2017年4月17日月曜日

数学外書輪講I(第1回)

[場所1E501(月曜日5限)]

HPに行く
配付プリント

今日から数学外書輪講Iが始まりました.

この授業を受け持つのは私は初めてです.
シラバスを見ると、数学の英語の本をみんなで読み回すという授業のようです.

今日持って行った本は以下です.

  • Calculus on Manifolds (M Spivak)
  • Linear Algebra (S Lang)
  • Thirty-three miniatures Mathematical and Algorithmic Applications of Linear Algebra (J Matousek)
  • Introduction to Mathematical Logic (J Malitz)
でした.私のオススメは3番目のマトウシェクの数学小景で、これをみんなで読もうかと思っていたのですが、私も少し読んだりしているうちに、少し高度なのかもしれないと思い始め、基礎知識としてすでに持っている、微積や線形の本を英語もよいかと思ってそれぞれ1冊ずつ用意しました.結局、多くの人は線形代数の本を読むことになりました.一人はマトウシェクの本を読むことになりました.

ちなみに、マトウシェクのホームページ(リンク)にこの本のPDF版(出版前バージョンとしておいていあります)がありますので、興味がある人はこちらを見てください.また、次はマトウシェクの本を読みたいという人は、申し出てください.

ちなみに、マトウシェクは、離散数学の大家で、数学の研究だけでなく、多くの著書もあることで有名なチェコの数学者です.離散数学というのはなかなか日本では馴染みがないですが、実はとても幅が広く、主にグラフ理論、組みわせ理論や、アルゴリズムや論理といった応用数学にも、また、整数論や確率論など純粋数学にも出てくることがあります.高校で言えば、順列や組み合わせなどの単元の内容となります.また、マトウシェクは2015年に亡くなっています.



授業における注意点

 この授業は、基本、学生が事前に本を読んできて、その内容を黒板の前で発表してもらうという内容になります.注意点として以下を書いておきます.
  • 発表者は必ず予習をしてきて、もし、内容としてわからない部分があれば、必ず教官に相談をすること.
  • 発表者以外も必ず予習をして臨むこと.
  • 内容以外に、自分で考えた例なども含め、わかりやすく説明をすること.
配付プリントの問題1-1の英文は、
(1) Calculus on Manifolds
(2) Thirty-three miniatuares の Miniature 6
(3) Thirty-three miniatuares の Miniature 12
(4) Thirty-three miniatuares の Miniature 8
でした.

今日出てきた数学書の英単語をここで羅列しておきます.

初めて数学外書を通読するための英単語帳
今日は、皆さんは積極的には英語ができるとは言わなかったので、今日配付したプリントの中ででてきた英語表現を全てここでおさらいしておきます.

ABC順に直しました.
  • assign : 割り当てる
  • bipartite graph 二部グラフ
  • call A B :  A のことを B とよぶ
  • A is called B :  A は B とよばれる
  • claim 主張する
  • class: 類
  • column 列
  • complete graph 完全グラフ
  • cover : 覆う
  • define A  as  B : AのことをBと定義する.
  • A denote B :  A は B のことを示す
  • disjointly :  ばらばらに(共通部分なく) 
  • distance : 距離
  • edge 辺
  • element :   要素、元
  • entry : 行列の各成分
  • finitely many : 有限個の
  • graph グラフ
  • infinitely many : 無限個の
  • integer: 整数
  • interior : 内部
  • irrational: 無理数
  • Let A be B. :  A をBとする
  • matrix 行列 (複数形はmatrices)
  • namely つまり
  • not necessarily とは限らない
  • n-tuple: n組み
  • odd : 奇数の
  • often しばしば
  • pair : 組み
  • rank ランク
  • rational : 有理数
  • rectangle: 長方形
  • respectively それぞれ
  • row: 行
  • set :   集合
  • A so that B : B となるような A
  • square : 正方形
  • A  such that B  :  Bを満たすA
  • suppose: 仮定する.
  • theorem : 定理
  • There exists A: A は存在する
  • tile : 敷き詰める
  • vector ベクトル
  • vertex 頂点
  • , where A,  ただし A であるとする.
  • with A :  A の条件のある
今回、上の数学書の中から適当に内容をピックアップしましたが、基本的な数学の用語や言い回しが上のように登場していました.

グラフ理論
ほんのちょっとだけですが、マトウシェクのグラフ理論の部分を読みました.
グラフというのは、関数のグラフではなく、離散数学に出てくるグラフです.
どちらもグラフと言います.

グラフとは、頂点と辺の集合からなっており、辺は、2つの頂点をつなぐ1次元のいくつかの線です。平面に書かなくても、抽象的に、点とその繋がりだけの関係があると考えます.ですので、平面に書いた時に、辺同士が交わっていても構いません.

そのようなあるネットワークを表したものをグラフと言います.辺には長さはなく、頂点と頂点がつながっているか、つながっていないかの情報しか考えません.
ちょうど、地下鉄の路線図のように、駅とそれをつなぐ線によって記述されています.

完全グラフ(cmplete graph)・・・・任意の頂点のペアに対して辺が存在するようなグラフ
2部グラフ(bipartite graph)・・・・頂点が2つのクラスに分かれており、同じクラス同士の頂点を結ぶ辺が存在しないようなグラフ
完全2部グラフ(complete bipartite graph)・・・・任意の異なるクラスの頂点のペアに対して辺が存在するような2部グラフ

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