今日は九九の話です.
この前、手習い塾に行ったときに話していた学生が言っていたこと....
$6\times 8$ は $7^2-1$ を計算すればよい.
すぐに何を言っているのか分かりませんでした.
もちろん正しいのは分かるのですが.
要は
$a(a+2)$ を計算するには、 よくある和と差の積 $(b-1)(b+1)=b^2-1$ を計算
するというわけですが.つまり、$a=b-1$ とするわけです.
つまり、九九のうち $6\times 8$ を知らなくても、$7\times7$ を知っているだけで
そこから誤差 $1$ を引くだけで計算できるということですが.
実際、九九は本当に81個覚えなければならないのでしょうか?
まず、掛け算の可換性が明らかだとすると、$(1+9)\cdot 9/2=45$ 個だけでいいのですが、
さっきのように、誤差がわかっていれば、$6\times 8$ は覚える必要はありません.
そうすると
$n\times(n+2)$ は $(n+1)^2$ から $1$ を引けばよいわけだから平方数 $n^2$ を
覚えていればよい.
また、偶数個離れていても、
$(n+m)(n-m)=n^2-m^2$ と 平方数が分かっていれば引き算すればよい.
$2\times 6$ や$3\times 9$ 等は、平方数より重要度が低いことになります.
例えば $2\times 6$ は、掛けているふたつの数 $2,6$の平均の $4$ の平方を計算し、
2数 $2,6$ の平均からのからのずれ $2$ の平方をとればよい.
つまり、$2\times 6=4^2-2^2$
同じように、$3,9$ の積に対しては、2つの平均の $6$の平方から、ずれの $3$
の平方の差を計算すればよい.
つまり、$3\times 9=6^2-3^2$ となります.
では、奇数個離れている積はどうすればよいでしょうか?
$n(n+1)$や$n(n+3)$はどうすればよいか?
しかし、2や 10は平方数の差を計算しても出てきません.
仕方がないから $n(n+1)$ も覚えましょうか.
そうすると、
$n(n+2m+1)=(k-m)(k+m+1)=k^2-m^2+k-m=k(k+1)-m(m+1)$
となり、全ての奇数の差の積は $n(n+1)$ の形の差として書けることがわかりました.
つまり、
$2\times 5=2(2+3)=3\times 4-1\times 2$ や
$3\times 8=3(3+5)=5(5+1)-2(2+1)$
などととなります.
つまり、掛ける2つの数の平均の整数部分 $n$ の $n(n+1)$ から $n$ と小さい方との差
$m$ に対する $m(m+1)$ を引く.
全ての整数の掛け算は偶数差か奇数差なので、$n^2$ と $n(n+1)$ を覚えていれば、
任意の $n\times m$がそれらの引き算で計算出来ることになります.
九九を平方数のところと、$n\times (n+1)$ のところを書いておきます.
この前、手習い塾に行ったときに話していた学生が言っていたこと....
$6\times 8$ は $7^2-1$ を計算すればよい.
すぐに何を言っているのか分かりませんでした.
もちろん正しいのは分かるのですが.
要は
$a(a+2)$ を計算するには、 よくある和と差の積 $(b-1)(b+1)=b^2-1$ を計算
するというわけですが.つまり、$a=b-1$ とするわけです.
つまり、九九のうち $6\times 8$ を知らなくても、$7\times7$ を知っているだけで
そこから誤差 $1$ を引くだけで計算できるということですが.
実際、九九は本当に81個覚えなければならないのでしょうか?
まず、掛け算の可換性が明らかだとすると、$(1+9)\cdot 9/2=45$ 個だけでいいのですが、
さっきのように、誤差がわかっていれば、$6\times 8$ は覚える必要はありません.
そうすると
$n\times(n+2)$ は $(n+1)^2$ から $1$ を引けばよいわけだから平方数 $n^2$ を
覚えていればよい.
また、偶数個離れていても、
$(n+m)(n-m)=n^2-m^2$ と 平方数が分かっていれば引き算すればよい.
$2\times 6$ や$3\times 9$ 等は、平方数より重要度が低いことになります.
例えば $2\times 6$ は、掛けているふたつの数 $2,6$の平均の $4$ の平方を計算し、
2数 $2,6$ の平均からのからのずれ $2$ の平方をとればよい.
つまり、$2\times 6=4^2-2^2$
同じように、$3,9$ の積に対しては、2つの平均の $6$の平方から、ずれの $3$
の平方の差を計算すればよい.
つまり、$3\times 9=6^2-3^2$ となります.
では、奇数個離れている積はどうすればよいでしょうか?
$n(n+1)$や$n(n+3)$はどうすればよいか?
しかし、2や 10は平方数の差を計算しても出てきません.
仕方がないから $n(n+1)$ も覚えましょうか.
そうすると、
$n(n+2m+1)=(k-m)(k+m+1)=k^2-m^2+k-m=k(k+1)-m(m+1)$
となり、全ての奇数の差の積は $n(n+1)$ の形の差として書けることがわかりました.
つまり、
$2\times 5=2(2+3)=3\times 4-1\times 2$ や
$3\times 8=3(3+5)=5(5+1)-2(2+1)$
などととなります.
つまり、掛ける2つの数の平均の整数部分 $n$ の $n(n+1)$ から $n$ と小さい方との差
$m$ に対する $m(m+1)$ を引く.
全ての整数の掛け算は偶数差か奇数差なので、$n^2$ と $n(n+1)$ を覚えていれば、
任意の $n\times m$がそれらの引き算で計算出来ることになります.
九九を平方数のところと、$n\times (n+1)$ のところを書いておきます.
$1$ | $2$ | $1\times 3$ | $1\times 4$ | $1\times 5$ | $1\times 6$ | $1\times 7$ | $1\times8$ | $1\times 9$ |
$2$ | $4$ | $6$ | $2\times4$ | $2\times 5$ | $2\times 6$ | $2\times 7$ | $2\times 8$ | $2\times 9$ |
$3\times 1$ | $6$ | $9$ | $12$ | $3\times 5$ | $3\times 6$ | $3\times7$ | $3\times 8$ | $3\times 9$ |
$4\times 1$ | $4\times 2$ | $12$ | $16$ | $20$ | $4\times 6$ | $4\times 7$ | $4\times 8$ | $4\times 9$ |
$5\times 1$ | $5\times 2$ | $5\times 3$ | $20$ | $25$ | $30$ | $5\times 7$ | $5\times 8$ | $5\times 9$ |
$6\times 1$ | $6\times 2$ | $6\times 3$ | $6\times 4$ | $30$ | $36$ | $42$ | $6\times 8$ | $6\times 9$ |
$7\times 1$ | $7\times 2$ | $7\times 3$ | $7\times 4$ | $7\times 5$ | $42$ | $49$ | $56$ | $7\times 9$ |
$8\times 1$ | $8\times 2$ | $8\times 3$ | $8\times 4$ | $8\times 5$ | $8\times 6$ | $56$ | $64$ | $72$ |
$9\times 1$ | $9\times 2$ | $9\times3$ | $9\times 4$ | $9\times 5$ | $9\times 6$ | $9\times 7$ | $72$ | $81$ |
九九のその他の表をそれらの差で書いていくと
$1$ | $2$ | $4-1$ | $6-2$ | $9-4$ | $12-6$ | $16-9$ | $20-12$ | $25-16$ |
$4$ | $6$ | $9-1$ | $12-2$ | $16-4$ | $20-6$ | $25-9$ | $30-12$ | |
$9$ | $12$ | $16-1$ | $20-2$ | $25-4$ | $30-6$ | $36-9$ | ||
$16$ | $20$ | $25-1$ | $30-2$ | $36-4$ | $42-6$ | |||
$25$ | $30$ | $36-1$ | $42-2$ | $49-4$ | ||||
$36$ | $42$ | $49-1$ | $56-2$ | |||||
$49$ | $56$ | $64-1$ | ||||||
$64$ | $72$ | |||||||
$81$ |
となり、見事に、その他の三角の部分は平方数の差や $n(n+1)$ の形の数の差として
表せることが分かりました.
よって、分かったことは、
定理
任意の自然数は平方数($0$も含めて)の差、もしくは、$n(n+1)$の形の数($0$を含めて)
の差として表せる.
特に九九の計算においては、平方数と $n(n+1)$ の数を覚えておけば、適当に差をとることで
全て求めることができる.