[場所1E202(月曜日4限)]
HPに行く
今回は第7回目だったんですが、演習の予習をしている人が少なくなりました。
必ず自宅で問題を解くようにしてください。
開基
位相空間の理解のためには開基についてマスターする必要があります。
問題6-1
この問題をやっている人はあまりいませんでした。
(1) は $\mathcal{B}$ が $\mathcal{O}$ の開基であることの定義です。
(2) はそれと同値な性質です。
この言い換えは重要なので、是非とも理解していただきたいと思っています。
もし、$\mathcal{B}$ が $\mathcal{O}$ の開基である((1)を満たす)とします。
このとき、$\forall U\in \mathcal{O}$ とします。
$\mathcal{B}_U\subset \mathcal{B}$ が $U=\cup \mathcal{B}_U$ となる集合とします。
よって、$\forall x\in U$ に対して $V\in \mathcal{B}_U$ が存在して、
$x\in V\subset U$ となります。
逆に、$\forall U\in \mathcal{O}$ に対して、$\forall x\in V\subset U$ となる開集合 $V\in \mathcal{B}$
が存在するとする。
このとき、$\mathcal{B}_U$ として、そのような $V$ を集めた集合とします。
そうすると、$\mathcal{B}_U\subset \mathcal{B}$ であり、
$\cup\mathcal{B}_U=U$ となります。
最後の等式を一応示しておきます。
$\forall x\in U$ に対して $x\in V\in \mathcal{B}_U$ かつ $V\subset U$ であったので、
$x\in V \subset \cup\mathcal{B}_U$ 、つまり、$U\subset \cup\mathcal{B}_U$
であることはわかります。
逆に $x\in \cup\mathcal{B}_U$ であるとします。
このとき、$x\in V\in \mathcal{B}_U$ であり、$V\subset U$ であったので、
$x\in U$ が成り立ちます。よって、$\cup\mathcal{B}_U\subset U$ が成り立ちます。
基本近傍系
基本近傍系も位相空間において重要なものです。
まず、$x\in X$ に対して $V$ が $x$ の近傍であるとは、$x$ が $V$ の内点となることです。
$x$ の近傍全体の集合を $\mathcal{N}(x)$ とします。
$\mathcal{N}^\ast(x)\subset \mathcal{N}(x)$ が基本近傍系であるとは、
任意の近傍 $V\in \mathcal{N}(x)$ に対して、
$W\in \mathcal{N}^\ast(x)$ が存在して、
$x\in W\subset V$ となることです。
つまり、基本近傍系とは、いくらでも小さい近傍
(任意の近傍に包まれる基本近傍系に含まれる近傍)
が存在する近傍の部分集合ということです。
問題6-2は基本近傍系についての問題です。
距離空間の開集合 $U$ は、任意の点 $x\in U$ にある $\epsilon$ 球が包まれるので
$\epsilon$ 球全体は基本近傍系になります。
また、開基とは、問題6-1で言い換えたように、任意の開集合 $U$ に
対して、$x\in V\subset U$ となる開集合の集まりとも思えるので、
各点の開集合からなる基本近傍系集めてこれば開基になります。
準開基
準開基とはその有限共通部分をとったとき、開基となるものをいいます。
準開基の理解には、例をいくつかみることがよいと思います。
${\mathbb R}$ の開基とは、例えば開区間全体 $\{(a,b)|a,b\in{\mathbb R}\}$
がそうですが、開区間は、$(-\infty,b)$ と$(a,\infty)$ の2つの
開集合の共通部分となります。つまり、このような形の開集合の集合は
準開基になります。
また、${\mathbb R}\times (a,b)$ や $(a,b)\times {\mathbb R}$
のような開集合は、${\mathbb R}^2$ 上の通常の距離位相において準開基となります。
今回は第7回目だったんですが、演習の予習をしている人が少なくなりました。
必ず自宅で問題を解くようにしてください。
開基
位相空間の理解のためには開基についてマスターする必要があります。
問題6-1
位相空間 $(X,\mathcal{O})$ の $\mathcal{B}\subset \mathcal{O}$ について、以下の同値性を証明せよ。
(1) $\forall U\in \mathcal{O}$に対してある$\mathcal{B}_U\subset \mathcal{B}$が存在して $U=\cup\mathcal{B}_U$ を満たす。($\mathcal{B}$ が $(X,\mathcal{O})$ の開基であることの定義。)
(2) $\forall U\in \mathcal{O}$ と $\forall x\in U$ に対して $x\in V\subset U$ となる $V\in \mathcal{B}$ が存在する。
この問題をやっている人はあまりいませんでした。
(1) は $\mathcal{B}$ が $\mathcal{O}$ の開基であることの定義です。
(2) はそれと同値な性質です。
この言い換えは重要なので、是非とも理解していただきたいと思っています。
もし、$\mathcal{B}$ が $\mathcal{O}$ の開基である((1)を満たす)とします。
このとき、$\forall U\in \mathcal{O}$ とします。
$\mathcal{B}_U\subset \mathcal{B}$ が $U=\cup \mathcal{B}_U$ となる集合とします。
よって、$\forall x\in U$ に対して $V\in \mathcal{B}_U$ が存在して、
$x\in V\subset U$ となります。
逆に、$\forall U\in \mathcal{O}$ に対して、$\forall x\in V\subset U$ となる開集合 $V\in \mathcal{B}$
が存在するとする。
このとき、$\mathcal{B}_U$ として、そのような $V$ を集めた集合とします。
そうすると、$\mathcal{B}_U\subset \mathcal{B}$ であり、
$\cup\mathcal{B}_U=U$ となります。
最後の等式を一応示しておきます。
$\forall x\in U$ に対して $x\in V\in \mathcal{B}_U$ かつ $V\subset U$ であったので、
$x\in V \subset \cup\mathcal{B}_U$ 、つまり、$U\subset \cup\mathcal{B}_U$
であることはわかります。
逆に $x\in \cup\mathcal{B}_U$ であるとします。
このとき、$x\in V\in \mathcal{B}_U$ であり、$V\subset U$ であったので、
$x\in U$ が成り立ちます。よって、$\cup\mathcal{B}_U\subset U$ が成り立ちます。
基本近傍系
基本近傍系も位相空間において重要なものです。
まず、$x\in X$ に対して $V$ が $x$ の近傍であるとは、$x$ が $V$ の内点となることです。
$x$ の近傍全体の集合を $\mathcal{N}(x)$ とします。
$\mathcal{N}^\ast(x)\subset \mathcal{N}(x)$ が基本近傍系であるとは、
任意の近傍 $V\in \mathcal{N}(x)$ に対して、
$W\in \mathcal{N}^\ast(x)$ が存在して、
$x\in W\subset V$ となることです。
つまり、基本近傍系とは、いくらでも小さい近傍
(任意の近傍に包まれる基本近傍系に含まれる近傍)
が存在する近傍の部分集合ということです。
問題6-2は基本近傍系についての問題です。
距離空間の開集合 $U$ は、任意の点 $x\in U$ にある $\epsilon$ 球が包まれるので
$\epsilon$ 球全体は基本近傍系になります。
また、開基とは、問題6-1で言い換えたように、任意の開集合 $U$ に
対して、$x\in V\subset U$ となる開集合の集まりとも思えるので、
各点の開集合からなる基本近傍系集めてこれば開基になります。
準開基
準開基とはその有限共通部分をとったとき、開基となるものをいいます。
準開基の理解には、例をいくつかみることがよいと思います。
${\mathbb R}$ の開基とは、例えば開区間全体 $\{(a,b)|a,b\in{\mathbb R}\}$
がそうですが、開区間は、$(-\infty,b)$ と$(a,\infty)$ の2つの
開集合の共通部分となります。つまり、このような形の開集合の集合は
準開基になります。
また、${\mathbb R}\times (a,b)$ や $(a,b)\times {\mathbb R}$
のような開集合は、${\mathbb R}^2$ 上の通常の距離位相において準開基となります。