[場所1E503(月曜日5限)]
HPに行く
今回は先週残った線形代数の発表とマトウセクのMiniature 1,2をやりました。
線形代数の問題についていくつか
(3)
2次元ベクトル空間 V の任意の3つのベクトルは一次従属である。
(学生が行った解答)
{\bf a},{\bf b },{\bf c} を任意の3つのベクトルとする。
このとき、{\bf a},{\bf b} が一次独立であるとすると、
2次元ベクトル空間の2つの一次独立なベクトルは基底であるから、
{\bf c}=u{\bf a}+v{\bf b} とすることができる。
よって、u{\bf a}+v{\bf b}-{\bf c}=0 という関係式が得られたので
{\bf a},{\bf b},{\bf c} は一次従属である。
{\bf a},{\bf b} が一次従属であるとすると、
(u,v)\neq (0,0) であって、u{\bf a}+v{\bf b}=0 とできる。
よって、
u{\bf a}+v{\bf b}+0{\bf c}=0 であるからこの関係式から
{\bf a},{\bf b},{\bf c} は一次従属である。
(別解答)
2次元ベクトルであるということは、基底として2つのベクトルを取ることができる
ということだから、
{\bf v},{\bf w}\in V を基底とするように取れます。
このとき、V の3つのベクトルを {\bf a}, {\bf b}, {\bf c} をとります。
すると、
{\bf a}=a_{11}{\bf v}+a_{12}{\bf w}
{\bf b}=a_{21}{\bf v}+a_{22}{\bf w}
{\bf c}=a_{31}{\bf v}+a_{32}{\bf w}
となるような係数 a_{11},\cdots, a_{32} があります。
よって、
({\bf a}, {\bf b}, {\bf c})=({\bf v}, {\bf w})\begin{pmatrix}a_{11}&a_{21}&a_{31}\\a_{12}&a_{22}&a_{32}\end{pmatrix}
もし、{\bf a},{\bf b},{\bf c} が一次独立であるなら、
\begin{pmatrix}a_{11}\\a_{12}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}a_{21}\\a_{22}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}a_{31}\\a_{32}\end{pmatrix}
も一次独立である。つまり \begin{pmatrix}a_{11}&a_{21}&a_{31}\\a_{12}&a_{22}&a_{32}\end{pmatrix} のランクが3である。しかし、行列はランクは一般に行数や列数以下。
よって、ランクは2以下にならなければならない。
これは矛盾する。
よって、{\bf a},{\bf b},{\bf c} は一次従属。
(4) ベクトル空間の足し算 V+W は以下のようにして定義されます。
V+W=\{{\bf v}+{\bf w}|{\bf v}\in V,{\bf w}\in W\}
です。この定義を説明すると、V,W のベクトルのそれぞれの和としてかけるベクトル全体
ということです。
(6) A を n 次正方行列とし、{\bf v}\in {\mathbb C}^n とする。このとき、連立方程式 A{\bf v}=0 に自明でない解が あることと、\det(A)=0 であることは同値であることを示せ。
対偶をとれば、
A{\bf v}=0 に自明でない解がないこと \Leftrightarrow A が正則(逆行列がある)であること。
なる同値関係を示せばよいわけですが、
\Leftarrow は逆行列をかければよい。
\Rightarrow の証明。逆行列が存在しないとすると、A の n 個の縦ベクトルは
一次従属ということであるから、{\bf v}=(a_1,a_2,\cdots, a_n)\neq (0,0,\cdots, 0) となる
ベクトルが存在して、A{\bf v}=0 が成り立ちます。
Miniature 1
Miniature 1はフィボナッチ数列 \{F_n\} を計算を手早く計算しようという
内容です。
\begin{pmatrix}F_{n+2}\\F_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&1\\1&0\end{pmatrix}\begin{pmatrix}F_{n+1}\\F_{n}\end{pmatrix}=M\begin{pmatrix}F_{n+1}\\F_{n}\end{pmatrix}
を用いて、M を書けることで、次々にフィボナッチ数を計算することができるように
なります。つまり、足し算によって計算していたフィボナッチ数列は、行列の
掛け算を計算すればよいということになります。F_{2^k} の計算は、
M^{2^k}=M^2\cdots M^2\cdots M^2 のように k 回の計算で
できるようになります。
同じように、一般の n (For n arbitrary) に対して
n=2^{k_1}+2^{k_2}+\cdots+2^{k_t}
のように書き表せます(2進法)ので、
同じように大体 F_n を計算する回数は、2\log n 回くらいに減らせるという
ことが分かります。
発表者は、よく説明ができていました。
もっと黒板を多く使って分かりやすく説明するとよいと思います。
binary は2進法(バイナリ)でした。
Miniature 2
次の話は、F_n を計算するのに線形代数を使うということです。
そのとき、一度大きな空間を考えるます。
{\mathbb R}^\infty=\{(a_n)|n\in {\mathbb N},a_n\in {\mathbb R})\}
です。これは、 全ての数列からなる空間で、無限次元べk取る空間です。
この中から、フィボナッチ数列からなる有限次元ベクトル空間を選び出します。
V=\{(a_n)\in {\mathbb R}^n|a_{n+2}=a_{n+1}+a_n\}
です。このとき、Vは 2次元ベクトル空間となります。
本には2次元になるとさらりと書いてありますが、証明をすることは
できるでしょうか?基底を2つ選んでこればよいわけですが、
これも線形代数でできますね。
来週はこの続きからやります。
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今回は先週残った線形代数の発表とマトウセクのMiniature 1,2をやりました。
線形代数の問題についていくつか
(3)
2次元ベクトル空間 V の任意の3つのベクトルは一次従属である。
(学生が行った解答)
{\bf a},{\bf b },{\bf c} を任意の3つのベクトルとする。
このとき、{\bf a},{\bf b} が一次独立であるとすると、
2次元ベクトル空間の2つの一次独立なベクトルは基底であるから、
{\bf c}=u{\bf a}+v{\bf b} とすることができる。
よって、u{\bf a}+v{\bf b}-{\bf c}=0 という関係式が得られたので
{\bf a},{\bf b},{\bf c} は一次従属である。
{\bf a},{\bf b} が一次従属であるとすると、
(u,v)\neq (0,0) であって、u{\bf a}+v{\bf b}=0 とできる。
よって、
u{\bf a}+v{\bf b}+0{\bf c}=0 であるからこの関係式から
{\bf a},{\bf b},{\bf c} は一次従属である。
(別解答)
2次元ベクトルであるということは、基底として2つのベクトルを取ることができる
ということだから、
{\bf v},{\bf w}\in V を基底とするように取れます。
このとき、V の3つのベクトルを {\bf a}, {\bf b}, {\bf c} をとります。
すると、
{\bf a}=a_{11}{\bf v}+a_{12}{\bf w}
{\bf b}=a_{21}{\bf v}+a_{22}{\bf w}
{\bf c}=a_{31}{\bf v}+a_{32}{\bf w}
となるような係数 a_{11},\cdots, a_{32} があります。
よって、
({\bf a}, {\bf b}, {\bf c})=({\bf v}, {\bf w})\begin{pmatrix}a_{11}&a_{21}&a_{31}\\a_{12}&a_{22}&a_{32}\end{pmatrix}
もし、{\bf a},{\bf b},{\bf c} が一次独立であるなら、
\begin{pmatrix}a_{11}\\a_{12}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}a_{21}\\a_{22}\end{pmatrix},\begin{pmatrix}a_{31}\\a_{32}\end{pmatrix}
も一次独立である。つまり \begin{pmatrix}a_{11}&a_{21}&a_{31}\\a_{12}&a_{22}&a_{32}\end{pmatrix} のランクが3である。しかし、行列はランクは一般に行数や列数以下。
よって、ランクは2以下にならなければならない。
これは矛盾する。
よって、{\bf a},{\bf b},{\bf c} は一次従属。
(4) ベクトル空間の足し算 V+W は以下のようにして定義されます。
V+W=\{{\bf v}+{\bf w}|{\bf v}\in V,{\bf w}\in W\}
です。この定義を説明すると、V,W のベクトルのそれぞれの和としてかけるベクトル全体
ということです。
(6) A を n 次正方行列とし、{\bf v}\in {\mathbb C}^n とする。このとき、連立方程式 A{\bf v}=0 に自明でない解が あることと、\det(A)=0 であることは同値であることを示せ。
対偶をとれば、
A{\bf v}=0 に自明でない解がないこと \Leftrightarrow A が正則(逆行列がある)であること。
なる同値関係を示せばよいわけですが、
\Leftarrow は逆行列をかければよい。
\Rightarrow の証明。逆行列が存在しないとすると、A の n 個の縦ベクトルは
一次従属ということであるから、{\bf v}=(a_1,a_2,\cdots, a_n)\neq (0,0,\cdots, 0) となる
ベクトルが存在して、A{\bf v}=0 が成り立ちます。
Miniature 1
Miniature 1はフィボナッチ数列 \{F_n\} を計算を手早く計算しようという
内容です。
\begin{pmatrix}F_{n+2}\\F_{n+1}\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&1\\1&0\end{pmatrix}\begin{pmatrix}F_{n+1}\\F_{n}\end{pmatrix}=M\begin{pmatrix}F_{n+1}\\F_{n}\end{pmatrix}
を用いて、M を書けることで、次々にフィボナッチ数を計算することができるように
なります。つまり、足し算によって計算していたフィボナッチ数列は、行列の
掛け算を計算すればよいということになります。F_{2^k} の計算は、
M^{2^k}=M^2\cdots M^2\cdots M^2 のように k 回の計算で
できるようになります。
同じように、一般の n (For n arbitrary) に対して
n=2^{k_1}+2^{k_2}+\cdots+2^{k_t}
のように書き表せます(2進法)ので、
同じように大体 F_n を計算する回数は、2\log n 回くらいに減らせるという
ことが分かります。
発表者は、よく説明ができていました。
もっと黒板を多く使って分かりやすく説明するとよいと思います。
binary は2進法(バイナリ)でした。
Miniature 2
次の話は、F_n を計算するのに線形代数を使うということです。
そのとき、一度大きな空間を考えるます。
{\mathbb R}^\infty=\{(a_n)|n\in {\mathbb N},a_n\in {\mathbb R})\}
です。これは、 全ての数列からなる空間で、無限次元べk取る空間です。
この中から、フィボナッチ数列からなる有限次元ベクトル空間を選び出します。
V=\{(a_n)\in {\mathbb R}^n|a_{n+2}=a_{n+1}+a_n\}
です。このとき、Vは 2次元ベクトル空間となります。
本には2次元になるとさらりと書いてありますが、証明をすることは
できるでしょうか?基底を2つ選んでこればよいわけですが、
これも線形代数でできますね。
来週はこの続きからやります。
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