[場所1E102(水曜日4限)]
配付プリント
HPに行く
今回は今週ある定期試験の模擬試験として半期の復習の日としました.
今回解いた問題の答えはHPにありますので開いてみてください.
今週の試験はこれと全く同じ問題というわけではありませんので今回の
プリントをもとにきちんと勉強し直してください.
全微分可能性
この話題に関しては、微積分II演習(第5回)をみてください.
今回話したように、
$f(x,y)$ が $(a,b)$ で全微分可能とは、
$h=x-a, k=y-b$ とすると、
$$f(x,y)=f(a,b)+\alpha h+\beta k+o(\sqrt{h^2+k^2})$$
を満たすように $\alpha,\beta$ を選ぶことができるということになります.
実際 $\alpha=f_x(a,b)$ であり、$\beta=f_y(a,b)$ となります.
全微分可能であることと偏微分可能であることは違いますので注意が必要です.
偏微分可能であるとは、
$f_x(a,b)=\lim_{h\to 0}\frac{f(x,b)-f(a,b)}{h}$
$f_y(a,b)=\lim_{k\to 0}\frac{f(a,y)-f(a,b)}{k}$
が両方存在することであって、これは全微分可能であるための必要条件なだけであって
十分な条件ではありません.
合成関数の微分法
この話題に関しては、微積分II演習(第3回)をみてください.
合成関数の微分法の問題は公式を当てはめるだけですね.
実際、
$f(x(t),y(t))$ の微分は、合成関数の微分法は $f_x(x(t),y(t))x’(t)+f_y(x(t),y(t))y’(t)$ です.
なので、$x(u,v)$, $y(u,v)$ のように置き換えたときも、例えば
$f(x(u,v),y(u,v))$ の$u$-微分は、$f_x(x(u,v),y(u,v))x_u(u,v)+f_y(x(u,v),y(u,v))y_u(u,v)$ となります.
接平面の方程式を求める問題もやりました.
これも公式を当てはめるだけですが、うえの、全微分の定義
$$f(x,y)=f(a,b)+\alpha h+\beta k+o(\sqrt{h^2+k^2})$$
の高次の項 $o(\sqrt{h^2+k^2})$ を切り落とした
極値問題、ラグランジュの未定乗数法
この話題に関しては、微積分II演習(第4回)と微積分II演習(第6回)
を見てください.
極値の判定問題は、いかのようにして行います.
Step 1: 全ての偏微分が消えている点を探す、つまり $f_x(a,b)=f_y(a,b)=0$ となる方程式から $(a,b)$ を求める.これらの点のことを臨界点といいます.この点は、極値の候補となります.
Step 2: 2回微分 $f_{xx}(a,b), f_{xy}(a,b), f_{yy}(a,b)$ を求め、ヘッセ行列を作ります.
$H=\begin{pmatrix}f_{xx}(a,b)&f_{xy}(ab)\\f_{yx}(a,b)&f_{yy}(a,b)\end{pmatrix}$ のような行列 $H$ のことです.各臨界点 $(a,b)$ において $H$ の行列式(ヘッシアン)を求めておきます.
Step 3: 各臨界点においてヘッシアンが正の場合は、その臨界点は極値となります.ヘッシシアンが負の臨界点は極値にはなりません.ヘッシアンが $0$ の場合は、別に考察が必要で、この段階では極値になるともならないとも判定ができません.
Step 4: ヘッシアンが正の場合、さらに、$f_{xx}(a,b)>0$ であれば、この極値は極小値であり、$f_{xx}(a,b)<0$ であれば、極大値ということになります.
このような手順で極値の判定を行ってください.
Step 3で極値とはならない点の近くでは、その点より大きくなる方向もあれば、小さくなる方向もあり、いわば、馬の鞍のような状態となっています.
ラグランジュの未定乗数法は、定番通りの方法をとればよいです.
最大最小を求める関数を $f(x,y)$ 関係式が $g(x,y)=0$ となるとすると、
$H(x,y,\lambda)=f(x,y)-\lambda g(x,y)$ の3変数の関数と見た時の臨界点を求めればよいことになります.つまり、$H_x=H_y=H_\lambda=0$ という連立方程式を解けばよいことになります.
積分法
この話題に関しては、微積分II演習(第7回)と微積分II演習(第8回)と微積分II演習(第9回)と微積分II演習(第12回)を見てください.
教えた内容は、ほとんどの場合、累次積分に直して計算するか、極座標を用いて、最終的に累次積分に直すかということでした.
計算方法は、上のリンクやHPの問題の答えを参照して下さい.
注意するところは、極座標変換などをして変数変換をすると、ヤコビアンの絶対値を
かけて計算する必要があるということです.たとえば、$x=r\cos\theta,y=r\sin\theta$ であれば、$r$ がヤコビアンになります.例えば、$D$を原点中心の単位円としたとき、
$$\int_D\sqrt{x^2+y^2}dxdy=\int_0^{2\pi}\int_0^1r\cdot rdrd\theta$$
と計算できます.
ベータ関数
この話題に関しては、微積分II演習(第10回)と微積分II演習(第11回)を見てください.
この問題は、教科書には積極的に書いていなかったかもしれませんが、公式など覚えて使いこなせば、ややこしい積分計算の助けになると思います.また、いつも出てくる(例えば三角関数の積分や $e^{-x^2}$ の積分など)計算を統一的にみることもできるので、積分値の整理にもなります.
よく使われて基本的な定義と公式は、
[定義]($s,p,q>0$)
$$\Gamma(s)=\int_0^\infty e^{-x}x^{s-1}dx$$
$$B(p,q)=\int_0^1t^{p-1}(1-t)^{q-1}dt$$
[公式]
$$\Gamma(s+1)=s\Gamma(s)$$
$$\Gamma(1/2)=\sqrt{\pi}$$
$$B(p,q)=\frac{\Gamma(p)\Gamma(q)}{\Gamma(p+q)}$$
$$B(p,q)=2\int_0^{\pi/2}\sin^{2p-1}\theta\cos^{2q-1}\theta d\theta$$
となります.
これらを駆使して積分を計算していきます.
この $p,q,s$ は全て(正の)実数で大丈夫だということに注意しておきます.
例えば、よく現れる $\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^n\theta d\theta$ はベータ関数を使って、$\frac{1}{2}B(\frac{n+1}{2},\frac{1}{2})$ として書くことができます.
これらの公式とガンマ関数とベータ関数がどんなものだったかを復習をしておいてください.
ガンマ関数は、$n$ 次元の球体の体積を表すのにも使われました.
定期試験では、今回の問題がそのままの形で使われるということではありませんので
しっかりと勉強をしてきて下さい.
配付プリント
HPに行く
今回は今週ある定期試験の模擬試験として半期の復習の日としました.
今回解いた問題の答えはHPにありますので開いてみてください.
今週の試験はこれと全く同じ問題というわけではありませんので今回の
プリントをもとにきちんと勉強し直してください.
全微分可能性
この話題に関しては、微積分II演習(第5回)をみてください.
今回話したように、
$f(x,y)$ が $(a,b)$ で全微分可能とは、
$h=x-a, k=y-b$ とすると、
$$f(x,y)=f(a,b)+\alpha h+\beta k+o(\sqrt{h^2+k^2})$$
を満たすように $\alpha,\beta$ を選ぶことができるということになります.
実際 $\alpha=f_x(a,b)$ であり、$\beta=f_y(a,b)$ となります.
全微分可能であることと偏微分可能であることは違いますので注意が必要です.
偏微分可能であるとは、
$f_x(a,b)=\lim_{h\to 0}\frac{f(x,b)-f(a,b)}{h}$
$f_y(a,b)=\lim_{k\to 0}\frac{f(a,y)-f(a,b)}{k}$
が両方存在することであって、これは全微分可能であるための必要条件なだけであって
十分な条件ではありません.
合成関数の微分法
この話題に関しては、微積分II演習(第3回)をみてください.
合成関数の微分法の問題は公式を当てはめるだけですね.
実際、
$f(x(t),y(t))$ の微分は、合成関数の微分法は $f_x(x(t),y(t))x’(t)+f_y(x(t),y(t))y’(t)$ です.
なので、$x(u,v)$, $y(u,v)$ のように置き換えたときも、例えば
$f(x(u,v),y(u,v))$ の$u$-微分は、$f_x(x(u,v),y(u,v))x_u(u,v)+f_y(x(u,v),y(u,v))y_u(u,v)$ となります.
接平面の方程式を求める問題もやりました.
これも公式を当てはめるだけですが、うえの、全微分の定義
$$f(x,y)=f(a,b)+\alpha h+\beta k+o(\sqrt{h^2+k^2})$$
の高次の項 $o(\sqrt{h^2+k^2})$ を切り落とした
$$z=f(a,b)+\alpha h+\beta k$$
が接平面の方程式となります.極値問題、ラグランジュの未定乗数法
この話題に関しては、微積分II演習(第4回)と微積分II演習(第6回)
を見てください.
極値の判定問題は、いかのようにして行います.
Step 1: 全ての偏微分が消えている点を探す、つまり $f_x(a,b)=f_y(a,b)=0$ となる方程式から $(a,b)$ を求める.これらの点のことを臨界点といいます.この点は、極値の候補となります.
Step 2: 2回微分 $f_{xx}(a,b), f_{xy}(a,b), f_{yy}(a,b)$ を求め、ヘッセ行列を作ります.
$H=\begin{pmatrix}f_{xx}(a,b)&f_{xy}(ab)\\f_{yx}(a,b)&f_{yy}(a,b)\end{pmatrix}$ のような行列 $H$ のことです.各臨界点 $(a,b)$ において $H$ の行列式(ヘッシアン)を求めておきます.
Step 3: 各臨界点においてヘッシアンが正の場合は、その臨界点は極値となります.ヘッシシアンが負の臨界点は極値にはなりません.ヘッシアンが $0$ の場合は、別に考察が必要で、この段階では極値になるともならないとも判定ができません.
Step 4: ヘッシアンが正の場合、さらに、$f_{xx}(a,b)>0$ であれば、この極値は極小値であり、$f_{xx}(a,b)<0$ であれば、極大値ということになります.
このような手順で極値の判定を行ってください.
Step 3で極値とはならない点の近くでは、その点より大きくなる方向もあれば、小さくなる方向もあり、いわば、馬の鞍のような状態となっています.
ラグランジュの未定乗数法は、定番通りの方法をとればよいです.
最大最小を求める関数を $f(x,y)$ 関係式が $g(x,y)=0$ となるとすると、
$H(x,y,\lambda)=f(x,y)-\lambda g(x,y)$ の3変数の関数と見た時の臨界点を求めればよいことになります.つまり、$H_x=H_y=H_\lambda=0$ という連立方程式を解けばよいことになります.
積分法
この話題に関しては、微積分II演習(第7回)と微積分II演習(第8回)と微積分II演習(第9回)と微積分II演習(第12回)を見てください.
教えた内容は、ほとんどの場合、累次積分に直して計算するか、極座標を用いて、最終的に累次積分に直すかということでした.
計算方法は、上のリンクやHPの問題の答えを参照して下さい.
注意するところは、極座標変換などをして変数変換をすると、ヤコビアンの絶対値を
かけて計算する必要があるということです.たとえば、$x=r\cos\theta,y=r\sin\theta$ であれば、$r$ がヤコビアンになります.例えば、$D$を原点中心の単位円としたとき、
$$\int_D\sqrt{x^2+y^2}dxdy=\int_0^{2\pi}\int_0^1r\cdot rdrd\theta$$
と計算できます.
ベータ関数
この話題に関しては、微積分II演習(第10回)と微積分II演習(第11回)を見てください.
この問題は、教科書には積極的に書いていなかったかもしれませんが、公式など覚えて使いこなせば、ややこしい積分計算の助けになると思います.また、いつも出てくる(例えば三角関数の積分や $e^{-x^2}$ の積分など)計算を統一的にみることもできるので、積分値の整理にもなります.
よく使われて基本的な定義と公式は、
[定義]($s,p,q>0$)
$$\Gamma(s)=\int_0^\infty e^{-x}x^{s-1}dx$$
$$B(p,q)=\int_0^1t^{p-1}(1-t)^{q-1}dt$$
[公式]
$$\Gamma(s+1)=s\Gamma(s)$$
$$\Gamma(1/2)=\sqrt{\pi}$$
$$B(p,q)=\frac{\Gamma(p)\Gamma(q)}{\Gamma(p+q)}$$
$$B(p,q)=2\int_0^{\pi/2}\sin^{2p-1}\theta\cos^{2q-1}\theta d\theta$$
となります.
これらを駆使して積分を計算していきます.
この $p,q,s$ は全て(正の)実数で大丈夫だということに注意しておきます.
例えば、よく現れる $\int_0^{\frac{\pi}{2}} \sin^n\theta d\theta$ はベータ関数を使って、$\frac{1}{2}B(\frac{n+1}{2},\frac{1}{2})$ として書くことができます.
これらの公式とガンマ関数とベータ関数がどんなものだったかを復習をしておいてください.
ガンマ関数は、$n$ 次元の球体の体積を表すのにも使われました.
定期試験では、今回の問題がそのままの形で使われるということではありませんので
しっかりと勉強をしてきて下さい.
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