[場所1E503(月曜日5限)]
現在外書輪講では、Matousekの33-Miniaturesをみんなで読んでいます。
今回は、Miniature 14, 15をやりました。
Miniature 14
内周が g で、最小次数が r となるグラフの中で最小頂点数を
もつグラフの頂点数を n(r,g) とします。
内周が g=2k+1 のとき、
1+r+r(r-1)+r(r-1)^2+\cdots +r(r-1)^{k-1}\le n(r,g)
となります。このイコールが成り立つグラフのことを
Mooreグラフ(ムーアグラフ)といいます。
例えば、内周が5 の場合、ムーアグラフの頂点数は、
1+r+r(r-1)=r^2+1 となります。
内周が偶数 g=2k の場合もありますが、そのときは、
1+r+r(r-1)+r(r-1)^2+\cdots+r(r-1)^{k-2}+(r-1)^{k-1}\le n(r,g)
が成り立ちます。このイコールが成り立つグラフのことを generalized polygon
といいます。
このminiatureでは、内周が5となるムーアグアフの
最小次数 r がスペクトラルグラフ理論により高々3種類に絞られる
という定理について紹介されています。
という定理について紹介されています。
定理
G が内周が5のムーアグラフであるなら、G の最小次数 r が
r\ge 3 であるならば r\in \{3,5,57\} である。
r\ge 3 であるならば r\in \{3,5,57\} である。
r=3 の場合は、前回も登場したペテルセングラフであり、r=5 の場合は、
ホフマン-シングルトングラフといいます。
r=57 の場合だけ、その存在が未だ保証さていません。
もし存在すれば、頂点数 3250 で、最小次数が 57 で、内周が 5 の
グラフになります。
もし発見できれば、発見者の名前が付けられて 誰々のグラフということに
なるのではないでしょうか?
ムーアグラフは、正則グラフになることを注意しておきます。
つまり、最小次数とはいえ、すべての頂点で同じ次数を持ちます。
補題
内周が 5 で、最小次数 r が 3 以上のムーアグラフの頂点 u,v
が辺で結ばれていないとき、u,v の共通の近傍はちょうど1点である。
この補題はよく考えればわかりますから、省略します。
しかし、この性質が今後定理を証明するのに生きてきます。
また、u,v が隣接しているとき、u,v の共通の近傍は存在しませんので、
ムーアグラフの隣接行列 A の2乗 B を B=(b_{ij}) とするとき
b_{ij}=\begin{cases}r&i=j\\1&\{i,j\}\not\in E(G)\\0&\{i,j\}\in E(G)\end{cases}
が成り立ちます。ここで、E(G) はグラフの辺の集合です。
ここで上の補題を使いました。
よって、
B=A^2=rI_n+J_n-I_n-A
が成り立ちます。
この関係式から、r 以外の固有値 \lambda は、\lambda^2+\lambda-(r-1)=0
を満たします。
つまり、固有値 r の固有空間の次元は、1であり、
この2つの解とトレースゼロ条件とランクの式から、
m_1\rho_1+m_2\rho_2+r=0 かつ
m_1+m_2+1=n=r^2+1
となります。
これらの式から、r=3,5,57 しかないことがわかります。
r=57 の場合のデータをもう一度書いておくと、
頂点数 3250
最小次数 57
隣接行列の固有値は、57, 7, -8
その重複度は 1, 1729, 1520
となります。
Miniature 15
{\mathbb R}^d の中へのいくつかの点の埋め込みで、点同士の距離が
2種類のものを求めるとき、その頂点の最大値 n(d) が d によって
上から
n(d)\le \frac{1}{2}(d^2+5d+4)
による不等式が成り立つという内容です。
0 件のコメント:
コメントを投稿