[場所1E101(水曜日4限)]
今日は
- 論理記号
- 集合の書き方
について演習を行いました.
まだ微積分の講義が始まっていないので、記号などの紹介で終わりました.
来週からは、関数などでてくる予定です.
宿題を出しましたので解いて、来週までに出してください.
論理記号
論理記号について最初に紹介をしました.
$\forall$ と
$\exists$
です.この2つは、数学では必ず出てきます.
意味は、「任意の・・・」と「ある・・・が存在して〜」
となります.
英語で言えば、 For all .... と There exists....
ということです.「ある・・・が存在して〜」というのは日本語として少し不器用な感じがするのは、英語をそのまま順番通りに訳したからです.なめらかな日本語にする場合は、
「〜となる・・・が存在する.」となります.
論理を使って数学について書く場合は、英語式ですので、存在するものを最初に持ってきます.なので、
$\exists x$ に対して、$x^2=m$ を満たす.
となります.
これをなめらかな日本語に直せば、「$x^2=m$ を満たす $x$ が存在する」
となります.
任意の偶数に対してという場合には、
$\forall n\in 2{\mathbb Z}$ と書くことができます.
今日は $\forall n\in$偶数 のように書いている人もいましたが、これもぎりぎりセーフでしょうか.
さらに条件が細かい場合、
任意の 7 で割って 2余る偶数に対して、
と言いたい場合はそのまま地の文のまま書くか、
$S=\{n\in2{\mathbb Z}|\exists m, n=7m+2\}$
として、$\forall n\in S$ とかくかです.
さらに条件が細かい場合、
任意の 7 で割って 2余る偶数に対して、
と言いたい場合はそのまま地の文のまま書くか、
$S=\{n\in2{\mathbb Z}|\exists m, n=7m+2\}$
として、$\forall n\in S$ とかくかです.
最初は慣れないかもしれませんが、使っていく中で覚えていきましょう.
例題などは、授業中で紹介した通りです.
集合の書き方
集合は、授業中示した通り、2通りあって、要素(元のこと)を書き並べる
$$\{a,b,c,d,.....,u,v,w,x,y,z\}$$
のように要素を全て列挙する方法と、
$$\{x\in X|\text{$x$ の満たす条件}\}$$
のように書く方法と2通りあります.縦棒の右側に満たすべき条件を書いて下さい.
左もある意味条件ですが、属している集合をざっくりと指定しています.
要素の数が有限個しかない場合は、1つ目のようにすることができますが、
そうでない場合は、2つ目の方法を取るしかありません.
例えば、例題にあったように、
2 次方程式 $x^2+ax+b=0$ が異なる 2 つの正の実数解をもつための $(a,b)$ の満たす集合.
の場合、もちろん $(a,b)$ の取りうる点 $(a,b)$ の数は無限個ありますから、
$\{(a,b)\in {\mathbb R}^2|.....\}$
となるわけです.ここで、${\mathbb R}^2$ の意味は授業中述べた通りで、実数の2つのペアの集合のことです.つまり、平面と同一視されます.よく慣れ親しんだ$xy$-平面と思ってよいです.
縦棒の後に満たすべき条件を書きます.正の実数解を持つのだから、
判別式が正の数で、$y$切片が正、軸が正となるのだから、
$$\{(a,b)\in {\mathbb R}^2|a^2-4b>0,a<0,b>0\}$$
となります.集合の書き方としては、
$$\{(a,b)|a,b\in {\mathbb R},a^2-4b>0,a<0,b>0\}$$
の場合、もちろん $(a,b)$ の取りうる点 $(a,b)$ の数は無限個ありますから、
$\{(a,b)\in {\mathbb R}^2|.....\}$
となるわけです.ここで、${\mathbb R}^2$ の意味は授業中述べた通りで、実数の2つのペアの集合のことです.つまり、平面と同一視されます.よく慣れ親しんだ$xy$-平面と思ってよいです.
縦棒の後に満たすべき条件を書きます.正の実数解を持つのだから、
判別式が正の数で、$y$切片が正、軸が正となるのだから、
$$\{(a,b)\in {\mathbb R}^2|a^2-4b>0,a<0,b>0\}$$
となります.集合の書き方としては、
$$\{(a,b)|a,b\in {\mathbb R},a^2-4b>0,a<0,b>0\}$$
と書いても大丈夫です.普通の丸括弧で元をくくって並べると、慣例としてその元たちの組みとした集合を表すからです.
また、
授業中に言ったように、条件式を書き並べる場合、$\cap$ を書く必要はありません.単なるコンマで大丈夫です.
$m$ の倍数の集合 $I_m$ を集合として表す場合、
$I_m=\{n\in{\mathbb Z}|\exists k\in {\mathbb Z}, n=km\}$
とかいてもよいですが、単に条件式を書き並べるという意味では、
$I_m=\{n\in{\mathbb Z}|k\in {\mathbb Z}, n=km\}$
もしくは
$I_m=\{n\in{\mathbb Z}|n=km, k\in {\mathbb Z}\}$
などと書いても大丈夫です.
また、高校で、$\bmod$ を習っているということなので、それを使っても大丈夫です.
今日解いてくれた人は
$$I_m=\{n\in {\mathbb Z}|n\equiv 0(\bmod m)\}$$
のように書いてくれましたね.
今日あまり、言いませんでしたが、イコール $=$ は集合として等しい場合ににのみ用いてください.例えば、
$(a,b,c)={\mathbb R}^3$ とは書きません.
かならず、$(a,b,c)\in {\mathbb R}^3$ と書いてください.
元であること・部分集合であること
ある $T$ が集合 $S$ の元であること.
ある集合 $T$ が集合 $T$ の部分集合であることは異なることです.
両者はそれぞれ、
$T\in S$ と
$T\subset S$ と書き、数学をやる上では明確に区別しています.混同しないようにしましょう.
数学が進んでくると混同しやすくなります.
$I_m$ を$m$ の倍数の全体の集合とします.
${\mathbb Z}$ の中で、$I_3$ は、$I_m\subset {\mathbb Z}$ ですが、
$3$ は、$3\in {\mathbb Z}$ です.$3$ は $I_3$ の元でもありますから、$3\in I_3$ と書くことができます.
$I_5\in {\mathbb Z}$ のようには書かないようにお願いします.
$I_3\cap I_2$ は一つの集合を表します.
つまり、
$I_3\cap I_2=\{n\in{\mathbb Z}|n\equiv 0\bmod 3, n\equiv0\bmod 2\}$
となり、証明は必要(今日の宿題)ですが、
これは、$\{n\in{\mathbb Z}|n\equiv 0\bmod 6\}$
となります.
宿題1-2の証明は、集合のイコールの示し方を思い出してください.
$A=B$ であることを示すには、$A\subset B$ かつ、$B\subset A$ を満たすことを示せばよいのです.
宿題1-1(1)の問題は、$a$ の符号に気をつけて場合分けしてみて下さい.
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