2018年10月22日月曜日

トポロジー入門演習(第3回)

[場所1E202(月曜日4限)]

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今回は、開集合、閉集合についての演習についてやりました。

距離空間において以下を説明してもらいました。
(問題2-1) 開区間 $(a,b)$が開集合であること
(問題2-2)  $(a,b)\times (c,d)$ が開集合であること
(問題2-2) 1点集合が閉集合であること
(問題2-3) $U,V$ が開集合なら $U\cap V$ も開集合、$U_\lambda(\lambda\in \Lambda)$ なら $\cup_{\lambda\in \Lambda}U_\lambda$ も開集合
(問題2-4) $U$ が開集合であれば、$U^c$ は閉集合である。

とくに、1点が閉集合であることが特に困ったようです。
これらのことの証明は、定義に戻って議論することが重要です。

1点集合が閉集合であることだけここでやっておきます。
$(X,d)$ を距離空間とする。$p\in X$ に対して、$q\in X\setminus\{p\}$ に対して、
$\delta=d(p,q)$ とする。
$N(q;\delta)\subset X\setminus \{p\}$ であるから、$X\setminus \{p\}$ は開集合であることがわかる。

この証明の前に、以下が成り立っていたことに注意しておきます。

命題
距離空間の部分集合 $A\subset X$ をとる。
$\forall p\in A$ に対して、 $\epsilon$ が存在して $N(p;\epsilon)\subset A$ となることと、
$A$ が開集合であることは同値である。

(証明)
もし、$\forall p\in A\subset X$ に対して、$N(p;\epsilon)\subset A$ となるなら、
$a$ は $A$ の内点である。よって、$A\subset A^i$ である。
本来 $A^i\subset A$ であるので、$A=A^i$ であるので、$A$ は開集合である。
逆に $A$ が開集合であるとすると、$A=A^i$ であり、$\forall p\in A$ に
対して、$N(p;\epsilon)\subset A$ となることがわかる。

命題
閉集合の補集合は開集合である。

(証明)
$F$ を閉集合とする。
$a\in (F^c)$ とする。
$a$ は $F$ の触点ではないので $\epsilon >0$ が存在して、$N(a;\epsilon)\cap F=\emptyset$
である。
つまり、$N(a;\epsilon)\subset F^c$ である。
よって、$a$ は $F^c$ の内点であるから、$F^c\subset (F^c)^i$ となり、
$F^c=(F^c)^i$ であるから、$F^c$ は開集合である。


この命題は開集合の性質として基本的です。

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