2018年7月17日火曜日

数学類特別セミナーI(第1回)

[場所1E203(金曜日6限)]

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フレッシュマンセミナーの続きの内容についてやりました。
前回は、いくつかの多項式関数の連続性について示しました。
今回は、指数関数の連続性についてやりました。
まずは、下の問題を見ておきましょう。


(例題)
$y=e^x$ が $x=a$ で連続であることを示せ。



まず、$x=a$ で関数 $f(x)$ が連続であるとは、
関数 $f(x)$ が下の定義を満たすことをいいます。

(連続関数の定義)
任意の $\epsilon>0$ に対して、ある $\delta>0$ が存在して、
$|x-a|<\delta$ が成り立つ任意の $x$ に対して、
$|f(x)-f(a)|<\epsilon$ を満たす。



つまり、値域の点 $f(a)$ のどんなに近く $|f(a)-y|<\epsilon$ にしても、その
その中に、$a$ のある近くの全ての点 $|x-a|<\delta$ が像として入れることができる
ということです。


$y=e^x$ が $x=a$ において、連続であることを証明しましょう。

その前に、$ |e^x-1|\le e^{|x|}-1$ を満たすことを示しましょう。

$x\ge 0$ とすると、$e^{|x|}-1=e^x-1=|e^x-1|$ となる。
また、$x<0$ とすると、$e^{|x|}-1=e^{-x}-1=-1+\frac{1}{e^x}=e^{-x}(1-e^{x})=e^{-x}|e^{x}-1|\ge |e^x-1|$
となる。

(例題の証明)
$\forall \epsilon>0$ をとります。
今、$\delta=\log(1+\epsilon e^{-a})$ としましょう。
このとき、$|x-a|<\delta$ となる任意の $x$ に対して
$|f(x)-f(a)|=e^a|e^{x-a}-1|\le e^a(e^{|x-a|}-1)<e^a(e^\delta-1)=\epsilon$

となるので、$x=a$ において、$y=e^x$ が連続であることがわかる。


授業中では、以下の問題を解いてもらいました。

(問題)
$y=e^{x^2}$ が $x=a$ で連続であることを示せ。

以下のように、同じように解くことができます。

(問題の証明)
$\forall \epsilon>0$ に対して、
$\delta=\min\left\{1,\frac{\log(1+e^{-a^2}\epsilon)}{1+2|a|}\right\}$ とします。
このとき、$|x-a|<\delta$ となる任意の $x$ に対して、
$|x+a|\le |x-a|+2|a|\le 1+2|a|$ を満たします。
よって
$$|e^{x^2}-e^{a^2}|=e^{a^2}|e^{x^2-a^2}-1|=e^{a^2}|e^{x^2-a^2}-1|\le  e^{a^2}(e^{|x-a||x+a|}-1)$$
$$<e^{a^2}(e^{\delta(1+2|a|)}-1)\le \epsilon$$
となりますので、$y=e^{x^2}$ は $x=a$ で連続となります。(証終)

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