[場所1E202(月曜日4限)]
HPに行く
今日は、
(証明)
HPに行く
今日は、
- 誘導される位相
- 相対位相
- 商位相、商写像
- 商空間
に関して演習を行いました。これは、来週の試験の範囲なので、
ここで少し書いておきます。
誘導される位相
写像 f:X\to Y があるとします。 Y には位相 \mathcal{O}_Y が入っているとします。
このとき、 X 上に"誘導される位相” が構成できます。
つまり、f によって、Y の位相を引き戻したものを X の位相として
迎え入れるのです。数式を使って書けば、
U\in \mathcal{O}_f\Leftrightarrow U=f^{-1}(V), V\in \mathcal{O}_Y
となります。
つまり、\{f^{-1}(V)|V\in \mathcal{O}_Y\} を \mathcal{O}_f であるといっても
同じことです。
このように、X に位相を入れると、f は定義から連続になります。
誘導される位相は位相になります。
この証明は省略します。
相対位相
相対位相は、位相空間 (X,\mathcal{O}) の部分集合Aに与えられる位相のことを言います。
A は X の部分集合であれば、どんなものでもよいです。
例えば、X={\mathbb R} の場合、開区間や、閉区間、一点集合、有理数全体 {\mathbb Q}
でもよいです。
このとき、以下のような位相を A に与えます。
\mathcal{O}|_A=\{A\cap U|U\in \mathcal{O}\}
そうすると、(A,\mathcal{O}|_A) が位相であることが確かめられます。
(1) U として X の空集合 \emptyset, X としてとることで、A において、\emptyset,A が \mathcal{O}|_A に入ることが確かめられます。
(2) \mathcal{O}|_A から有限個の元 V_1,\cdots, V_n を選んだ時、定義から、
V_i=A\cap U_i (ただし、U_i\in \mathcal{O} とする)としてかけます。
よって、\cap_{i=1}^nV_i=\cap_{i=1}^n(A\cap U_i)=A\cap(\cup_{i=1}^nU_i)
であるが、\cup_{i=1}^nU_i\in \mathcal{O} であるので、\cap_{i=1}^nV_i\in \mathcal{O}|_A がいえます。
(3) \mathcal{O}|_A から任意個の元 \{V_\lambda\}\subset \mathcal{O} を選んだ時、定義から、
V_\lambda=A\cap U_\lambda (ただし、U_\lambda\in \mathcal{O} とする)としてかけます。
よって、\cup_{\lambda\in\Lambda}V_\lambda=\cup_{\lambda\in\Lambda}(A\cap U_\lambda)=A\cap(\cup_{\lambda\in \Lambda}U_\lambda)
であるが、\cup_{\lambda\in \Lambda}U_\lambda\in \mathcal{O} であるので、\cup_{\lambda\in \Lambda}V_\lambda\in \mathcal{O}|_A がいえます。
よって、(A,\mathcal{O}|_A) が位相であることが確かめられました。 \Box
(A,\mathcal{O}|_A) の中の開集合は、(X,\mathcal{O}) での開集合とはならない
場合があるので注意が必要です。
場合があるので注意が必要です。
例えば、X={\mathbb R} に通常の距離位相をいれておいて、
A=[0,3] と閉区間とします。
このとき、A に与えられる開集合は、A\cap U の形です。
ただし、U は {\mathbb R} の開集合です。
たとえば、U=(1,2) とすれば、A\cap U=(1,2) であり、
U=(2,4) とすれば、A\cap U=(2,3] となります。
3 の近くでなんだか閉集合のようになっていますが、これで良いのです。
空間 A が X で開集合である必要性はありません。
(上に、どんな部分集合でもよいといいました)
なので、共通集合 A\cap U をとると、X においては、開集合に
ならないかもしれません。
空間 A においての 3 のような点は空間の中の端の点というだけです。
その部分集合に入った感覚で捉えることが大切です。
商写像
(X,\mathcal{O}_X),(Y,\mathcal{O}_Y) を位相空間とします。
商写像 f:X\to Y とは、f が全射であり、
X,Y の位相 \mathcal{O}_X,\mathcal{O}_Y とすると、
U\in \mathcal{O}_Y\Leftrightarrow f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X
であることとして定義されます。
商空間
商写像、f:X\to Y があるとすると、Y の位相は、\{U|f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X\}
として定まります。このようなY の位相を f:X\to Y における商位相と言います。
また、商位相をもつ空間を商空間といいます。
一般に、全射 f:X\to Y があるとすると、Y は、f による商集合と
見なせます。つまり、\forall x_1,x_2\in X に対して、
x_1\sim x_2\Leftrightarrow f(x_1)=f(x_2)
という同値関係を X に入れることで、Y は商集合 X/\!\sim と対等(全単射)と
なるのです。
商空間とは、商集合に入る一番自然な位相です。
どういうことかというと、Y 上の商位相は、f:X\to Y が連続となるような、
一番大きい位相を入れているからです。
ちなみに、
連続な開写像は商写像となります。
また、同じように、
連続な閉写像は商写像となります。
f:X\to Y が連続、開写像としますと、
示せばよいのは、
U\in \mathcal{O}_Y\Leftrightarrow f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X
の同値関係ですが、
右向きは、f の連続性を言っています。
左向きは、f^{-1}(U)\in\mathcal{O}_Xとすると、f(f^{-1}(U))=U であるから、
f が開写像であることから、U\in\mathcal{O}_X が成り立ち、成り立ちます。
よって、f が連続開写像であれば、f は商写像であることがわかります。
後半の連続閉写像の命題は省略します。 \Box
後半の連続閉写像の命題は省略します。 \Box
また、ここで、下を示しておきます。
g:X\to Y, h:Y\to Z 、かつf=h\circ g であるとすると、
g が商写像、f が連続なら、h は連続である。
(証明)
X,Y,Z の位相を \mathcal{O}_X,\mathcal{O}_Y,\mathcal{O}_Z とします。
\forall U\in \mathcal{O}_Z とします。このとき、f が連続なので、f^{-1}(U)\in \mathcal{O}_X
が成り立ちます。f^{-1}(U)=g^{-1}(h^{-1}(U)) であり、g が商写像であるから、
h^{-1}(U)\in \mathcal{O}_Y を満たします。
よって、h は連続となります。 \Box
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