ラマヌジャン和について書きます.
まずラマヌジャン和 $c_n(m)$ を定義しておきます.$n,m$ はどちらも正の整数を動きます.
$$c_n(m)=\sum_{1\le k\le n,\gcd(k,n)=1}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{km}{n}\right)$$
とします.ちなみにガウス和は
$$S(m,n)=\sum_{k=0}^{n-1}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{k^2m}{n}\right)$$
です.
次に、ラマヌジャンによる等式
$$\sigma_\alpha(n)=\zeta(1-\alpha)\sum_{k=1}^\infty \frac{c_k(n)}{k^{1-\alpha}}$$
を示しましょう.前回に引き続きラマヌジャンによる等式です.
最初に例を挙げます.正の整数 $q=12$ を一つ取ります、このとき、 12の約数を見ると、$d=1,2,3,4,6,12$ ですが、$\frac{h}{12}\ \ (h=1,\cdots q)$ を既約分数にしたときに分母が $d$ となるもので分類しておくと、
$$\frac{12}{12}\to \frac{1}{1}$$
$$\frac{6}{12}\to \frac{1}{2}$$
$$\frac{4}{12},\frac{8}{12}\to \frac{1}{3},\frac{2}{3}$$
$$\frac{3}{12},\frac{9}{12}\to \frac{1}{4},\frac{3}{4}$$
$$\frac{2}{12},\frac{10}{12}\to \frac{1}{6},\frac{5}{6}$$
$$\frac{1}{12},\frac{5}{12},\frac{7}{12},\frac{11}{12}$$
となります.
それぞれ、$d$ ごとに見てみると、分母が $d$ の分数の数は、$d$ と互いに素な数全てにわたっています.要するに個数だけ見れば、等式
$$q=\sum_{d|q}\varphi(d)$$
を意味しています.
このとき、$n$ を任意の整数として、この分数 $\frac{h}{q}$ を指数として、$\exp(2\pi\sqrt{-1}\frac{hn}{q})$ をの和を考えます.このとき、上の分類を使って1 から $q$ までの数を分けて足すことをしてやると、
$$\sum_{h=1}^{q}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{hn}{q}\right)=\sum_{d|q}\sum_{(l,d)=1,1\le l\le d}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{ln}{d}\right)=\sum_{d|q}c_d(n)$$
となります.また、左辺は等比数列の和だから、$\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q}\right)\neq 1|\leftrightarrow q\not|n$ なら、
$$\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q}\right)\frac{1-(\exp(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q}))^q}{1-\exp(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q})}=0$$
$q|n$ のとき、この和は $1$ の $q$ 個の和だから、$q$ となります.つまり、
$$\sum_{d|q}c_d(n)=\begin{cases}q&q|n\\0&q\not|n\end{cases}$$
これはラマヌジャン和のメビウス変換です.
だから、
$$\sum_{m=1}^\infty \frac{1}{m^{1-\alpha}}\sum_{d=1}^\infty \frac{c_d(n)}{d^{1-\alpha}}=\sum_{k=1}^\infty\frac{1}{k^{1-\alpha}}\sum_{d|k}c_d(n)$$
この右辺は、$k$ は $n$ の約数の時以外は$0$ になるから、
$$=\sum_{k|n}\frac{1}{k^{1-\alpha}}k=\sum_{k|n}k^\alpha=\sigma_\alpha(n)$$
となります.
つまり約数関数 $\sigma_\alpha(n)$ はラマヌジャン和を使って、
$$\sigma_\alpha(n)=\zeta(1-\alpha)\sum_{k=1}^\infty \frac{c_k(n)}{k^{1-\alpha}}$$
となります.
まずラマヌジャン和 $c_n(m)$ を定義しておきます.$n,m$ はどちらも正の整数を動きます.
$$c_n(m)=\sum_{1\le k\le n,\gcd(k,n)=1}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{km}{n}\right)$$
とします.ちなみにガウス和は
$$S(m,n)=\sum_{k=0}^{n-1}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{k^2m}{n}\right)$$
です.
次に、ラマヌジャンによる等式
$$\sigma_\alpha(n)=\zeta(1-\alpha)\sum_{k=1}^\infty \frac{c_k(n)}{k^{1-\alpha}}$$
を示しましょう.前回に引き続きラマヌジャンによる等式です.
最初に例を挙げます.正の整数 $q=12$ を一つ取ります、このとき、 12の約数を見ると、$d=1,2,3,4,6,12$ ですが、$\frac{h}{12}\ \ (h=1,\cdots q)$ を既約分数にしたときに分母が $d$ となるもので分類しておくと、
$$\frac{12}{12}\to \frac{1}{1}$$
$$\frac{6}{12}\to \frac{1}{2}$$
$$\frac{4}{12},\frac{8}{12}\to \frac{1}{3},\frac{2}{3}$$
$$\frac{3}{12},\frac{9}{12}\to \frac{1}{4},\frac{3}{4}$$
$$\frac{2}{12},\frac{10}{12}\to \frac{1}{6},\frac{5}{6}$$
$$\frac{1}{12},\frac{5}{12},\frac{7}{12},\frac{11}{12}$$
となります.
それぞれ、$d$ ごとに見てみると、分母が $d$ の分数の数は、$d$ と互いに素な数全てにわたっています.要するに個数だけ見れば、等式
$$q=\sum_{d|q}\varphi(d)$$
を意味しています.
このとき、$n$ を任意の整数として、この分数 $\frac{h}{q}$ を指数として、$\exp(2\pi\sqrt{-1}\frac{hn}{q})$ をの和を考えます.このとき、上の分類を使って1 から $q$ までの数を分けて足すことをしてやると、
$$\sum_{h=1}^{q}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{hn}{q}\right)=\sum_{d|q}\sum_{(l,d)=1,1\le l\le d}\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{ln}{d}\right)=\sum_{d|q}c_d(n)$$
となります.また、左辺は等比数列の和だから、$\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q}\right)\neq 1|\leftrightarrow q\not|n$ なら、
$$\exp\left(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q}\right)\frac{1-(\exp(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q}))^q}{1-\exp(2\pi\sqrt{-1}\frac{n}{q})}=0$$
$q|n$ のとき、この和は $1$ の $q$ 個の和だから、$q$ となります.つまり、
$$\sum_{d|q}c_d(n)=\begin{cases}q&q|n\\0&q\not|n\end{cases}$$
これはラマヌジャン和のメビウス変換です.
だから、
$$\sum_{m=1}^\infty \frac{1}{m^{1-\alpha}}\sum_{d=1}^\infty \frac{c_d(n)}{d^{1-\alpha}}=\sum_{k=1}^\infty\frac{1}{k^{1-\alpha}}\sum_{d|k}c_d(n)$$
この右辺は、$k$ は $n$ の約数の時以外は$0$ になるから、
$$=\sum_{k|n}\frac{1}{k^{1-\alpha}}k=\sum_{k|n}k^\alpha=\sigma_\alpha(n)$$
となります.
つまり約数関数 $\sigma_\alpha(n)$ はラマヌジャン和を使って、
$$\sigma_\alpha(n)=\zeta(1-\alpha)\sum_{k=1}^\infty \frac{c_k(n)}{k^{1-\alpha}}$$
となります.
0 件のコメント:
コメントを投稿