[場所1E202(月曜日4限)]
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今回は演習はせずに、6,7回の問題の解答を前でもう一度解きました。
ここでは、7だけやっておきます。
7-2
距離空間であれば、可分であることと第2可算であることは同値である。
この証明は(第8回)に書きました。
7-3
下限位相 $({\mathbb R},\mathcal{O}_u)$ はユークリッド位相 $({\mathbb R},\mathcal{O}_{d^{(1)}})$ より真に大きいことを示せ。
下限位相では、半開区間を含めることが特徴でしたから、
$[a,b)$ が $\mathcal{O}_u$ が真に含まれる開集合であることを示せばよいです。
示すべきことは、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset \mathcal{O}_u$ であり、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\neq \mathcal{O}_u$ であることを示すこと。
$({\mathbb R},\mathcal{O}_{d^{(1)}})$ の開集合 $\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の元が
すべて $\mathcal{O}_u$ に含まれていることを示す必要があります。
任意の開区間が $\mathcal{O}_u$ に含まれることを示せばよいです。
というのも、
開区間全体は $\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の開基であるので、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の任意の開集合 $U$ は、
$U=\underset{(a,b)\subset U}{\cup} (a,b)$ を満たします。
つまり、$(a,b)\in \mathcal{O}_u$ を証明します。
$(a,b)=\underset{[x,y)\subset (a,b)}{\cup}[x,y)$ を満たします。
なぜかというと、$I=\underset{[x,y)\subset (a,b)}{\cup}[x,y)$ とおきます。
$I\subset (a,b)$ であることは和集合の各成分が $[x,y)\subset (a,b)$ であることから
明らかです。
また、$z\in (a,b)$ とします。このとき、$[z,b)\subset (a,b)$ であり、
$z\in [z,b)$ であるから、$z\in I$ となり、$(a,b)\subset I$ が成り立ちます。
よって、$(a,b)=\underset{[x,y)\subset (a,b)}{\cup}[x,y)$ が成り立ちます。
開集合の性質から、$(a,b)\in \mathcal{O}_u$ が成り立つので、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset \mathcal{O}_u$ が成り立ちます。
よって、$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset\mathcal{O}_u$ が成り立つことがわかりました。
また、$[0,1)$ は$\mathcal{O}_u$ の開集合ですが、$\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の開集合
ではありません。
もし、$[0,1)\in \mathcal{O}_{d^{(1)}}$ であるとすると、開区間全体は $\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の開基となる
ので、$[0,1)\subset (a,b)\subset [0,1)$ となる $(a,b)$ が存在する必要があります。
このとき、最初の $\subset $ から、$a<0$ が成り立ち、2つ目の $\subset$ から
$0\le a$ が成り立ちます。よって、矛盾が成立します。
よって、$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset \mathcal{O}_u$ かつ $\mathcal{O}_{d^{(1)}}\neq \mathcal{O}_u$ が成り立ちます。
問題7-4
$f:X\to Y$ が連続であることの必要十分条件は、$Y$ の任意の準開基 $\mathcal{T}$
に対して $\forall S\in \mathcal{T}$ に対して $f^{-1}(S)$ が $X$ の開集合であることを示せ。
です。$X$ 上の位相を $\mathcal{O}_X$ とし、$Y$ 上の位相を $\mathcal{O}_Y$ とします。
まず、$f$ が連続であることは、
$Y$の任意の開集合 $U\in \mathcal{O}_Y$ に対して $f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ となること $(\ast)$
と必要十分です。
$\mathcal{B}$ を $\mathcal{O}_Y$ の開基とします。
このとき、$\forall U\in \mathcal{O}_Y$ に対して、$U=\underset{V\in \mathcal{B},V\subset U}\cup V$ と書くことができます。
よって、$(\ast)$ が成り立つことは、
任意の $Y$ の開基 $V\in \mathcal{B}$ に対して、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ となること $(\ast\ast)$
と必要十分です。
なぜかというと、
もし、$Y$ の開基 $\mathcal{B}$ の任意の元 $V\in \mathcal{B}$ に対して、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ であるとします。
このとき、$\forall U\in \mathcal{O}_Y$ に対して、$U=\underset{V\in \mathcal{B},V\subset U}\cup V$ とかけるから、$f^{-1}(U)=\underset{V\in \mathcal{B},V\subset U}\cup f^{-1}(V)$
となり、位相の条件から、$f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ となります。
また、逆に、
$\forall U\in \mathcal{O}_Y$ に対して $f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ であるなら、
$\mathcal{B}\subset \mathcal{O}_Y$ であることから、
$\forall V\in \mathcal{B}$ に対して、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ を満たす。
また、$(\ast\ast)$ が成り立つことは、
任意の $Y$ の準開基の元 $S\in \mathcal{T}$ に対して、$f^{-1}(S)\in \mathcal{O}_X$
が成り立つこと $(\ast\ast\ast)$
と同値である。
なぜかというと、
もし、$Y$ の準開基 $\mathcal{T}$ の任意の元 $S\in \mathcal{T}$ に対して、
$f^{-1}(S)\in \mathcal{O}_X$ であるとします。
このとき、$\forall V\in \mathcal{B}$ に対して、ある有限個の準開基
$V_1,\cdots, V_n$ が存在して、$V=V_1\cap \cdots \cap V_n$ となるので、
$f^{-1}(V)=f^{-1}(V_1\cap \cdots \cap V_n)=f^{-1}(V_1)\cap \cdots \cap f^{-1}(V_n)$
となり、位相の条件から、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ となる。
逆に、 $(\ast\ast)$ が成り立つとすると、$f$ は連続なので、
任意の $U\in \mathcal{O}_Y$ に対して、$f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ が
成り立ち、$S\subset \mathcal{O}_Y$ であるので、
特に、$S\in \mathcal{T}\subset \mathcal{O}_Y$ に対して、$f^{-1}(S)\in \mathcal{O}_X$ が成り立つ。
よって、$(\ast\ast)$ が成り立つことと、$(\ast\ast\ast)$ が成り立つことは同値となります。
ゆえに、$f$ が連続であること $\Leftrightarrow $ $(\ast)$ $\Leftrightarrow$ $(\ast\ast)$ $\Leftrightarrow$ $(\ast\ast\ast)$
となります
今回は演習はせずに、6,7回の問題の解答を前でもう一度解きました。
ここでは、7だけやっておきます。
7-2
距離空間であれば、可分であることと第2可算であることは同値である。
この証明は(第8回)に書きました。
7-3
下限位相 $({\mathbb R},\mathcal{O}_u)$ はユークリッド位相 $({\mathbb R},\mathcal{O}_{d^{(1)}})$ より真に大きいことを示せ。
下限位相では、半開区間を含めることが特徴でしたから、
$[a,b)$ が $\mathcal{O}_u$ が真に含まれる開集合であることを示せばよいです。
示すべきことは、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset \mathcal{O}_u$ であり、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\neq \mathcal{O}_u$ であることを示すこと。
$({\mathbb R},\mathcal{O}_{d^{(1)}})$ の開集合 $\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の元が
すべて $\mathcal{O}_u$ に含まれていることを示す必要があります。
任意の開区間が $\mathcal{O}_u$ に含まれることを示せばよいです。
というのも、
開区間全体は $\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の開基であるので、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の任意の開集合 $U$ は、
$U=\underset{(a,b)\subset U}{\cup} (a,b)$ を満たします。
もし、任意の開区間が $\mathcal{O}_u$ の開集合であるとします。
$(a,b)\in \mathcal{O}_u$ であるので、$U=\underset{(a,b)\subset U}{\cup} (a,b)$
と位相の条件から、任意の $U\in \mathcal{O}_{d^{(1)}}$ は $ \mathcal{O}_u$
に含まれます。よって、$U\in \mathcal{O}_u$ です。
つまり、$(a,b)\in \mathcal{O}_u$ を証明します。
$(a,b)=\underset{[x,y)\subset (a,b)}{\cup}[x,y)$ を満たします。
なぜかというと、$I=\underset{[x,y)\subset (a,b)}{\cup}[x,y)$ とおきます。
$I\subset (a,b)$ であることは和集合の各成分が $[x,y)\subset (a,b)$ であることから
明らかです。
また、$z\in (a,b)$ とします。このとき、$[z,b)\subset (a,b)$ であり、
$z\in [z,b)$ であるから、$z\in I$ となり、$(a,b)\subset I$ が成り立ちます。
よって、$(a,b)=\underset{[x,y)\subset (a,b)}{\cup}[x,y)$ が成り立ちます。
開集合の性質から、$(a,b)\in \mathcal{O}_u$ が成り立つので、
$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset \mathcal{O}_u$ が成り立ちます。
よって、$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset\mathcal{O}_u$ が成り立つことがわかりました。
また、$[0,1)$ は$\mathcal{O}_u$ の開集合ですが、$\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の開集合
ではありません。
もし、$[0,1)\in \mathcal{O}_{d^{(1)}}$ であるとすると、開区間全体は $\mathcal{O}_{d^{(1)}}$ の開基となる
ので、$[0,1)\subset (a,b)\subset [0,1)$ となる $(a,b)$ が存在する必要があります。
このとき、最初の $\subset $ から、$a<0$ が成り立ち、2つ目の $\subset$ から
$0\le a$ が成り立ちます。よって、矛盾が成立します。
よって、$\mathcal{O}_{d^{(1)}}\subset \mathcal{O}_u$ かつ $\mathcal{O}_{d^{(1)}}\neq \mathcal{O}_u$ が成り立ちます。
問題7-4
$f:X\to Y$ が連続であることの必要十分条件は、$Y$ の任意の準開基 $\mathcal{T}$
に対して $\forall S\in \mathcal{T}$ に対して $f^{-1}(S)$ が $X$ の開集合であることを示せ。
です。$X$ 上の位相を $\mathcal{O}_X$ とし、$Y$ 上の位相を $\mathcal{O}_Y$ とします。
まず、$f$ が連続であることは、
$Y$の任意の開集合 $U\in \mathcal{O}_Y$ に対して $f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ となること $(\ast)$
と必要十分です。
$\mathcal{B}$ を $\mathcal{O}_Y$ の開基とします。
このとき、$\forall U\in \mathcal{O}_Y$ に対して、$U=\underset{V\in \mathcal{B},V\subset U}\cup V$ と書くことができます。
よって、$(\ast)$ が成り立つことは、
任意の $Y$ の開基 $V\in \mathcal{B}$ に対して、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ となること $(\ast\ast)$
と必要十分です。
なぜかというと、
もし、$Y$ の開基 $\mathcal{B}$ の任意の元 $V\in \mathcal{B}$ に対して、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ であるとします。
このとき、$\forall U\in \mathcal{O}_Y$ に対して、$U=\underset{V\in \mathcal{B},V\subset U}\cup V$ とかけるから、$f^{-1}(U)=\underset{V\in \mathcal{B},V\subset U}\cup f^{-1}(V)$
となり、位相の条件から、$f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ となります。
また、逆に、
$\forall U\in \mathcal{O}_Y$ に対して $f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ であるなら、
$\mathcal{B}\subset \mathcal{O}_Y$ であることから、
$\forall V\in \mathcal{B}$ に対して、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ を満たす。
また、$(\ast\ast)$ が成り立つことは、
任意の $Y$ の準開基の元 $S\in \mathcal{T}$ に対して、$f^{-1}(S)\in \mathcal{O}_X$
が成り立つこと $(\ast\ast\ast)$
と同値である。
なぜかというと、
もし、$Y$ の準開基 $\mathcal{T}$ の任意の元 $S\in \mathcal{T}$ に対して、
$f^{-1}(S)\in \mathcal{O}_X$ であるとします。
このとき、$\forall V\in \mathcal{B}$ に対して、ある有限個の準開基
$V_1,\cdots, V_n$ が存在して、$V=V_1\cap \cdots \cap V_n$ となるので、
$f^{-1}(V)=f^{-1}(V_1\cap \cdots \cap V_n)=f^{-1}(V_1)\cap \cdots \cap f^{-1}(V_n)$
となり、位相の条件から、$f^{-1}(V)\in \mathcal{O}_X$ となる。
逆に、 $(\ast\ast)$ が成り立つとすると、$f$ は連続なので、
任意の $U\in \mathcal{O}_Y$ に対して、$f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X$ が
成り立ち、$S\subset \mathcal{O}_Y$ であるので、
特に、$S\in \mathcal{T}\subset \mathcal{O}_Y$ に対して、$f^{-1}(S)\in \mathcal{O}_X$ が成り立つ。
よって、$(\ast\ast)$ が成り立つことと、$(\ast\ast\ast)$ が成り立つことは同値となります。
ゆえに、$f$ が連続であること $\Leftrightarrow $ $(\ast)$ $\Leftrightarrow$ $(\ast\ast)$ $\Leftrightarrow$ $(\ast\ast\ast)$
となります
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