[場所1E103(金曜日5限)]
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今回は微分の話に入りました。
内容としては、
先週は三角関数の逆関数や双曲線関数の逆関数についてやりましたので、
その微分を求めるために、逆関数の微分法を復習しました。
ある関数 $f$ の逆関数 $f^{-1}$ を微分する公式は、
$$\frac{df^{-1}(x)}{dx}=\frac{1}{\frac{df}{dy}(f^{-1}(x))}$$
となります。公式にしてみると、なんだかわかりにくいです。
ここで、実際の計算をしてみれば、どういうことなのかよくわかります。
$y=\text{Arcsin}(x)$ とすると、$x=\sin y$ となり、
$$\frac{d(\text{Arcsin}(x))}{dx}=\frac{1}{\frac{d(\sin y)}{dy}}=\frac{1}{\cos y}=\frac{1}{\sqrt{1-\sin^2y}}=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$$
となります。つまり、逆関数の微分がしにくければ、関数を逆に解いておいてから
微分してもかまわない。ただし、そのときは、微分係数が逆数になる。
という公式だということになります。
しかし、実はルートをとる段階で少々注意が必要です。
わり算をするときや、ルートを取る時、”普段"とは違う操作なので、少々の
エネルギーが必要です。そのようなときに、ちょっとした壁があるということを
いつも考えて置いてください。通常は場合分けをしたりすれば
大概のりこえられるものが多いですが。
具体的には、例えばゼロでないことを確認することや、ルートの中が負ではないことや
ルートを取った時に、解として複数現れることなどの確認などの作業です。
この場合、ルートの中身は負ではありませんが、通常、プラスマイナスがでてきます。
今の場合、$\text{Arcsin}$ の値域が $-\frac{\pi}{2}\le y\le \frac{\pi}{2}$ であるので、
$\cos y$ の値は、非負の数でないといけません。なので、マイナスの方がなくなって、
$\cos y=\sqrt{1-x^2}$ となります。
対数微分法
対数微分法は、あまり馴染みがない人も多いですが、便利なことも多いので、
この段階で教えています。公式は簡単で、
$(\log(f(x)))’=\frac{f’(x)}{f(x)}$ であることを使って分母を払えば、対数微分法とは、
$$f’(x)=f(x)(\log f(x))'$$
という公式になります。
例えば、次のような多項式の場合、一度展開してから微分をし、もう一度因数分解をしたり、積の微分法を用いる人が多いのですが、実は対数微分法を用いることができます。
$f(x)=(x^2+1)^2(x+2)^3$ などの関数を微分する場合、
$$f’(x)=(x^2+1)^2(x+2)^3(2(\log(x^2+1))’+3(\log(x+2))’)$$
$$=(x^2+1)^2(x+2)^3(\frac{4x}{x^2+1}+\frac{3}{x+2})$$
$$=(x^2+1)(x+2)^2(4x(x+2)+3(x^2+1))$$
$$=(x^2+1)(x+2)^2(7x^2+8x+3)$$
となります。
極限の問題
$$\lim_{n\to \infty}\frac{n}{\sqrt[n]{n!}}=e$$
である問題を授業中に出しましたが、すぐ解いてくれる人がいたようですので、
来週はそこから始めようと思います。
このことから、$\sqrt[n]{n!}$ は”大体”、$\frac{n}{e}$ の勢いで大きくなっていく(漸近していく)
ということがわかるかと思います。
とくにこの数列が発散します。
このようななんでもない数列ですが、この授業の後半の方(積分まで終わった段階で)
で少々意味付けを与えようと思います。(講義ではそこまで進まないかもしれませんが....)
意味が分かれば、瞬時に発散するということ($n/e$ に漸近するまではわかりませんが)
がわかります。
また、この「大体」、とか「漸近」とかの言葉は少し厳密に、
今後の授業で扱っていきます。
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今回は微分の話に入りました。
内容としては、
- 小テスト
- 第2回の宿題の解答
- 微分法(特に逆関数の微分法と対数微分法)
でした。小テストでは、問題文に不備が見つかってしまいすいません。
また、授業後に言われたのですが、皆さんよく理解しているようで、
宿題3-1の数列は単調ではありませんでした。
そこで解けずに迷った方はすいませんでした。
それ以外の部分を採点します。
宿題3-1の数列は単調ではありませんでした。
そこで解けずに迷った方はすいませんでした。
それ以外の部分を採点します。
微分
関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能とは、極限
$$\lim_{x\to a}\frac{f(x)-f(a)}{x-a}$$
が存在する(収束する)ことをいいます。その極限値を微分係数といいます。
逆関数の微分法
先週は三角関数の逆関数や双曲線関数の逆関数についてやりましたので、
その微分を求めるために、逆関数の微分法を復習しました。
ある関数 $f$ の逆関数 $f^{-1}$ を微分する公式は、
$$\frac{df^{-1}(x)}{dx}=\frac{1}{\frac{df}{dy}(f^{-1}(x))}$$
となります。公式にしてみると、なんだかわかりにくいです。
ここで、実際の計算をしてみれば、どういうことなのかよくわかります。
$y=\text{Arcsin}(x)$ とすると、$x=\sin y$ となり、
$$\frac{d(\text{Arcsin}(x))}{dx}=\frac{1}{\frac{d(\sin y)}{dy}}=\frac{1}{\cos y}=\frac{1}{\sqrt{1-\sin^2y}}=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$$
となります。つまり、逆関数の微分がしにくければ、関数を逆に解いておいてから
微分してもかまわない。ただし、そのときは、微分係数が逆数になる。
という公式だということになります。
しかし、実はルートをとる段階で少々注意が必要です。
わり算をするときや、ルートを取る時、”普段"とは違う操作なので、少々の
エネルギーが必要です。そのようなときに、ちょっとした壁があるということを
いつも考えて置いてください。通常は場合分けをしたりすれば
大概のりこえられるものが多いですが。
具体的には、例えばゼロでないことを確認することや、ルートの中が負ではないことや
ルートを取った時に、解として複数現れることなどの確認などの作業です。
この場合、ルートの中身は負ではありませんが、通常、プラスマイナスがでてきます。
今の場合、$\text{Arcsin}$ の値域が $-\frac{\pi}{2}\le y\le \frac{\pi}{2}$ であるので、
$\cos y$ の値は、非負の数でないといけません。なので、マイナスの方がなくなって、
$\cos y=\sqrt{1-x^2}$ となります。
対数微分法
対数微分法は、あまり馴染みがない人も多いですが、便利なことも多いので、
この段階で教えています。公式は簡単で、
$(\log(f(x)))’=\frac{f’(x)}{f(x)}$ であることを使って分母を払えば、対数微分法とは、
$$f’(x)=f(x)(\log f(x))'$$
という公式になります。
例えば、次のような多項式の場合、一度展開してから微分をし、もう一度因数分解をしたり、積の微分法を用いる人が多いのですが、実は対数微分法を用いることができます。
$f(x)=(x^2+1)^2(x+2)^3$ などの関数を微分する場合、
$$f’(x)=(x^2+1)^2(x+2)^3(2(\log(x^2+1))’+3(\log(x+2))’)$$
$$=(x^2+1)^2(x+2)^3(\frac{4x}{x^2+1}+\frac{3}{x+2})$$
$$=(x^2+1)(x+2)^2(4x(x+2)+3(x^2+1))$$
$$=(x^2+1)(x+2)^2(7x^2+8x+3)$$
となります。
極限の問題
$$\lim_{n\to \infty}\frac{n}{\sqrt[n]{n!}}=e$$
である問題を授業中に出しましたが、すぐ解いてくれる人がいたようですので、
来週はそこから始めようと思います。
このことから、$\sqrt[n]{n!}$ は”大体”、$\frac{n}{e}$ の勢いで大きくなっていく(漸近していく)
ということがわかるかと思います。
とくにこの数列が発散します。
このようななんでもない数列ですが、この授業の後半の方(積分まで終わった段階で)
で少々意味付けを与えようと思います。(講義ではそこまで進まないかもしれませんが....)
意味が分かれば、瞬時に発散するということ($n/e$ に漸近するまではわかりませんが)
がわかります。
また、この「大体」、とか「漸近」とかの言葉は少し厳密に、
今後の授業で扱っていきます。
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