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2017年2月14日火曜日

トポロジー入門演習(第12回)

[場所1E103(月曜日4限)]

HPに行く.

コンパクト開位相

位相空間 X,Y において、連続写像 X\to Y のなす集合を C(X,Y) とかきます.
C(X,Y) は集合ですので、この集合上に位相を導入し、空間とすることができます.
Y が距離空間である場合は、C(X,Y) は一様収束位相という位相をいれることができますが、そうではない場合、位相の入れるために一工夫する必要があります.

X の部分集合 A, Y の部分集合 B に対して、
W(A,B)=\{f\in C(X,Y)| f(A)\subset B\}

と定義します.

A をコンパクト、 B を開集合となる、W(A,B) を準開基とする位相、
つまりそのような W(A,B) によって生成される位相を
C(X,Y) 上のコンパクト開位相といいます.
このようにすると、Y に距離を入れなくても位相を導入することができ、
“ある意味”、C(X,Y) 上の一様収束位相の代わりと言えるものができます.

C(X,Y) の部分集合 H にそのような位相を制限してできる相対位相も
H のコンパクト開位相といいます.

H\subset C(X,Y) を部分集合とします.このとき、
\Phi_H:H\times X\to Y(f,x)=f(x) となる写像とします.

ある空間の位相 \mathcal{O}_1, \mathcal{O}_2 に対して \mathcal{O}_1 より \mathcal{O}_2 の方が大きいとは、単に \mathcal{O}_1\subset \mathcal{O}_2 であることを意味し、
論理の上では \mathcal{O}_1=\mathcal{O}_2 となることもありえますので、
日本語の言葉にひきずられないようにしてください.

このとき、以下が成り立ちます.

定理
(1)  \Phi_H が連続であるなら、H の上の位相はコンパクト開位相を必ず含む.
つまり、\Phi_H を連続にするためには H 上の位相はコンパクト開位相より大きい.
(2) X が局所コンパクトハウスドルフならば、H がコンパクト開位相で
あれば \Phi_H は連続となる.

要するに、コンパクト開位相とは、\Phi_H を連続にするためには必ず必要であるが、
X が局所コンパクトハウスドルフならそれだけで十分 \Phi_H の連続性がいえるということです.

分離公理に関して以下の定理もあります.ここで、C(X,Y) にはコンパクト開位相
を入れておきます.

定理
(1) Y がハウスドルフならば、C(X,Y) もハウスドルフ
(2) YT_3 空間ならば、C(X,Y)T_3 空間

(1) の証明は、よく考えれば証明もすぐできそうですが、(2) は T_3 との同値条件
「任意の近傍 N に対して \bar{V}\subset N となる閉近傍 \bar{V} を含む」
に言い換えて行うとよいです.例えば、参考文献をみよ.


連続関数のなす集合 C(X) に入る位相として、一様収束位相と
コンパクト開位相がありますが、両者を比べると、以下のようになります.

定理
(1) C(X) 上の一様収束位相はコンパクト開位相より大きい.
(2) コンパクト空間 X では、C(X) の一様収束位相とコンパクト開位相は一致する.

(1) の主張は、 上の任意のコンパクト集合 K{\mathbb R} 上の任意の開集合 U
に対して、W(K,U) が一様収束位相に関して開集合であるということです.
(2) はコンパクトであれば、その逆も成り立つということです.

つまり、コンパクト開位相は、ごくありふれた写像空間の位相ということになります.
しかし、X がコンパクトではない場合、一般的に C(X) は一様収束位相よりは
真にちいさい位相であり、場面によっては注意が必要ということになります.


参考文献

  • 内田伏一、集合と位相、 裳華房(数学シリーズ)

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