)\to(0,0) ならば、r\to 0 である。
よって、
|f(x,y)|\le \frac{|x^3+y^3|}{r^2}\le \frac{|x^3|+|y^3|}{r^2}\le \frac{r^3+r^3}{r^2}=2r\to 0
であるので、はさみうちの原理により、f(x,y)\to 0 であることがわかる。


他の例で、連続でないことを示すには、ある関数
x(t),y(t) を取ったときに、(a,b) で連続ではなくなることを示せばよい
ことになります。例えば、道を2通り取ったときに
そのとき、f(x(t),y(t)) は収束しても、その行き先が違うなどを
確かめることで、関数が不連続であること確かめることができます。
その例は、上のHPのリンクの中のクラスセミナー第3回のスライドにあります。


全微分可能性
z=f(x,y)(x,y)=(a,b) で全微分可能であるとは、下の条件を満たすことです。
f(x,y)=f(a,b)+m(x-a)+n(y-b)+o(\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2})
を満たすような m,n が存在することです。
これは、次のように言い換えることができます。

\lim_{(x,y)\to (0,0)}\frac{f(x,y)-f(a,b)-m(x-a)-n(y-b)}{\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2}}=0
となります。つまり、\lim の中の関数が (0,0) で連続であり、
0 に収束するということです。

つまり、やることは、収束するように、m,n を選ぶことができるかということです。
もし選ぶことができるなら、特に、m=\frac{\partial f}{\partial x}(a,b) であり、
n=\frac{\partial f}{\partial y}(a,b) であることもわかります。

例として、\frac{x^4+y^4}{x^2+y^2} が原点で全微分可能であることを
証明できます。上のHPのリンクのスライドを見てください。

また、上に例として出した \frac{x^3+y^3}{x^2+y^2} は連続でしたが、
全微分可能ではないこともそこで示していますのでそちらを見てください。

概念の関係性
連続、全微分可能、偏微分可能、C^1 級について
以下の論理関係が一般に成り立ちます。
C^1 級とは、1階の偏導関数が全て連続であることです。

C^1 級 \Rightarrow 全微分可能 \Rightarrow 連続
全微分可能 \Rightarrow 偏微分可能

この矢印のいずれも逆は言えません。
また、連続であることと偏微分可能であることの間には論理的関係性はありません。
例えば、f(x,y)=\begin{cases}\frac{xy}{x^2+y^2}&(x,y)\neq (0,0)\\0&(x,y)=(0,0)\end{cases} は偏微分可能ですが、連続ではありません。

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