[場所1E103(水曜日4限)]
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今日は、関数について以下の項目
よって、$(n+1)^n\le n^n\sum_{k=0}^n\frac{1}{k!}$ となります。
今、$n\ge 3$ であるとすると、
$\sum_{k=0}^n\frac{1}{k!}\le 2+\frac{1}{2}+\frac{1}{6}+\sum_{k=4}^n\frac{1}{k!}=2\frac{2}{3}+\sum_{k=4}^n1<n$
ゆえに、$(n+1)^n\le n^n\cdot n=n^{n+1}$ が成り立つ。
ここで、$[s,t]$ は $\{x\in {\mathbb R}|s\le x\le t\}$ のことを指します。
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今日は、関数について以下の項目
- 逆三角関数
- 双曲線関数
- 逆双曲線関数
- 連続関数
についてやりました。
数列の収束について
先週の続きだったのですが、多くの人は有界単調増加な数列は収束することを
使ってできていました。
ただ、中には単調ではない数列もありました。
例えば、$n^{\frac{1}{n}}$ は単調数列ではありませんが、収束します。
$a_1=1,\ a_2=1.41421...,\ a_3=1.4425...,\ a_4=1.41421...$
$a_5=1.37973...,\ a_6=1.34801....\ a_7=1.32047....$
となります。なんとなく、$n\ge 3$ の場合単調に減少して収束するようです。
数列が収束するには、$a_n$ は $n$ が十分大きい部分で単調減少で、下から
有界であることを示せればよいことに注意しておきます。
つまり、$a_n=n^{\frac{1}{n}}$ のとき、$a_{n+1}^{n(n+1)}=(n+1)^n<n^{n+1}=a_n^{n(n+1)}$
が $n\ge 3$の場合に成り立つことを示せばよいことになります。
命題
$n\ge 3$ のとき、$(n+1)^n<n^{n+1}$ が成り立つ。
(証明)
$$(n+1)^n=\sum_{k=0}^n{}_nC_kn^{n-k}$$
$n\ge 3$ のとき、$(n+1)^n<n^{n+1}$ が成り立つ。
(証明)
$$(n+1)^n=\sum_{k=0}^n{}_nC_kn^{n-k}$$
であり、${}_nC_k=\frac{n(n-1)\cdots(n-k+1)}{k(k-1)\cdots 2\cdot 1}\le\frac{n^k}{k!}$ であるので、
任意の $k$ において
任意の $k$ において
$${}_nC_kn^{n-k}\le \frac{n^k}{k!}n^{n-k}=\frac{n^n}{k!}$$
となります。
よって、$(n+1)^n\le n^n\sum_{k=0}^n\frac{1}{k!}$ となります。
今、$n\ge 3$ であるとすると、
$\sum_{k=0}^n\frac{1}{k!}\le 2+\frac{1}{2}+\frac{1}{6}+\sum_{k=4}^n\frac{1}{k!}=2\frac{2}{3}+\sum_{k=4}^n1<n$
ゆえに、$(n+1)^n\le n^n\cdot n=n^{n+1}$ が成り立つ。
また、$1+\frac{(-1)^n}{n}$ などの数列の収束をいう問題
もありましたが、次の定理を使いましょう。
証明はいまのところしません。
もありましたが、次の定理を使いましょう。
証明はいまのところしません。
定理1
$S_1,S_2$ を ${\mathbb N}$ の無限部分集合で、${\mathbb N}=S_1\cup S_2$
であり、$S_1\cap S_2=\emptyset$ を満たすとする。
であり、$S_1\cap S_2=\emptyset$ を満たすとする。
$a_n$ の部分数列 $\{a_n|n\in S_1\}$ と $\{a_n|n\in S_2\}$ とする。
それを順番に並びかえた数列を $b_n, c_n$ とする。
このとき、$b_n,c_n$ がそれぞれ、単調減少数列、単調増加数列とする。
さらに、$b_n\to \alpha$, $c_n\to \alpha$ とすると、$a_n$ は収束する。
上の数列について、$b_n=a_{2n}$, $c_n=a_{2n-1}$ とします。
$b_n, c_n$ はそれぞれ、単調減少、単調増加です。
それぞれ、1が下限、上限なので、上の定理から数列は収束します。
上の定理から、以下の交代級数の収束に関する判定定理を上げておきます。
交代級数とは、級数 $\sum_{n=1}^\infty a_n$ で、$a_n$ の符号が交代的になる数列とします。
つまり、$a_na_{n+1}<0$ となる実数の数列です。
定理2
$\sum_{n=1}^\infty a_n$ が交代級数とします。このとき、$|a_n|$ が単調減少数列であるとすると、
$\sum_{n=1}^\infty a_n$ は収束する。
$a_1>0$ としておきます。このとき、部分和の数列 $\sum_{k=1}^{2n-1}a_k$ は単調減少で、$\sum_{k=2}^{2n}a_k$ は単調増加数列であり、それらの収束先は$|a_n|$ が単調減少なので一致します。よって、すぐ上の定理1から定理2が成り立ちます。
連続関数と数列の収束について
知られている連続関数を使って数列の収束をいうこともできます。
次の定理を使えば良いでしょう。
定理
$f(x)$ を連続関数とする。このとき、$a_n\to a$ であるなら、
$f(a_n)\to f(a)$ がなりたつ。
例えば、$a_n=\sqrt[n]{a} \ \ a>0$ とする。
このとき、$a^x$ は連続関数です。また、
$a_n=\frac{1}{n}$ は収束する数列であるから、$a^{\frac{1}{n}}$ は $a^0=1$ に収束する。
逆三角関数
三角関数 $y=\sin x,\cos x,\tan x$ の逆関数を $y=\text{Arcsin}(x)$, $\text{Arccos}(x)$, $\text{Arctan}(x)$ といいます。ただ、定義域は、前2つが $-1\le x\le 1$ で、最後は ${\mathbb R}$ なのですが、値域は、$-\frac{\pi}{2}\le y\le \frac{\pi}{2}$, $0\le y\le \pi$, ${\mathbb R}$となります。
授業中にグラフをざっくりと書いたのでここでは書きません。
今日は、$\text{Arcsin}(x)=\text{Arccos}(2x)$ のような式を解きました。
これは、両辺を $y$ とおいて、普通の三角関数に直して解きました。
このとき、$x=\sin y$ かつ、$2x=\cos y$ なので、$x^2+4x^2=1$ より、$x=\frac{\pm 1}{\sqrt{5}}$ となります。
よって $y=\text{Arcsin}(\frac{\pm1}{\sqrt{5}})=\pm\text{Arcsin}(\frac{1}{\sqrt{5}})$ であり、
また、上の$\text{Arccos}(x)$ の値域が非負の数だったから、$y\ge 0$ となります。
ゆえに、上の $\pm1$ はプラスの方だけということになり、
$x=\frac{1}{\sqrt{5}}$ ということになります。
双曲線関数と逆双曲線関数
双曲線関数はあまり高校の頃には扱いませんが、ここは大学なので扱います。
$\sinh(x)=\frac{e^x-e^{-x}}{2}$
$\cosh(x)=\frac{e^x+e^{-x}}{2}$
$\tanh(x)=\frac{\sinh(x)}{\cosh(x)}$
と定義されます。
このとき、
$\cosh^2(x)-\sinh^2(x)=1$ かつ、$1-\tanh^2(x)=\frac{1}{\cosh^2(x)}$
などの三角関数に似た関係式が成り立ちます。
この逆関数を $\text{Arsinh}(x)$, $\text{Arcosh}(x)$, $\text{Artanh}(x)$ と書きます。
それぞれの定義域は、${\mathbb R}$, $x\ge 1$, ${\mathbb R}$ となります。
また、今日やってもらったのは、$\sinh(\text{Artanh}(x))$ を簡単にするなどの問題です。
$y=\text{Artanh}(x)$ とおきますと、$x=\tanh(y)$ が成り立ち、$\sinh(y)$ を計算するには、
$y=\text{Artanh}(x)$ とおきますと、$x=\tanh(y)$ が成り立ち、$\sinh(y)$ を計算するには、
$\sinh(y)$ を $\tanh(y)$ の式に直さなければなりませんが、$\sinh(y)=\frac{\tanh(y)}{\sqrt{1-\tanh^2(y)}}$ を使って直してやります。
連続関数
宿題に連続関数に関する問題をのせました。
また、実数の中の有理数の稠密性についての定理ものせました。
有理数の稠密性とは、以下の性質を満たすことです。
定理(有理数の稠密性)
任意の実数$a,b\in {\mathbb R}$ ($a<b$)に対してある有理数 $\gamma$ が存在して、
$a<\gamma<b$ が成り立つ。
これを用いると、任意の実数 $\alpha\in {\mathbb R}$ に対して、
$\alpha$ に収束する有理数からなる数列 $r_n$ が作れることを宿題に出しました。
ヒントも授業中に少し出しました。上の有理数の稠密性を使うと、そのような有理数列が作れることがわかります。
$[\alpha-\frac{1}{2^n},\alpha+\frac{1}{2^n}]$ に含まれる有理数 $r_n$ を構成します。
ここで、$[s,t]$ は $\{x\in {\mathbb R}|s\le x\le t\}$ のことを指します。
また、そのようにとった $r_n$ が収束することを示してください。
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