[場所1E202(月曜日4限)]
HPに行く
必要な配布プリントはHPで取ってください。
今回配布したプリントは
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今回配布したプリントは
- べき集合とその濃度
- 位相の定義
- 距離空間からくる位相
についてやりました。
べき集合と濃度
集合論については、先週のベルンシュタインの定理から続いていますが、
もう少し集合論を学んでいきましょう。
濃度
集合全体に、全単射 A\to B が存在する(対等な集合)という同値関係をいれてできた
同値類を濃度といいます。集合 A の濃度を |A| と表すことにします。
同値類全体は集合にはならないので、この場合商集合という言葉は適切では
ありません。
べき集合
X を集合とし、X の部分集合全体の集合を \mathcal{P}(X) と言います。
\mathcal{P}(X) には必ず空集合と X 自身が入っています。
授業の最後に述べましたが、空集合はどんな集合の部分集合になっていることに
気をつけてください。
自然数全体 {\mathbb N} の部分集合全体 \mathcal{P}({\mathbb N}) の濃度を調べると、
\{0,1,2,3,\cdots \}\cup {\mathbb N}
が得られます。
0 は空集合からなる同値類、n は n 個の元からなる同値類、
{\mathbb N} は {\mathbb N} 全体からなる同値類ということになります。
対角線論法
対角線論法とは、実数全体と自然数が対等ではない、
つまり |{\mathbb N}|\neq |{\mathbb R}| であることを示す方法です。
実数は、開区間 (0,1) と対等です。
というのも、実数が 自然数と対等であるとすると、
a_1,a_2,\cdots のように実数を一列に並べられることになります。
a_1=0.a_1^1a_1^2.....
a_2=0.a_2^1a_2^2.....
a_3=0.a_3^1a_3^2.....
\vdots
このとき、b=0.b^1b^2\cdots なる小数展開を b^i\neq a^i_i かつ b^i\neq 0,9 であると
します。このとき、 b は a_i のどれとも違う(小数第 i 位が異なるので。)
この数は上のどれにも並べられていないことになります。
(実際、小数展開は小数展開だけでは決まりませんが、それは、0.3999....=0.400... など、
0 や 9 が無限個続くような場合に相当します。しかし、b^i の条件からそれらの数に
なっていないことは明らかです。)
します。このとき、 b は a_i のどれとも違う(小数第 i 位が異なるので。)
この数は上のどれにも並べられていないことになります。
(実際、小数展開は小数展開だけでは決まりませんが、それは、0.3999....=0.400... など、
0 や 9 が無限個続くような場合に相当します。しかし、b^i の条件からそれらの数に
なっていないことは明らかです。)
さて、問題は、{\mathbb N} とべき集合 \mathcal{P}({\mathbb N}) の濃度がことなること
を対角線論法を応用してできますか?というものでした。
\mathcal{P}({\mathbb N}) の元を a_1,a_2,... のように並べてみて工夫して
b を作ってみてください。
位相の定義と距離位相
位相空間とは、集合 X と、X のべき集合の部分集合 \mathcal{O} で以下を満たすものでした。
を対角線論法を応用してできますか?というものでした。
\mathcal{P}({\mathbb N}) の元を a_1,a_2,... のように並べてみて工夫して
b を作ってみてください。
位相の定義と距離位相
位相空間とは、集合 X と、X のべき集合の部分集合 \mathcal{O} で以下を満たすものでした。
- \emptyset ,X\in \mathcal{O} である。
- U_i\in \mathcal{O} (i=1,...,n) なら \cap_{i=1}^nU_i\in \mathcal{O} である。
- U_\lambda(\lambda\in \Lambda) を任意の \mathcal{O} の集まりとすると、\cup_{\lambda\in\Lambda}U_\lambda\in \mathcal{O} である。
この条件を満たす (X,\mathcal{O}) を位相空間という。
例として、距離空間 (X,d) からくる距離位相 (X,\mathcal{O}_d) があります。
距離位相の \mathcal{O}_d\ni O は、
距離位相の \mathcal{O}_d\ni O は、
\forall x\in O に対して \epsilon>0 が存在して、B_d(x,\epsilon)\subset O
を満たすものとして定義されます。つまり、どの点にもその周りのなんらかの
\epsilon 近傍 B_d(x,\epsilon) も含んでいるということです。
つまり、イメージでは、端っこの点を含んでいないようなものを開集合というのです。
確かに、閉区間 [0,1] は端っこの点を含んでいるので、これは開集合とはならないのです。
(この端っこの点というのを次回ちゃんと定義します。一般の位相空間の場合にも
定義されます。)
(この端っこの点というのを次回ちゃんと定義します。一般の位相空間の場合にも
定義されます。)
確かに、0\in [0,1] には、[0,1] の中に含まれるように \epsilon 近傍入れることは
できません。(通常のユークリッド距離を入れた時の話です。もちろん離散位相が入っていたら違います。)
なので、{\mathbb R} 上の距離位相からくる位相 \mathcal{O} の中には
閉区間 [0,1] は入ってないことになります。
できません。(通常のユークリッド距離を入れた時の話です。もちろん離散位相が入っていたら違います。)
なので、{\mathbb R} 上の距離位相からくる位相 \mathcal{O} の中には
閉区間 [0,1] は入ってないことになります。
今回は、有限個の元からなる集合上の位相と、
距離空間からくる位相空間について紹介をしました。
距離空間から距離位相という位相空間を定義しました。
しかし、違う距離空間なのに、同じ距離位相というものになってしまうものがあります。
つまり、距離空間から距離位相を作るのは単射ではないということです。
また、位相空間は距離空間を一般化した概念です。
実際、距離空間からこないような位相空間もあります。
違う距離空間なのに、同じ位相空間を与えるということは、
その2つの空間のある”連続性"が一致するということを意味します。
空間をどのように理解したら良いのか?
ここでは、おおまかな空間の”連続性”のみを空間の理解の尺度とする
というということを言っています。
つまり、空間の繋がり具合が同じなら同じ空間ということです。
次回以降、この概念について厳密に定義をしていきます。
配付プリントの訂正
課題の4つ目の下から2行目が間違っていたので訂正してあります。
距離空間から距離位相という位相空間を定義しました。
しかし、違う距離空間なのに、同じ距離位相というものになってしまうものがあります。
つまり、距離空間から距離位相を作るのは単射ではないということです。
また、位相空間は距離空間を一般化した概念です。
実際、距離空間からこないような位相空間もあります。
この位相空間というのはなんのために考えるのでしょうか?
それは、空間の連続性というものを念頭に考えています。
違う距離空間なのに、同じ位相空間を与えるということは、
その2つの空間のある”連続性"が一致するということを意味します。
空間をどのように理解したら良いのか?
ここでは、おおまかな空間の”連続性”のみを空間の理解の尺度とする
というということを言っています。
つまり、空間の繋がり具合が同じなら同じ空間ということです。
次回以降、この概念について厳密に定義をしていきます。
配付プリントの訂正
課題の4つ目の下から2行目が間違っていたので訂正してあります。
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