2025年6月9日月曜日

数学リテラシー2(第4回)

 [場所:2H101(火曜日15:15〜16:30, 16:45〜18:00)](2025年度)



第3回に引き続き数学リテラシー2の第4回目を行いました。

4回目は $\epsilon$-$\delta$ 論法を用いた関数の連続性の定義を行いました。

まず、関数 $f(x)$ の $x=a$ での極限についての定義をしておきます。
関数 $y=f(x)$ が$x\to a$ において限りなく $\alpha$ に近づくことを
定義します。つまり、$x=a$ の周りで、$x$ がどのように $a$ に近づいても
$f(x)$ が $\alpha$ に近づくことを定義をします。

それをどのように定義したら良いか?

まずは、それを否定してみます。
近づくことを数列を用いて表すことができます。
つまり、それは

ある数列 $a_n$ があって、それが $a$ に収束するが、$f(a_n)$ が $\alpha$ に
収束しない

ことであることになります。
つまり、$x=a$ にどのように近づく数列があっても $f(a_n)$ が $\alpha$ に近づく
の否定です。ある近づく数列 $a_n$ があって、$f(a_n)$ が $\alpha$ に近づかない。

前回までで、 $\epsilon$-$N$ 論法をやりましたから、それを用いて考えていきます。

もう一度言うと、数列 $a_n$ が存在して、
$a_n\to a$ ・・・① 
だが、 
$f(a_n)\not\to \alpha$ ・・・②
であることになります。

これを、$\epsilon$-$N$ 論法で言い換えると
① から、$a_n$ が $a$ に近づくことは、$\forall \delta>0$ に対して、$\exists N\in {\mathbb N}$ に対して
$\forall n>N$ に対して $|a_n-a|<\delta$ となります。
②から、$\exists \epsilon>0$ に対して $\forall N’\in {\mathbb N}$ に対して、$\exists n>N’$ に対して、$|f(a_n)-\alpha|\ge \epsilon$ となります。

このことを用いて、以下の命題を示すことができます。


命題
以下の1. と2. は同値である。
(1) 数列 $a_n$ が存在して、 $a_n\to a$ かつ $f(a_n)\not\to \alpha$ となる。
(2) $\exists \epsilon>0$ と $\forall \delta>0$ に対して、$|x-a|<\delta$ かつ $|f(x)-\alpha|\ge \epsilon$ を満たす $x$ が存在する。 


証明
(1) が成り立つことを書き下すと次のようになります。

$\forall \delta>0$ に対して $\exists N\in {\mathbb N}$ に対して $\forall n>N$ に対して$|a_n-a|<\delta$ を満たし、
かつ
$\exists \epsilon>0$ に対して $\forall N’\in {\mathbb N}$ に対して$\exists n’>N’$ に対して$|f(a_{n’})-\alpha|\ge \epsilon$ 
を満たします。
ただし、①と②は別々の命題なので、$\epsilon>0$ と $\delta$ は独立に選びます。
お互いに依存しません。
ただ、$N$ は$\delta$ に依存して決まります。

なので、
$\exists\epsilon>0$ と $\forall \delta>0$ に対して、1つ目の条件から、$N\in {\mathbb N}$ が存在して、$ n>N$ に対して $|a_n-a|<\delta$ が成り立ちます。
ここで $\exists \epsilon>0$を先に書いた理由は、$\forall \delta>0$ $\exists \epsilon>0$ なら
$\epsilon>0$ が $\delta$ に依存する形になるからです。

また、2つ目の条件から、
$N’=n$ とすれば、$n’>N’$ なる $n’$ を取り直して、$|f(a_{n’})-\alpha|\ge \epsilon$ が成り立つようにできます。
このとき、$n>N$ となる任意の $n$ に対して $|a_n-a|<\delta$ が成り立ちますので、$|a_{n’}-a|<\delta$ 
も成り立ち続けます。
よって、$a_{n’}=x$ とおけば、

$\forall \epsilon>0$ と $\exists\delta>0$ に対して、$|x-a|<\delta$ かつ $|f(x)-\alpha|\ge \epsilon$ となる $x$ が
存在したことになります。

よって(2) がいえました。

また、(2) を仮定します。

このとき、数列 $a_n$ を作っていきます。
$\exists \epsilon>0$ をとり、$\delta=1$ とするとことで、
$|x-a|<1$ かつ $|f(x)-\alpha|\ge \epsilon$ となる $x$ が存在します。
それを $a_1$ とおきます。
また、同様に、

$\exists \epsilon>0$ をとり、$\delta=\frac{1}{2}$ とするとことで、
$|x-a|<1$ かつ $|f(x)-\alpha|\ge \epsilon$ となる $x$ が存在します。
それを $a_2$ とおきます。

これを繰り返すことで、
$\exists \epsilon>0$ をとり、 $\delta=\frac{1}{n}$ とすることで、
$|a_n-a|<\frac{1}{n}$ かつ $|f(x)-\alpha|\ge \epsilon$ となる $a_n$ をとることができます。

このとき、

$|a_n-a|<\frac{1}{n}$ であるから、挟み撃ちの原理から $a_n\to a$ であることがわかり、
$\exists \epsilon>0$ に対して、$|f(a_n)-\alpha|\ge \epsilon$ であることから
特に、$f(a_n)\not\to \alpha$ であることがわかります。

よって、(1) がいえました。$\Box$

この
(2) $\exists \epsilon>0$ と $\forall \delta>0$ に対して、$|x-a|<\delta$ かつ $|f(x)-\alpha|\ge \epsilon$ を満たす $x$ が存在する。 

を否定してやったものを考えれば、
$f(x)$ が  $x\to a$ ならば $f(x)\to \alpha$ になることを定義できます。
つまり次の定義をすれば良いことになります。

定義
$f(x)$ が $x\to a$ での極限が $\alpha$ であるとは、
任意の $\epsilon>0$ に対して、ある $\delta>0$ が存在して、
$0<|x-a|<\delta$ となる任意の $x$ に対して $|f(x)-\alpha|<\epsilon$ 
が成り立つことを言い、このとき、$\lim_{x\to a}f(x)=\alpha$ とかく。


この3行目の文章は、簡潔に
$0<|x-a|<\delta\Rightarrow |f(x)-\alpha|<\epsilon$ 
とかくこともできます。

この定義は、$x=a$ の値 $f(a)$ が定められていなくても$x=a$ に近づく数列を取ることが
できれば定義できます。
$f(x)$ が $x\to a$ であるときに$f(x)$ が$\alpha$ に近づくことが定義されました。

この定義を使って、
$x=a$ での値 $f(a)$ が存在するとき、 $f(x)$ の $x=a$ での連続性を以下のように
定義することができます。

定義
$f(x)$ が $x=a$ で連続であるとは、$\lim_{x\to a}f(x)=f(a)$ であることである。
つまり、書き下すと、
$\forall \epsilon>0$ と $\exists\delta>0$ に対して、$0<|x-a|<\delta$
なら、$|f(x)-f(a)|<\epsilon$ が成り立つ。
となります。

このように、$\epsilon$ を $\delta$ を用いて関数の連続性を定義して、
それらを用いて関数の連続性や不連続性を示す方法を
$\epsilon$-$\delta$ 論法と言います。

この定義を使って以下、いくつかの例で $\epsilon$-$\delta$ 論法を実践してみましょう。

例1
関数 $f(x)=x$ が $x\to 0$ のとき $0$ に近づく。


つまり、$f(x)=x$ が $x=0$ において連続であることです。

任意の $\epsilon>0$ に対して、
$0<|x|<\delta$ に対して、$|x|<\epsilon$ となるような $\delta$ を探せば良いことになります。
この場合、$\delta=\epsilon$ として取れば良いことになります。
なぜなら、$0<|x|<\delta$ ならば、$0<|x|<\epsilon$ が成り立ち、$|x|<\epsilon$ が成り立つからです。
後半は自明なことを言っています。

同じように以下を示しましょう。

例2
$f(x)=x^2$ が $x=1$ で連続である。


$\forall \epsilon>0$ に対して、ある $\delta>0$ が存在して、
$|x-1|<\delta$ となる任意の $x$ に対して、$|x^2-1|<\epsilon$ が成り立つ
ように$\delta$ を定められるかどうかですが、

$|x^2-1|=|x-1|\cdot|x+1|<\delta(|x-1+2|)<\delta(\delta+2)<\epsilon$ となり、
この2次不等式を解けば目標の $\delta$ を得られますが、
2次不等式を厳密に解かなくても、条件を満たす $\delta$ が存在することを
示すだけでいいです。つまり $\delta$ を十分小さく取れば良いのだから
例えば、$\delta<1$ くらい仮定しておきます。
このくらい小さくとっても $\delta>0$ を満たす $\delta$ はたくさんありますので問題はありません。
ただ、この不等式を使って、$\delta(\delta+2)<1\cdot (1+2)=3$とすると、任意にとった
$\epsilon$ より小さくは取れませんので、中途半端に
$\delta(\delta+2)<\delta(1+2)=3\delta$ と $\delta$ の部分を残しておきます。
そうすると、$\delta<1$ だけではなく、$\delta<\frac{\epsilon}{3}$ と取ることで、
$\delta(\delta+2)<\epsilon$ となり、$\epsilon>0$ より小さくすることができます。
$\delta<\frac{\epsilon}{3}$ となる$\delta$ も十分小さく$\delta$ を取ることでそのような
$\delta$ は存在しますので、

合わせて、

任意の $\epsilon>0$ に対して、$0<\delta<\min\{1,\frac{\epsilon}{3}\}$ のように $\delta$ を取ることで、
$|x-1|<\delta\Rightarrow |x^2-1|<\epsilon$ を満たすようにができました。

よって、$y=x^2$は $x=1$ で連続であることわかります。

次に、極限値が存在しない例を扱います。

例3
$f(x)=\sin\frac{1}{x}$ が $x\to 0$ で、極限 $\alpha$ を持たない。


$\alpha\neq 1$ であるとします。
このとき、ある数列 $a_n$ で、$a_n\to 0$ が成り立つが、
$f(a_n)\not\to \alpha$ になることを示します。

$a_n=\frac{1}{(2n+\frac{1}{2})\pi}$ とおくと、
$a_n\to 0$ であり、
$f(a_n)=\sin((2n+\frac{1}{2})\pi)=\sin\frac{\pi}{2}=1$ が成り立ち、
$f(a_n)\to 1$ であるから、$f(a_n)\not\to\alpha$ となります。
つまり、
$f(x)$ $x\to 0$ で $\alpha$ に極限値を持ちません。

$\alpha=1$ としても、
$a_n=\frac{1}{2n\pi}$ とおくと、$a_n\to 0$ ですが、
$f(a_n)=\sin 2n\pi=0$ となるので、
$f(a_n)\to 0$ となります。
よって $f(a_n)\not\to 1$ となります。

よって、$f(x)=\sin\frac{1}{x}$ は $x\to 0$ においてどの値にも極限値になりません。
つまり $\lim_{x\to 0}\sin \frac{1}{x}$ は存在しません。

なので、実数関数 $y=f(x)$ を
$$f(x)=\begin{cases}\sin\frac{1}{x}&x\neq 0\\0&x=0\end{cases}$$
としても、$f(x)$ は $x=0$ で連続ではありません。

もちろん $x=0$ での値をどのように定めても連続にはなりません。

他にもやっておきます。

例4
$y=e^x$ が $x=x_0$ で連続である。


$\forall \epsilon>0$ に対して、$\delta=\log(1+\frac{\epsilon}{e^{x_0}})$ とします。
$0<|x-x_0|<\delta$ が成り立つとします。

仮に、
$0<x-x_0<\delta$ とします。このとき
$|f(x)-f(x_0)|=e^x-e^{x_0}=e^{x_0}(e^{x-x_0}-1)<e^x_0(e^\delta-1)=e^{x_0}(e^{\log (1+\frac{\epsilon}{e^{x_0}})}-1)=e^{x_0}(1+\frac{\epsilon}{e^{x_0}}-1)=\epsilon$ 
が成り立ちます。
また、
$0<x_0-x<\delta$ とします。このとき、
$|f(x)-f(x_0)|=e^{x_0}-e^{x}=e^{x_0}(1-e^{x-x_0})<e^{x_0}(1-e^{-\delta})$
$=e^{x_0}(1-e^{-\log(1+\frac{\epsilon}{e^{x_0}})})= e^{x_0}(1-\frac{1}{1+\frac{\epsilon}{e^{x_0}}})$
$= e^{x_0}(1-\frac{e^{x_0}}{e^{x_0}+\epsilon})=e^{x_0}\frac{\epsilon}{e^{x_0}+\epsilon}<\epsilon$ 
が成り立ちます。
よって、どちらにしても、つまり$|x-x_0|<\delta$ ならば、
$|f(x)-f(x_0)|<\epsilon$ が成り立ちます。

よって、$f(x)=e^x$ は各点で連続であることがわかります。

2025年6月5日木曜日

数学リテラシー2(第3回)

[場所:2H101(火曜日15:15〜16:30, 16:45〜18:00)](2025年度)



今回第3回目の数学リテラシー2を行いました。

数学リテラシー2の3回目をやって行きたいと思います。

今回も前回に引き続き$\epsilon$-$N$ 論法になります。


はじめに数列の収束の定義をしておきます。


任意の $\epsilon$ に対して $N\in {\mathbb N}$ が存在して、$N$ よりも大きい任意の自然数 $n$ に対して

$|a_n-\alpha|<\epsilon$ が成り立つ


つまり、記号によって言い表すと $\forall \epsilon, \exists N\in {\mathbb N}, \forall n>N \text{ such that } |a_n-\alpha|<\epsilon$ 

となります。


これが収束の定義でした.

 

これに基づいて数列の性質を見て行きたいと思います。

 

先週最後にやったことは数列 $a_n$ と $b_n$ が収束するときにその和も

収束するということでした。


今回は次を証明します。


命題

数列 $a_n$ が $\alpha$ に収束するとき定数倍 $ca_n$ も収束して、定数倍 $c\alpha$ に収束する.


ということです。


簡潔に言うと $a_n\to \alpha$ なら $ca_n\to c\alpha$ です。


このことは次のようにして証明できます。

(証明)

$\forall \epsilon>0$ に対して、$\exists N\in {\mathbb N}$ に対して、$\forall n>N$ なら $|a_n-\alpha|<\frac{\epsilon}{|c|}$ が成り立ちます。

このとき、


$$|ca_n-c\alpha|<|c|\cdot|a_n-\alpha|<|c|\cdot\frac{\epsilon}{|c|}<\epsilon$$ 

となります。よって、$ca_n\to c\alpha$ が成り立つことがわかります。


ここで、わざわざどうして $|a_n-\alpha|<\frac{\epsilon}{|c|}$ と取ったのかというと、最後に

$|ca_n-c\alpha|<\epsilon$ を言うことで、定義を使っていることを明らかにしたかったからです。


次に教科書の命題を示して行きたいと思います。


命題

(1) $a_n\to \alpha$ かつ $b_n\to \beta$ とし、$a_n\le b_n$ とすると、$\alpha\le \beta$ である。

(2) $a_n\le c_n\le b_n$ かつ $a_n\to \alpha$ かつ $b_n\to \alpha$ であるとすると $c_n\to \alpha$

を満たす。

 

(2) の方の主張を挟み撃ちの原理と言います。


(証明) 

(1) を証明しましょう。

$\beta<\alpha$と仮定します。そのときに、$\epsilon=\frac{\alpha-\beta}{3}>0$ とおきます。

この時、

ある $N_1\in {\mathbb N}$ に対して $\forall n>N_1$ に対して $|a_n-\alpha|<\epsilon$ が成り立ち、

ある $N_2\in {\mathbb N}$ に対して $\forall n>N_2$ に対して $|b_n-\beta|<\epsilon$ が成り立ちます。

よって、$N=\max\{N_1,N_2\}$ とすると、$\forall n>N$ に対して、

$$b_n<\beta+\epsilon<\alpha-\epsilon<a_n$$

となるので、特に、$b_n<a_n$ がわかります。

これは仮定に矛盾するので、背理法から $\alpha\le \beta$ が成り立つことがわかります。


次に(2)を証明します

これも同様に、

ある $N_1\in {\mathbb N}$ に対して $\forall n>N_1$ に対して $|a_n-\alpha|<\epsilon$ が成り立ち、

ある $N_2\in {\mathbb N}$ に対して $\forall n>N_2$ に対して $|b_n-\alpha|<\epsilon$ が成り立ちます。

よって、$N=\max\{N_1,N_2\}$ とすると、$\forall n>N$ をとります。

このとき、

$$c_n-\alpha=c_n-b_n+b_n-\alpha\le b_n-\alpha<\epsilon$$

$$c_n-\alpha=c_n-a_n+a_n-\alpha\ge a_n-\alpha>-\epsilon$$

が成り立ち、よって

$$|c_n-\alpha|<\epsilon$$

が成り立つことがわかり、$c_n\to \alpha$ であることがわかります。 $\Box$ 


      

次に以下の例を示しましょう。

例  $a_n=\sqrt[n]{n}$ とすると $a_n\to 1$ となる。

 

この例は上の挟み撃ちの原理の応用例です。

(証明)

$n>1$ の時 $a_n>1$ であるから、$a_n=1+b_n$ とおくと、$b_n>0$ となる数列であることがわかります。この数列 $b_n$ が $b_n\to 0$ であることを示せば十分です。


そこで、

$n> 1$ のとき、

$$n=a_n^n=(1+b_n)^n\ge 1+nb_n+\frac{n(n-1)}{2}b_n^2>\frac{n(n-1)}{2}b_n^2$$

となり、

$$0<b_n<\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{n-1}}$$    

となります。

ここで、$\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{n-1}}$ が $0$ に収束することがわかれば、

挟み撃ちの原理から $b_n$ も $0$ に収束することがわかります。$\Box$


実際、$\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{n-1}}$ が $0$ に収束するでしょうか?

これも $\epsilon$-$N$ 論法によって証明することができます。


$\forall \epsilon>0$ に対して、$2/\epsilon^2+1<N$ となる自然数 $N$ をとれば、$\forall n>N$ とすると、

$$|\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{n-1}}-0|< \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{N-1}}<\epsilon $$

が成り立つことから、$\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{n-1}}\to 0$ が成り立つことがわかります。$\Box$


次にこの補題を示します


補題

数列 $\{a_n\}$ が収束すれば、この数列は有界である。



つまり、$\{a_n\}$ が収束するなら、ある実数 $m,M$ が存在して、

$\forall n\in {\mathbb N}$ に対して $m\le a_n\le M$ であることになります。 

 

(証明) 

$a_n$ が $\alpha$ に収束するとします。

このとき、$\forall \epsilon>0$ に対して、$\exists N\in {\mathbb N}$ に対して

$\forall n>N$ なら、

$|a_n-\alpha|<\epsilon$ となります。

特に、$\alpha-\epsilon<a_n<\alpha+\epsilon$

また、$n\le N$ となる自然数は有限個しかないので、

$n\le N $なら

$$\min\{a_1,a_2,\cdots, a_N\}\le a_n\le \max\{a_1,a_2,\cdots, a_N\} $$

がわかる。

よって、これらを合わせて、

$$\min\{a_1,a_2,\cdots, a_n,\alpha-\epsilon\}\le a_n\le \max\{a_1,a_2,\cdots, a_N,\alpha+\epsilon\}$$

が成り立つので、

$a_n$ は有界であることわかります。 $\Box$ 



次に数列が収束する時その積の数列も収束することまた、商の数列の数列も収束することをみましょう。



命題

$a_n\to \alpha$ かつ $b_n\to \beta$ であるとき、

(1) $a_nb_n\to \alpha\beta$

(2) $a_n/b_n\to \alpha/\beta$ ただし、$\beta\neq 0$ かつ $n\in {\mathbb N}$ に対して $b_n\neq 0$ 


(証明)

(1)

$a_n$ と$b_n$ が収束することから、$b_n$ は有界であり、

任意の$n$ に対して $|b_n|<M$ となる実数 $M$ が存在します。


今、 $\alpha\neq 0$ と仮定します。

$a_n, b_n$ の収束性から、

$\forall \epsilon>0$ に対して、ある$N\in {\mathbb N}$ に対して $\forall n>N$ なら、

$|a_n-\alpha|<\frac{\epsilon}{2M}$ かつ $|b_n-\beta|<\frac{\epsilon}{2|\alpha|}$ が成り立ちます。
よって、

$$|a_nb_n-\alpha\beta|=|(a_n-\alpha)b_n-\alpha (b_n-\beta)|\le |a_n-\alpha||b_n|+|\alpha|\cdot|b_n-\beta|$$

$$<\frac{\epsilon}{2M}\cdot M+|\alpha|\cdot\frac{\epsilon}{2|\alpha|}<\epsilon$$

となります。

よって $a_nb_n\to \alpha\beta$ が成り立ちます。


(2) のほうの証明は省略します。$\Box$


次に、数列の単調増加性を定義します。


定義 数列 $\{a_n\}$ が単調増加であるとは、

$a_1\le a_2\le a_3\le\cdots$ が成り立つことである。

 

このとき、次の命題を証明することができます。


命題

数列 $a_n$ が単調増加であり上に有界であるなら、この数列は収束する.

 

(証明)

$A=\{a_n|n\in {\mathbb N} \}$ とすると、$A$ は上界が存在するので

$\sup A=\alpha$ とする。

このとき、$a_n$ が $\alpha$ に収束することを証明します。

前回の最後にやった命題を使うと、

$\forall \epsilon>0$ に対して、$\alpha-\epsilon<a_N$ となる $N\in {\mathbb N}$ が

存在します。また $n>N$ に対して

$a_N\le a_{N+1}\le a_{N+2}\le \cdots\le \alpha $であるから、

$-\epsilon <a_n-\alpha\le 0$ が成り立ちます。

特に、$|a_n-\alpha|<\epsilon$ が成り立ち、$a_n\to \alpha$ が成り立ちます。$\Box$



ではこの例を見て行きましょう


$a_n=\sum_{k=1}^n\frac{1}{k^2}$

とおくと、$a_n$ は収束する。

 

この数列はある実数に収束することを示すことができます。

どうしてかというと

$$\sum_{k=1}^n\frac{1}{k^2}<1+\sum_{k=2}^n\left(\frac{1}{k-1}-\frac{1}{k}\right)=1+1-\frac{1}{n}<2$$ 

上に有界です。また、$a_n$ が単調増加であることはすぐわかります。

よって、上の定理から、この数列は収束することがわかります。$\Box$

 

実際この数列の収束先は

$$\frac{\pi^2}{6}$$ 

になりますが、この収束先は簡単にはわかりませんが、

この値を求めることはバーゼル問題といい17世紀にオイラーによって初めて証明されました。



 

2025年5月31日土曜日

数学リテラシー2(第2回)

[場所:2H101(火曜日15:15〜16:30, 16:45〜18:00)](2025年度)



数学リテラシー2の第1回に引き続き。第2回目を始めます。


論理記号
まず、数学で用いられる論理記号について導入しておきます。

$\forall$ と $\exists$ です。
これは
$\forall$ は「任意の〜」と言う意味で、$\exists$ は「ある〜が存在して」の意味になります。

例えば、

「任意の実数 $x$ に対して $x^2\ge 0$となる」
をこの論理記号で書かくと、

「$\forall x\in {\mathbb R}$ に対して$x^2\ge 0$ となる」
となります。「$\forall x$ なる実数 $x$ に対して$x^2\ge 0$ となる」
と書いてもいいです。

さらに、
「$\forall x\in {\mathbb R}\Rightarrow x^2\ge 0$ 」
のように文章の介入しない論理式だけのような書き方でも同じことが表せます。

また、$\exists$ については以下のような使い方になります。

「ある実数 $x$ が存在して、$x-x^2>0$を満たす」
を、
「$\exists x\in {\mathbb R}$に対して$x-x^2>0$となる」
のように言うことができます。これも、
「$\exists x\in {\mathbb R}$ s.t. $x-x^2>0$」
のようにも書くことができます。
この s.t. はsuch that の略で、「となるような〜」と言うthat 節以降を繋ぐ
接続詞の役割を果たします。

つまり日本語では、$x-x^2>0$ を満たすような実数 $x$ が存在すると言うことができます。
英語では、
There exists a real number $x$ such that $x-x^2>0$ is satisfied.

となり、「$\exists x\in {\mathbb R}$ s.t. $x-x^2>0$」はこれを記号化してシンプルに言ったものになります。
実際、s.t.は単語を略したものなので、論理記号と言うわけではありませんが
論理記号と同等として使ったりします。

例えば、$\exists x\in {\mathbb R}(x-x^2>0)$ のようにカッコを使って
書くことで論理式のようにすることもできます。
意味としては同じものです。

例えば、$\forall$と$\exists$ を組み合わせて、

$\forall x\in {\mathbb R}$ $\exists n\in {\mathbb N}$ s.t. $x<n$
のように言い表せます。
これはアルキメデスの原理と言われる実数の性質になります。 
アルキメデスの原理と言えば、物体の浮力に関する性質もそのように呼ばれますが
それとは関係ありません。

ちなみに、この論理記号の順番を入れ替えて、
 $\exists n\in {\mathbb N}$ $\forall x\in {\mathbb R}$ s.t. $x<n$のように
言うと意味の違う命題になります。
これは、ある自然数 $n$ が存在して、どんな実数 $x$ も $n$ より小さくなると言っていて、
つまり、全ての実数は $n$ 以下だと言うことを主張する命題になります。

論理記号を使うとき、順番を守って書かないといけないということになります。
次に書くパラメータが前のパラメータに依存するからです。

アルキメデスの原理で言う
$\forall x\in {\mathbb R}$ $\exists n\in {\mathbb N}$ s.t. $x<n$
における、$n$ は $x$ に応じて変化します。
$x$が大きくなればそれに応じて $n$ も大きくとらないといけません。

また、否定命題の作り方ですが、

「$\forall x\in {\mathbb R}\Rightarrow x^2\ge 0$ 」 
の否定は、ある $x\in {\mathbb R}$ に対して $x^2<0$ となること
になります。つまり、$\exists x\in {\mathbb R}(x^2<0)$ です。

同様に、$\exists x\in {\mathbb R}(x-x^2>0)$ の否定は
$\forall x\in {\mathbb R}(x-x^2\le 0)$

となり、否定命題を作るには $\exists$ と $\forall$ は交換して、
結論を否定することになります。

つまり、アルキメデスの原理の否定は、
$\exists x\in {\mathbb R}$ $\forall n\in {\mathbb N}$ s.t. $x\ge n$
となります。つまりどんな自然数より大きい実数が存在するということを意味しています。

さて、本題に入ります。

数列の収束について


第2回は数列の収束の定義を行ないました。

数列が収束するというのはどういうことでしょうか?


高校の頃の定義では、

「$n$ が大きくなると、$a_n$ が限りなく $\alpha$ に近づく」

ときに、数列 $a_n$ は $\alpha$ に収束するといいました。


これはまだちゃんとした数学の定義ではありません。

例をいくつか見てみましょう。


数列 $a_n=\frac{1}{n}$ は、

$1, \frac{1}{2}, \frac{1}{3},\frac{1}{4},\cdots$ のようになり、

この数列はゼロに収束していると直感的に分かるのではないでしょうか。


次の例を見てみます。


$\frac{1}{2}, \frac{2}{3}, \frac{3}{4}, \cdots$ 

この数列は $a_n=\frac{n}{n+1}$ とかけますが、$n$ が大きくなるにつれて、

分母と分子の差 $1$ がだんだん見えなくなってきて、

結果、$1$ に収束するだろうということが感覚的に分かると思います。


次に、数列 $a_n=(-1)^n$ を見てみましょう。

これは、$1$ と $-1$ を交互にとる数列です。この数列はどこかに向かっているというより、

振動しています。このような数列は収束していると言わないわけです。

$n$ を偶数もしくは奇数とすると定値なのでその場合収束していますが、全体としてある一定の値に向かっているわけではなさそうです。


なので、


$n$ が 奇数の場合 $a_n=\frac{1}{n}$ とし、$n$ が偶数の場合 $a_n=1$ となる数列をとってもこの数列は収束していません。


ここで以下の定義をしましょう。


定義 ($\epsilon$-近傍)

$\alpha$ を実数とし、 $\epsilon$ を正の実数とします。このとき、

$$U_\epsilon(\alpha)=\{x\in {\mathbb R}|\alpha-\epsilon<x<\alpha+\epsilon\}$$

とし、これを $\epsilon$-近傍という。


つまり、$\alpha$ から見て、距離が $\epsilon$ 以内に離れた実数全体です。


数列 $a_n$ が $\alpha$ に、収束する場合、$a_n$ のいくつかが $U_\epsilon(\alpha)$ に入らないといけないですが、 $\epsilon$ の値によっては

いくつか外に出ていても $a_n$ は $\alpha$ に収束することができることを観察してください。

例えば、そのいくつかが有限個であるとすると、$n$ がある有限先まで行ったら、

全て $U_\epsilon(\alpha)$ に入っていますね。

また、無限個外に出るとすると、$n$ をどんなに先に進めても必ず $U_\epsilon(\alpha)$ の外に

出てしまうことは当然ですね。これは $a_n$ が $\alpha$ に収束すると言えるでしょうか。

これは限りなく $\alpha$ に向かうというイメージからははずれると思われます。


実際、そのような数列を $a_{n_1}, a_{n_2}, a_{n_2},\cdots$ のように取っていくと、

全て $U_\epsilon(\alpha)$ の外に出ているわけです。

全然近づいている感覚とは違いますね。つまり、全ての $n\in {\mathbb N}$ が一斉に

近づいている訳ではなく、近づく $a_n$ があっても遠ざかっているものも一定数あるという

ことになります。


わかることは、


$U_\epsilon(\alpha)$ に含まれない $a_n$ はたかだか有限個しかない。

同じことだが、十分大きい $n$ に対して必ず $a_n\in U_\epsilon(\alpha)$

に入っている。


十分大きい $n$ に対していつも $a_n\in U_\epsilon(\alpha)$ であることは、

ある $N\in {\mathbb N}$ が存在して、$N$ を超えた自然数 $n$ に対して、

$a_n\in U_\epsilon(\alpha)$ が成り立つことととして数式と論理記号を使って表されます。



つまり、

$\exists N\in {\mathbb N}$ に対して、$\forall n>N\Rightarrow a_n\in U_\epsilon(\alpha)$ となる。


$a_n\in U_\epsilon(\alpha)$ であることは、$|a_n-\alpha|<\epsilon$ と同じことですので


$\exists N\in {\mathbb N}$ s.t. $\forall n>N(|a_n-\alpha|<\epsilon)$ となります。

$\exists N\in {\mathbb N}$ s.t. $\forall n>N\Rightarrow |a_n-\alpha|<\epsilon$ と書いても同じです。


あとは $\epsilon$ の役割です。$\exists N\in {\mathbb N}$ s.t. $\forall n>N(|a_n-\alpha|<\epsilon)$ 

になるかどうかには特に $\epsilon$ には制限がありませんでした。

$\epsilon$ をとり、それを固定して考えたときに

これらが成り立つとしていたことが分かります。

ですので、任意に $\epsilon>0$ をとればよいということになります。


例えば、とる $\epsilon$ を特定の物だけに制限して考えましょう。

数列 $a_n=(-1)^n$ に対して$\epsilon=3$ と取ってしまうと、

「$\exists N\in {\mathbb N}$ s.t. $\forall n>N(|a_n-\alpha|<\epsilon)$」

が成り立ってしまいます。


でも、これでよくて、ある $\epsilon>0$ に対して「$\exists N\in {\mathbb N}$ s.t. $\forall n>N(|a_n-\alpha|<\epsilon)$」 が成り立っていとしても数列が収束するとは言えないことを意味しています。

$\epsilon>0$ を十分大きくすればこの条件は成り立つのは自然にわかるので、十分小さくしても

成り立つか?ということが本質的だということがわかります。


よって、$\epsilon$ が大きくても小さくてもどんな正の実数でも

「$\exists N\in {\mathbb N}$ s.t. $\forall n>N(|a_n-\alpha|<\epsilon)$」

が成り立たなければならないことになります。


まとめると、次のような定義になります。


定義($a_n$ が $\alpha$ に収束する)

 数列 $a_n$ が $\alpha$ に収束するということは、任意の正の実数 $\epsilon$ に対してある自然数 $N$ が存在して $n>N$ を満たす任意の自然数 $n$ に対して$|a_n-\alpha|<\epsilon$ を満たすことである。


論理記号だけで表せば、

$\forall \epsilon\in{\mathbb R}_{>0}\exists N\in {\mathbb N}$ s.t. $\forall n>N(|a_n-\alpha|<\epsilon)$


となります。ここで、${\mathbb R}_{>0}$ は正の実数を集めた集合となります。


ではこの定義を使って、数列が収束するかどうかチェックしてみましょう。


例:$a_n=\frac{1}{n}$ が $\alpha=0$ に収束する場合

まず、任意の $\epsilon>0$ を取ります。このとき、条件を満たすように自然数 $N$ が取れればよいのですが、先ほどのアルキメデスの原理により、

$1/\epsilon< N$ を満たすように自然数 $N$ を取っておきます。


すると、$\forall n>N$ を取ると、

$$|\frac{1}{n}-0|=\frac{1}{n}<\frac{1}{N}<\epsilon$$

となることが分かります。


つまりこれで $\frac{1}{n}$ が 0 に収束することが証明できたことになります。

本質的には $1/\epsilon<N$ となる自然数 $N$ が取れたことが重要だったことになります。


どうして $1/\epsilon<N$ が分かったのか?というと、結果からある意味逆算している

からです。

最終的に欲しい不等式 $|a_n-\alpha|<\epsilon$ が満たされるようにするには、

$\frac{1}{n}<\frac{1}{N}<\epsilon$ が成り立てばよいので

最後の不等式を変形して、$1/\epsilon<N$ を得たということになります。


上の例でいえば $a_n=\frac{n}{n+1}$ がありますが、

$a_n=\frac{1}{n}$ とほぼ同じようにできるので省略します。


では他の例もやってみましょう。


例:$a_n=2+\frac{1}{n^2} が $2$ に収束することも見てみましょう。

これもやはり任意に$\epsilon>0$ を取ります。

このとき、$1/\sqrt{\epsilon}<N$ を満たすように取ります。

そうすると、

$$|2+\frac{1}{n^2}-2|=\frac{1}{n^2}<\frac{1}{N^2}<\epsilon$$

となって、数列の収束の定義に合いますね。


例:$a_n=(-1)^n$ が収束しないことも示してみましょう。

上の定義を否定すると、


「ある正の実数 $\epsilon$ に対して任意の自然数 $N$ に対して $n>N$を満たす自然数 $n$ が存在して $|a_n-\alpha|<\epsilon$ を満たす」


ことになります。

つまりある $\epsilon$-近傍 $U_\epsilon(\alpha)$ が存在して、どんなに $N$ をとっても

その近傍から外れる $a_n$ が存在することになり、つまり、

無限個 $U_\epsilon(\alpha)$ に入らない $a_n$ が存在します。


この定義は $a_n$ が $\alpha$ に収束しないことを定義しており、感覚にも合います。

また、どこにも収束しないことをいうには、任意の $\alpha$ に対して

上の性質が成り立つことを言う必要があります。


例えば、$a_n=(-1)^n$ が $1$ に収束しないことを証明するには以下のようになります。


$\epsilon=1$ と取れば、任意に自然数 $N$ をとり、

$N<2n+1$ となる自然数 $2n+1$ が取れます。

(これはアルキメデスの原理を用いて $\frac{N-1}{2}<n$ となる自然数 $n$ が取れるといってもよいと思います。)


そうすると、

$$|(-1)^{2n+1}-1|=|-1-1|=2>1$$

が成り立ち、確かに $1$ に収束しないことがわかります。

ここで奇数を取った理由は、$1$-近傍 $U_1(1)$ から外れる自然数は $a_n=-1$ であり、

それは $n$ が奇数だからです。偶数を取ってしまうと当然 $U_1(1)$ の中に

入ってしまって矛盾が得られません。


同様に $a_n=(-1)^n$ は $-1$ に収束しないことも証明できると思います。

また、$a_n$ が $(-1)^n$ のどちらにも証明できないことを

証明するのはもっと簡単で、

例えば、$a_n$ が 0 に収束しないことは、

$U_1(0)$ をとると、$U_1(0)=(-1,1)$ であり、$1,-1$のどちらも含まないので、

$\forall N$ に対して、どんな $n>N$ をとっても $a_n\not\in U_1(0)$ であるので

$a_n$ が 0に収束しないことが分かります。


もう一問解いておきます。


$a_n=\frac{n+3}{n^2+n}$ が 0 に収束すること示せ。


(解)

$\forall \epsilon>0$ に対して、アルキメデスの原理により $3/\epsilon<N$ となる自然数 $N$ をとれば、

$\forall n>N$ に対して、

$|a_n-0|=\frac{n+3}{n^2+n}<\frac{3n+3}{n^2+n}=\frac{3}{n}<\frac{3}{N}<\epsilon$

が成り立ちます。

よって、$a_n$ は 0 に収束します。