[場所1E501(月曜日5限)]
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Proofs from THE BOOKをみんなで読んでいます。
Chapter 9
今回は、\zeta(2)=\frac{\pi^2}{6} であることの別証明です。
\zeta(2)=\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^2} ですが、級数の収束の定番、
挟み撃ちの原理を用いる方法です。
ある意味直接的で、高校性でも理解できる方法です。
私は、\sin 関数を因数分解したり、フーリエ級数などを
用いる方法しか思いつきませんでした。
\sin y\le y\le \tan y なる不等式を使います。
2乗をしてこの逆数を取ると、
\cot^2 y\le \frac{1}{y^2}\le \text{csc}^2y
となります。
オイラーの公式
e^{inx}=(\cos nx+i\sin nx)^n を用いることで、
\sin nx=\binom{n}{1}\sin x\cos^{n-1}x-\binom{n}{3}\sin^3x\cos^{n-3}x+\cdots
となり、n=2m+1 とし、 (2m+1)x=r\pi とする。ここで、r=1,2,\cdots, m とすると、
0=\binom{2m+1}{1}\sin x\cos^{2m}x-\binom{2m+1}{3}\sin^3x\cos^{2m-1}x+\cdots
となります。
\sin^{2m+1}x で割ることで、
となります。この式を多項式
ここで、これらの m 個は互いに異なる実数であることに注意してください。
よって、解と係数の関係により、
\sum_{r=1}^m\cot^2\frac{r\pi}{2m+1}=\frac{\binom{2m+1}{1}}{\binom{2m+1}{3}}=\frac{2m(2m-1)}{6}
が成り立ちます。
同様に、\cot^2x+1=\text{csc}^2x であるから、
よって、m\to \infty のとき、
\sum_{r=1}^\infty \frac{1}{r^2}=\frac{\pi^2}{6}
が成り立ちます。
二項係数は(ほとんど)べきにならないこと
前回のバートランドの仮説の続きで、シルベスターの定理で
以下のものがあります。
定理'(シルベスター)
n\ge 2k なら、n,n-1,\cdots, n-k+1 のどれか少なくとも一つ k より大きい
素因数 p が存在する。
この同値な命題として、下があります。
命題
\binom{n}{k} は、いつも、p>k なる素因数をもつ。
二項係数 \binom{n}{m} がいつ p を割るかという話でした。
目標となるのは、次の定理です。
定理(Erdös [1.])
4\le k\le n-4 かつ、\ell\ge 2 のときに、
\binom{n}{k}=m^\ell となる整数解 (n,m) は存在しない。
(証明)
二項係数の対称性から、n\ge 2k を仮定してもよいです。
そうすると、シルベスターの定理が使えて、\binom{n}{k} には、
p>k となる素因数が少なくとも一つ存在します。
その素因数は、m^\ell を割るので結局、m^\ell には
素因数 p は少なくとも \ell 個( \ell の倍数個でちょうど割れる)入っており、
n,n-1,\cdots, n-k+1 の中の n-i にすべて入っています。
その素因数について、n\ge p^\ell>k^\ell\ge k^2 が成り立つことになります。
ここで、n-j=a_jm_j^\ell のように a_j には \ell 乗因子は
含まれていないように一意に分解できます。
上で議論したことから、a_j には、k より大きい素因数は入っていません。
また、i\neq j ならば、a_i\neq a_j を示します。
もし、i\neq j において、a_i=a_j であるとしたら、
m_i\ge m_j+1 が成り立ち、
k>(n-i)-(n-j)=a_j(m_i-\ell-m_j^\ell)\ge a_j((m_j+1)^\ell-m_j^\ell)
>a_j\ell m_j^{\ell-1}\ge \ell(a_jm_j^{\ell})^{1/2}\ge \ell (n-k+1)^{1/2}\ge \ell(\frac{n}{2}+1)^{1/2}>n^{1/2}
となり、上の不等式と矛盾します。
Proofs from THE BOOKをみんなで読んでいます。
Chapter 9
今回は、\zeta(2)=\frac{\pi^2}{6} であることの別証明です。
\zeta(2)=\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^2} ですが、級数の収束の定番、
挟み撃ちの原理を用いる方法です。
ある意味直接的で、高校性でも理解できる方法です。
私は、\sin 関数を因数分解したり、フーリエ級数などを
用いる方法しか思いつきませんでした。
\sin y\le y\le \tan y なる不等式を使います。
2乗をしてこの逆数を取ると、
\cot^2 y\le \frac{1}{y^2}\le \text{csc}^2y
となります。
オイラーの公式
e^{inx}=(\cos nx+i\sin nx)^n を用いることで、
\sin nx=\binom{n}{1}\sin x\cos^{n-1}x-\binom{n}{3}\sin^3x\cos^{n-3}x+\cdots
となり、n=2m+1 とし、 (2m+1)x=r\pi とする。ここで、r=1,2,\cdots, m とすると、
0=\binom{2m+1}{1}\sin x\cos^{2m}x-\binom{2m+1}{3}\sin^3x\cos^{2m-1}x+\cdots
となります。
\sin^{2m+1}x で割ることで、
0=\binom{2m+1}{1}\cot^{2m}\frac{r\pi}{2m+1}-\binom{2m+1}{3}\cot^{2m-2}\frac{r\pi}{2m+1}+\cdots +(-1)^m\binom{2m+1}{2m+1}
となります。この式を多項式
\binom{2m+1}{1}t^{m}-\binom{2m+1}{3}t^{m-1}+\cdots+(-1)^m\binom{2m+1}{2m+1}
の零点が、\cot^2\frac{r\pi}{2m+1},\ \ \ r=1,2,\cdots, m であるとみることもできます。ここで、これらの m 個は互いに異なる実数であることに注意してください。
よって、解と係数の関係により、
\sum_{r=1}^m\cot^2\frac{r\pi}{2m+1}=\frac{\binom{2m+1}{1}}{\binom{2m+1}{3}}=\frac{2m(2m-1)}{6}
が成り立ちます。
同様に、\cot^2x+1=\text{csc}^2x であるから、
\sum_{r=1}^m\text{csc}^2\frac{r\pi}{2m+1}=\frac{2m(2m+2)}{6}
とすることにより、
\frac{2m(2m+2)}{6}\le \sum_{r=1}^m\left(\frac{2m+1}{r\pi}\right)^2\le \frac{2m(2m+2)}{6}
となります。よって、\frac{(2m+1)^2}{\pi^2} で両辺を割れば、
\frac{2m(2m-2)}{6(2m+1)^2}\pi^2\le \sum_{r=1}^m\frac{1}{r^2}\le \frac{2m(2m+1)}{6(2m+1)^2}\pi^2
が成り立ちます。よって、m\to \infty のとき、
\sum_{r=1}^\infty \frac{1}{r^2}=\frac{\pi^2}{6}
が成り立ちます。
二項係数は(ほとんど)べきにならないこと
前回のバートランドの仮説の続きで、シルベスターの定理で
以下のものがあります。
定理'(シルベスター)
n\ge 2k なら、n,n-1,\cdots, n-k+1 のどれか少なくとも一つ k より大きい
素因数 p が存在する。
この同値な命題として、下があります。
命題
\binom{n}{k} は、いつも、p>k なる素因数をもつ。
二項係数 \binom{n}{m} がいつ p を割るかという話でした。
目標となるのは、次の定理です。
定理(Erdös [1.])
4\le k\le n-4 かつ、\ell\ge 2 のときに、
\binom{n}{k}=m^\ell となる整数解 (n,m) は存在しない。
(証明)
二項係数の対称性から、n\ge 2k を仮定してもよいです。
そうすると、シルベスターの定理が使えて、\binom{n}{k} には、
p>k となる素因数が少なくとも一つ存在します。
その素因数は、m^\ell を割るので結局、m^\ell には
素因数 p は少なくとも \ell 個( \ell の倍数個でちょうど割れる)入っており、
n,n-1,\cdots, n-k+1 の中の n-i にすべて入っています。
その素因数について、n\ge p^\ell>k^\ell\ge k^2 が成り立つことになります。
ここで、n-j=a_jm_j^\ell のように a_j には \ell 乗因子は
含まれていないように一意に分解できます。
上で議論したことから、a_j には、k より大きい素因数は入っていません。
また、i\neq j ならば、a_i\neq a_j を示します。
もし、i\neq j において、a_i=a_j であるとしたら、
m_i\ge m_j+1 が成り立ち、
k>(n-i)-(n-j)=a_j(m_i-\ell-m_j^\ell)\ge a_j((m_j+1)^\ell-m_j^\ell)
>a_j\ell m_j^{\ell-1}\ge \ell(a_jm_j^{\ell})^{1/2}\ge \ell (n-k+1)^{1/2}\ge \ell(\frac{n}{2}+1)^{1/2}>n^{1/2}
となり、上の不等式と矛盾します。
- P. Erdös: On a diophantine equation, J. London Math. 21(1951) 176-178
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