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2017年5月11日木曜日

微積分I演習(数学類)(第4回)

[場所1E103(水曜日4限)]

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宿題の解答

宿題の一つはこちらの不備で答えがありませんでした。すいません。

2-1 について。

任意の整数 n について f(nx)=f(x)^n かつ f(0)=1 かつ f(1)=e
を満たす実数値連続関数は f(x)=e^x だけという問題でした。

F(x)=f(x)e^{-x} と定義して F(x)=1 であることを示します。

(1) 任意の有理数で証明する前に、任意の整数で成り立つかを考えます。

\forall n\in {\mathbb Z} とすると、条件から、F(n)=f(n)e^{-n}=f(1)^ne^{-n}=1 が成り立ちます。

任意の有理数を r=\frac{m}{n} とします。ただし n,m は整数かつ
n は奇数とします。このとき、
F(\frac{m}{n})^n=(f(\frac{m}{n})e^{-\frac{m}{n}})^n=f(m)e^{-m}=1

となり、f(x) は実数関数であるから、f(\frac{m}{n})=1 となります。


n が偶数の場合にも証明しなければなりません。(これは授業ではやりませんでした。)
どうしてかというと、1=F(\frac{1}{2})^2 を満たしますが、これだけでは、
F(\frac{1}{2})=\pm1 の両方が出てしまうからです。
そのために、f(x) の連続性が必要です。

r_t=\frac{mt}{nt-1} とおくと、r_t\to \frac{m}{n}\ \ (t\to \infty) となります。
また、r_t の分母は明らかに奇数です。

なので、分母が奇数の有理数列で、分母が偶数の有理数 \frac{m}{n} に収束させることができることになります。

F(x) の連続性から、F(\frac{m}{n})=F(\lim_{t\to \infty}r_t)=\lim_{t\to \infty}F(r_t)=1
となります。

よって、任意の有理数 r で、F(r)=1 が成り立ちます。

(2) \forall \alpha\in {\mathbb R} に対して、\alpha に収束する有理数列 r_n が存在することを示します。

有理数の稠密性を用いることで、
r_n\in (\alpha-\frac{1}{2^n},\alpha+\frac{1}{2^n})
となる r_n\in {\mathbb Q} が存在します。
このとき、0\le |r_n-\alpha|\le \frac{1}{2^n} となります。

ここで、\frac{1}{2^n}\to 0 (n\to \infty) となるので、挟み撃ちの原理から
r_n\to \alpha となります。

(3) \forall \alpha\in {\mathbb R} に対して F(\alpha)=1 であることを示します。
これは、上で偶数の場合に示したものと方針は同じです。

F(\alpha)=F(\lim_{n\to \infty}r_n)=\lim_{n\to \infty}F(r_n)=1

となります。

微分

講義の方ではすでに微分に入ったということで、演習も微分に入りました。
x=a で微分ができるとは、極限

\lim_{x\to a}\frac{f(x)-f(a)}{x-a}

が存在することです。

逆関数の微分法を復習しながら、\text{Arcsin}(x) の微分を実行しておきます。
y=\text{Arcsin}(x) とおくと、x=\sin y とします。

\frac{d}{dx}\text{Arcsin}(x)=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}=\frac{1}{\cos y}=\frac{1}{\sqrt{1-\sin^2y}}
=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}

となります。

ランダウの記号

ランダウの記号の使い方を解説します。
ランダウの記号(スモールオー)に関しては、こちら(リンク)に書きました。

定義
f(x)=o(g(x))\ \ x\to a

であるとは、\frac{f(x)}{g(x)}\to 0 のこととして定義します。

使い方その1
g(x)=(x-a)^n としたとき、

f(x)=o((x-a)^n) であるとは、関数 f(x)x=a において、0 に収束する”速度” が (x-a)^n より速いということです。

例えば、f(x)=(x-a)^{n+1} であるとすると、

\frac{f(x)}{(x-a)^n}=x-a\to 0 なので、(x-a)^{n+1}(x-a)^n より 0 になる速度が
速いということです。

また、f(x)=(x-a)^n とすると、
\frac{f(x)}{(x-a)^n}=1 なので、これは、(x-a)^n\neq o((x-a)^n) となります。

もちろん r>0 とすると (x-a)^{n+r}=o((x-a)^n) となります。

使い方その2
また、f(x)=f_1(x)-f_2(x) とすると、f_1(x)-f_2(x)=o((x-a)^n) であり、
f_1(x)=f_2(x)+o((x-a)^n)

とすることができます。
この式では、f_1(x)f_2(x) を比較することができます。

つまり、f_1(x)f_2(x) の差がすごく小さいということは、f_1(x)f_2(x)
がとても近いということを意味しています。


簡単のため、n=1,2 とします。
このとき、

実は、1回微分可能関数は、微分可能であることから
f(x)=f(a)+f'(a)(x-a)+o(x-a)
と変形できます。
上で書いたことから、関数 f(x)f(a)+f’(a)(x-a) が近いということがわかります。
実際、f(x)x=a での接線のなす関数が f(a)+f’(a)(x-a) ということになります。
接線はその関数に接しているので、確かに関数として近いことになります。

また、2回微分可能関数なら、

f(x)=f(a)+f'(a)(x-a)+\frac{f’’(a)}{2}(x-a)^2+o((x-a)^2)

が成り立ちます。
この2次関数はこの関数に接していますが、もちろん接線とは言いません。
単なる近似ということになりますが、接線の時にはわからなかった、
関数のその点の周りでの曲がり方を最も反映している近似となります。
この近似を2次近似といいます。

今回、微分の定義だけを用いて、この式の証明をするという宿題を出しておきました。

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