2018年10月15日月曜日

トポロジー入門演習(第2回)

[場所1E202(月曜日4限)]

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トポロジー入門演習を行いました。
先週に引き続き、内点、内部、触点、閉包の演習を行いました。

$[0,1)$ の内部が $(0,1)$ であることを証明してもらいましたが、
時間内に終わったグループもありましたが、そうでないグループも
ありました。

距離空間の場合の内点の定義を再び書きます。
$(X,d)$ が距離空間の場合に、
部分集合 $A\subset X$ に対して、$a\in A$ が $A$ の内点であるとは、

ある$\epsilon>0$ が存在して、
$B_d(a;\epsilon)\subset A$ であること

です。また、内点の全体の集合を内部といいます。
ここで、$B_d(a;\epsilon)=\{x\in X|d(x,a)<\epsilon\}$ を表します。
同じものは、教科書では $N(a;\epsilon)$ と書いてあります。
下のように、${\mathbb R}^n$ における、定義 $B_n(x;\epsilon)=\{y\in {\mathbb R}^n|d(y,x)<\epsilon\}$ と混同しないようにしましょう。


たとえば、$[0,1)$ の内部は、$(0,1)$ ですが、
このことは、以下のようにして示すことができます。

$(0,1)$ のすべての点が $[0,1)$ の内点であることを示す必要があります。
$a\in (0,1)$ に対して、
$r=\min\{a,1-a\}$ とします。これは、$r$ は、$a$ の $[0,1)$ の端からの距離の
近い方の意味です。
そうすると、$r\le a$ かつ $r\le 1-r$ が成り立ちます。
このとき、$B_1(a;r)\subset[0,1)$ が成り立ちます。
この包含関係を証明すればよいが、そのためには $\forall b\in B_1(a;r)$ に対して $b\in [0,1)$
であることを証明すればよいです。

$a-r<b<a+r$ となります。
よって、
$b>a-r\le a-a=0$
かつ
$b<a+r\le a+1-a=1$ であるので、
$0<b<1$ つまり、$b\in [0,1)$ である。
よって、$B_1(a;r)\subset [0,1)$ であることがわかる。

ゆえに、$(0,1)$ の各点は、$[0,1)$ の内点であることがわかった。
では、$[0,1)$ の内点は、$[0,1)$ の部分集合なので、$0$ が内点でないことを示す
必要があります。

$a\in [0,1)$ が $[0,1)$ の内点でないとは、
内点の定義を否定すれば良いので、

$\forall \epsilon>0$ に対して $B_1(a,\epsilon)\not\subset [0,1)$ であること

となります。

$0\in [0,1)$ が内点ではないことを示します。
$\forall \epsilon>0$ に対して $b\in B_1(0,\epsilon)$ が存在して $b\not\in [0,1)$ となることを
示します。

$b$ を見つければ良いのですが、$b=-\frac{\epsilon}{2}$ を取れば、
$b\in B_1(0,\epsilon)$ であり、$-\frac{\epsilon}{2}<0$ なので、$b\not\in [0,1)$ となります。

よって、$0\in [0,1)$ は $[0,1)$ の内点ではないことになります。

ゆえに、$[0,1)^i=(0,1)$ であることがわかります。

この問題は1次元の場合(つまり ${\mathbb R}^1$)の話ですが、次の問題では、
2次元 ${\mathbb R}^2$ の場合の証明になります。

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