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2016年11月18日金曜日

トポロジー入門演習(第5回)

[場所1E103(月曜日4限)]

HPに行く.

トポロジー入門の講義の方では位相や、開基にはすでに入っているようですね。
位相の定義をもう一度書いておくと、

(X,\mathcal{O}) が位相空間であるとは、
X を集合とする.\mathcal{O}X の部分集合の族であり、
以下の性質を満たすものをいいます.

  1. X\in \mathcal{O} かつ、\emptyset\in \mathcal{O}
  2. U_1,\cdots, U_n\in \mathcal{O} であれば、U_1\cap U_2\cap\cdots\cap  U_n\in \mathcal{O}
  3. \mathcal{O} の族 \{U_\lambda\}_{\lambda\in \Lambda} であるなら、\cup_{\lambda\in \Lambda}U_\lambda\in \mathcal{O}
2. は有限個の共通部分は必ず、位相に入っている.
3. は有限個とは限らない和集合であれば、その和集合も位相に入っている.

ということになります.

位相空間上の開集合は \mathcal{O} によって特徴付けられているので、
\mathcal{O} のことを X 上の位相といい、\mathcal{O} のことそのものを位相と言ったりも
します.
 
 
今回の授業では、有限点上の位相空間を解いた人が何人かいました。
n 点集合の部分集合は全部で 2^n 個ありますが、その部分集合の族を与えるのが
位相ということです.
なので、部分集合の族全体は、 2^{2^n} 個あります.その中で、
位相となる集合があるのです.

ただ、そのうち、全体集合と、空集合は必ず入りますから、2^{2^{n}-2} の部分だけを考えればよいことになります。

n=2 の場合は、部分集合の族全体で、自明に位相でないものを抜いたものの数、
2^{2^{2}-2}=4 が全て位相になります.つまり、4/4 が位相になります.

n=3 の場合は、2^{2^3-2}=2^6=64 が部分集合の族全体で、自明に位相でないものを抜いたものの数ですが、実際位相となりうるのは、そのうち、29個です.29/64 ですからだいぶん小さくなることがわかります.
一般の n について T(n)n 点集合の位相の数とすると、比 T(n)/2^{2^n-2} はだんだんと小さくなっていくと思われます.しかし、その極限
\lim_{n\to \infty}\frac{T(n)}{2^{2^n-2}}
は存在するのか? 0 に収束するのか?一定の値に近づくのか知られていません.

一般の有限点集合上の位相空間の考え方を以前(ここ)書いたので、参照してください。
有限集合上の位相をその中で、ある点を含む最小の開集合を使ってある順序集合ができ、
その順序集合のハッセ図によって分類を行うものです.


一般の位相の話に戻ります.
このように、位相を定義すると、位相空間の間の連続写像 f:X\to Y が以下のように定義されます。つまり、

位相空間 Y 上の任意の開集合 U に対して、f^{-1}(U)X の開集合になる

と簡単にいうことができます.この中には、距離空間における、\epsilon-\delta 論法のステートメントも含まれています.ただ、これが連続の定義だと最初に見せられるより、まずは、\epsilon-\delta 論法を学んでから、この定義を学んだ方が連続のイメージはしやすいと思います.

また、開基(ベース、base)という概念が重要です.
位相空間において、開基のいくつかの元の和集合によってかける開集合全体が、
その位相と一致するものをその位相空間の開基といいます.

開基の線形空間の基底と似ており
全ての開集合が、開基の元の和集合としてかけるという性質があります.

よって、開基を決めておけば、一意的に集合上に位相を入れることができます.

例えば、{\mathbb R} 上の通常の位相は、開基として、(a,b) なる開区間の
集合を開基としてもつことで、得られます.これは、{\mathbb R} の開集合が
距離空間としての開集合であることからすぐにわかると思います.
 

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