[場所1E103(月曜日4限)]
HPに行く.
今日から秋学期が始まりました。
トポロジー演習も始まりました。今日の内容は、
授業についてのガイダンスや成績のつけ方などと
(1) $d(x,y)\ge 0$、かつ $d(x,y)=0\Leftrightarrow x=y$
距離空間 $X$ において、部分集合 $A\subset X$ の内点、外点、境界点は
以下のようにして定義します.
また、
あたりまえだと思えることでも、
数学の命題は、定義に戻れば必ず証明することができる
ことを忘れてはいけません.自分の感覚で、いつもこうだから
では数学はできません.
HPに行く.
今日から秋学期が始まりました。
トポロジー演習も始まりました。今日の内容は、
授業についてのガイダンスや成績のつけ方などと
- 距離空間であることの示し方
- 開集合、境界点、内点
などです。初回はあまり解いてくれる人も少ない時もありますが、今日は、比較的多くの人が解いていたような気がします。解いた人の情報は、ホームページ上に
近々アップします。
ここでは今日の復習をします。
距離空間であること
距離空間であることを示す方法は、去年のものがありましたので、リンクさせて
おきます.去年やった同じ問題についての解説を書いています.
今日発表してくれた人も何人かいますね.
このページと、今日の解説を見ればわかると思いますが、
空間 $X$ と関数 $d:X\times X\to {\mathbb R}$ が $X$ 上で距離関数の性質を満たせば
$d$ が距離関数になり、$(X,d)$ が距離空間になります.距離空間の性質を今日説明した感じで書いておくと、
(1) $d(x,y)\ge 0$、かつ $d(x,y)=0\Leftrightarrow x=y$
(2) $d(x,y)=d(y,x)$、
(3) $d(x,z)\le d(x,y)+d(y,z)$
(3) $d(x,z)\le d(x,y)+d(y,z)$
となります.
さらに去年の同じページに、以前書いた、距離空間と位相空間についての関係について
も書きました.
距離空間や位相空間で何をするのかがわかると想います.
また、今日配ったプリントは、がなかったので、
来週は、トポロジー演習で使う用語集の方も作成して渡します.
内点、境界点、外点
今日のトポロジー入門の授業ではやらなかったようですが、問題を解いている人が
いたので、ここで先に説明しておきます.
ここで、中心を $x$ とし半径が $r$ となる球体
$$\{y\in X|d(x,y)<r\}$$
のことを、
$$B(x,r)$$
と書くことにします.この書き方は、共通なものではなく、本によっては、
$U(x;r)$ と書いたり、$B_r(x)$ や $B_x(r)$ などと書くこともあります.
どれも同じものです.
開集合
まず、$A\subset X$ が距離空間 $X$ の開集合であるとは、任意の $p\in A$ に対して、
ある $\epsilon>0$ が存在して、$p\in B(p,\epsilon)\subset A$ となるようにできる.
つまり、開集合とは、どのどの点でも、その点を中心とした開球体を内部に置く
ことができるということです.ある集合が開集合であることを示すには、
必ずこの定義に戻って考えます.
ちなみに、開球は、名前の通り、開集合です.
距離空間 $X$ において、部分集合 $A\subset X$ の内点、外点、境界点は
以下のようにして定義します.
内点
$p$ が $A$ の内点であるとは、ある $\epsilon>0$ が存在して、$B(p,\epsilon)\subset A$ となることをいう.
外点
$p$ が $A$ の外点であるとは、ある $\epsilon>0$ が存在して、 $B(p,\epsilon)\subset A^c$ となることをいう.
境界点
$p$ が $A$ の境界点であるとは、任意の $\epsilon>0$ に対して、$B(p,\epsilon)\cap A\neq \emptyset $ かつ $B(p,\epsilon)\cap A^c\neq \emptyset $となることをいう.
となります.今日、証明してくれたいたように、境界点は、距離空間の中で、内点でも外点でもない点ということになります.
最後に、
トポロジー(位相空間論)の演習は、発表中心に行いますが、どんな簡単な問題でも、
論理的に飛躍があったり、ごまかしたりするところがありましたら、どんどん突っ込んで
いこうと思っています.これまでの演習より厳しめかもしれませんが、そのような
演習を通して、位相空間論に限らず、ちゃんと証明できる技術を養っていければと思っています.
また、
あたりまえだと思えることでも、
数学の命題は、定義に戻れば必ず証明することができる
ことを忘れてはいけません.自分の感覚で、いつもこうだから
では数学はできません.
いかにして、数学の証明を書くか、発表をするかについての心構えについては、
去年のトポロジー入門演習のページに書きましたので、これについても
リンクしておきます.
トポロジー入門演習(第3回)の後半部分
この演習を通して、それらを身につけていってください.
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