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2017年4月19日水曜日

微積分I演習(数学類)(第1回)

[場所1E103(水曜日4限)]

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数学類の微積分I演習が始まりました。
この授業の内容を少しだけですが、こちらに書いておきます。
また、上にリンクしたように、manabaにも授業の注意点や
配付プリントなどを載せました。

また、去年も同じ授業をしており、そのときのblogもまたあります。
2016微積分I演習(リンク先) です。少し見てみると、ほとんど同じ
授業をしたようです。そちらも今後参考にしてください。中身の問題は少しずつ改定されたり、記号がちがったりしていますので注意してください。

今日は、

  • 論理式
  • 集合の書き方
  • 数列の収束
に関して主にやりました。

論理式
論理式といっても、教えたのは、\forall\exists だけです.
おさらいをしておくと、
\forall は、「任意の」、「全ての」といういみで、
\exists は、「ある....が存在して....」といういみで、
それぞれそのように読みます。

今日の例では、

「任意の r\in {\mathbb R} に対して、r^2>m となる整数 m が存在する。」
を書き直せば、

\forall r\in {\mathbb R} に対して、\exists m\in {\mathbb Z}r^2>m を満たす。」


となります。また、否定命題は、


\exists r\in {\mathbb R} が、\forall m\in {\mathbb Z} に対して r^2\le m を満たす。」
となります.
否定命題の作り方は、\forall\exists に直し、最後の結論を否定すればよいことになります。

集合
さらに、集合の書き方を教えました。集合は一般に、
\{a\in X|(a\text{ が満たすべき条件} )\}
のようにかくのが数学の流儀です。
a\in X の部分を縦棒の右に持ってきて、\{a|a\in X,...\} としてもよいし、\in X の部分もなくてわかるものであれば、必ず書かなくてもよいですが、集合の元は今どこで考えているかを明確にするためには、この部分はサボらず書いた方が、読み手にはわかりやすくなります。

例として、整数全体の中の、m\in {\mathbb Z} の倍数の集合を、上の書き方で
書いておくと、
m{\mathbb Z}=\{mk\in {\mathbb Z}|k\in {\mathbb Z}\}
とかくことができます。


要素であること。部分集合であること

x が集合 X のメンバーのひとつであることをx\in X とかきます。
また、集合 S がある集合 X の部分集合であることは
S\subset X と書きます。
  • x\in Xx が集合 X のメンバーのひとつであること
  • S\subset X :集合 S がある集合 X の部分集合であること
この2つの区別は明確にしてください。

たとえば、今日出てきた例だと、偶数全体の集合 2{\mathbb Z} は整数全体の集合
{\mathbb Z} の中で、2{\mathbb Z}\subset {\mathbb Z} とはかけますが、2{\mathbb Z}\in {\mathbb Z} とは書けません。
なぜなら、{\mathbb Z} の中のメンバーとしては、偶数全体は入っておらず、
入っているメンバーは、1 とか 5 とかの一つ一つの数のみです。
この注意をしたすぐあとに、今日の発表で、10{\mathbb Z}\in 2{\mathbb Z}\cap 5{\mathbb Z} 
と書いている人がしました。\in\subset の区別はつけましょう。

集合のイコール
2つの集合が等しいことを示す方法は、
例えば、それが A,B であるとすると、A\subset B かつ B\subset A であること
を示せば良いことになります。(今回の宿題でもそれを踏襲して解いてください。)

A\subset B であることを示す方法は、A の任意の元が B の元になっていることを証明すれば良いことになります。
例えば、6{\mathbb Z}=2{\mathbb Z}\cap 3{\mathbb Z}
の等式を示す場合、

(証明)
n\in6{\mathbb Z} のとき、n6 の倍数なので、n=6m となる整数 m が存在する。よって n=3(2m) かつ n=2(3m) となり、n \in 2{\mathbb Z} かつ n\in 3{\mathbb Z}
となる。よって、n\in 2{\mathbb Z}\cap 3{\mathbb Z} となる。
また、n\in 2{\mathbb Z}\cap 3{\mathbb Z} とすると、n=2m かつ、n=3k となる整数 m,k が存在する。
よって、n=2m=3k であるから、m3 で割り切れる。
よって、m=3l とおくと、n=6l となり、n\in 6{\mathbb Z} となる。\Box

このように示してください。

最後に、集合の演算を集合の言葉で書いておきます。
U,V の共通集合 U\cap V=\{x|x\in U\text{ かつ }y\in V\}
U,V の和集合 U\cup V=\{x|x\in U\text{ または }y\in V\}
X の中での A の補集合 \{x\in X|x\not\in A\}



数列の収束
数列の収束についてやりました。
数列 a_na に収束するというのは、 a に限りなく近くなるということで、講義の方でも、このような定義をしたようです。しかし、大学ではちゃんと収束するということを定義してすすんでいきます。いずれ出てくるから、それまでとりあえずお預けなのですが、今日はその定義だけを教えました。

ただ、私の不覚のいたすところで、間違いの定義をしてしまいました。
manabaに登録したプリントでは直してあります。

数列 a_na に収束するというのは、
(誤) \forall \epsilon>0 に対してある n\in {\mathbb N} が存在して、|a_n-a|<\epsilon となる。
(正) \forall \epsilon>0 に対してある N\in {\mathbb N} が存在して、{}^\forall n>N に対して、|a_n-a|<\epsilon となる。

と訂正します。
(誤)の方ですと、とても簡単な発散数列 (-1)^n が収束してしまいます。
なぜだかわかりますか?
(正)の方は、あるところから先全てが条件 |a_n-a|<\epsilon をみたさなければなりません。
一方(誤)の方は、全てでなくても、なんらかの項が存在すればよいと言っています。


ここでは、次のごく簡単な原理と収束の定義から、数列 a_n=1/n が収束するということを証明してみます。

アルキメデスの原理
\forall a\in {\mathbb R} に対して、\exists n\in {\mathbb N} が存在して、a<n となる。


数列 a_n=\frac{1}{n} が収束すること。

(証明)
任意の \epsilon>0 をとります。このとき、アルキメデスの原理より、
\frac{1}{\epsilon}<N となる自然数 N が存在します。
よって、\forall n>N に対して、
|\frac{1}{n}-0|= \frac{1}{n}< \frac{1}{N}<\epsilon
となり、数列の収束の定義から、数列 a_n=1/n は収束します。\Box


ここでの数列の収束の示し方

ここでは、上のような定義に突っ込んだ証明ではなく、
下のようにパッケージされた収束判定のための定理を用いて数列の収束性を示します。
宿題の方でもそのようにしてください。

定理
任意の上に有界な単調増加数列は、収束する。
任意の下に有界な単調減少数列は、収束する。


この定理を用いると、上の数列 a_n=\frac{1}{n} は、以下のように示されます。

(証明)
a_n=\frac{1}{n} が下に有界であることと、単調減少であることを示せばよい。
n は正の整数だから、
0<\frac{1}{n} であり、下に有界。また、
a_{n+1}-a_n=\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n}=-\frac{1}{n(n+1)}<0 であるから、a_n は単調減少。
ゆえに、a_n は収束する。\Box

この方法を真似て、今日出した宿題、また、今回配った問題の自分の学籍番号の問題を解いて、黒板に書いておいてください。

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