[場所1E101(水曜日4限)]
HPに行く.
今日は
収束半径の定義や、その基本的な内容については、前回のブログ(リンク)に書きましたのでここでは省略します.
ある、べき級数が収束半径 $R$ であるとは、$R$ より小さい任意の $r<R$ において、中心からの半径が $r$ において、級数が絶対収束するものです.
級数 $\sum_{n=0}^\infty a_nx^n$ の収束半径が $R$ とすると、この級数の項別微分 $\sum_{n=0}^\infty na_nx^{n-1}$ の収束半径も $R$ となります.
また、収束半径を求める公式があります.
$\limsup$ は、極限集合の中での最大のものと思ってください.
例えば、$\sum_{n=1}^\infty (-1)^{n-1}\frac{x^n}{n}$ は、$\log(1+x)$ の級数展開ですが、
この収束半径の公式を用いると、
$\sqrt[n]{\frac{1}{n}}=\frac{1}{\sqrt[n]{n}}$
の極限値を求めることになりますが、$a$ を $a>1$ なる実数とすると、
十分大きい自然数 $N$ に対して、$\forall n>N$ に対して、$1\le n<a^n$ となります.
(なぜなら、ロピタルの定理を用いて、$\lim_{n\to\infty}\frac{a^n}{n}=\lim_{n\to \infty}a^n\log a=\infty$ となりますので上のようなことが言えます.)
よって、
$\frac{1}{\sqrt[n]{n}}<\sqrt[n]{a^n}=a$
となり、任意の $1$ より大きい実数 $a$ に対して
$$1\le \sqrt[n]{n}<a$$
がいえる(ある自然数 $N$ が存在して $\forall n>N$ に対してこの不等式が成り立つ)ので、
収束半径 $R$ は、$R=1$ であることが言えます.
また、$\frac{1}{\sqrt[n]{n}}$ の収束先は簡単に下のように書くことができます.
$\lim_{n\to \infty}\log \frac{1}{\sqrt[n]{n}}=\lim_{n\to \infty}\frac{-1}{n}\log n$ となりますが、
ロピタルの定理から、この極限は $\frac{(\log n)'}{n'}$ と同じで、$\frac{\frac{1}{n}}{1}\to 0$ となります.よって、$\frac{1}{\sqrt[n]{n}}\to 1$ ということになります.
この公式だけで収束半径が計算できますが、他にも、授業中に紹介した収束半径を求める以下のような方法もあります.
すべての項 $a_n$ が non-zero であるなら、
$\sum_{n=0}^\infty a_nx^n$ の収束半径は、
$$\frac{1}{R}=\lim_{n\to\infty}\Big|\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\Big|$$
と計算できます.
逆に、収束半径の議論から数列の極限がわかることがあります.
簡単な例で言えば、$e^x$ のべき級数展開は、
$$1+x+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots$$
となり、収束半径は無限大ですが、つまり、
$\lim_{n\to \infty}\sqrt[n]{\frac{1}{n!}}$ が $0$ に収束することがわかります.
よって、
$$\sqrt[n]{n!}\to \infty$$
がわかります.
今日は
- べき級数の収束半径
について主にやりました.
収束半径
収束半径
収束半径の定義や、その基本的な内容については、前回のブログ(リンク)に書きましたのでここでは省略します.
ある、べき級数が収束半径 $R$ であるとは、$R$ より小さい任意の $r<R$ において、中心からの半径が $r$ において、級数が絶対収束するものです.
級数 $\sum_{n=0}^\infty a_nx^n$ の収束半径が $R$ とすると、この級数の項別微分 $\sum_{n=0}^\infty na_nx^{n-1}$ の収束半径も $R$ となります.
また、収束半径を求める公式があります.
公式27(収束半径)
級数 $\sum_{n=0}^\infty a_n(x-a)^n$ の収束半径 $R$ は、
$$\frac{1}{R}=\limsup_{n\to \infty}\sqrt[n]{|a_n|}$$
と計算できる.
$$\frac{1}{R}=\limsup_{n\to \infty}\sqrt[n]{|a_n|}$$
と計算できる.
$\limsup$ は、極限集合の中での最大のものと思ってください.
例えば、$\sum_{n=1}^\infty (-1)^{n-1}\frac{x^n}{n}$ は、$\log(1+x)$ の級数展開ですが、
この収束半径の公式を用いると、
$\sqrt[n]{\frac{1}{n}}=\frac{1}{\sqrt[n]{n}}$
の極限値を求めることになりますが、$a$ を $a>1$ なる実数とすると、
十分大きい自然数 $N$ に対して、$\forall n>N$ に対して、$1\le n<a^n$ となります.
(なぜなら、ロピタルの定理を用いて、$\lim_{n\to\infty}\frac{a^n}{n}=\lim_{n\to \infty}a^n\log a=\infty$ となりますので上のようなことが言えます.)
よって、
$\frac{1}{\sqrt[n]{n}}<\sqrt[n]{a^n}=a$
となり、任意の $1$ より大きい実数 $a$ に対して
$$1\le \sqrt[n]{n}<a$$
がいえる(ある自然数 $N$ が存在して $\forall n>N$ に対してこの不等式が成り立つ)ので、
収束半径 $R$ は、$R=1$ であることが言えます.
また、$\frac{1}{\sqrt[n]{n}}$ の収束先は簡単に下のように書くことができます.
$\lim_{n\to \infty}\log \frac{1}{\sqrt[n]{n}}=\lim_{n\to \infty}\frac{-1}{n}\log n$ となりますが、
ロピタルの定理から、この極限は $\frac{(\log n)'}{n'}$ と同じで、$\frac{\frac{1}{n}}{1}\to 0$ となります.よって、$\frac{1}{\sqrt[n]{n}}\to 1$ ということになります.
この公式だけで収束半径が計算できますが、他にも、授業中に紹介した収束半径を求める以下のような方法もあります.
すべての項 $a_n$ が non-zero であるなら、
$\sum_{n=0}^\infty a_nx^n$ の収束半径は、
$$\frac{1}{R}=\lim_{n\to\infty}\Big|\frac{a_{n+1}}{a_{n}}\Big|$$
と計算できます.
逆に、収束半径の議論から数列の極限がわかることがあります.
簡単な例で言えば、$e^x$ のべき級数展開は、
$$1+x+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots$$
となり、収束半径は無限大ですが、つまり、
$\lim_{n\to \infty}\sqrt[n]{\frac{1}{n!}}$ が $0$ に収束することがわかります.
よって、
$$\sqrt[n]{n!}\to \infty$$
がわかります.
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