[場所1E503(月曜日5限)]
HPに行く
今回は、先週の線形代数の問題について担当した人に解いてもらいました。
線形代数II演習の内容をここでもう一度復習しておきましょう。
このような内容の復習は2年生の後期以降ではなくなっていきますので
注意して下さい。
今回の学生たちのハイライト
(1) \text{rank}(AB)\le \text{rank}(A)を示せ。
A の両側からある正則行列 P,Q をかけてやると、
PAQ=\begin{pmatrix}E_r&O\\O’&O''\end{pmatrix}
となります。ここで、O,O’,O’' は何らかのサイズのゼロ行列で、E_r は単位行列。
また、ランクは、両側から正則行列をかけても変わりませんから、
\text{rank}(AB)=\text{rank}(PABQQ^{-1}B)=\text{rank}(\begin{pmatrix}E_r&O\\O’&O''\end{pmatrix}Q^{-1}B)=\text{rank}(\begin{pmatrix}B’\\O’’’\end{pmatrix})\le r=\text{rank}(A)
となります。
(2) ベクトル空間の基底の定義をいえ。
ほぼできていたので省略します。
(3) 平面上の任意の3つのベクトルが1次従属であることを示せ。
(下)
(4) V,W をベクトル空間のとき \dim(V+W)=\dim(V)+\dim(W)-\dim(V\cap W) を示せ。
V\cap W の基底をv_1,\cdots ,v_r とする
V の基底を v_1,\cdots, v_r,a_1,\cdots,a_s
W の基底を v_1,\cdots, v_r,b_1,\cdots, b_t
今回注意すべき点もしくは次回以降にもう一度発表する点
(1)
上のランクの等式で、最後の \le r がうまく答えられませんでした。
これは、\text{rank}(\begin{pmatrix}B’\\O’’’\end{pmatrix}=\text{rank}(B’)
とでもしておいて、
「B’ の行ベクトルの数が r で、定義により行列のランクは行ベクトルの数を超えることができなので r 以下になる」
とでも答えればよいでしょう。
(3) {\mathbb R}^2 上の任意の3つのベクトルを選ぶところを、任意にとって
いなかった点がまずかった。問題文をもう一度読んで解く。
(4) 残すところは以下の点。
V+W の任意のベクトル v が v_1,\cdots, v_r, a_1,\cdots, a_s, b_1,\cdots, b_t の
1次結合で表されること。
(5) \supset の包含関係をいえばよいが、ベクトル空間の定義を使えば(思い出せば)明らかではないだろうか?
明らか・・・瞬時に言えるということ。言わなくても良いということではない。
また、V=\langle v_1,\cdots, v_r\rangle であることを示すのではなく、
(同じことではあるが....)
V の任意の元 v が \{v_1,\cdots, v_r\} の1次結合で表されることを言えばよいので
(基底の定義を思い出せ。)
V\supset \langle v_1,\cdots, v_r\rangle は本来は言う必要はない。
包含関係を示すという観点で始めてしまえば言う必要はある。
(7) 自分で用意した3つのベクトルのうち任意の2つがそれぞれ1次独立であることを
示すことが残りました。
示すべきこと(3つのベクトルが1次独立でないとき)
(i) ある3つのベクトルを用意する。
(ii) 3つのベクトルのどの2つも一次独立であること
(iii) 3つのベクトルが一次従属であること。
(i) と(iii) はできたが、(ii) が不十分だった。
例題として、「平面上の1次独立なベクトルの例をあげよ」という問題を与えたが、
答えられなかった。
(8) 表現行列の定義を知らなかった。
やるべきことは、{\mathbb R}[t]_2 の基底を選ぶこと。
v_1,\cdots, v_n をその基底とする。
このとき、
(f(v_1),\cdots ,f(v_n)) のそれぞれを v_1,\cdots, v_n の1次結合で表しておく。
f(v_i)=a_{i1}v_1+\cdots+a_{in}v_n と書くとすると、
(f(v_1),\cdots ,f(v_n))=(v_1,\cdots,v_n)\begin{pmatrix}a_{11}&\cdots&a_{n1}\\\vdots&\ldots&\vdots\\a_{1n}&\cdots&a_{nn}\end{pmatrix}
と書くことができて、この行列 (a_{ij}) を表現行列といいます。
発表方法に関して気づいた点
発表を兼ねそなえた授業の場合、
言われたことや問題として要求されていることに明確に答えるようにして下さい。
黒板に板書しただけで「わかりますよね?」
のようなニュアンスでこちらを見るだけなのもやめましょう。
また、1, 2年生の発表では、自分が理解していることをなるべく
アピールするようにして下さい。
式だけ書いて終わりではなく、どのように計算をしたのか?
論理展開も明確にしましょう。
最初は慣れないと思いますが、そのうち自分なりにやり方もわかってくると思います。
また、発表するときは、正しいと確信がある場合は自信を持って正しいと言いましょう。
あやふやなときや、聴衆に問いかけるような場合は、理解していないという
ことですから、もう一度考えてみましょう。
自信を持って正しいと言っても、こちらから見ると正しくない時がありますが
そのときは正しくないといいますので、どこが正しくないのかもう一度
考えてみて下さい。
HPに行く
今回は、先週の線形代数の問題について担当した人に解いてもらいました。
線形代数II演習の内容をここでもう一度復習しておきましょう。
このような内容の復習は2年生の後期以降ではなくなっていきますので
注意して下さい。
今回の学生たちのハイライト
(1) \text{rank}(AB)\le \text{rank}(A)を示せ。
A の両側からある正則行列 P,Q をかけてやると、
PAQ=\begin{pmatrix}E_r&O\\O’&O''\end{pmatrix}
となります。ここで、O,O’,O’' は何らかのサイズのゼロ行列で、E_r は単位行列。
また、ランクは、両側から正則行列をかけても変わりませんから、
\text{rank}(AB)=\text{rank}(PABQQ^{-1}B)=\text{rank}(\begin{pmatrix}E_r&O\\O’&O''\end{pmatrix}Q^{-1}B)=\text{rank}(\begin{pmatrix}B’\\O’’’\end{pmatrix})\le r=\text{rank}(A)
となります。
(2) ベクトル空間の基底の定義をいえ。
ほぼできていたので省略します。
(3) 平面上の任意の3つのベクトルが1次従属であることを示せ。
(下)
(4) V,W をベクトル空間のとき \dim(V+W)=\dim(V)+\dim(W)-\dim(V\cap W) を示せ。
V\cap W の基底をv_1,\cdots ,v_r とする
V の基底を v_1,\cdots, v_r,a_1,\cdots,a_s
W の基底を v_1,\cdots, v_r,b_1,\cdots, b_t
とすると
v_1,\cdots, v_r,a_1,\cdots,a_s,b_1,\cdots, b_t が
1次独立になることを証明する。
l_1v_1+\cdots+l_r v_r+m_1a_1+\cdots+m_sa_s+n_1b_1+\cdots +n_tb_t=0
が成り立つとすると、
l_1v_1+\cdots+l_r v_r+m_1a_1+\cdots+m_sa_s=-n_1b_1-\cdots -n_tb_t\ \ \ \ (\ast)
となり、右辺は W 左辺は V であり、
(\ast) のベクトルは V\cap W なので、v_1,\cdots, v_r の1次結合によって
書き表されるが、それを L_1v_1+\cdots+L_rv_r とすると、
それらの1次結合性から、任意のi で L_i=l_i かつ、m_i=0 がいえる。
よって
l_1v_1+\cdots+l_r v_r=-n_1b_1-\cdots -n_tb_t
だが、同じようにして、任意のi で n_i=0 がいえる。
l_1v_1+\cdots+l_r v_r=0
となるが、v_1,\cdots ,v_r は1次独立であることから、任意のi で l_i=0 がいえる。
(5) n 次元のベクトル空間 V の n このベクトルが1次独立であれば、それは基底である。
V=\langle v_1,\cdots, v_n\rangle を示せばよい。
\subset であること、
x\in V が x\not\in \langle v_1,\cdots, v_n\rangle とすると、
\{x,v_1,\cdots, v_n\} は1次独立である。
もし1次従属とすると、(c_0,c_1,\cdots, c_n)\neq(0,0,\cdots, 0) なる実数の組が、c_0x+c_1v_1+\cdots+c_nv_n=0 を満たすとする。
もし、c_0\neq 0 とすると、c_0 で全体を割って、
v_1,\cdots, v_n の項を移項することで
x\in \langle v_1,\cdots, v_n\rangle となるが、これは仮定に反する。
よって、c_0=0 となる、しかし、v_1,\cdots, v_n は1次独立であるから
任意の i で c_i=0 となる。これも仮定に反する。
\dim(V) には1次独立な個数の最大は n であるが、今、n+1 個の1次独立な
ベクトルがとれたのでこれも反する
よって、x\in \langle v_1,\cdots, v_n\rangle がいえる。
(7) 3つのベクトルのうちどの2つも1次独立であるとき、この3つのベクトルも1次独立であるか?
3つの空間ベクトルで、線形関係式のあるものを持ってきて、
それらが一次独立であることを示した。
(8) 2次以下の実多項式からなるベクトル空間 {\mathbb R}[t]_2 からそれ自身への
微分を元にした写像の表現行列を求めよ。
(下)
(1)
上のランクの等式で、最後の \le r がうまく答えられませんでした。
これは、\text{rank}(\begin{pmatrix}B’\\O’’’\end{pmatrix}=\text{rank}(B’)
とでもしておいて、
「B’ の行ベクトルの数が r で、定義により行列のランクは行ベクトルの数を超えることができなので r 以下になる」
とでも答えればよいでしょう。
(3) {\mathbb R}^2 上の任意の3つのベクトルを選ぶところを、任意にとって
いなかった点がまずかった。問題文をもう一度読んで解く。
(4) 残すところは以下の点。
V+W の任意のベクトル v が v_1,\cdots, v_r, a_1,\cdots, a_s, b_1,\cdots, b_t の
1次結合で表されること。
(5) \supset の包含関係をいえばよいが、ベクトル空間の定義を使えば(思い出せば)明らかではないだろうか?
明らか・・・瞬時に言えるということ。言わなくても良いということではない。
また、V=\langle v_1,\cdots, v_r\rangle であることを示すのではなく、
(同じことではあるが....)
V の任意の元 v が \{v_1,\cdots, v_r\} の1次結合で表されることを言えばよいので
(基底の定義を思い出せ。)
V\supset \langle v_1,\cdots, v_r\rangle は本来は言う必要はない。
包含関係を示すという観点で始めてしまえば言う必要はある。
(7) 自分で用意した3つのベクトルのうち任意の2つがそれぞれ1次独立であることを
示すことが残りました。
示すべきこと(3つのベクトルが1次独立でないとき)
(i) ある3つのベクトルを用意する。
(ii) 3つのベクトルのどの2つも一次独立であること
(iii) 3つのベクトルが一次従属であること。
(i) と(iii) はできたが、(ii) が不十分だった。
例題として、「平面上の1次独立なベクトルの例をあげよ」という問題を与えたが、
答えられなかった。
(8) 表現行列の定義を知らなかった。
やるべきことは、{\mathbb R}[t]_2 の基底を選ぶこと。
v_1,\cdots, v_n をその基底とする。
このとき、
(f(v_1),\cdots ,f(v_n)) のそれぞれを v_1,\cdots, v_n の1次結合で表しておく。
f(v_i)=a_{i1}v_1+\cdots+a_{in}v_n と書くとすると、
(f(v_1),\cdots ,f(v_n))=(v_1,\cdots,v_n)\begin{pmatrix}a_{11}&\cdots&a_{n1}\\\vdots&\ldots&\vdots\\a_{1n}&\cdots&a_{nn}\end{pmatrix}
と書くことができて、この行列 (a_{ij}) を表現行列といいます。
発表方法に関して気づいた点
発表を兼ねそなえた授業の場合、
言われたことや問題として要求されていることに明確に答えるようにして下さい。
黒板に板書しただけで「わかりますよね?」
のようなニュアンスでこちらを見るだけなのもやめましょう。
また、1, 2年生の発表では、自分が理解していることをなるべく
アピールするようにして下さい。
式だけ書いて終わりではなく、どのように計算をしたのか?
論理展開も明確にしましょう。
最初は慣れないと思いますが、そのうち自分なりにやり方もわかってくると思います。
また、発表するときは、正しいと確信がある場合は自信を持って正しいと言いましょう。
あやふやなときや、聴衆に問いかけるような場合は、理解していないという
ことですから、もう一度考えてみましょう。
自信を持って正しいと言っても、こちらから見ると正しくない時がありますが
そのときは正しくないといいますので、どこが正しくないのかもう一度
考えてみて下さい。