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2017年8月18日金曜日

微積分I演習(物理学類)(第16回)

[場所1E103(金曜日5限)]

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定期試験を行いました。

各問題の正答率は以下のようになりました.

問題123456
得点率(%)34.893.182.286.982.873.3

受験者  29人
平均点  78.1
最高得点  100点
最低点  10点
90点以上の人  13人

全体として、やはり1が最もできていませんでした。計算中心に出すと言ったので
そのあたりの定義を復習した人はいなかったんですね。
特に、下界の定義がかけた人はほとんどいませんでした。
2は答えが書いてあるということでよくできていました。
3,4,5あたりの問題は多くの人は計算は合っていました。
6になると、広義積分の難しさか、多少ややこしいからか若干正答率がさがりました。

問題

問題16-1
部分集合 A\subset {\mathbb R} に対して、A の下界を定義せよ。
また、A の下限はどのように定義されるか?

問題16-2
逆関数の微分法を使うことで、\frac{d\text{Arctan} x}{dx}=\frac{1}{1+x^2} を示せ。

問題16-3
次の関数を3 次の項までマクローリン展開し、剰余項は、o(x^3) で表せ。
f(x)=\sqrt{1+2x}


問題16-4
以下の定積分を計算せよ。
\int_1^2\frac{dx}{x+2\sqrt{x-1}}


問題16-5
次の極限を求めよ。
\lim_{x\to 0}\left(\frac{1}{e^x-1}-\frac{1}{\sin x}\right)

問題16-6
以下の広義積分を求めよ。
\int_0^\infty \frac{dx}{1+x+x^2}

解答と講評

問題16-1
MA の下界とは \forall a\in A に対して、M\le a となる実数。
A の下限とは、A の下界の集合の中で最大のものをいう。


講評
単にこれだけを問う問題だったのですが、下限が分かっている人も
それほど多くはありませんでした。
この問題は全ての人ができると思って出しました。
上限、下限について分かっている人は、10パーセントくらいなのですね。
何回かやったはずなのですが....

下界のことを A の最小値以下になるとか、書いている人がいましたが、
A には最小値があるかどうかわかりません。例えば、(0,1)\subset {\mathbb R}
(端が 0,1 であるような区間で、両端を含まないもの)とすると、この区間には
最小値はありません。
最小値というからには、その集合の中に、最小を与える点がないといけません。

問題16-2
y=\text{Arctan}(x) とおく。このとき、x=\tan y であるから、
\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}=\frac{1}{(\tan y)’}=\frac{1}{\frac{1}{\cos^2y}}=\frac{1}{1+\tan^2y}=\frac{1}{1+x^2} となる。

講評
この問題は、微分の結果も書いてあるので、できている人は多かったです。
ただ、逆関数の微分法を使えと書いているのに、\text{Arctan}(x)=\frac{\text{Arcsin}(x)}{\text{Arccos}(x)}
と謎の変形を使って計算している人がいました。


問題16-3
二項展開の式を使うと、
\sqrt{1+x}=\sum_{k=0}^3\binom{\frac{1}{2}}{k}x^k+o(x^3)
となる。
各係数を求めると、\binom{\frac{1}{2}}{0}=1, \binom{\frac{1}{2}}{1}=\frac{1}{2}, \binom{\frac{1}{2}}{2}=\frac{\frac{1}{2}\cdot(\frac{1}{2}-1)}{2\cdot 1}=-\frac{1}{8}
\binom{\frac{1}{2}}{3}=\frac{\frac{1}{2}\cdot(\frac{1}{2}-1)\cdot(\frac{1}{2}-2)}{3\cdot 2\cdot 1}=\frac{1}{16} となる。
ゆえに、\sqrt{1+x}=1+\frac{x}{2}-\frac{x^2}{8}+\frac{x^3}{16}+o(x^3)
がわかる。
よって、x2x を代入して、
\sqrt{1+2x}=1+x-\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{2}+o(x^3)
となる。ここで、o(x^3)2x を代入して、o(8x^3) となるが、
h(x)=o(x^8) となる任意の関数 h(x) は、\frac{h(x)}{x^3}=\frac{h(x)}{8x^3}8 であるので、 x\to 0 の極限は、\lim_{x\to 0}\frac{h(x)}{8x^3}=0 であることから\lim_{x\to 0}\frac{h(x)}{x^3}=0 となる。
よって、h(x)=o(x^3) であることがわかる。

講評
この問題は、何回か微分すればよいだけなので、できている人は多かったです。
しかし、微分係数を求めるのに、ロピタルの定理を用いる方法をとっている人
(間違いではないが、普通に n 回微分を使ってやった方がミスがない)や、
f’(x)=\frac{x}{\sqrt{1+2x}} としている人が複数(3人以上は)見られました。
また、3次の項と書いているのに2次までしか求めていない人もいました。

問題16-4
t=\sqrt{x-1} とおくと、dx=2tdt であるから、
\int_1^2\frac{dx}{x+2\sqrt{x-1}}=\int_0^1\frac{2tdt}{(t+1)^2} となる。
ここで、t+1=s とおくと、この積分は、
\int_1^2\frac{2(s-1)ds}{s^2}=2\int_1^2(s^{-1}-s^{-2})ds=2\left[\log s+s^{-1}\right]_1^2=2(\log 2+\frac{1}{2}-1)=2\log 2-1
と計算できる。

講評
この問題も計算だけなので、それほど間違えている人はいませんでした。
dxdt に変換する部分を忘れている人がいました。

問題16-5
\lim_{x\to 0}\frac{\sin x-e^x+1}{(e^x-1)\sin x} は不定形の極限であるので、ロピタルの定理を適用させて、
\lim_{x\to 0}\frac{\cos x-e^x}{e^x\sin x+(e^x-1)\cos x} の極限が求められればよい。
この極限はまた不定形なので、再びロピタルの定理を適用させることで、極限
\lim_{x\to 0}\frac{-e^x-\sin x}{2e^x\cos x+\sin x}
が求められればよい。この極限は不定形ではないので、代入操作により、
極限は \frac{-1}{2} と求められる。
ゆえに、元の極限も求まり、
\lim_{x\to0}\frac{\sin x-e^x+1}{(e^x-1)\sin x}=-\frac{1}{2}


何回か微分しているうちに、計算ミスをしている人は多かった。


問題16-6
\frac{2t+1}{\sqrt{3}}=s と変換をすると、dt=\frac{\sqrt{3}}{2}ds となる。
よって、\frac{4}{3}(t^2+t+1)=s^2+1 であるから、
\int_0^\infty\frac{1}{t^2+t+1}dt=\int_{\frac{1}{\sqrt{3}}}^\infty\frac{4}{3(s^2+1)}\frac{\sqrt{3}}{2}ds=\frac{2}{\sqrt{3}}\int_{\frac{1}{\sqrt{3}}}^\infty\frac{1}{s^2+1}ds=\frac{2}{\sqrt{3}}\left(\lim_{s\to \infty}\text{Arctan}(s)-\text{Arctan}(\frac{1}{\sqrt{3}})\right)=\frac{2}{\sqrt{3}}\left(\frac{\pi}{2}-\frac{\pi}{6}\right)=\frac{2\pi}{3\sqrt{3}}
となります。

講評
変数変換をしても、積分区間が変わらず、0 から \infty になったままのものや、
dsdt の変換がなされていないものなど多数見受けられました。
変数変換の仕方がわからず、 x=\tan \theta としている人。
不等式の処理をして値を不等式でしか出さない人もまぁまぁいました。


全体として
上位4割の人(90点以上)が13人おり、計算ミスもなく、これらの多くの人は基本的な理解も進んでいました。
中位3割の人(70点から89点)は10人おり、若干の計算ミスはするが、だいたいの理解は進んでいます。
それ以外の人(6人)は理解が曖昧な部分があったり、計算の仕方が分かっていなかったり
でした。ただ、決して、全く理解が足りないということでもありませんでしたが....

宿題返却をしても、結果にのみ一喜一憂し、間違えたところを、
何が正しい答えだったのか自分で追求せず、放置しているのではないかと思います。
宿題の採点がたとえ10点中8点だったとしても、決して合格レベルとは言えません。
間違えたところがあるのだから、何がいけなかったのか?反省すべきです。

どんな授業でも、積極的に求めなていかなければ、それなりのものしか得られません。
知識や経験は向こうからやってくるのではなく、頑張って問題を解いたり、
こちらから迫っていかないと得られません。

微積分I演習(数学類)(第15回)

[場所1E103(金曜日5限)]

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定期試験を行いました。

各問題の正答率は以下のようになりました.

問題A(a)A(b)B(a)B(b)C(a)C(b)D
得点率(%)57.188.347.518.843.366.778.3

受験者  20人
平均点  56.0
最高得点  100点
最低点  5点

100点1人、90点台の人はおらず、80点台1人、70点台2人
60点台の人は4人で、
そのほかの人は、40点から59点ないに固まっているという状態です。



問題

問題15-A
以下の問題に答えよ。
(a) 等式 \sin (\text{Arccos(x}))=2x を満たす x を求めよ。
(b) 実数 a,b\text{Arcsin}(a)+\text{Arcsin}(b)=\text{Arcsin}(1)
a,b は関係式 a^2+b^2=1 を満たすことを示せ。

問題15-B
f(x)=\text{Arctanh}(x) とおき、この関数は、\tanh(x) の逆関数のこととする。
以下の問題に答えよ。
(a) f(x) の微分を求めよ。
(b) f(x) のマクローリン展開の n 次の項を求めよ。

問題15-C
次の不定積分および定積分を実行せよ。
(a) \int\frac{x+1}{x+\sqrt{x-1}}dx     (b) \int_1^0\frac{1}{x(x^2+1)}dx

問題15-D
次の極限を求めよ。
\lim_{x\to 0}\frac{e^{-x}-1+\log(x+1)}{\text{Arcsin}(x)-x}

解答

問題15-A
(a) a=\text{Arccos}(x) とおくと、\cos a=x となり、\sin a=\pm\sqrt{1-x^2}
なる。\text{Arccos} の値域の条件から 0\le \text{Arccos}(x)\le \pi であるので、
\sin (\text{Arccos}(x))\ge 0 である。
ゆえに、x\ge 0 であるので、\sin a=\sqrt{1-x^2} である。
2x=\sqrt{1-x^2}x\ge 0 で解くことで、x=\frac{1}{\sqrt{5}} が得られる。
(b) \text{Arcsin}(a)=x かつ \text{Arcsin}(b)=y とすると、定義より、\sin x=a かつ
\sin y=b となる。
ゆえに、x+y=\text{Arcsin} (1)=\frac{\pi}{2} となる。
\cos x=\sin (\frac{\pi}{2}-x)=\sin y=b かつ、\cos y=\sin (\frac{\pi}{2}-y)=\sin x=a
となる。ゆえに、a^2+b^2=\sin x\cos y+\cos x\sin y=\sin (x+y)=\sin \frac{\pi}{2}=1
となる。

講評
この問題はほとんどの人が手をつけており、多くの人は正解にたどり着いていたものの、
x>0 であることを見抜けた人はごくわずかでした。
見抜いた人は10点。そうでない人は5点をあげました。
arcsin なのに、arcsinh と勘違いしている人がいました。
正答率57%。

一方、(b)の方の問題は a^2+b^2=1 という結果が見えているので、多くの人は
できていました。正答率88%。

問題15-B
(a) y=\text{Artanh}(x) とすると、x=\tanh(y) となる。逆関数の微分法を用いて、
f’(x)=\frac{1}{(\tanh y)’}=\frac{1}{\frac{1}{\cosh^2y}}=\frac{1}{1-\tanh^2 y}=\frac{1}{1-x^2}
となる。
(b) \frac{1}{1-x^2}=\sum_{x=0}^\infty x^{2n} であることから、
\text{Artanh}(x)=\int_0^x\frac{1}{1-t^2}dt=\int_0^x\sum_{x=0}^\infty x^{2n}dx=\sum_{x=0}^\infty \frac{x^{2n+1}}{2n+1}
と計算できる。
(積分と極限の交換が必要となりますが、同じ求め方は、宿題8-2でもやりましたね。そのときは、\text{Arcsin}(x) でした。)
n が偶数のとき、 0 で、n が奇数の時、\frac{1}{n}x^n となります。


また、直接 f^{(n)}(0) を求める方法もあります。
(1-x^2)f'(x)=1 であることを使って、ライプニッツの公式を当てはめる方法です。
このとき、n 回部分 n>0 は、
(1-x^2)f^{(n+1)}(x)-2nxf^{(n)}(x)-n(n-1)f^{(n-1)}(x)=0
となります。ゆえに、x=0 を入れてやると、f^{(n+1)}(0)=n(n-1)f^{(n-1)}(0) が成り立ちます。

講評
(a) この問題が47%の正答率というのは愕然としました。逆関数の微分法は習ったはずです。
\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}} という公式で、最後の式は y の式のはずなのに、
x が代入されていました。
つまり、
\frac{d\text{Arsinh}(x)}{dx}=\frac{1}{(\tanh (x))’} となっている解答が多くありました。
本当は、逆関数の微分法の分母は y の微分なので
\frac{d\text{Arsinh}(x)}{dx}=\frac{1}{(\tanh (y))’} です。
逆関数の微分は何回か解いたことがあったと思います。
中には三角関数と間違えて \text{Arctan}(x)=\frac{1}{1+x^2} と書いている人がいました。
完全に勉強不足と思います。

(b) は、(a) で半分の人が脱落しているので、当然さらにできている人は
少なかったです。手がつけられており、正解した人は最後まで正解した人は2人でした。
項別積分については授業で少ししか説明せず、あまり演習はしませんでした。
授業中に、もっといろんなマクローリン展開を計算する必要があると思いました。

問題15-C
(a) 定石として、t=\sqrt{x-1} とおきます。このとき、x=t^2+1 となるので、
dx=2tdt となり、
\int\frac{x+1}{x+\sqrt{x-1}}dx=\int\frac{t^2+2}{t^2+t+1}2tdt=\int\frac{2t(t^2+2)}{t^2+t+1}dt
=\int\frac{(t^2+t+1)(2t-2)+4t+2}{t^2+t+1}dt=\int\left(2t-2+2\frac{2t+1}{t^2+t+1}\right)dt
t^2-2t+2\log(t^2+t+1)+C
(ここで、C は積分定数。)
ゆえに、
t=\sqrt{x-1} であることから t^2-2t=x-1-2\sqrt{x-1} であり、
t^2+t+1=x+\sqrt{x-1} となるので、
求める積分は、
x-2\sqrt{x-1}+2\log(x+\sqrt{x-1})+C
となる。
(ここで、定数1は積分定数の中に組み込んだ。)

(b) \frac{1}{x(x^2+1)} を部分分数展開をすると、
\frac{1}{x(x^2+1)}=\frac{1}{x}-\frac{x}{x^2+1}
となる。よって、
\int_1^2\left(\frac{1}{x}-\frac{1}{2}\frac{2x}{x^2+1}\right)dx=\left[\log x-\frac{1}{2}\log(x^2+1)\right]_1^2=\log 2-\frac{1}{2}\log \frac{5}{2}=\frac{1}{2}\log\frac{8}{5}

講評
この問題は、計算のみなので、よくできていましたが、
dtds の式に変えるなど単純な変換を忘れている人も多く、
問題をあまり解いていないのでは?と思いました。
中に、割り算を間違えているものや、
\int(t-1)dt=\log(t-1) と書いている人がいました。

無理関数の積分の方は43%で、有理関数の積分の方は63%です。

問題15-D
\lim_{x\to 0}(e^{-x}-1+\log (x+1))=0 かつ
\lim_{x\to 0}(\text{Arcsin}(x)-x)=0 であるので、不定形の極限である。
ロピタルの定理を適用して、以下の極限を求める。
\lim_{x\to 0}\frac{-e^{-x}+\frac{1}{x+1}}{-1+\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}}=\lim_{x\to 0}\frac{e^{-x}(1-e^x+x)\sqrt{1-x^2}}{(x+1)(-1+\sqrt{1-x^2})}
このとき、この極限も不定形となる。
ここで、\lim_{x\to 0}\frac{1-e^x+x}{-1+\sqrt{1-x^2}} の部分が求められれば良い。
この不定形の極限にロピタルの定理を用いると、
\lim_{x\to 0}\frac{-e^x+1}{\frac{-x}{\sqrt{1-x^2}}} =\lim_{x\to 0}\frac{(e^x-1)\sqrt{1-x^2}}{x}
を求めることになるが、これは、\lim_{x\to 0}\frac{e^x-1}{x} の部分が求められれば
よいことに注意する。この極限は、関数 e^x0 での微分係数を求めていることになるのだから、これはちょうど 1 である。ゆえに、\lim_{x\to 0}\frac{e^x-1}{x}=1 であり、遡れば、\lim_{x\to 0}\frac{-e^{x}+1}{\frac{-x}{\sqrt{1-x^2}}}=1 である。
よって、\lim_{x\to 0}\frac{1-e^x+x}{-1+\sqrt{1-x^2}}=1 がわかる。
また、ロピタルの定理から、
\lim_{x\to 0}\frac{-e^{-x}+\frac{1}{x+1}}{-1+\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}}=1 がわかる。

また、
不定形の極限を求めているところで、
例えば、ロピタルの定理を適用させて、分母を払うのであれば、
極限がわかるところは最初に極限を計算しておくこともできます。
例えば、
\lim_{x\to 0}\frac{e^{-x}(1-e^x+x)\sqrt{1-x^2}}{(x+1)(-1+\sqrt{1-x^2})}=\lim_{x\to 0}\frac{1-e^x+x}{-1+\sqrt{1-x^2}}
のように計算することもできます。

全体として、(問題として難しかったからか?)あまりできていない印象です。
試験前には自分で問題を解いてみるなど自分で演習をするべきですね。
また、言われたり、与えたりしたものだけでなく、積極的に勉強する姿勢が必要です。
おそらく基本的なマクローリン展開ができない学生が多いのではないでしょうか?
後期に向けて、今から学習を積んでおくことをお勧めします。

2017年8月13日日曜日

数学外書輪講I(第14回)

[場所1E501(月曜日5限)]

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今回の数学外書輪講は

  • LangのVII 随伴写像
  • Matousek の Miniature 7 (Are These Distances Euclidean?)
を読みました。

Are These Distances Euclidean? 

正の実数の集合が、n+1 次元ユークリッド空間の n 面体の辺となりうる
ための実数の条件に関する問題です。

例えば、3つの正の実数 x_1,x_2,x_3 が与えられた時に、それが、平面上の
3角形の辺となるための必要十分条件は、
2辺の和は残りの1辺の和以上になるという不等式を満たす必要があります。
これを三角不等式といいます。これを具体的に式に書いておけば、

x_1+x_2\ge x_3,\ x_1+x_3\ge x_2,\  x_2+x_3\ge x_1
となります。

このことを高次元に一般化します。n 次元ユークリッド空間 {\mathbb R}^n
の上に、n+1p_0,p_1,\cdots ,p_n を与えて、その間の距離を
m_{ij}=||p_i-p_j|| が与えられたとするとき、m_{ij} の取りうる必要十分条件は
どのように与えられるか?という問題です。

n+1 面体の各3角形は存在しないといけませんから、もちろん3角不等式を
満たさないといけません。
しかし、n\ge 3 となると、その不等式だけでは十分では在りません。

Matousekの出した例では、
2,2,2,2,3,3 という6つの実数に対して、この数を各辺に持つような
四面体を {\mathbb R}^3 に実現することはできないことを述べています。
(もちろん、もっと次元が高いユークリッド空間でもできません。)

しかし、この6つの数は、どの3つを取っても三角不等式を満たしています。

よって、そのような必要十分条件は、以下のようになります。

定理
||p_i-p_j||=m_{ij} とする。
このとき、行列 G=(g_{ij})g_{ij}=\frac{1}{2}(m_{0i}^2+m_{0j}^2-m_{ij}^2) となる
対称行列とする。このとき、G が半正定値であることと、
そのような点 p_0,...,p_n が存在することは同値である。


証明には、以下の事実を使います。

行列 A が半正定値(positive semi-definite)対称行列であることと、
A=X^TX であることが同値である。


実対称行列が半正定値であるとは、A の固有値が正または0であることを
言います。実対称行列の固有値はいつも実数であることを思い出しましょう。

同値なことは、任意のベクトル {\bf x}\in {\mathbb R}^n に対して、
{\bf x}^TA{\bf x}\ge 0 となることです。


この定理の証明は、本を見てもらうことにして、
n=2 の場合に、定理を当てはめてみると、行列 G は、
\begin{pmatrix}x^2&\frac{1}{2}(x^2+y^2-z^2)\\\frac{1}{2}(x^2+y^2-z^2)&y^2\end{pmatrix}

となります。この行列が半正定値であることの必要十分条件は、
\det(G)\ge 0 かつ、x^2\ge 0 です。
後者は、いつでも成り立ちますので、行列式を計算すると、

\det(G)=\frac{1}{4}(y+z-x)(x+y-z)(x+z-y)(x+y+z)

と因数分解できて、x,y,z はいつでも非負なので、\det(G)\ge 0

(y+z-x)(x+y-z)(x+z-y)\ge0 と同値です。

また、このとき、すぐに、三角不等式は導出できませんが、
この3つの因数のうち、2つが非正であるとすると、

もし、y+z-x\ge 0,x+y-z\le 0, x+z-y\le 0 が成り立つとすると、

後半の2つの式の左辺を足すと、

2x\le 0 が成り立ち、x が 非負であることと矛盾します。

よって、3つのうち、2つが負になることはありません。
(ほかの2つが負であると仮定しても、文字を入れ替えることによって同じ結論になります)
つまり、\det(G)\ge 0 であるなら、

y+z-x\ge 0, x+y-z\ge 0, x+z-y\ge 0 が成り立ちます。

よって、G が半正定値な対称行列であることと、三角不等式は
同値となります。

n=3 の場合の行列 G を書いておきます。
m_{0,1}=x, m_{0,2}=y, m_{0,3}=z
m_{1,2}=u, m_{2,3}=v, m_{3,1}=w とおくと、

G=\begin{pmatrix}x^2&\frac{1}{2}(x^2+y^2-u^2)&\frac{1}{2}(x^2+z^2-w^2)\\\frac{1}{2}(x^2+y^2-u^2)&y^2&\frac{1}{2}(y^2+z^2-v^2)\\\frac{1}{2}(x^2+z^2-w^2)&\frac{1}{2}(y^2+z^2-v^2)&z^2\end{pmatrix}

となります。
この行列式 \det(G) は、
=\frac{1}{4}(x+y-u)(x+y+u)((y+u-x)(u+x-y)z^2+(x^2+z^2-w^2)(y^2+z^2-v^2))-\frac{1}{4}(x(y+z-v)(y+z+v)-y(w+x-z)(w+z-x))^2


(x^2+z^2-w^2)(y^2+z^2-v^2)=(x+z-w)(w+x+z)(y+z-v)(y+z+v)-2z(v^2x+w^2y-x^2y-xy^2-2xyz-xz^2-yz^2)
=(x+z-w)(w+x+z)(y+z-v)(y+z+v)+2z(x(y+z-v)(y+z+v)-y(w+x-z)(w+z-x))+2xyz^2

となり、三角不等式のいくつかの式でかけますが、途中でいくつか、マイナス記号が
入っていますので、これらすべて正の数でも、\det(G) が正の値になるとは
限りません。(むしろ、正になっても正定値とも限りませんが。)

上の例では、
x=u=v=z=2 かつ、y=w=3 として計算をすると、\det(G)=-81/2 となり、
やはり、\det(G) が正にならないので、半正定値にはなりません。


2017年8月3日木曜日

微積分I演習(物理学類)(第15回)

[場所1E103(金曜日5限)]

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最終回は、


  • 模擬テスト
を使って総合演習を行いました。

問題15-1

A{\mathbb R} の部分集合であるとする。
このとき、上限 \sup A の定義をいえ。
また、s が上限のときであるための必要十分条件は以下のようにいい表される。
当てはまる空欄を埋めよ。
s が        
s’<s となる任意の s’ に対して、       が存在する。

問題15-2
次の式を満たす x を簡単な形で求めよ。
(1) \text{Arcsin}(\frac{2}{3})+\text{Arcsin}(\frac{4}{5})=\text{Arcsin}(x)
(2) \sinh(\text{Arcsinh}(x))=2x

問題15-3
f(x)=\text{Arctan}(x) とおく。このとき、
f^{(n)}(0)= \begin{cases}(-1)^m(2m)!& n=2m+1\\0&n=2m\end{cases}


問題15-4
次の極限を求めよ。
(1) \lim_{x\to 0}\left(\frac{1}{x\sin x}-\frac{1}{2(1-\cos x)}\right)
(2) \lim_{x\to 0}\frac{\tan x\cos x-x}{x^3}

問題15-5
次の関数を3次の項までマクローリン展開しなさい。
(1) f(x)=\frac{1}{1-\sin x}
(2) f(x)=\log\left(\frac{1-\cos x}{x^2}\right)

問題15-6
以下の定積分を求めよ。
(1) \int_0^{\infty}\frac{dx}{\sqrt{1+x^4}}  (2) \int_1^2\frac{1}{x+\sqrt{x-1}}dx (3) \int_2^3\frac{x+1}{(x-1)^2}dx

問題15-7
アステロイド x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}}=1 の内部の面積を求めよ。


という問題でした。

問題15-1
(解答)
A の上界の集合を \mathcal{S} とする。\sup(A)\mathcal{S} の最小値である。

空欄を埋めると、
s が A の上界である。
s’<s となる任意の s’ に対して、s’<t となる t\in A が存在する。

となります。
上限など今年やった内容としては、
物理学類第2回(リンク)
物理学類第3回(リンク)
数学類第2回(リンク)
数学類第3回(リンク)

があります。

問題15-2
(解答)
a=\text{Arcsin} \frac{2}{3}
b=\text{Arcsin} \frac{4}{5}
とおくと、\sin a=\frac{2}{3} かつ \sin b=\frac{4}{5} となり、
\cos a=\frac{\sqrt{5}}{3} かつ \cos b=\frac{3}{5} がなりたちます。
よって、
x=\sin (a+b)=\sin a\cos b+\cos a\sin b=\frac{2}{3}\frac{3}{5}+\frac{\sqrt{5}}{3}\frac{4}{5}=\frac{6+4\sqrt{5}}{15}
がなりたちます。



逆三角・双曲線関数やその問題についての内容は
物理学類第3回(リンク)
数学類第2回(リンク)
があります。

問題15-3
この問題はいつしかの宿題でもやりました。
(解答)
(x^2+1)f'(x)=1 であるので、この関係式を n 回微分 (n>0) をすれば、
ライプニッツの公式から、
(x^2+1)f^{(n+1)}(x)+2nxf^{(n)}(x)+n(n-1)f^{(n-1)}(x)=0
が成り立つので、x=0 を代入して、
f^{(n+1)}(0)+n(n-1)f^{(n-1)}(0)=0
が成り立ちます。
ここで、f^{(0)}(0)=0 かつ、f^{(1)}(0)=1 であることに注意しておきます。

n が偶数の場合、n=2m とおくと、
f^{(2m)}(0)=-(2m-1)(2m-2)f^{(2m-2)}(0)=(-1)^2(2m-1)(2m-2)(2m-3)(2m-4)f^{(2m-4)}(0)=\cdots=(-1)^m(2m-1)!f^{(0)}(0)=0

また、
n 奇数の場合、n=2m+1 とおくと、
f^{(2m+1)}(0)=-2m(2m-1)f^{(2m-1)}(0)=\cdots=(-1)^m(2m)!f^{(1)}(0)=(-1)^m(2m)!
となります。

ライプニッツの公式についての内容は、
物理学類第5回(リンク)
数学類第5回(リンク)

があります。

問題15-4
この問題はロピタルの定理もしくは、テイラー展開をして極限
を求める問題です。
(解答)
(1) 極限の中を通分すると、
\frac{2(1-\cos x)-x\sin x}{2x\sin x(1-\cos x)}
となり、不定形です。x\to 0 のときに、分母分子は 0 に行きます。
分母の関数を d(x) とおき、この関数が x\to 0 のときに関数の極限が
0 にいかなくなるまで微分し続けると、
d^{(4)}(x)=-8\cos x+32\cos^2 x+2x\sin x-32x\cos x\sin x-32\sin^2x
となります。
同じように、分子の関数を n(x) とおき、この関数が x\to 0 のときに
0 にいかなくなるまで微分し続けると、
n^{(4)}(x)=2\cos x-x\sin x
となります。
ゆえに、d^{(4)}(0)=-8+32=24 であり、n^{(4)}(0)=2 であるので、ロピタルの定理より、
元の極限は、
\lim_{x\to 0}\frac{n(x)}{d(x)}=\frac{2}{24}=\frac{1}{12}
と計算できます。

(2) (略)同じようにロピタルの定理より証明できます。


ロピタルの定理については、
物理学類第6回(リンク)
数学類第6回(リンク)

また、マクローリン展開を用いて行う方法については、
物理学類第7,8回(リンク)
数学類第7回(リンク)
にあります。

問題15-5
(解答)
(1) まず、関数 1/(1-x) のマクローリン展開
1+x+x^2+x^3+o(x^3)
を用いて、
\frac{1}{1-\sin x}=1+\sin x+\sin^2x+\sin^3x+o(\sin^3x)
となり、o(\sin^3x)=o(x^3) であるので、
\frac{1}{1-\sin x}=1+\sin x+\sin^2x+\sin^3x+o(x^3)
となります。また、

\sin x を3次の項までマクローリン展開すると、
x-\frac{x^3}{6}+o(x^3) であるので、これを代入すると、

1+(x-\frac{x^3}{6}+o(x^3))+(x-\frac{x^3}{6}+o(x^3))^2+(x-\frac{x^3}{6}+o(x^3))^3+o(x^3)

となり、これを整理すると、
1+x+x^2+\frac{5}{6}x^3+o(x^3)
となる。

(2) \log(x+1) のマクローリン展開は、
\log (1+x)=x-\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{3}+o(x^3)
です。よって、
\frac{1-\cos x}{x^2}=\frac{1}{2}-\frac{x^2}{24}+o(x^3)=\frac{1}{2}(1-\frac{x^2}{12}+o(x^3))
と展開できるので、これを上の式に代入して、
\log(\frac{1-\cos x}{x^2})=\log \frac{1}{2}(1-\frac{x^2}{12}+o(x^3))
=-\log 2+\log(1-\frac{x^2}{12}+o(x^3))
=-\log 2+(-\frac{x^2}{12}+o(x^3))-\frac{1}{2}(-\frac{x^2}{12}+o(x^3))^2+o(x^3)
=-\log 2-\frac{x^2}{12}+o(x^3)
と展開できます。

マクローリン展開については、
物理学類第7,8回(リンク)
物理学類第6回(リンク)
数学類第8回(リンク)
数学類第7回(リンク)
数学類第6回(リンク)

があります。


問題15-6
(解答)
(1) \frac{1}{1+x^4}=t として、積分を置き直すと、
x=(\frac{1-t}{t})^{\frac{1}{4}} となり、
dx=-\frac{1}{4t^2}(\frac{1-t}{5})^{\frac{-3}{4}}dt
であるので、これを代入して、ガンマ関数を用いて表すと、
\int_0^\infty\frac{dx}{\sqrt{1+x^4}}=\frac{4\Gamma(\frac{5}{4})^2}{\sqrt{\pi}}
となります。

(2) t=\sqrt{x-1} とする。このとき、x=t^2+1 であり、dx=2tdt であり、
\int_1^2\frac{1}{x+\sqrt{x-1}}dx=\int_0^1\frac{1}{t^2+1+t}2tdt
ここで、s=\frac{2t+1}{\sqrt{3}} とおくと、ds=\frac{2}{\sqrt{3}}dt であり、
\int_{\frac{1}{\sqrt{3}}}^{\sqrt{3}}\frac{\sqrt{3}s-1}{\frac{3}{4}(s^2+1)}\frac{\sqrt{3}}{2}ds
=\frac{2}{\sqrt{3}}\int_{\frac{1}{\sqrt{3}}}^{\sqrt{3}}\frac{\sqrt{3}s-1}{s^2+1}ds=\int_{\frac{1}{\sqrt{3}}}^{\sqrt{3}}\frac{2s}{s^2+1}ds-\frac{2}{\sqrt{3}}\int_{\frac{1}{\sqrt{3}}}^{\sqrt{3}}\frac{1}{s^2+1}ds
=\left[\log (s^2+1)\right]_{\frac{1}{\sqrt{3}}}^{\sqrt{3}}-\frac{2}{\sqrt{3}}\left(\text{Arctan}(\sqrt{3})-\text{Arctan}(\frac{1}{\sqrt{3}})\right)
=\log 4-\log\frac{4}{3}- \frac{2}{\sqrt{3}}(\frac{\pi}{3}-\frac{\pi}{6})=\log 3-\frac{\pi}{3\sqrt{3}}

(3) \int_2^3\frac{x+1}{(x-1)^2}dx=\int_2^3\left(\frac{1}{x-1}+\frac{2}{(x-1)^2}\right)dx=\int_1^2\left(t^{-1}+2t^{-2}\right)dt
=[\log t-2t^{-1}]_1^2=\log2-1+2=\log 2+1

問題15-7
面積の問題はやりませんでしたが、応用としてここで一問だけやっておきます。
(解答)
x=\cos^3\theta
y=\sin^3\theta
とパラメータ表示しておくと、dx=3\cos^2\theta(-\sin \theta)d\theta となるので、求める面積を S とすると、S は関数 y0 から 1 まで積分した値の 4 倍だから
S=4\int_0^1ydx=4\int_{\frac{\pi}2}^0\sin^3\theta3\cos^2\theta(-\sin\theta)d\theta
=12\int_0^{\frac{\pi}2}\sin^4\theta\cos^2\theta d\theta=12\int_0^{\frac{\pi}2}(\frac{1-\cos2\theta}{2})^2\frac{1+\cos2\theta}{2}d\theta
=\frac{3}{4}\int_0^\pi(1-\cos\theta)^2(1+\cos\theta)d\theta
ここで、\phi=\theta-\frac{\pi}{2}とおくと、
=\frac{3}{4}\int_{-\pi/2}^{\pi/2}(1-\cos(\phi+\frac{\pi}{2}))^2(1+\cos(\phi+\frac{\pi}{2}))d\phi
=\frac{3}{4}\int_{-\pi/2}^{\pi/2}(1+\sin\phi)^2(1-\sin\phi)d\phi
となります。ここで、積分区間が対称なので、奇関数は除いて考えると、
=\frac{3}{4}\int_{-\pi/2}^{\pi/2}(1-\sin^2\phi)d\phi=\frac{3}{4}\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\frac{1+\cos2\phi}{2}d\phi
ここで、\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\cos2\phi d\phi=\frac{1}{2}\int_{-\pi}^\pi\cos\varphi d\varphi
は、\cos x の特徴から、0 となります。
よって、
S=\frac{3}{4}\frac{\pi}{2}=\frac{3}{8}\pi
となります。

2017年8月2日水曜日

微積分I演習(数学類)(第14回)

[場所1E103(水曜日4限)]

HPに行く
manabaに行く

今回は、微積分I演習の総復習を行い、特に新しいことはやりませんでした。
これまでの微積分I演習の内容は、

  • 数列の収束
  • 三角関数・逆三角関数・双曲線関数・逆双曲線関数
  • 上限
  • 微分・ランダウの記号
  • 高次導関数
  • 関数の極限(ロピタルの定理)
  • マクローリン展開・テイラー展開
  • テイラー展開を用いた関数の極限
  • べき級数展開
  • 剰余項
  • 部分分数展開と有理関数の積分
  • 無理関数の積分
  • 広義積分(収束発散と求め方)
  • ガンマ関数・ベータ関数
でした。8/2に試験(もう今日ですが)をします。
これらの中の話題を計算問題中心に出す予定です。


最後に、定積分を一つ計算しておきます。

\int_0^1\frac{xdx}{\sqrt{x+\sqrt{1-x}}}
です。

これは鉄則どうり、t=\sqrt{1-x} と置きます。このとき、x=1-t^2 なので、dx=-2tdt であり、求める積分は、
\int_1^0\frac{1-t^2}{\sqrt{1-t^2+t}}(-2t)dt=\int_0^1\frac{2t-2t^3}{\sqrt{1+t-t^2}}dt
ここで、s=\frac{2t-1}{\sqrt{5}}とおくと
\frac{1}{2\sqrt{5}}\int_{-\frac{1}{\sqrt{5}}}^{\frac{1}{\sqrt{5}}}\frac{(3+\sqrt{5}s)(1-5s^2)}{\sqrt{1-s^2}}\frac{\sqrt{5}}{2}ds
また、s=\sin \theta とおき、a=\text{Arcsin} \frac{1}{\sqrt{5}} とおくと、
=\frac{1}{4}\int_{-a}^{a}(3+\sqrt{5}\sin \theta)(1-5\sin^2\theta)d\theta
=\frac{3}{4}\int_{-a}^{a}(1-5\sin^2\theta)d\theta
最後の等式は積分区間が原点で対称なので、奇関数の部分 \sin^3\theta,\sin\theta の部分
を除いた。
よって、これを積分してやると、

\int_0^1\frac{xdx}{\sqrt{x+\sqrt{1-x}}}=\frac{1}{4}\left(6-9\text{Arcsin}\left(\frac{1}{\sqrt{5}}\right)\right)
となります。