第13回レポートについて
C-13-1
$A$ の固有値が $\lambda$ とするとき、$e^{\lambda}$ が $e^A$ の固有値であることを示せという問題でしたが、
$Av=\lambda v$ とする. $v$ は固有値 $\lambda$ の固有ベクトルとする.とき、$e^{\lambda}$ が$e^A$ の固有値であることを示せばよかったのですが、
$Av=\lambda v$ であることを使いましょう. まず、大事なのは、$e^A$ の定義ですが、
$$e^Av=(E+A+\frac{A^2}{2!}+\cdots)v=Ev+Av+\frac{1}{2!}A^2v+\cdots=Ev+\lambda v+\frac{\lambda^2}{2!}v+\cdots$$
$$=(1+\lambda+\frac{\lambda^2}{2!}+\cdots)v=e^\lambda v$$
となります.$A$ の固有ベクトルは $e^A$ の固有ベクトルになるわけですね.
とにかく、$e^\lambda$ が $e^A$ の固有値となることが示されればよいのです.
何かを示す時には定義に戻ることも重要です.
大体、教師が出そうとする問題としては、定義が少なくとも分かっているか?を問う問題が
多いです.
今回は固有値の定義に戻ったり、$e^A$ の定義に戻ればよいです.
多くの人は対角化可能な行列に対して示したりしておりました.
そうではない場合を示そうとすると大変です.
(2) では、$e^A\cdot e^B=e^B\cdot e^A$ が成り立つか?という問題でしたが、ほとんどの人はその問題に正しく答えていませんでした.成り立たないことは分かっても、そのような例を出すことをした人はほとんどいませんでした.
C-13-2
直交行列の対角化はよく出来ていました.計算ミスなどは目立ちましたが.もし、レポートが○ではなかった人はもう一度復習しておきましょう.
C-13-3
運動方程式はほとんど出来ていました.しかし、$x_i$ は座標ではなく、自然長からの遷移を表しているということを忘れている人が多かったです.
$$\begin{cases}mx''_1(t)=k(x_2-x_1)\\mx''_2(t)=k(x_3-x_2)+k(x_1-x_2)\\mx''(t)=k(x_2-x_3)\end{cases}$$
が言えますので、行列で書けば、
${\bf x}''(t)=-\omega^2\begin{pmatrix}1&-1&0\\-1&2&-1\\0&-1&1\end{pmatrix}{\bf x}(t)$
となります.${\bf x}(t)={}^t(x_1(t),x_2(t),x_3(t))$ です.
あとは、これを対角化します.固有値は$0,1,3$ です.
$P^{-1}AP=\begin{pmatrix}0&0&0\\0&1&0\\0&0&3\end{pmatrix}$
です.ここで、$P=\begin{pmatrix}1&-1&1\\1&0&-2\\1&1&1\end{pmatrix}$ です.
${\bf v}=P^{-1}{\bf x}={}^t(y_1(t),y_2(t),y_3(t))$ としますと、
$y_1''(t)=0,\ y_2''(t)=-\omega^2y_2(t),\ y_3''(t)=-3\omega^2y_3(t)$ となります.
後半2つは問題文の結論を使えばよいですが、 $y_1''(t)=0$ からは、$y_1(t)=C_1+C_2t$ としましょう.
$C_1,C_2$ は積分定数です.
$y_2(t)=C_3\cos\omega t+C_4\sin\omega t$ とし、
$y_3(t)=C_5\cos\sqrt{3}\omega t+C_6\sin\sqrt{3}\omega t$
とすることができます.
あとは、$x_1(0)=x_2(0)=x_3(0)=0$ また、$x_1'(0)=x_3'(0)=0$ $x_2'(0)=v$
を使うと、$C_1,\cdots,C_6$ を求めることができます.
それを代入して、$x_1(t),x_2(t),x_3(t)$ を求めることができます.
例えば、$x_1(t)=\frac{1}{3}vt-\frac{v}{3\sqrt{3}\omega}\sin\sqrt{3}\omega t$
となります.
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