[数学1 クラス対象(金曜日5限)]
ジョルダン可測集合
有界なジョルダン可測な集合 $D$ 上で積分
$$\int_Df(x,y)dxdy$$
が定義されます.
まず、ジョルダン可測集合とは、その集合 $D$ 上で、定義関数 $\chi_D(x,y)$ を
$$\chi_D(x,y)=\begin{cases}1&(x,y)\in D\\0&(x,y)\not\in D\end{cases}$$
としたときに、$\chi_D$ が $D$ を含む任意の有界閉区間で積分可能であることとして定義されます.有界閉区間上での積分可能については、教科書を見てください.その積分値をジョルダン可測集合の面積といい、$\mu(D)$ と書きます.
そのようなジョルダン可測集合上で積分が定義されます.
ここで、平面上の有界閉区間とは、$[a,b]\times [c,d]=\{(x,y)|a\le x\le b,c\le y\le d\}$ を意味しています.
そして、有界なジョルダン可測集合 $D$上の関数 $f(x,y)$ が積分可能とは、$f(x,y)$ を$D$ を含む有界閉集合 $I$ 上に $f(x,y)$ をゼロ拡張をしておいて、 その拡張された関数が $I$ で積分可能であることです.
これで、ジョルダン可測集合と、その上の積分可能関数の定義が出来たことになります.
外測度ゼロ集合
集合 $D$ が外測度がゼロであるとは、$D$ を覆う 正方形の有限個の集合 $\{L_j\}$
$$D\subset L_1\cup L_2\cup\cdots\cup L_n$$
として、そのような $\{L_j\}$ の測度の下限をとることで、外測度が定義されます.
つまり、
$$\overline{\mu}(D)=\inf\left\{\sum_{j=1}^n\mu(L_j)|D\subset \cup_{j=1}^nL_j\right\}$$
ここで、$\mu(L_j)$ は四角形の面積です.
その集合 $D$ が外測度がゼロであれば、$D$ はジョルダン可測であり、面積 $0$
つまり、$\mu(D)=0$ となります.
また、面積ゼロ集合上の任意の有界な関数は積分可能で、$\int\int_Df(x,y)dxdy=0$ となります.
なので、外測度がゼロな集合は無視しても積分には関係がありません.
累次積分と重積分の計算
$I=[a,b]\times [c,d]$ を有界閉区間とします.$f(x,y)$ が $I$ 上で積分可能であれば、
$$\int\int_If(x,y)dxdy=\int_c^d\int_a^bf(x,y)dxdy$$
と、累次積分を実行できます.
計算例は授業で何回かやって見せたので省略します.
変数変換の公式
$D$ を可測集合とし、一対一写像
$\varphi:D\to \varphi(D)\subset {\Bbb R}^2$
があるとします.
$(x,y)=(\varphi_1(u,v),\varphi_2(u,v))$ とします.
このとき、
$$\int\int_{\varphi(D)}f(x,y)dxdy=\int\int_Df(\varphi_1(u,v),\varphi_2(u,v))|\frac{\partial(x,y)}{\partial(u,v)}|dudv$$
が成り立ちます.
これを変数変換の公式といいます.
授業ではこのような領域で積分を実行しました.
行列 $\begin{pmatrix}1&1\\-1&1\end{pmatrix}$ を左から掛ける線形写像によって、
閉区間 $[0,1]\times [0,1]$ の積分に直すことができます.
ヤコビアンもこの行列式に等しいので、2となります.
この領域を $D$ とすると、$x=\varphi_1(u,v)=u+v,y=\varphi_2(u,v)=-u+v$ なので、
$$\int\int_D(x-y)e^{x+y}dxdy=\int\int_{[0,1]\times[0,1]}2ue^{2v}2dudv$$
$$=4\int_0^1\int_0^1ue^{2v}dudv=4\int_0^1udu\int_0^1e^{2v}dv=2(e^2-1)$$
となります.
外測度$0$上の積分はいつでも$0$ ですから、外測度が$0$ の集合で、写像が一対一にになっていなくても、この変数変換の公式は成り立ちます.
今日は積分に入りました.
- (ジョルダン)可測集合
- 外測度ゼロ集合
- 重積分を累次積分として計算できること.
- 変数変換の公式を使うこと.
- 積分範囲を理解して積分の順序を変えること.(アフィン変換など)
ジョルダン可測集合
有界なジョルダン可測な集合 $D$ 上で積分
$$\int_Df(x,y)dxdy$$
が定義されます.
まず、ジョルダン可測集合とは、その集合 $D$ 上で、定義関数 $\chi_D(x,y)$ を
$$\chi_D(x,y)=\begin{cases}1&(x,y)\in D\\0&(x,y)\not\in D\end{cases}$$
としたときに、$\chi_D$ が $D$ を含む任意の有界閉区間で積分可能であることとして定義されます.有界閉区間上での積分可能については、教科書を見てください.その積分値をジョルダン可測集合の面積といい、$\mu(D)$ と書きます.
そのようなジョルダン可測集合上で積分が定義されます.
ここで、平面上の有界閉区間とは、$[a,b]\times [c,d]=\{(x,y)|a\le x\le b,c\le y\le d\}$ を意味しています.
そして、有界なジョルダン可測集合 $D$上の関数 $f(x,y)$ が積分可能とは、$f(x,y)$ を$D$ を含む有界閉集合 $I$ 上に $f(x,y)$ をゼロ拡張をしておいて、 その拡張された関数が $I$ で積分可能であることです.
これで、ジョルダン可測集合と、その上の積分可能関数の定義が出来たことになります.
外測度ゼロ集合
集合 $D$ が外測度がゼロであるとは、$D$ を覆う 正方形の有限個の集合 $\{L_j\}$
$$D\subset L_1\cup L_2\cup\cdots\cup L_n$$
として、そのような $\{L_j\}$ の測度の下限をとることで、外測度が定義されます.
つまり、
$$\overline{\mu}(D)=\inf\left\{\sum_{j=1}^n\mu(L_j)|D\subset \cup_{j=1}^nL_j\right\}$$
ここで、$\mu(L_j)$ は四角形の面積です.
その集合 $D$ が外測度がゼロであれば、$D$ はジョルダン可測であり、面積 $0$
つまり、$\mu(D)=0$ となります.
また、面積ゼロ集合上の任意の有界な関数は積分可能で、$\int\int_Df(x,y)dxdy=0$ となります.
なので、外測度がゼロな集合は無視しても積分には関係がありません.
累次積分と重積分の計算
$I=[a,b]\times [c,d]$ を有界閉区間とします.$f(x,y)$ が $I$ 上で積分可能であれば、
$$\int\int_If(x,y)dxdy=\int_c^d\int_a^bf(x,y)dxdy$$
と、累次積分を実行できます.
計算例は授業で何回かやって見せたので省略します.
変数変換の公式
$D$ を可測集合とし、一対一写像
$\varphi:D\to \varphi(D)\subset {\Bbb R}^2$
があるとします.
$(x,y)=(\varphi_1(u,v),\varphi_2(u,v))$ とします.
このとき、
$$\int\int_{\varphi(D)}f(x,y)dxdy=\int\int_Df(\varphi_1(u,v),\varphi_2(u,v))|\frac{\partial(x,y)}{\partial(u,v)}|dudv$$
が成り立ちます.
これを変数変換の公式といいます.
授業ではこのような領域で積分を実行しました.
行列 $\begin{pmatrix}1&1\\-1&1\end{pmatrix}$ を左から掛ける線形写像によって、
閉区間 $[0,1]\times [0,1]$ の積分に直すことができます.
ヤコビアンもこの行列式に等しいので、2となります.
この領域を $D$ とすると、$x=\varphi_1(u,v)=u+v,y=\varphi_2(u,v)=-u+v$ なので、
$$\int\int_D(x-y)e^{x+y}dxdy=\int\int_{[0,1]\times[0,1]}2ue^{2v}2dudv$$
$$=4\int_0^1\int_0^1ue^{2v}dudv=4\int_0^1udu\int_0^1e^{2v}dv=2(e^2-1)$$
となります.
外測度$0$上の積分はいつでも$0$ ですから、外測度が$0$ の集合で、写像が一対一にになっていなくても、この変数変換の公式は成り立ちます.
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