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2018年10月3日水曜日

トポロジー入門演習(第1回)

[場所1E202(月曜日4限)]

HPに行く

今日(10/1)からトポロジー入門演習の授業が始まりました。
大学2年生むけです。

この時間の前の時間にトポロジー入門の講義があり、それに付随する演習の授業です。
是非ともどちらも受講して、トポロジーについて理解を深めてください。

名前はトポロジーですが、内容は、位相空間について主にやります。

授業の形式はグループワークです。
グループワークでは、数学の内容を正しく理解するだけではなく、
  1. 人に正しくわかりやすく伝えること。
  2. 人の話が数学的に正しいかどうか判断すること。
  3. 人と問題を解決していくこと。
を養ってもらおうと思っています。
授業の最初に前回の復習を兼ねて詳しく解説し、解答は与えますが、
あとはグループ内で議論をしてもらいます。
必要に応じて私が議論に参加します。

また、今日やってみて授業時間内では到底考える時間は足りないと感じましたので、
割り当てられた問題は次回に必ず考えて持ってくる。
(答えを具体的に書いても良い。)を義務付けようと思います。

今日行ったことは、集合論の復習と {\mathbb R}^n 内の部分集合の内点、内部、
触点、閉包です。一部距離空間という言葉も登場しました。


設定は、とりあえず、{\mathbb R}^n で、{\mathbb R}^n には
d^{(n)}({\bf x},{\bf y})=\sqrt{(x_1-y_1)^2+\cdots +(x_n-y_n)^2}
のようなユークリッド距離があり、それを用います。

また、B_n({\bf x},r)=\{{\bf y}\in {\mathbb R}^n|d^{(n)}({\bf x},{\bf y})\le r\}
を、r-開球体と言うことにする。

内点の定義
A\subset {\mathbb R}^n を部分集合とする。

{\bf x}\in AA内点であるとは、

ある\epsilon>0が存在して、B_n({\bf x},\epsilon)\subset A となることをいう。

A の内点全体の集合を A^i と書いて、それを A内部という。

定義から、 A^i\subset A となる。
また、A^i=A となる部分集合 A のことを開集合という。

触点の定義
A\subset {\mathbb R}^n を部分集合とする。

{\bf x}\in {\mathbb R}^nA触点であるとは、

任意の\epsilon>0が存在して、B_n({\bf x},\epsilon)\cap A\neq \emptyset となることをいう。

A の触点全体の集合を \bar{A} と書いて、それを A閉包という。

定義から、 A\subset \bar{A} となる。
また、\bar{A}=A となる部分集合 A のことを閉集合という。

境界点の定義
A\subset {\mathbb R}^n を部分集合とする。

\bar{A}\setminus A^i のことを A境界といい、A^f とかく。
境界の点のことを境界点という。

上の内点、触点、内部、閉包、それと開集合と閉集合の定義をしっかりと
頭に叩き込んでください。
境界点については、内点と触点から導き出されます。


これらを求める問題を今回はやってもらいました。
一部持ち越したので、来週はそこからまたやってもらいます。

大事なことは、定義をしっかり身に付けることです。
中々わからないときはいろいろな問題を解いてみると次第にわかってきます。


この定義を読んでわかる通り、
内部、触点などの定義は {\mathbb R}^n で行う必要などなく、
距離が定義されている集合であればなんでも定義可能です。
距離が定義されている集合を距離空間と言います。
ただ、距離といっても、``普通"の距離でないといけないので、
以下の条件を満たす必要があります。


距離空間の定義
X を集合とする。関数 d:X\times X\to {\mathbb R}_{\ge 0} が定義されており、
以下が成り立つとき、集合と関数の組み (X,d) を距離空間と言います。

(1) d(x,x)=0 かつ、逆に d(x,y)=0 ならば x=y
(2) d(x,y)=d(y,x)
(3) d(x,y)+d(y,z)\ge d(x,z)  (三角不等式)

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