[場所1E202(月曜日4限)]
HPに行く
必要な配付プリントはHPで取ってください。
HP上の課題3のプリントは壊れていたようですが、直しました。
今日は、
説明4と課題4のプリントを配りましたが、
だんだんと課題が宿題プリントと化しているので、授業時間内に、多くの人と
相談しながら、感覚をつかんでいくということをして欲しいです。
課題3と説明4のプリントを中心にやったようでした。
課題3-1
以下の問題を解け。
(1) 部分集合族$\mathcal{C}$を以下のように定める。
・ $\emptyset,X\in \mathcal{C}$
・ $F_1,\cdots, F_n\in \mathcal{C}\Rightarrow F_1\cup \cdots \cup F_n\in \mathcal{C}$
・ $\{F_\lambda|\lambda\in \Lambda\}$とするとき、$\cap_{\lambda\in \Lambda}F_\lambda\in \mathcal{C}$である。
このとき、$\mathcal{O}=\{O\in \mathcal{P}|O^c\in \mathcal{C}\}$とすると、$\mathcal{O}$は$X$上の位相になることを示せ。
(2) $(X,\mathcal{O})$を位相空間とする。以下の同値を示せ。
$A\in\mathcal{O}\Leftrightarrow \forall x\in A, \exists U\in \mathcal{O}\text{ s.t. }x\in U\subset A$
このような問題ですでに迷っている人が多いようです....
命題には、仮定があり、結論があります。
仮定を用いて、結論を導くのですが。問題は、結論が正しいことを示すことです。
そのとき、必要になれば、仮定を使いながら証明を進めることになります。
今回示して欲しいのは、$\mathcal{O}$ が位相であることをです。
そのためには、$\mathcal{O}$ が位相となるための3つの条件を一つ一つ示すことです。
(i) 空集合と全体集合が $\mathcal{O}$ に入ること。
(ii) 有限個の $\mathcal{O}$ の元に対して、その共通集合が再び $\mathcal{O}$ に入ること。
(iii) 任意個の $\mathcal{O}$ の元に対して、その和集合が再び $\mathcal{O}$ に入ること。
これらを問題の仮定を使って示してください。その際、集合論の最初の方で出てきた
ドモルガンの法則を使います。
課題3-2は1点集合の問題です。
課題3-2
以下の問題を解け。
(1) $(X={\mathbb R}^2,\mathcal{O})$を通常の距離位相とすると、
任意の1点集合は閉集合であることを示せ。
(2) 上の問題1. を一般の距離空間から作られる位相空間の場合に示せ。
(3) $(X={\mathbb R}^2,\mathcal{O})$を通常の距離位相とすると、
任意の1点集合の内部、閉包、境界、外部が何か答えよ。
(4) $(X,\mathcal{O})$が一般の離散位相空間の場合、任意の1点集合の内部、閉包、境界、外部が何か答えよ。
(5) 1点集合が閉集合とならない位相空間があることを、例をもって示せ。
(1) ある部分集合が閉集合であることを示すには、補空間が開集合を示すことに
なります。これは閉集合の定義です。
距離位相における部分集合 $A$ が開集合であることを示す方法は、
$A$ の任意の一点 $x$ に対して、$x$ の $\epsilon$ 近傍で、$A$ に包まれるもの
が取れるときを言います。なので、平面 $X$ から1点 $p$ 除いた空間 $Y=X-\{p\}$
の任意の1点 $q$ に対して、$q$ の $\epsilon$-近傍で $Y$ の中に
$B_d(q,\epsilon)$ をおけるか?
という問題になります。つまり、
(2) は、(1) でやったことがわかっていれば、ほぼ、証明を真似すればできるはずです。
(3) 内部、閉包、境界、外部を思い出せ。
ちなみに、$A$ が開集合というのは、$A$ の内部と、$A$ が一致する集合
としても同値です。
同じように、$A$ が閉集合というのは、$S$ の閉包と、$A$ が一致する集合
としても同値です。
(4) 離散位相の場合、開集合、閉集合がどのような集合だったのか思い出してください。
(5) 授業中かなり頭をひねっていたようでしたが、もっと単純に考えればすぐに例が
思い出せるはずです。このような単純な質問は、トポロジー入門を終えるころには瞬時に
答えが出せるようになっているとよいですね。
課題3-3 は離散空間に関する問題でした。
課題3-3
有限集合の位相、また、離散位相について考えよう。
(1) 有限集合$S$に距離$d$が定義できるとする。
このとき、$(S,d)$から作られる位相空間$(S,\mathcal{O}_d)$は離散空間となることを示せ。
$S$を無限集合とすると、違う場合があるか?
(2) 位相空間$(X,\mathcal{O})$を考える。このとき、以下を示せ。
$\mathcal{O}$が離散位相空間であること$\Leftrightarrow\forall x\in X$に対して、
$\{x\}\in \mathcal{O}$が成り立つ。
もしかしたら(2) を問いてから(1)を解いたほうが順当だったかもしれません。
(2) 右向きの論理は定義からあきらかですね。左向きの論理は任意の部分集合が
開集合になることができるかどうかですが、各点が開集合なのだから、
位相の定義の3番目から簡単にいえますね。
(1) これも、任意の1点が開集合として含まれることをいえばよいわけですね。
空間として有限個なので $\epsilon$-近傍の $\epsilon$ を充分に小さくしていくと、
そのうち1点集合になりますね。
無限集合とすると違う場合があるのはほぼほぼ明らかですが、この場面でどのように
言うことができるか。
課題3-4は、この日の主題であった内部、閉包、境界点、の話題
です。
$X={\mathbb R}^2$とし、$d$をユークリッド距離とする。
(1) $D=\{(x,y)\in {\mathbb R}^2|x^2+y^2<1\}$とする。
このとき、$D^\circ=D$であり、$\bar{D}=\{(x,y)\in {\mathbb R}^2|x^2+y^2\le1\}$であることを示せ。
(2) $p=(\cos\theta,\sin\theta)$とする。
ただし、$0\le \theta<2\pi$とする。
このとき、$d(p,D)=0$であることを示せ。
(3) $p\not\in \bar{D}$であるとする。このとき、$d(p,D)>0$であることを示せ。
課題4-1,2,3,4についてはとりあえず、ノーヒントで頑張ってみてください。
HPに行く
必要な配付プリントはHPで取ってください。
HP上の課題3のプリントは壊れていたようですが、直しました。
今日は、
説明4と課題4のプリントを配りましたが、
だんだんと課題が宿題プリントと化しているので、授業時間内に、多くの人と
相談しながら、感覚をつかんでいくということをして欲しいです。
課題3と説明4のプリントを中心にやったようでした。
課題3-1
以下の問題を解け。
(1) 部分集合族$\mathcal{C}$を以下のように定める。
・ $\emptyset,X\in \mathcal{C}$
・ $F_1,\cdots, F_n\in \mathcal{C}\Rightarrow F_1\cup \cdots \cup F_n\in \mathcal{C}$
・ $\{F_\lambda|\lambda\in \Lambda\}$とするとき、$\cap_{\lambda\in \Lambda}F_\lambda\in \mathcal{C}$である。
このとき、$\mathcal{O}=\{O\in \mathcal{P}|O^c\in \mathcal{C}\}$とすると、$\mathcal{O}$は$X$上の位相になることを示せ。
(2) $(X,\mathcal{O})$を位相空間とする。以下の同値を示せ。
$A\in\mathcal{O}\Leftrightarrow \forall x\in A, \exists U\in \mathcal{O}\text{ s.t. }x\in U\subset A$
このような問題ですでに迷っている人が多いようです....
命題には、仮定があり、結論があります。
仮定を用いて、結論を導くのですが。問題は、結論が正しいことを示すことです。
そのとき、必要になれば、仮定を使いながら証明を進めることになります。
今回示して欲しいのは、$\mathcal{O}$ が位相であることをです。
そのためには、$\mathcal{O}$ が位相となるための3つの条件を一つ一つ示すことです。
(i) 空集合と全体集合が $\mathcal{O}$ に入ること。
(ii) 有限個の $\mathcal{O}$ の元に対して、その共通集合が再び $\mathcal{O}$ に入ること。
(iii) 任意個の $\mathcal{O}$ の元に対して、その和集合が再び $\mathcal{O}$ に入ること。
これらを問題の仮定を使って示してください。その際、集合論の最初の方で出てきた
ドモルガンの法則を使います。
課題3-2は1点集合の問題です。
課題3-2
以下の問題を解け。
(1) $(X={\mathbb R}^2,\mathcal{O})$を通常の距離位相とすると、
任意の1点集合は閉集合であることを示せ。
(2) 上の問題1. を一般の距離空間から作られる位相空間の場合に示せ。
(3) $(X={\mathbb R}^2,\mathcal{O})$を通常の距離位相とすると、
任意の1点集合の内部、閉包、境界、外部が何か答えよ。
(4) $(X,\mathcal{O})$が一般の離散位相空間の場合、任意の1点集合の内部、閉包、境界、外部が何か答えよ。
(5) 1点集合が閉集合とならない位相空間があることを、例をもって示せ。
(1) ある部分集合が閉集合であることを示すには、補空間が開集合を示すことに
なります。これは閉集合の定義です。
距離位相における部分集合 $A$ が開集合であることを示す方法は、
$A$ の任意の一点 $x$ に対して、$x$ の $\epsilon$ 近傍で、$A$ に包まれるもの
が取れるときを言います。なので、平面 $X$ から1点 $p$ 除いた空間 $Y=X-\{p\}$
の任意の1点 $q$ に対して、$q$ の $\epsilon$-近傍で $Y$ の中に
$B_d(q,\epsilon)$ をおけるか?
という問題になります。つまり、
$B_d(q,\epsilon)\subset Y$
を示せばよいことになりますが、部分集合であることの必要充分条件はもうすでに
やっていますので、それを適用させることになります。
(2) は、(1) でやったことがわかっていれば、ほぼ、証明を真似すればできるはずです。
(3) 内部、閉包、境界、外部を思い出せ。
ちなみに、$A$ が開集合というのは、$A$ の内部と、$A$ が一致する集合
としても同値です。
同じように、$A$ が閉集合というのは、$S$ の閉包と、$A$ が一致する集合
としても同値です。
(4) 離散位相の場合、開集合、閉集合がどのような集合だったのか思い出してください。
(5) 授業中かなり頭をひねっていたようでしたが、もっと単純に考えればすぐに例が
思い出せるはずです。このような単純な質問は、トポロジー入門を終えるころには瞬時に
答えが出せるようになっているとよいですね。
課題3-3 は離散空間に関する問題でした。
課題3-3
有限集合の位相、また、離散位相について考えよう。
(1) 有限集合$S$に距離$d$が定義できるとする。
このとき、$(S,d)$から作られる位相空間$(S,\mathcal{O}_d)$は離散空間となることを示せ。
$S$を無限集合とすると、違う場合があるか?
(2) 位相空間$(X,\mathcal{O})$を考える。このとき、以下を示せ。
$\mathcal{O}$が離散位相空間であること$\Leftrightarrow\forall x\in X$に対して、
$\{x\}\in \mathcal{O}$が成り立つ。
もしかしたら(2) を問いてから(1)を解いたほうが順当だったかもしれません。
(2) 右向きの論理は定義からあきらかですね。左向きの論理は任意の部分集合が
開集合になることができるかどうかですが、各点が開集合なのだから、
位相の定義の3番目から簡単にいえますね。
(1) これも、任意の1点が開集合として含まれることをいえばよいわけですね。
空間として有限個なので $\epsilon$-近傍の $\epsilon$ を充分に小さくしていくと、
そのうち1点集合になりますね。
無限集合とすると違う場合があるのはほぼほぼ明らかですが、この場面でどのように
言うことができるか。
課題3-4は、この日の主題であった内部、閉包、境界点、の話題
です。
$X={\mathbb R}^2$とし、$d$をユークリッド距離とする。
(1) $D=\{(x,y)\in {\mathbb R}^2|x^2+y^2<1\}$とする。
このとき、$D^\circ=D$であり、$\bar{D}=\{(x,y)\in {\mathbb R}^2|x^2+y^2\le1\}$であることを示せ。
(2) $p=(\cos\theta,\sin\theta)$とする。
ただし、$0\le \theta<2\pi$とする。
このとき、$d(p,D)=0$であることを示せ。
(3) $p\not\in \bar{D}$であるとする。このとき、$d(p,D)>0$であることを示せ。
(1) $D^\circ =D$ でることの必要充分条件は、$D$ が開集合でることなので、
$D$ の任意の点に対して、そのある $\epsilon$-近傍が $D$ に入ることを
示せばよい。示し方は上に書いたものと同じですね。
閉包も上と同じです。
(2) $d(p,D)$ の定義をもう一度思い出してもらいましょう。
$0$ が $\{d(x,y)|y\in D\}$ の下界であること、
また、$0$ が下界の中で最大であることを示せばよいことになります。
つまり、$0$ より真に大きい数 $t>0$ を持ってきたときに、$t$ より小さい、
$d(x,y)$ ($\exists y\in D$) が取れればよいことになります。
つまり、$(\cos\theta,\sin\theta)$ に収束する $D$ の元を構成することと同値です。
(3) これは、$x\in \bar{D}\Leftrightarrow d(x,D)=0$ を示すことの
左向きの命題です。右向きの命題の本質的な部分は、(2) でやったものです。
つまり、外部の点を取ると、必ず $D$ までの距離が正となるのです。
重要なことは、外部の点は、補集合の"内部"であることとです。
内部ということは、特に開集合です。なので、任意の点にその開集合に
包まれる $\epsilon$-近傍が存在することになります。
その $\epsilon$-近傍が距離を正とできる理由となります。
この部分を正確にまとめてください。課題4-1,2,3,4についてはとりあえず、ノーヒントで頑張ってみてください。