[場所1E103(月曜日4限)]
HPに行く.
今回は慌ただしく、15人の人の発表を見ました。
一人5分くらいということですが、いつも、もう少しで、できるかもしれないと
期待して一人の人に時間をかけてしまうことがあります。
これからは、もう少し早めに行って黒板に早く書いた人から見ようと思います。
今の段階で、92回の発表を見ました.すでに去年の113回にもう迫ろうとしています.
ちなみに、一昨年は97問ですから、年々解く人が増えています.
その前はもっと少なかった(最高で7問の人がいたくらい)ですから.
有志で自主ゼミをしたせいかでしょうか.これだけ位相空間が好きな人が
集まれば、今後位相空間を専門にする人が多く現れると面白いですね.
そもそも筑波は、昔から他のどこの主要大学より、位相空間が強い土地です.
個人的には、位相空間に強い人がドンドン現れて、
数学の他の分野と融合しながら、数学の風景が変わって来ると面白いなぁ
と思っています.
来年以降も自主ゼミが伝統で続くといいと思います.
正則空間と正規空間
ここで、正則空間と正規空間をまとめておきます。
定義をここで述べておきます。
正則空間
任意の閉集合とその閉集合にない一点は開集合で分離される。
正規空間
任意の2つの交わらない閉集合は開集合で分離される。
です.分離されるということは、その2つの集合を含む開集合 $U,V$ が存在して、
$U\cap V=\emptyset$ となるということです.
正則空間であることの必要十分条件
$X$ が正則であることは $X$ の閉近傍全体が基本近傍系となることとは必要十分.
(証明)
$X$ が正則であるとする.$R(X)$ を $X$の閉近傍全体とする.
$x\in X$ とする.$U$ を $x$ の任意の近傍とする.
このとき $U$ は近傍なので、$x\in V\subset U$ なる開集合 $V$ が存在する.
$X-V$ は閉集合なので、正則性から、ある開集合 $U_0,U_1$ が存在して、
$x\in U_0$ かつ $X-V\subset U_1$ となり、かつ $U_0\cap U_1=\emptyset $ となる.
よって、$W=X-U_1$ は閉集合であり、$x\in W$ となる.また、$x\in U_0\subset W$ となるので、$W$ は $x$ の閉近傍となる.
よって、任意の近傍 $U$ に対して、 $x\in W\subset U$ なる閉近傍 $W$ が存在する.
これは、$R(X)$ が$X$ の基本近傍系となることを意味している.
逆に、閉近傍全体が基本近傍系となるとすると、$x$ を任意の点として、$F$ を $x\not\in F$ なる任意の閉集合とする.
このとき、$U=X-F$ は $x$ の開近傍であり、$x$ のある閉近傍 $W$ が存在して、$x\in W\subset U$ となる.よって、$X-W$ は $F$ を含む開集合で、$W$ は閉近傍であることから、ある開集合 $x\in V\subset W$ が存在する.
よって、$V, X-W$ は、$x, F$ を分離する開集合となる.
正規空間であることの以下のような必要十分条件があります.
$X$ が正規であることは $X$ の閉集合 $F$ と開集合 $G$ に対して、$F\subset G$ ならば、開集合 $U$ で、$F\subset U\subset \bar{U}\subset G$ となるものが存在する.
(証明)
$X$ が正規とする.$X$ の閉集合 $F$ と $G$ を開集合であり、$F\subset G$ を満たすとする.このとき、$F$ と、$X-G$ に対して開集合 $U,V$ が存在して、$F\subset U$ かつ、$X-G\subset V$ かつ、$U\cap V=\emptyset$となるものが存在する.
よって、$U\subset X-V\subset G$ となり、$X-V$ は閉集合なので、$U\subset \bar{U}\subset X-V$ となる.ゆえに、$F\subset U\subset \bar{U}\subset G$ となる開集合 $U$ が存在する.
逆に、閉集合 $F$ と開集合 $G$ で、$F\subset G$ となるものに対して、$F\subset U\bar{U}\subset G$ なる開集合が存在するとするとする.
今、閉集合 $V_0,V_1$ に対して、$V_0\cap V_1=\emptyset$ となるものを任意にとる.
このとき、$V_0\subset X-V_1$ となり、$X-V_1$ は開集合.
よって、開集合 $U$ が存在して、$V_0\subset U\subset \bar{U}\subset X-V_1$ となる.
このとき、$X-\bar{U}$ は、開集合であり、$V_1\subset X-\bar{U}$ であり、
$V_0\subset U_0$ であるので、$V_0,V_1$ は $U_0$ $X-U_0$ によって分離できる.
HPに行く.
今回は慌ただしく、15人の人の発表を見ました。
一人5分くらいということですが、いつも、もう少しで、できるかもしれないと
期待して一人の人に時間をかけてしまうことがあります。
これからは、もう少し早めに行って黒板に早く書いた人から見ようと思います。
今の段階で、92回の発表を見ました.すでに去年の113回にもう迫ろうとしています.
ちなみに、一昨年は97問ですから、年々解く人が増えています.
その前はもっと少なかった(最高で7問の人がいたくらい)ですから.
有志で自主ゼミをしたせいかでしょうか.これだけ位相空間が好きな人が
集まれば、今後位相空間を専門にする人が多く現れると面白いですね.
そもそも筑波は、昔から他のどこの主要大学より、位相空間が強い土地です.
個人的には、位相空間に強い人がドンドン現れて、
数学の他の分野と融合しながら、数学の風景が変わって来ると面白いなぁ
と思っています.
来年以降も自主ゼミが伝統で続くといいと思います.
正則空間と正規空間
ここで、正則空間と正規空間をまとめておきます。
定義をここで述べておきます。
正則空間
任意の閉集合とその閉集合にない一点は開集合で分離される。
正規空間
任意の2つの交わらない閉集合は開集合で分離される。
です.分離されるということは、その2つの集合を含む開集合 $U,V$ が存在して、
$U\cap V=\emptyset$ となるということです.
正則空間であることの必要十分条件
$X$ が正則であることは $X$ の閉近傍全体が基本近傍系となることとは必要十分.
(証明)
$X$ が正則であるとする.$R(X)$ を $X$の閉近傍全体とする.
$x\in X$ とする.$U$ を $x$ の任意の近傍とする.
このとき $U$ は近傍なので、$x\in V\subset U$ なる開集合 $V$ が存在する.
$X-V$ は閉集合なので、正則性から、ある開集合 $U_0,U_1$ が存在して、
$x\in U_0$ かつ $X-V\subset U_1$ となり、かつ $U_0\cap U_1=\emptyset $ となる.
よって、$W=X-U_1$ は閉集合であり、$x\in W$ となる.また、$x\in U_0\subset W$ となるので、$W$ は $x$ の閉近傍となる.
よって、任意の近傍 $U$ に対して、 $x\in W\subset U$ なる閉近傍 $W$ が存在する.
これは、$R(X)$ が$X$ の基本近傍系となることを意味している.
逆に、閉近傍全体が基本近傍系となるとすると、$x$ を任意の点として、$F$ を $x\not\in F$ なる任意の閉集合とする.
このとき、$U=X-F$ は $x$ の開近傍であり、$x$ のある閉近傍 $W$ が存在して、$x\in W\subset U$ となる.よって、$X-W$ は $F$ を含む開集合で、$W$ は閉近傍であることから、ある開集合 $x\in V\subset W$ が存在する.
よって、$V, X-W$ は、$x, F$ を分離する開集合となる.
正規空間であることの以下のような必要十分条件があります.
$X$ が正規であることは $X$ の閉集合 $F$ と開集合 $G$ に対して、$F\subset G$ ならば、開集合 $U$ で、$F\subset U\subset \bar{U}\subset G$ となるものが存在する.
(証明)
$X$ が正規とする.$X$ の閉集合 $F$ と $G$ を開集合であり、$F\subset G$ を満たすとする.このとき、$F$ と、$X-G$ に対して開集合 $U,V$ が存在して、$F\subset U$ かつ、$X-G\subset V$ かつ、$U\cap V=\emptyset$となるものが存在する.
よって、$U\subset X-V\subset G$ となり、$X-V$ は閉集合なので、$U\subset \bar{U}\subset X-V$ となる.ゆえに、$F\subset U\subset \bar{U}\subset G$ となる開集合 $U$ が存在する.
逆に、閉集合 $F$ と開集合 $G$ で、$F\subset G$ となるものに対して、$F\subset U\bar{U}\subset G$ なる開集合が存在するとするとする.
今、閉集合 $V_0,V_1$ に対して、$V_0\cap V_1=\emptyset$ となるものを任意にとる.
このとき、$V_0\subset X-V_1$ となり、$X-V_1$ は開集合.
よって、開集合 $U$ が存在して、$V_0\subset U\subset \bar{U}\subset X-V_1$ となる.
このとき、$X-\bar{U}$ は、開集合であり、$V_1\subset X-\bar{U}$ であり、
$V_0\subset U_0$ であるので、$V_0,V_1$ は $U_0$ $X-U_0$ によって分離できる.
パラコンパクトと可算パラコンパクト
位相空間 $X$ とそのある部分集合の族が存在した時、その族が、局所有限とは、任意の点 $p$ において、その点の近傍 $U(p)$ が存在して、$U(p)$ と共通部分をもつ部分集合が有限個しかないことを言います.
ここで、コンパクト空間の周辺の定義をいくつか紹介して終わります.
コンパクト
任意の開被覆が有限部分被覆をもつ.
パラコンパクト
任意の開被覆に対して局所有限な開細分をもつ.
部分被覆ではなく、開細分であるということに注意してください.
つまり開被覆の任意の開集合 $A$ に対して、局所有限な開被覆の開集合 $U$ が存在して、$U\subset A$ となるということです.
可算パラコンパクト
任意の可算開被覆に対して局所有限な開細分をもつ.
メタコンパクト
任意の開被覆に対して、点有限な開細分をもつ
点有限であるとは、任意の点 $x$ に対して、その点とぶつかる被覆が有限であることをいいます.
オーソコンパクト
任意の開被覆において、次のような性質(内部保存)を満たす開細分が存在する.
任意の点 $x$ について、$x$ をその開細分の共通部分をとると、再び開集合となる.
コンパクト $\Rightarrow$ パラコンパクト
パラコンパクト $\Rightarrow$ メタコンパクト
メタコンパクト $\Rightarrow$ オーソコンパクト
となることがすぐわかると思います.また、
パラコンパクト $\Rightarrow$ 可算パラコンパクト
もすぐわかります.
ここで、コンパクト空間の周辺の定義をいくつか紹介して終わります.
コンパクト
任意の開被覆が有限部分被覆をもつ.
パラコンパクト
任意の開被覆に対して局所有限な開細分をもつ.
部分被覆ではなく、開細分であるということに注意してください.
つまり開被覆の任意の開集合 $A$ に対して、局所有限な開被覆の開集合 $U$ が存在して、$U\subset A$ となるということです.
可算パラコンパクト
任意の可算開被覆に対して局所有限な開細分をもつ.
メタコンパクト
任意の開被覆に対して、点有限な開細分をもつ
点有限であるとは、任意の点 $x$ に対して、その点とぶつかる被覆が有限であることをいいます.
オーソコンパクト
任意の開被覆において、次のような性質(内部保存)を満たす開細分が存在する.
任意の点 $x$ について、$x$ をその開細分の共通部分をとると、再び開集合となる.
コンパクト $\Rightarrow$ パラコンパクト
パラコンパクト $\Rightarrow$ メタコンパクト
メタコンパクト $\Rightarrow$ オーソコンパクト
となることがすぐわかると思います.また、
パラコンパクト $\Rightarrow$ 可算パラコンパクト
もすぐわかります.
先生に今までいろいろご指導いただいたのですが,近傍に関する基本をまだ十分理解できていないようです.
返信削除そこで,私は例を用いて考えてみました.誤り,不足をご指摘いただければと思います.
位相空間を (X, ◎)とし,X={a,b,c}のとき,◎ を次のように定める.
◎ ={φ, {a},{b},{a,b}, {b,c}, X}.
このとき,空間Xの閉集合系●は,次のようになる.
● ={φ, {a},{c},{a,c}, {b,c}, X}.
この空間Xについて,次の捉え方は正しいでしょうか?
点aについて,近傍:{a},{a,b}, {a,c}, X.
開近傍:{a},{b},{a,b}, X. 閉近傍:{a},{a,c}, X.
基本近傍系の数:{a},{{a},{a,b}} など, 8個.
点bについて,近傍:{b},{a,b}, {b,c}, X.
開近傍:{b},{a,b}, {b,c}, X. 閉近傍:{b,c}, X.
基本近傍系の数:{b},{{b},{a,b}} など, 8個.
点cについて,近傍:{b,c}, X.
開近傍:{b,c}, X. 閉近傍:{b,c}, X.
基本近傍系の数:{b,c},{{b,c}, X} の2個.
※閉集合{c},{a,c} はcの閉集合だが,cの開近傍(開集合)を含まないので cの閉近傍にも近傍にもならない.
また,このとき,次の考え方は正しいでしょうか?
bのすべての近傍に含まれる閉近傍,つまり,閉近傍{b}が存在しないので,bの閉近傍全体からbの基本近傍系を生成することはできず,従って,この空間Xは正則空間とはならない.
全て正しいと思います。
削除正則性公理は,いくつかの解説書では次のような論理式で示されています.
返信削除$\forall A[A\neq\emptyset\Rightarrow\exists B(B\in A\land A\cap B=\emptyset)]$
私はこの論理式を「Aの部分集合(?)であるBはAに含まれるけれども,AとBには共通部分がない」と
読み取ったのですが,この意味が釈然としません.
これは,Bが空集合であるということを意味するのでしょうか.
あるいは,これは,次のような例を用いて示すことができると考えて問題ないのでしょうか.
$A=\{\tfrac{1}{n}:n\in N\}$
とすると,
$\{\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\in A\}\land\{A\cap\{0\}\neq\emptyset\}$
ご教示のほど,よろしくお願いいたします.
位相空間Xが正則であるということは、Xの一点 $p$ と閉集合 $V$ で、$p\not\in V$ である場合、$p\in U$ かつ $V\subset W$ となる、$U\cap W=\emptyset$ となる開集合 $U,W$ が存在することを指しますが、この論理式でどうしてそのようなことがいえるのでしょうか?
削除すいません、これは公理的集合論のの正則性公理の話ですね。
削除$B\in A$ なので、前提として $B$ は $A$ の部分集合ではなく、
$A$ の要素、つまり、$A$ の元ということです。
$A$ の元で、$A$ と共通部分を持たない集合 $B$ が
必ず含まれるということです。
また、下の例は、少し意味がわかりません。
$A$ という集合には、$0$ という元含まれていませんので
$A\cap \{0\}=\emptyset$ です。
私の大きな誤りをご指摘いただき有り難うございました.
返信削除≠ではなく,=とすべきでした.
私は,質問で用いた論理式を下記の解説を参考に示させていただきました.
1.「集合・位相演習」(篠田寿一/米澤佳己共著:サイエンス社)
2.http://amonphys.web.fc2.com/amonfm.pdf
私は,「Aの元である限りAに含まれ,従ってAとは必ず共通部分がある」と考えていました.
一方,正則性公理について,「Aの元であって Aと共通部分を持たない部分集合がある」ということが釈然とせず,イメージが得られませんでした.
そこで,前回の質問で一例を用い,{0}が正則性公理を満たす部分集合ではないかと考えました.
(ただし,\(lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\in A=0\) だが,\(A\cap\{0\}=\emptyset\) であることには疑問が残ります)
この例は,不適当であり,誤りでしょうか.
正則性公理を満たす部分集合について,一例を示していただければ幸甚です.
忙中寸閑いただけましたら,ご回答よろしくお願い申し上げます.
$A=\{1/n|n\in {\mathbb N}\}$ としたときに、$A$ には $0$ は含まれませんので
削除$\{0\}$ が $A$ の部分集合でないことは当然ですね?
仮定がなんであろうが、$A\cap \{0\}=\emptyset$ は正しいです。
極限操作で、$1/n$ という数列が $A$ の外の数に向かって近づいただけです。
通常思いつくような集合は、正則性公理を満たします。
もっと簡単な例で考えればよいと思います。例えば
$A=\{1,2\}$ だとしても、$B=1$ とすれば、$B\in A$ となります。
しかし、$1$ は $A$ と共通部分を持ちません。
(ただ、厳密には、$1,2$ それぞれがどのような集合か?を定義してはいないので
正確ではありませんが、自然数の通常の定義であれば大丈夫です。)
お忙しい中,ご回答のお手数を有り難うございました.恐縮です.
返信削除正則性公理の考え方ついては,結局のところ,先生にお示しいただいた例を使わせていただければ,
$A=\{1,2\}$ において,$B=1$ は $A$ の部分集合ではなく単なる要素であるので, $A\cap B=\emptyset$ となる,という理解でよろしいでしょうか.
ちなみに,この場を借りて,$R$ の区間内の部分集合における開集合と閉集合の関係についてお尋ねします.
次の考え方は正しいでしょうか.
全体集合を $X=(0,2)$ とし,その部分集合を $A=\{\frac{1}{n}:n\in N\}$ としたとき,$A$ は開集合でも閉集合でもない.また,$A$ の内部は $\emptyset$,境界は $A$,外部は $X-A$ である.
また,全体集合を $X=[0,2)$ とした場合,$A$ は閉集合であり,$A$ の内部は $\emptyset$,境界は $A$,外部は $X-A$ である.
もしお時間をいただけましたら,ご教示のほどよろしくお願い申し上げます。
> $A=\{1,2\}$ において,$B=1$ は $A$ の部分集合ではなく単なる要素であるので,
削除> $A\cap B=\emptyset$ となる,という理解でよろしいでしょうか.
素朴集合論で考えるならそれでよいかもしれません。
公理的集合論の世界で考えるなら、
あらゆるものが集合で捉えるという考えの元構築されて
いますので、$1$ や自然数の一つ一つも集合で表される必要があります。
$0=\emptyset$, $1=\{0,\{0\}\}$, $2=\{1,\{1\}\}$, $\{1,2\}=\{1,\{1,\{1\}\}\}$と定義する。
このとき、$1\cap \{1,2\}=1\cap\{1,\{1,\{1\}\}\}$である。
また、$x\in 1\cap \{1,2\}$が存在したとすると、$x=0$もしくは、$\{0\}$であり、
かつ、$x=1$もしくは、$x=2$である。しかし、これらは全て違う集合であり、
成り立たない。
上の例で、$X=(0,2)$ としたとき、$A$ は閉集合です。
すべて孤立点($p\in A$ のある近傍 $U$ に対して、$U\cap A=p$)ですので内部は $\emptyset$ です。
境界は $A$ で、外部は、$X-A$ です。
$X=[0,2)$ としたとき、$A$ は閉集合ではなくなります。
というのも、$0\not\in A$ ですが、$0$ の任意の近傍は、$A$ と交わるので、
$X-A$ が開集合ではないからです。
開集合の補集合が閉集合であることが定義です。
もちろん開集合でもありません。
同じように、$A$ の内部は $\emptyset$ ですが、
境界は $A\cup\{0\}$ となります。
外部は、$X-A-\{0\}$ です。
上でコメントを作成し,公開させていただいたのですが,どこに不具合があるのか,何度試みても,正常に表示されません.(フォントの種類が異なるなど文字化けもしています)
返信削除先生にご紹介いただいた「TeXclip」では,正常に表示されます.
どのようにしたらよろしいでしょうか.
先生の最も望まれる方法をご指示いただければ有り難く存じます.
お忙しい中,丁寧なご説明を有り難うございました.
返信削除先生のご説明を下記のように理解しましたがよろしいでしょうか.
(こだわって申し訳ありません.凡愚の初学者ゆえとご受容いただければ幸甚いです)
$1\cap \{1,2\}=\{0,\{0\}\} \cap\{1,2\}=\emptyset$.
私はさらに単純な次のような例を考えてみましたが,正しいでしょうか.
$A=\{a\}$, $B=\{\{b\},\{c\}\}$, $X=\{\{A\},\{B\}\}$.
このとき,$A\in X$, かつ $A\cap \{A,B\}=\{a\} \cap\{A,B\}=\emptyset$.
$A=\{\frac{1}{n}:n\in N\}$ に関する疑問については,大変よく分かりました.深謝申し上げます.
これに関し,新たに次の内容について明確な理解に達しないままでいます.
${\mathbb R}$ において,${\mathbb Z}$(整数)の各点は孤立点(${\mathbb Z}$は離散集合)であり,内部は
$\emptyset$, 境界は ${\mathbb Z}$ である.このとき,${\mathbb Z}$ は稠密集合ではない.
一方,${\mathbb Z}$ や離散空間においては,${\mathbb Z}$(整数)の各点は孤立点(${\mathbb
Z}$は離散集合)であるが,内部は${\mathbb Z}$, 境界も外部も $\emptyset$ である.このとき,${\mathbb
Z}$は稠密集合である.
日々お忙しい中,誠に恐縮ですが,ご指導のご面倒をいただければ幸甚です.よろしくお願い申し上げます.
(TeX入力に未熟なため,先生のサイトページにお見苦しい点を残してしまったことをお詫び申し上げます)
> 私はさらに単純な次のような例を考えてみましたが,正しいでしょうか.
削除> A={a}, B={{b},{c}}, X={{A},{B}}.
> このとき,A∈X, かつ A∩{A,B}={a}∩{A,B}=∅.
まず、細かいかもしれませんが、$A$ と $\{A\}$ は違うものです。
おそらく、$X=\{A,B\}$ のことと思います。
また、$a,b,c$ が何者か定義されていないので、
$\{a\}\cap \{A,B\}=\emptyset$ かどうか判然としません。
$a\neq A$ かつ、$a\neq B$ であれば、当然ですが、この最後の式は成り立ちます。
> 一方,Z や離散空間においては,Z(整数)の各点は孤立点(Zは離散集合)である が,内部はZ, 境界も外部も ∅ である.このとき,Zは稠密集合である.
離散空間としての ${\mathbb Z}$ は、すべての点が開かつ閉となっています。
内部の意味がよくわかりませんが、位相空間そのものに内部という言い方は
ありません。位相空間の部分集合に、その内部ということが意味があります。
というのも、位相空間はそれ自身はいつでも開集合(位相空間の定義)ですので
その内部というのを文字通り捉えれば、再びその位相空間にならざるをえません。
学期はじめのお忙しい中,ご回答のご面倒,誠に有り難うございました.
返信削除いつもの温かいご指導深謝申し上げます.
正則性公理は,考え方に全く馴染みがなく,私にとって極めて難解です.
しかし,先生のお陰で新しい学びを進展させることができたと感謝しています.
私は,正則性公理は結局のところ,次のようなものではないかと思いました(自信はありませんが…).
私のカバンの集合を Xとする.私は2つのカバン A, Bを持っている.そのうち Aには図書館で借りた本 aが入っている.
このとき,$A\in X,\ A\cap X=\{a\}\cap X=\emptyset$
恐縮ですが,前回質問させていただいた離散集合,稠密集合に関し,確認を含めて,また,新たな質問をさせていただきます.4点ほどあります.(学びを進めるたびに疑問が際限なく湧いてきて難儀,閉口しています.今回も甘えさせていただきます)
1.離散集合 $A=\{\frac{1}{n}:n\in \Bbb N\}$ について次のように理解しました.正しいでしょうか.
Aは離散集合であり,各点は閉集合である.これに位相を入れて離散位相空間 $(X,\mathcal{O})$ とすると,各点は開集合となり,各点の全体(集合)はXの最小の開基となる.
なお,このとき各点は,離散位相が巾集合からなることより,開集合であると同時に閉集合でもある.
2.離散距離空間について,次の理解は正しいでしょうか.
有限な離散距離空間は,コンパクトである.
可算無限な離散距離空間は,非コンパクトであるが,第2可算公理を満たす.
非可算無限な離散距離空間は,非コンパクトであり,第1可算公理を満たすが,第2可算公理は満たさない.
3.稠密部分集合について,次の理解は正しいでしょうか.
$[a,b]\ (a,b\in \Bbb R)$ を全体集合とすると,次の3つの集合はいずれも稠密部分集合となる.
$(a,b)$, $\{x\in \Bbb Q\ |\ a<x<b\}$, $\{x\in \Bbb Q^c\ |\ a<x<b\}$.
($a<x<b$ は,$a\leqq x\leqq b$ としても同じでしょうか)
なお,$\Bbb Z$は $\Bbb R$ においては稠密部分集合ではないが,$\Bbb Z$ や離散距離空間においては稠密部分集合となる.
4.上記質問に関し,次の理解は正しいでしょうか.
稠密部分集合の閉包や開区間の閉包は完備であり,連続で境界を含む.
お時間の空いたときにでも,ご回答のお手数をいただければ幸甚です.よろしくお願い申し上げます.